ムダな会議を見極める3つのポイント　外資系企業に学ぶ「15分単位」打ち合わせ術 [2/2]

「会議のための会議のための、メールのための電話」

畠山：それから進捗報告会議。進捗がある場合は確かにしたほうがいいと思うんですが、ない場合はなぜやっているのか。もしかしたら意味がないんじゃないかというところもあります。

ブレインストーミングは、意見が出ない会議も時間の無駄になると思います。そしてチームビルディングですね。何のためにやっているのかという目標があるものと、なんとなくやっているものとが混在しています。研修、協議＆合意を得る会議もあると思います。

それから、そもそも参加しなくてもいいんだけれども、呼ばれたからとりあえず出る会議。5分で済む話をつらつらと永遠に語る人の話を聞く会議。

あとは、1to1ですね。上司とか部下の方とフィードバックをしたいという話の場合、一方的に詰められるだけの会議。これが30分は、かなりきついというところもあります。

それから、会議のための会議。さらに言うと、「会議のための会議のための、メールのための電話」とかいうのもあって、本当にビックリすることがありました。

あとは、読み合わせをするだけの会議。これは各自で読めばいいですよねという時間帯ですね。結果、15分で終わる話を、みんなの時間を30分ブロックしてやる会議。

そもそも会議をする必要があるのかを疑う

畠山：あとは、一部だけが関係することを参加者全員の前で協議する会議。「この間の時間、私が参加する意味は何だろう？」という時間もある会議ですね。もう決められているマネジメントやリージョン側への報告、問題提起もあると思います。

そういったことも含めると、けっこう生産的な会議と非生産的な会議が入り乱れている日々でした。なぜか会議の設定時間が30分か60分枠で、限られた業務時間で効果的に時間と人材のリソースを使っていないのかなというところがありました。

結局、会社員である以上、自分の人生をその会社のために働いているとして、蓋を開けてみると効率的ではなく、その結果、週末に働かなきゃいけないのはまったく意味がないなという状態でした。

そもそも「会議をする必要があるのか」に疑問を持ちました。広辞苑では会議について「何かを決めるために集まって話し合うこと」（とありました）。これが定義だとします。

そうすると、そもそも会議をする必要があるかというところで、まず問題としては非生産的な会議が入り乱れている。これをなくせば、ある程度の問題は解決する。

情報を伝えるだけでなくアクションを指示する

畠山：ということで、最初のフィルターとしてはこの内容ですね。非生産的なものをブレイクダウンすると、内容と時間と人がある。内容を見ると、そもそも会議をしなければいい。まずここが最初のフィルターです。

会議をしない。なぜならこの定義に含まれていないからです。例えば個人間で確認すればいい話をわざわざ会議でする必要はないよね。各自でチャットか電話か、ちょっと席に行って話すとかで終わってしまう。あと、メールで済むことはメールでやりましょう。

準備不足の会議は、そもそもやらないほうがいいと思います。実際に準備不足だけど、「定例だからやらなきゃ」と、とりあえず行ってプレゼンするんですけれども。それは本人だけが満足していて、周りからすると「進んでないじゃん」ということで、非生産的なんですね。人の時間を奪ってまで自分ができていないことを伝えるのはよくないので、準備不足だったらそもそもやらないほうがいいですよねということです。

そもそも進捗がない会議は、やらなくていいと思います。もしかしたら会議の頻度が多すぎるのかもしれないので、そこもどんどん減らす必要があるかなと。

情報シェアについてもよくやりがちなんですけれども、一番いい方法としては、情報をシェアした上で「だから○○さん、いつまでに何をやってね」と伝える。「私たちの部署は、いつまでに何かをしなければいけない」というアクション付きの場合は、会議をしてもいいと思うんですけど。特にアクションがない情報シェアは、配信者がその情報のサマリーもしくはポイントだけをパッパッパッと書いて送る。もうそれで十分だと思います。

