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外資の会議は15分 ~名著「トヨタの会議は30分」のさらにその先へ~ 欧州企業から学ぶ最新タイムマネジメント (全3記事)

会議は15分単位、“文字起こしだけの議事録”はNG… 生産的な組織文化を作る、欧州式打ち合わせ術 [2/2]

「自分との会議」の時間を作る

あとは、ウィークリーミーティングみたいなもの。その内容にもよりますけど、「毎日やる必要はないよね」「毎週いらないよね」というものがあると思うので、その場合はもう減らす。

ほかにも、「個人的に話せば済む会議に関しては個人でやってください」ということで、とにかく既存の会議は徹底的に最適化して、まとめられるものはどんどんまとめる。

そうすると何が起こるかというと、「自分との会議」と書いてありますが、自分が集中できる時間をとにかく2時間ぐらい、できれば3時間ぐらい作りたいんですけど、90分~2時間ぐらいの枠を1日の中でどんどん作っていくようにします。

集中して何かを作ったり、何かストラテジーを考える時は、人間はゾーンに入らないといけないので。もしここの間に30分会議があると、集中してゾーンに行っている時にパッと切れて、話をして、また戻ってきて、「あれ、何だっけ?」。そこからまたゾーンに戻るのに10分ぐらいかかったりするので、本当に効率がよくない。

それは自分だけじゃなくて、みなさんそうなります。集中できるものが一番の価値になると思うので、できるだけこの緑の枠を作っていく。

さらには今後、新しい会議を設定する場合は、この緑の枠の中でトピックごとに15分で設計していく。逆に15分の中で解決できるように資料をぎゅーっとまとめるか、論点をまとめる訓練をしていくと、チーム全体がだんだん左の状態から右の状態になっていくので、すごく効率的に回っていくようになります。

無駄な会議を断るカルチャーが必要

実際は慣れるまでにかなり時間がかかります。けれども、慣れてしまえば楽になります。1つのTipsとしては、会議中の発言です。「いや、この意見はちょっと違うな」とか、何か思うところがある場合はどんどん意見を伝えたほうがいいんですが、ありがちなのは、「私はこれはよくないと思う」で捨てちゃう人。それだと議論にならない。

なんで私は反対なのか、その理由をちゃんと伝えて「私だったらこれが理由だから、こういう解決法としたほうがいいんじゃないですか」と、必ず解決法とセットで発言するようにしています。

そうすることで、受けたほうも「なるほど、そういう理由だったら確かにそうだよね」と議論になるんですが、よくありがちなのは「いや、これはよくないと思う」「で?」という方。解決法とセットで発言していただくか、それができないんだったらその意見は無視になります。

それから会議を断る勇気ですね。日本人からすると「ノー」というのはかなり難しいな、最初は言いにくいなと思ったんですけれども。やはりそのチーム、部門の上の方が率先してやっていくと、周りの方たちはやりやすくなります。

まずはそのグループのトップの方たちが、本当に必要な会議は出るけど、必要がないものは出ないというマインドに変えていくと、周りも少しずつ変わっていくかなと思います。

良い準備が質の高い意思決定を生む

あとは、効率的な会議は、やはり他人の時間をもらって話をするということなので、準備が8割になります。

特に意思決定がなされる会議ですね。グローバルだと日本の役員会議だけではなくてリージョン会議、グローバル会議にも出ますが、私の場合は不動産部だったんですけど、だいたい日本や自分の部門の持ち時間は長くて15分です。

その15分で何をするかというと、進捗の報告と提案。「○○が問題だからこうしてほしい」。だから合意までを15分の中でやりきらなきゃいけないことになる。

やはりふだんから15分以内で「何が問題で、あなたに何をしてほしい、なぜならこうこうだから」という本質的な思考に持っていけるように、日々の会議を15分単位で組んでいくと、効果も出てくるかなと思います。

これらの効果としては先ほどの絵の中にもありましたように、まとまった時間が取れるようになります。そうすると、自分との会議、集中する時間が確保できる。自分の時間ができるということは、チームも個々の時間が取れてきて、それぞれの方たちが自分の時間に集中してすごく価値のある仕事ができるようになる。

そうすると仕事が早く終わる、もしくは価値のあるサービスが提供できて残業時間が減っていくことにつながると思います。そうするとチームとしてのアウトプットも向上しますし、生産性ももちろんアップするということです。

良好な人間関係こそ効率化の鍵

あとは、人間関係ですね。会議は結局人とやるので、人と人とのコミュニケーションです。特に15分単位で効率的に運営していくには、日々の良好な人間関係が必要になります。

会議中にはやはりいろんな問題があって、それが合意に至るまでの判断は、「この人との付き合いだからいいや」という感情ではなくて、「確かにこの投資はしたほうがいい」「いや、これはしないほうがいい」というかたちで、具体的なアウトプットベースで判断する必要があると思います。

ですが、たまに怒りを出したり怒鳴ったり、感情を出してしまう人がいます。

特に面と向かって目の前にいるんだったらまだいいんですけども、リモート会議で自分の顔を出さずに怒鳴る。黒い画面の中から怒鳴り声が聞こえるとかもあったんですけど、いや、もう出てこいと。ちゃんと自分の顔を出して目の前で言うんだったらいいですよ、と思いますので、やはり怒りの感情は、かなりコントロールしないといけないと思っています。

そういう人が出てきたとしても、この方はもうしょうがないというか、心理的な距離を置くこと。あと、その人が原因で議論自体に支障が出たり、ものが言えないようになった場合は、本当に効果的な会議の真逆にいっています。その場合は上司に即エスカレーションして、会議に支障が出ていると伝えることが必要になるかなと思います。

最後にチームですね。やはり1人では何もできません。周りのチームの方と一緒にやらないといろんなことが成し得ないので、まず基本的にはチームは守るもの。長時間労働とか非生産的な仕事のやり方を、個人ではなくチーム全体で改善していく。

心理的安全性が本質的な議論を生む

例えば昔から、欧州の人は定時ぐらいで帰っていて、日本人は長く働くところがあります。例えば1つのソリューションとしては、会議のあり方とか働き方を変えてみるのも1つの案かなと思います。

それから会議中は個人の考えを尊重して発言を妨げない。特に何かの議論で戦ったりディスカッションする場合は、その人の性格がどうこうではなくて、その人が言っている内容との議論です。やはり人間なので感情はいろいろありますけど、それはそれ、内容でディスカッションすることが必要かなと思います。

あとは特にチーム内ですね。もう心理的安心感が必要です。いろんなところで見てきたチームの中で一番悪いチームは、やはりトップダウンでトップが強すぎる。強すぎるというのは意見が強すぎて、チームの意見を聞かずに「いや、私はAと言っているんだからAにしろ」というチームだと、チーム全体の生産性がどんどん落ちていく。

やはり現場に出ている人の話をちゃんと聞く。なんでそう思うのかを担当の方が言ってくれることで本質的な議論ができると思うので、心理的安心感が必要かなと思います。以上になります。

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