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“推し”の熱量をビジネスに!人を動かす「推し活マーケティング」とは(全4記事)

“推しを大画面で見たい”という声が販促のヒントに 「推し活マーケティング」に学ぶ顧客開拓 [2/2]

半年で数万人のフォロワーを獲得

藤田:ありがとうございます。起業されたのって、やはりもう原体験があるんですね。呼び方として正しくない可能性がありますけど、日本史が好きということは、いわゆる歴女と一時言われていた方たちの属性になるんですかね?

多田:そうですね。小学生の頃、私の世代だと嵐やAKBが本当に流行っていました。それもぜんぜん好きだったんですけど、新選組隊士の墓参りをしたりとか博物館に行ったりとか、そういうけっこうニッチな推し活を当時からしていて。その経験の中で本当にいろんなことを学んで、人として成長させていただいたなと思っています。

ただ一方で、当時はまだ、オタクってちょっとマイナスに見られる経験もたくさんあったんですよね。「みんながアイドルを好きな気持ちと私が歴史を好きな気持ちってぜんぜん違わないのに、なんでこんなにわかり合えないんだ?」と思ったのが、実は最初のきっかけだったりします。

どんな推し活をしている人でも、共通して知りたい情報や共感している気持ちってあるよなとずっと思っていました。それをメディアにしたところフォロワーが半年ぐらいで数万人に伸びたので、「これは事業になりそう」と起業しました。

藤田:じゃあ、最初は特に事業化を考えずに活動していて、「あれ? (これは事業になりそう)」という感じだったんですか?

多田:そうですね。いろんなことがあったんですけど、最終的に起業することになったという感じです。

藤田:最初はtoCから入っていったんですか?

多田:そうですね。正直、大学を卒業したてで本当に何の経験値もなかったので、「まずは自分が欲しいものを作ろう」みたいなところからでした。

自分磨きや創作活動も含めて推し活

藤田:おもしろいですね。この「推しの世界」というのをぜひ詳しくうかがっていきたいなと思います。推し活マーケティングの説明の前に、まずは推し活の定義から入りますか?

多田:そうですね。推し活というとみなさんは「アニメを見ることやアイドルを熱心に応援することかな?」と連想されると思うんですが、それだけが推し活ではないというところをまず押さえていただければと思います。

弊社としては、この(スライドの)画面のとおりに推し活を定義していまして、「自分の推しを応援したり、推しのために自分磨きや創作活動をすること」が推し活だと思っています。推しの対象も、次元や性別を問わず、人やキャラクターだけではなく物を対象にすることもあると定義しているんですね。

自分磨きとは、例えば先ほどの私の「言語の勉強をした」という内面的な勉強・学習みたいな自分磨きもあれば、「単純に推しに会うためにきれいになりたい」みたいなところから自分磨きをする方もけっこういらっしゃいます。

あと創作活動だと、コミケが一番わかりやすい例だと思うんですけど、コスプレとか漫画とかイラスト、二次創作ももちろんですし、アイドル好きな方がうちわを作ったりとかもクリエイティブな活動だと思っています。

推しの熱量に影響されて、今までしたことがなかったチャレンジをするんですね。そこに消費が伴ってきているので、今、ビジネスの世界からもすごく注目されているんです。

まず推し活というのは、単純に「アニメを見る」「アイドルを応援する」だけではないんだというところを押さえていただければと思います。

「新撰組は大手寄り」

藤田:なるほど。先ほど(視聴者)コメントで「新選組は大手寄りなのでニッチではない」という……。

多田:確かにそうですね(笑)。幕末はけっこう大手ではありますね。当時小学生の女子だった私にはニッチだったんですけど、歴史好きからするとめちゃめちゃ大手ですね。

藤田:推しの世界で使う表現の、「大手」とか「ニッチ」って僕は初めて聞きました。

西川:確かに。

藤田:「ニッチ」はあるかなと思ったけど、「大手」という表現があるんだなと。そうしましたら、これが「推し活」の定義だと思うんですが、じゃあ、推し活とマーケティングがなぜつながっていくのか? イメージとしては、推し活って個人の方やコミュニティが自分たちの推しを考えながら活動していくことだと考えています。

そこがどのタイミングでマーケティングと出会って、ビジネスの世界で「すごく効果がある」「いい意味を持つ」みたいになっていったのか。多田さんはどこで自分の原体験にガコンとつながっていったか。そのあたりからおうかがいできればと思います。

誰かの「好き」を商品につなげる

多田:そもそも推し活マーケティングとは、今ご説明させていただいたような「『推し活』という活動の熱量をマーケティングに活かしましょう」ということですが、大きく2つのやり方があると思っています。

1つ目が「誰かの推し」ですね。それこそアイドルでもアニメでも、あとは最近、スポーツ選手も多かったりします。芸人さんなどエンタメ系もあれば、先ほどのような日本史のコンテンツもあります。あとは競馬が好きな方たちは馬をすごく推して、すんごい田舎の競馬場や牧場まで行かれたりしています。

本当に対象はそれぞれなんですが、誰かがすごく好きなものとコラボレーションしたりタイアップしたりするやり方が1つ目ですね。それによって、誰かの好きを認めるというか、ピックアップする機会になるわけですよね。

そうすると、好きなものへの愛情や熱量が、コラボ先の商品や会社にもつながります。これが1つ目のパターンかなと思います。なのでIPやコンテンツに基づくような方法が1つ目ですね。

“プロジェクターで推しを見たい”という需要を発見

多田:2つ目がIPやエンタメの領域に限らずに、推し活をマーケティングに活用するところです。

推し活をされている方って、スポーツの遠征とかコンサートを見に行くとかで、新幹線をすごく使ったりするんですよね。例えば、最近だと電車の会社さんがマーケティングに活用して、推し活をしている人たちに向けたキャンペーンをしたりしています。

あと、弊社のお客さんで最近多いのが家電メーカーさんです。例えばプロジェクターの会社さんは、これまでファミリー層に向けてしかマーケティングをしてこなかったんです。

ただ、推し活をしている人って、大画面でアニメやアイドルのライブ映像を見たいという需要があるので、プロジェクターをお家に欲しいと思っていたことがわかりました。

推し活をしている人たちが、その商品・サービスの新しい需要を勝手に見つけてくれて、その層にマーケティングしたところ新規顧客を獲得できたというパターンもあるんですね。

何かのコンテンツとコラボするやり方と、推し活の消費活動に自社のサービスや商品に入れ込んでいくやり方。大きく分けるとこの2パターンがあるんです。

やはりどちらも、推し活をしている人たちは、推し活に時間もお金も使って、推しに対しても推し活自体にもすごく熱量を持っています。本当にここ2年くらいかと思うんですが、そこがマーケティングに活かせると言いますか、話題になったのかなと思っています。

藤田:ここ2年って感じなんですね。

多田:そうですね。弊社は丸3年くらいやっている会社で、1年目の時はそもそも推し活という言葉がぜんぜん企業の方に伝わらなくて門前払いをたくさん受けていたんですけど(笑)。

本当に2年ぐらい前から風向きが変わって、「なんか最近、流行っているよね」と言っていただけるようになり、先進的な取り組みとして一緒にやらせていただけることが増えました。

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