Peatixが立ち上げたコミュニティ「Peatix Marketing Terrace」にて、Oshicoco代表の多田夏帆氏が「推し活マーケティング」について解説します。オタクとしての経験をビジネスに活かそうと考えたきっかけや、マーケターが押さえておきたい、推し活についての基本情報を紹介します。
新しいマーケティング手法を学ぶコミュニティ
藤田祐司氏(以下、藤田):Peatixの藤田祐司と申します。よろしくお願いいたします。
西川ハルミ氏(以下、西川):Peatixの西川ハルミです。どうぞよろしくお願いいたします。
藤田:この「Peatix Marketing Terrace」は、2024年3月に始まって毎月お送りしておりますが、ピーティックスをBtoB向けのサービスで使っていただく機会が多く、さまざまなマーケターの方と出会う機会も多いです。
今日のテーマでもありますが、特にコロナ禍を経て、かなりマーケティングの手法が変わったり、新しいやり方が生まれています。変化についていくのが大変だとか、どうマーケティングを捉えたらいいかわからないという質問を受ける機会がすごく多くなっています。
それならば、我々がつながらせていただいている経営者の方やマーケターの方にご登壇いただいて、その知見をシェアしていただき、みんなで学んでいく。そんなコミュニティを作れたらいいんじゃないかと始めさせていただいたのが、この「Peatix Marketing Terrace」となっております。
本日のテーマは「人を動かす推し活マーケティングとは」です。2年ぐらい前に生まれた手法ですかね。私が社会人になった頃には存在しなかったマーケティングです。どんどん新しい、良いアプローチが生まれていく中で、いろんなお話をうかがっていければと思います。
ということで、本編を始めてまいりましょうか?
オタク経験を活かして起業
西川:はい。ではさっそくゲストの多田さんをお呼びしたいと思います。株式会社Oshicoco代表取締役の多田夏帆さんです。多田さん、どうぞよろしくお願いいたします。
多田夏帆氏(以下、多田):よろしくお願いいたします。
藤田:多田さん、今日はありがとうございます。ぜひいろいろおうかがいしていきたいと思います。最初に、簡単に自己紹介していただけますか。
多田:あらためまして、株式会社Oshicoco代表の多田と申します。
私は大学卒業後にOshicocoという会社を立ち上げまして、今は4期目になっております。もともと大学時代からスタートアップでインターンの経験がありまして、その当時はライターをやっておりました。そこでSNS運用、ライティング、マネジメントを経験させていただいて、その経験を元にOshicocoを立ち上げています。
小学生くらいからもう本当にずっとオタクで、アニメ、漫画、アイドルはもちろんなんですが、日本史のオタクをずっとやっていました。新選組や戦国武将がすごく好きで、そういう聖地に巡礼したり、けっこうマニアックなものが好きなオタクという人生を過ごしてきました。
ライターの時に「情報発信のお仕事を通して社会を良くするアプローチはいろいろある中で、今の自分に一番フィットするやり方って何なんだろう?」と考えた時がありました。
私は情報発信が得意なのと、あと、これまでの推し活で人生がすごく良くなった、自分の世界を広げていただいたような経験をたくさんしました。
その経験を合わせて、好きなものを好きだと言える社会を作ることで、人々がより生きやすくなったり、自己肯定感を育んでいったり、いろんな人とつながれる社会にしていきたいなと思ってOshicocoを立ち上げました。
推し活グッズの需要がビジネスのヒントに
多田:よく聞かれるので先にお話ししておきます。私の現在の推しはタイの俳優さんで、大学生ぐらいからずっと応援しており、先週もタイに行っていました。海外の俳優さんの推し活をすることで、タイ語の勉強をしたり、英語の字幕でドラマを見なきゃいけないので英語の勉強もしました。
あとは同じものが好きな海外の友だちができたり、SNSで北海道の主婦の方と親友くらい仲良くなったりしました。
これまでタイに行ったこともなかったのですが、本当に推しがいなかったら絶対にしなかったであろうチャレンジや勉強、人とのつながりを、推し活を通してたくさん得ることができました。この経験を本当に広めたいなという気持ちを持って、日々お仕事をしています。

簡単に弊社の説明もさせていただければと思っております。Oshicocoは推し活をするファンと企業をつなげる企画とマーケティングの会社です。
もしかしたら最近、街中で推しの缶バッジをバッグにたくさんつけている女の子たちを見かけたことがある人もいるんじゃないかなと思います。あれは痛バッグと言いまして、推し活の必須アイテムなんです。
もともとは推し活情報を発信するメディアを運営していましたが、いわゆる応援グッズ、誰かを応援する時のうちわなどを作るブランドの運営からビジネスを始めました。
そこでフォロワーが伸びていくにつれ、いろんな商品の宣伝をお願いされたり、「共同で商品を作りませんか」「コラボレーションしたいです」という企業さんが増えていきました。
弊社だけではなかなか社会にインパクトがある商品の開発ってできないんですけど、いろんな企業さんと組むことで、より推し活文化を広めていく動きができるなと途中で気がつきました。
今もtoC向けのブランドもやっているんですけども、toBでエンタメ企業さん向けに、いわゆる推し活の対象になるような人たち向けの企画をやったり、グッズを作ったりというお仕事。
それと、いろんな推しの対象はあるんですが、そういった推し活の熱量を使ってマーケティングや商品企画をしたい方々に向けたご支援をしている会社になっています。自己紹介は以上になります。