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“推し”の熱量をビジネスに!人を動かす「推し活マーケティング」とは(全4記事)

3年で急成長した「推し活マーケティング」 損得で動かない消費者に刺さる“推しの企業”という選択肢 [2/2]

推し活マーケと相性の良い製品

西川:例えばその企業さんがやっていることで、活動の一部がすごく環境にとっていいことであるとか、何かしらのソーシャルグッドになるところを社外の方に伝えてあげられると、その会社にとって推してもらえる要素になり得る、みたいな感じですかね?

多田:はい。まさにそうですね。「自社の推してもらえる要素は何があるんだろう?」と逆算して、広報・マーケティングを設計することかなと思います。

藤田:アプローチが右からいくのか左からいくのかみたいな、ほぼ同じような内容の質問になりますが、やはり広報がいろいろ考えていくところもあるとは思うんですが、そもそも応援されやすいブランドとかサービスがあったりするのかなと思ったんです。それこそ顔が見えるとか人肌を感じるとか、応援されるブランドやサービスに共通する要素ってあったりするもんなんですかね?

多田:はい。例えばtoCではなくて、まさにBtoBでやっている企業さんでも、応援されやすい人・ブランド・サービスは何かというと、この商品を売るとか作った目的が自社や自分のためではなくて、「こういう社会の課題に対して私たちはこのメッセージを伝えるためにやっているんだ」というところをはっきりと出されている会社さんですね。

より具体的なことを言ってしまえば、例えばそれを会社のサイトはもちろん、noteやSNS系のプラットフォームでも、そういう技術者の方が「こういう思いで作ったサービスなんだ」とか、エンジニアの方でも「こういう思いで日々コードを書いているんだ」とかを本当に顔出しで(情報発信することです)。

顔出しじゃなくてもイラストでも何でもいいんですけど、こういう人たちがやっていて、こんな思いであるということがやはりきちんと発信できているかどうかが、本当に企業にとって推されるか推されないかのポイントだと思います。

藤田:そうですよね。そこができているところとできていないところで、しばらくすると大きな差が生まれるというか、お客さんとの関係性は違うものになりそうですね。

多田:はい。まさにそうですね。

「感情のアプローチで響く層」を狙う

西川:企業のエンジニアの方やプロダクトを作っている側の人がよく「TikTok」に出てきて、「こういうサービスをやっていますよ」みたいな動画を見ることがあるんです。

確かに距離感は近いなと思いつつ、あんまり自分ごと化できないというか「へぇ、そうなんだ」で終わっちゃうことが多いんです。そういうところでできる工夫って何かあったりしますか?

多田:今回のテーマである推し活マーケティングでどんな層が取れるかで言うと、たぶんそれで「へぇ、そうなんだ」で終わらない層なんです。そういうところにすごく共感を持って消費するかどうか、選ぶかどうかを決める層を取っていくために推し活マーケティングがあると思っています。

「具体のコンテンツでこれがいいです」というのは、その企業さんが何をやっているかによって違うので、私がこの場で話しても若干違う部分が出てきちゃうかなと思います。

けれど、たぶん何をやっているかでけっこう違うとは思うので、「そうなんだ」で終わらないためには、「取りたいターゲットがどういう人たちなのか?」というところからコンテンツを逆算するといいのかなと思いますね。逆に言うと、そういう感情のアプローチで響く層です。

人間って3タイプいると思っています。数字とか、いわゆる損得、「今お得ですよ」と言われると選ぶ層と、「みんながこれを選んでますよ」とか、人とのつながりや感情で物を買うかどうかをすごく選ぶ層。あとは、「パーソナライズされている」とか「あなたのためにこれをしているんです」みたいな、「あなたのため」と言われると響くぞ、みたいな層。

たぶんこの3つの層があると私は思っているんですけど、推し活をしている人たちは2番目の「人とのつながりが欲しい」「人との感情の触れ合いをしたい」と考えている人たちなので、その人たちを取るには推し活マーケティングが効くというイメージを持っていただけるといいのかなと思っています。

企業アカウントの運営における注意点

西川:ありがとうございます。今のご質問に近いコメントがマキセさんから寄せられていますね。「企業のSNS運用において、ファンを増やそうとした結果、担当者の自我の部分が大きく出てしまい、ユーザーから冷ややかな目で見られたり、最悪の場合、炎上してしまう現象を見かけますが、そのバランスはどのように考えればよいでしょうか?」というご質問をいただいています。

多田:やはり自我ではなく「誰のために」とか「どういう社会にしたくてやっているのか」の発信が大事だと思います。今、私が話した「顔を出して発信しましょう」というのは、社員がTikTokをやりましょうという話ではまったくありません。そうではなく、本当に考えているビジョン・ミッションを伝えるためにやる目的と手段を間違えないことが大事なのかなと思います。

西川:推し活をする上でも、企業側の自我がすごく出ちゃうとか、買ってほしさみたいなのがあんまり出てしまうと、やはり顧客として取れる層に届いたとしても取れなかったりするんですかね?

多田:そうですね。たぶん押し売りではなく、本当に気持ちを伝えて、応援してもらうつもりでやるのがいいのかなと思います。

藤田:ビジネスでやっていて短期的な売上をKPIとして追いかけている場合、どうしてもそこが見え隠れしちゃいそうですね。

なので、そのあたりのKPIの持ち方も含めて、「推し活マーケティングをやるんだ」となった場合は、従来とはちょっと違う心持ちとアプローチをしないとバランスが悪くなってしまうケースが出そうだなと。今、自分で想像して、「あっ、ここがずれることはありそうだな」と思いました。

これは多田さんからすると「その部分ではこういくとバランス良くいけるよ」というのが見えていると思います。なので、まさにOshicocoさんに並走してもらうことがいいんだろうなと思うんですが、まさにこのマキセさんの質問のような悩みを持っていらっしゃる方はけっこう多くいらっしゃいます?

長期的な施策ではKPI設定が重要

多田:そうですね。弊社の推し活マーケティングの方向性は基本的に2つあります。IPのコラボ系で取っていく方向と、推し活という現象で取っていく方向でお仕事をしています。

短期的な売上を目標にする方は、やはりコラボ系ですね。もうファンの方がそのまま買ってくださるので、ここに課題を持たれている方はコラボ系がけっこういいかなと思います。

そうじゃなくてLTVを高めたいとか、あとは若年層に自社の商品・サービスがまったく届いていない課題がある時に、推し活という現象の中でマーケティングで顧客層を広げることができないかと考えたりだとか、そういう課題をお寄せいただくことが多いです。

BtoBの企業さんのファンを増やすみたいなところで言うと、たぶん推し活マーケティングの考え方自体は使えるんです。けれどKPIみたいなところでは、採用につなげるとか、あとLTVや企業さんとの関係性を保つためにはどうしたらいいのかとか、そっちになってくるのかなと思っていますね。

藤田:ありがとうございます。短期だったらコラボというのは、確かにそうだなと。コラボされると買っちゃうのもありますよね。なるほどですね。

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