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『速読速聴・英単語シリーズ』【Z会】発刊25周年記念 第2弾 タカサカモト さんトークイベント(全5記事)

英語学習の秘訣は「横着」すること 挫折しない語学習得の戦略

Z会の『速読速聴・英単語シリーズ』発刊25周年を記念して開催された本イベント。本シリーズを教材として使用して、海外で活躍するトップアスリートへの語学指導経験を持つタカ サカモト氏が、英語学習の重要性や学習法について語ります。本記事では、「英語ができるようになった人」の共通点や、挫折しない語学習得の極意をお伝えします。

英語は「読みまくり、聞きまくる」

タカサカモト氏(以下、サカモト):ここまでの考え方の話をまとめると、要するに我々は「英語ができる=英語が話せる」だとけっこう強く思っているんですが、実際には4技能と言っているように、英語の技能には4つあるわけですよ。なんでその中から我々は「話す」だけを極端に大事にしているのか。

そりゃそうなんですよ。もちろん実際、言葉はしゃべるものだからしゃべることを重視する考え方も、「しゃべれるようになりたい」と願うことも当然のことですし、別に何もおかしくない。僕自身も、読み書き偏重の学校教育から「4技能を大事に」という考え方自体には何にも異論はないんですね。

ただその上で、だんだん経済も落ち目になってはいますけど、我々が今暮らしている日本では日本語という言語で普通に生活が成立する。大学レベルの学問を修めるには、英語を学ばなきゃいけないという制約があるわけではない。明治期に一生懸命翻訳してくださった人たちのおかげだなと思うんですけど。

という必然性がなかなか実感できない中で、英語をしゃべれるようになることを想像するのは容易ではないんですよね。なので、まずは英語がわかる人を目指しませんか? 

あとは、4技能を分ける時にインプットとアウトプットで1回考えましょうね。ということを、今日の視点としてお持ち帰りいただければというのが前半になります。

じゃあ、その考え方に立って学習をどうやって進めるのかという話なんですけども。だいたいこういうのは理論とか考え方のほうが、丁寧にかみ砕いて、こうやって知的な作業を進めていく必要があるんですよね。

要するに頭の中の自分のいろんな思い込みを外から客観的に見て、それをほぐして新しく変えることのほうが作業としてはけっこう難しいです。進め方になってくると意外とシンプルで、ここです、「読みまくり、聞きまくる」。

(会場笑)

「英語ができるようになった人」の共通点


サカモト:
そういうことになっちゃいますね。どれぐらい読みまくり、聞きまくるのかというと、最終的には、ある程度自然に覚えてしまうぐらい読みまくり、聞きまくるしかないですね。

「最終的には」と言ったのはどういうことかというと、そのプロセスの中で工夫の余地はいっぱいあるんですよね。要するに、今日は映画かもしれない、明日は歌かもしれない、あさっては「YouTube」かもしれない、その次の日は本かもしれない。何でもいい。

自分の場合は、自己紹介で「スペイン語もポルトガル語もしゃべれる」みたいなことを言ったので、「さぞ昔から語学のセンスをお持ちで」という風になっちゃったんですけど。僕は18歳まで鳥取にいたので鳥取弁しかしゃべれなかったんですよね。

最初に覚えた母語でない言語が東京の言葉ですね。周りの外国の人といえば学校のALT(外国語指導助手)の先生しかいなかったので、本当に鳥取弁しか使っていなかったんですね。という中で、一応英語がしゃべれるようになっているんですけど。

今思い返してみると、例えば東京で山手線とかに乗っていると、テレビの画面で「3分英会話」みたいなものをやっているじゃないですか。あと本屋さんの英会話コーナーの平積みになっている本のところでもちょっと英語クイズがあったりするんですけど。ああいうのも、僕はけっこう「ほぉ」とか思いながら、いちいち真面目に見ていたんですよね。

あるいは、当時はガラケーですけど、自分の携帯の言語設定を英語にするとか、日記は書ける範囲で英語で書くとか、もう何でもいいからとにかく英語という感じで、結局そこはもう人それぞれの話になっちゃう。

ただ、結局英語ができるようになった人に共通しているのは、ある程度自然に覚えてしまうくらい、読みまくり、聞きまくる。

単語を「覚える」を目標にしない理由

サカモト:なぜ「覚える」というのを書かなかったかというと、これを目標にすると、覚えられないからけっこうつらいんですよね。単語とかでもそうだと思うんですけど。例えば、「30個単語を覚えてみましょう」と。自分の場合は、翌日5個ぐらいしか出てこないんですよ。さらに翌日になるともっと出てこない。「新しい単語が出た」と思って辞書を調べたら(すでに)印がしてあるとか。

(会場笑)

サカモト:なので覚えること自体を目標にするのはすごく大変なんですよね。うちの長男は計算がちょっと苦手で、繰り上がり、繰り下がりに苦労して……。もう「13引く9は4」とかで覚えちゃえばいいじゃんと思うんですけど、なかなか大変で。

