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みおりん流・学びが続く人生のつくり方(全6記事)

実は使える時間があるかも?忙しい大人のための「時間確保術」 東大卒・勉強法デザイナーが教える独学のコツ [2/2]

社会人にとって「毎日1時間の勉強」はハードルが高い

みおりん:続いては原因を特定しようというところです。さっき「理想と現実にギャップがあった方」と会場でうかがったところ、ほとんどの方がそうだったかなと思うんですが、その原因を探ってみたいと思います。

もしギャップがないという優秀な方は、それをキープできる方法をぜひ考えてほしいなと思います。なんで今はギャップない状態にできているのかという要因を考えて、ほかに勉強や仕事に関して抱えている課題があれば、それに活かす種にしていただきたいので、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです。

ワークシートの裏側の「原因を探ろう」というところを今からみんなで書いていきたいと思います。これもオンラインの方は紙に書いていただければ大丈夫ですので、ご安心ください。

原因の考え方についてヒントを3つお伝えしたいなと思います。1つ目は「必要以上に理想が高くないか?」。2つ目は「邪魔している思い込みがないか?」。3つ目は「ムダにしている時間がないか?」です。

1個ずつしっかりお伝えしようと思うんですが、まず1つ目の「必要以上に理想が高くないか?」です。ギャップの上の部分(理想)が高すぎるほうですね。「本当にそんなに勉強する必要がありますか?」って書いたんですが、例えば社会人の毎日1時間の勉強ってけっこうハードルが高いと思うんですよね。

もちろん目指すのはすごくいいし、現実的に可能な方はいいと思うんですが、そもそもそんなにできるか? そもそも必要があるのか? と、一度ちょっと疑ってほしくて。もちろん目標の勉強時間の決め方も自由なんですが、私としてはこう考えていますというのをお伝えすると、資格試験や学校の入学試験、受験勉強の場合はステップが3つあります。

まず初めに、試験本番までにやるべきタスク、参考書、問題集などを全部書き出して、各タスクにかかる時間を見積もります。できれば実際に何回か解いたりしてみて、平均を出していただきたいんですが、「だいたいこれぐらいの時間が必要だよね」という時間をなるべく正確に見積もる。そして最後に、本番までの期間をタスクの合計所要時間で割る。

そうすると、1日とか1ヶ月あたりどれぐらい勉強時間が必要なのかが理論上出るはずです。これを大きく超える時間を設定する必要はないですし、そもそもふだん確保できない時間を目標にしてはいけないということですね。

「本当に必要な勉強時間」を知ることが大切

みおりん:学生の子もいるのかなと思ったので(補足すると)学校の勉強の場合は、すごくシンプルなんですが、現在の成績に満足できていて、やるべきことがテストまでにすべてできている場合は、これ以上勉強時間を増やす必要はないですよね。なんなら減らしてもいいのかもしれない。

逆に現在の成績に満足できていなかったり、試験前やテスト前にやるべきことを終わらせずにテストが来ちゃっているといった場合は、やるべきことが終わる程度まで時間を増やす。

趣味の勉強をされている方もいらっしゃるかもしれないんですが、これはもう自分の心が満たされる勉強時間としか言いようがないんです。ただ、その時間をしっかり自分で考えるということですね。なので、なんとなくじゃなくて本当に必要な勉強時間を把握して、それを理想とするということを考えていただきたいなと思います。

もしも理想で書いていた時間が、実際にこれを理想とするべきじゃないかもしれないと思う場合は書き直していただくとか、後でチェックしていただくといいのかなと思います。

続いて2つ目は、「邪魔している思い込みがないか?」です。これもけっこうあるんじゃないかと思うんですが、例えばこんなことを思っていたりしませんか? 

「机に向かう時間が取れないから、勉強が今日できない」「勉強ができる日が少ない」「ランチは同僚のみんなと食べに行かないといけないから、その時間は勉強できないよ」「子どもの寝かしつけは自分がやるべきことだから、その時間は勉強できない」「食事は毎日自炊しなければいけないから、その時間は勉強は無理だよ」「毎日1時間は勉強しないといけないと思っているのにできていない」とか。

もちろん本当にそうなパターンもあると思うんですが、たまに思い込みのパターンもあると思っていて。例えば「机に向かう時間がない」というのは勉強できない理由にはぜんぜんならなくて、机以外でもできるし、移動中もできるし、お風呂でもできる。私は怠惰なのでベッドの上でやっていますが(笑)、そういうこともできます。

あとは「ランチは同僚と食べなきゃいけない」というパターンも、「今は勉強中なんだよね。ごめん、火曜日だけはちょっとやらせて」というふうにお伝えして、昼休憩を1人で過ごす日を作ってもいいかもしれない。

あとは子どもの育児や家事も、もしかしたらパートナーさんやシッターさんがやってくれるかもしれない。食事を自炊するというのも、お惣菜を1個ぐらい組み合わせてもいいかもしれないし、もしかしたら外食する日が週に1、2回増えたっていいかもしれない。

「毎日1時間勉強しなきゃいけない」というのも、さっきお伝えしたとおり本当は1日20分ぐらいでいいのかもしれない。「何々だから今は理想の勉強時間ができないよ」ということを言葉にしてみて、「でも、これって本当にそうかな?」って疑ってほしいんです。本当にそうな時はそれでいいし、そうじゃない時は何かできないのか考えてほしいなと思います。

“実は意外と使える時間”があるかも?

みおりん:そして3つ目は「ムダにしている時間がないか?」です。先ほど書いていただいた中に塗りつぶしていない部分があったと思うんですが、そこについて「机に向かって勉強できるな」という時間を実線で、「机に向かえないな」という時間を点線で書いていただきたいです。色ペンを何色か持っている方は、もちろん色で分けていただいても大丈夫です。

これをやると、「意外と使える時間ってまだあるんじゃないか?」「あれ? 時間がないと思っていたけど、だらだらしているだけだったぞ」みたいなことが、人によっては起こるかもしれません。みなさんは真面目でそういうことはないのかもしれないですが(笑)、私はこれのオンパレードです。

遠井:今までの3点のお話を聞いていると、かなり時間術的な部分も大きいんですね。

みおりん:そうですね。

遠井:時間をどう使うのかを、しっかりマネジメントし直してから取り組むってことですね。

みおりん:時間の使い方、自分の生活も見直しながらということです。例えば「だらだらしているところは、別に机に向かうこともできるよね」「昼食の時間も机には向かえないけど、何かできるんじゃない?」という感じです。

遠井:「一生懸命、集中してやらなきゃ」という考えが先にあると、「机に向かわなきゃ」という思いが大きかったり、「それがちょっとでもないなら(勉強は)できないよ」と思っていても、実はそうでもないぞということですよね。

みおりん:おっしゃるとおりです。

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