「とりあえずの定例会議」は廃止

畠山：また、読み合わせの会議。音読のような時間は本当に無意味なので、個人でできますよね。あとはとりあえずの定例会議。チームミーティングとあるけども、何をしゃべるのかよくわからない会議、もしくはなんとなく出ている日々の会議もやめましょう。

最初のフィルターはそもそも会議をしない。徹底的にやらなくていい会議は捨てる。捨てるというか減らす、違う方法でやることにしました。

3つ目のトピックとしては、そもそも30分単位でやる必要はない。会議を15分単位で区切ったらどうなるかというところです。

問題として、先ほどお伝えした非生産的な会議の時間についてお話しします。特に日本企業に多いですが、30分枠もしくは60分枠が刷り込まれていると思います。

ただ、本当にそんなに長くいるのかな？　という会議がけっこうあるので、まず15分単位でやりましょう。15分単位で何をするかというと、時間を区切ること＝会議の目的とゴールをしっかりと区切ることになります。

ですので、例えば（スライド下部の）左のように30分会議、それから1時間会議をだらっとやるよりも、それぞれの内容をぎゅっと絞って、「今回はここまでを決めましょう」と事前に決めたものを集約する。15分でできそうだったら15分にする。60分単位だったら60分のものは45分にするなど、15分単位で組み立てるのもかなり効率的になるかなと思います。

会議前の準備はできているのか

畠山：それから一応ルールというか効率的にやるものとしては、遅刻厳禁です。遅れる場合は事前に言ってくださいねと。それから時間はすごく大事なので、遅刻者は待たずにどんどん進める。その会議中は全員が集中してやりましょう。たまに寝ている方もいらっしゃって本当にお疲れだと思うんですけども、そこはもうみんなのために出ないほうがいいと思います。

次ですね。非生産的な会議のうち、内容と人という切り口で見てみたいと思います。対策3としては、会議を行うための会議前の準備ですね。比率としては、会議前の準備がけっこう大事になるかなと思います。

まず招集する人は、この会議の目的とゴールをクリアにする。今日は協議なのか、それとも何かを合意したいのか、それとも誰かに何かを依頼したいのか、そもそも何のためにやるのかという目的。あと、今日は誰にタスクをお願いするかとか、A案・B案・C案があるけど、それをどうするかを決めるためとか。

今日の会議の目的をしっかり定義するということになります。また、目的が同じ会議や似たような人が出席する会議はもう全部まとめてしまう。

人に任せることも大切

畠山：3つ目ですね。これはけっこう多いです。オプションで参加する、入ってもいいし入らなくてもいいよという場合は、そもそも参加しない。本当に必要な人だけを招集するほうがいいと思います。

参加者全員にはその議題に対してフォーカスする。特にリモート会議になると、自分と関係ないなと思うと一応聞き流しながら自分の作業をするんですけど、それだったら出ないほうがいいです。会議に招集する人も、「そういう人だったらいなくていい」ということを徹底的にマインドセットする必要があるかなと思います。

プレゼン資料もかなり大事で、極力シンプルに、何が問題で、どうしたいのか、誰に何をしてほしいのかをシンプルに書く。けっこう難しいんですけど、それができればできるほど議論の確度が上がってくるので、すごく大事かなと思います。

呼ばれた人の側ですね。オプション参加はとにかく不参加。特にオプション参加ではないけど、この議題から「なんで私が行かなきゃいけないんだろう」と思ったら、まず、「なぜ私が出なきゃいけないのか」を聞いていただくのもいいかなと思います。

あとは、部署で2～3人呼ばれる時があります。他部署のところとか。内容次第では2人や3人で行く必要もないので、1人出ればいい。「この案件は私じゃないといけないな」「いやいや、もうお願いしちゃえばいいや」というところはチーム内で確認していただいて、もう人に任せる。2人で1人、3人で1人の会議はとにかく出ないということが、会議前の準備になります。