ただ、おととしから「野球が好きになった」と言うから、(埼玉西武)ライオンズ(の試合)に連れて行くようになったら、ライオンズの選手の背番号は完璧に覚えているんですよ。僕は「一緒に見に行っていたのになんで覚えていないの?」とか言われるんですけど。彼は結局、自然に覚えてしまうぐらい(選手)名鑑を見まくっていたんですよね。やはりそういうことかなと思います。

もうちょっと技術的な話をすると、自分の場合は「聴く→読む」、そして「音読・暗唱」するということです。ただ、この方法論に関しては、それこそ(本屋で)英語の棚に行ったら、もういろんな人がいろんな方法を書いていらっしゃる。どれがその人に合うかはもうわからないので、とにかく歩みを止めずに何でもいいから何らかのかたちで英語に触れ続けることに尽きるかなと思います。

ネイティブの子ども向けの絵本やTV番組から始める

サカモト:一応、今日はZ会さんのこのテキストが前提になっているイベントで、別に回し者だから来ているわけじゃなくて。もともとZ会さんのこの参考書のファンだった僕からZ会さんに電話をしたところから始まったご縁なので、信じていただいていいんですけど。

こちらのシリーズ(『速読速聴』シリーズ)は本当に良いです。どういうことかというと、これは左側に英文が載っていて、右側に日本語が書いてあるんですよ。同じような仲間で『速読英単語』というシリーズが(この会場には)あると思うんですけど。

ちょっと適当なページを開いてみてください。『速読英単語』も一緒で、左側に英文、右側に日本語訳が全部載っているんですよ。

一番自然なのは、ネイティブの子が覚えるみたいに覚えることなんですよね。となってくると、幼児向けの絵本とかからスタートして幼児向けの番組を見る。絵本になって、幼児向けの本になって、低学年用、中学生用と段階を踏む。

我々もそうだったじゃないですか。『ぐりとぐら』とかの絵本から始まって、絵と字のある本、字だけの本、読み仮名のない本というように徐々に徐々にステップアップしていったと思うんですけど。

本当はアレが理想なんですが、なかなか洋書も(値段が)高いですし、いちいち辞書で調べるのも大変なんですよ。辞書で調べなくてもどんどん読めばいいよという方法論も実はあるんですよね。それはそれである程度正しいんですけど、とはいえ辞書がなくて、わからないままでいるとつらい。

語学学習で大事なのは「横着する」こと

サカモト:という時に、語学学習において僕がすごく大事だと思っているのは、横着をするということ。そもそも真面目にやろうとしている人ほど挫折していると思っています。

僕は結果的に語学に関してはまあまあうまくいったほうなんですけど、ほかの人たちと比べて何が良かったかと考えた時に、一番これかなと思うのは、「めでたさ」ですね。僕は性格が「おめでたい」ので。比較的勉強が得意なほうではあったんですけど、とはいえ記憶力はあんまり変わらないから、賢さとか自己規律とかじゃない。

僕は今、韓国語をやっているんですね。「やっているんですね」って僕、今平気で言い放ったんですけど、「2025年は毎日1ページやる」と言って9日目で途切れているのに……。

(会場笑)

サカモト:「やっている」と言ったじゃないですか。このマインドがすごく重要。「韓国ドラマを見直した」とか「今日も1話見た」とか「おぉ、聞こえた、よし、今日もやった」という感じで僕は語学と付き合っているんですね。

もう生活上、仕事上必要となった時はガッといくと思うんですけど、生活の中で語学に親しむのはそういうことかなと思っています。韓国だと有名な桜ソングがあるんですけど、今4月だから僕は車に乗るたびにずっとそれを聴いていて、(語学学習を)「やっている」と言い切っているし言い張っているんですけど。

だから日本人はけっこう真面目。ブラジルとかに行くと、「日本語を知っている」とか言うやつが時々いるんですよ。「言ってみろ」と。「すし、刺身、友だち」とかね。

(会場笑)

サカモト:ふざけんなよって感じなんですけど。あと、ブラジルの人は柔道もよくやっている。「1、2、3、4(いち、に、さん、し)」とか言えるんですよ。それで彼らは、「俺、日本語ちょっと知っている」と言うんですよ。

でも、嘘じゃないじゃないですか。まあまあ、「知っている」じゃないですか。というぐらいのメンタリティで語学とは付き合ったほうがいい。

語学とは「チャラい付き合い方」をする

サカモト:あと、語弊のある言い方かもしれないんですけど、語学はちょっとチャラい付き合い方をするといいんです。僕は現実世界では人付き合いはそんなにチャラいほうだと思っていないんですけども、語学に関しては、いわゆる取っ替え引っ替え……ちょっと今日はイタリア語をかじってみぃの、韓国語をしてみぃの。

「もう君だけだ」みたいな真面目なテンションで同じ参考書をやっていたかと思ったら、急に違う本を「こっちが好きになった」とかあるんですよ。だからそういう意味では、語学に関しては非常にチャラチャラしているんですけども。ただ、結局何らかのかたちで(語学に)触れてはいるし、そんな自分をまったく否定していないので、それがけっこう重要かなと思います。

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