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B2B Marketing Breakthrough(全4記事)

一定のところで頭打ちになる人と突き抜ける人の違い 三浦崇宏氏が語る、業界ナンバー1になるための2つのポイント [2/2]

営業とマーケ担当の間で起こる個別最適の問題


田部:それは型化の弊害で、型は基本的には細分化して、個別個別に磨いて、「誰でもできるようにしていこうぜ」という話になっていけばいくほど、本質の理解から遠のくというのと。全体感なく個別最適していくという。

つまりよくある話で、マーケティングと営業がいた時に、こっちは「とにかく問い合わせを取ればいいじゃん」と言って薄いリードを取ってくるんですけど、営業からすると、「こんなの来てもしょうがねえよ」という話で。ただ、どっちも問い合わせと受注というKPIを持っていると相反するみたいな。これは個別最適の問題があって。

三浦:大問題ですよね。

田部:そうそう。「だったらカンファレンスへ行って、自分で営業をしてくればいいじゃん」みたいな話があって。まさにGOさんとかクリエイティブの人がカンファレンスに出たり。僕も直接行っていますけど、そうするとすべてが統一してわかるじゃないですか。

三浦:見えますね。

田部:自分の事例として語れるし、そこで自分で話せるしみたいな。ということなので、BtoBだから自分の仕事はあると思うんですけど、ちょっと外に出て、別の仕事を何個かしてみると、相当視野が広がるんだろうなと思いますね。

BtoBの世界に閉じこもっている人が多い


三浦:
いや、めっちゃそうだと思います。僕と田部さんが、それぞれ別なかたちでお世話になっている、ファミリーマートのCMOの足立(光)さんという、本当に日本一のマーケターの1人がいますけど。彼が最初にファミリーマートへ入った時、店舗に立って、ファミマの店員をまずやってから始めたというのは、めちゃくちゃいい話だと思っていて。

これは足立さんも田部さんも僕も常々思っていることで、マーケターって究極の「なんでも屋」じゃないですか。パソコンの前に座って、会議室とパソコンの中だけで戦略を立てて、その戦略が全部うまくいって勝つみたいな、諸葛孔明みたいなイメージをしている方も多いと思うんですけど。

『キングダム』で言うところの昌平君か。軍総司令みたいな、戦場に出ないみたいな。あのイメージは大間違いですよね。どちらかと言うと、それこそ王騎とか、せめて言うなら李牧みたいな。やはり現場に行って、誰が買っているのか、誰が損しているのか。

それこそ現場の店員さんだったり、現場の営業だったり、現場でカンファレンスで伝えている人だったり。売りの現場、買いの現場、意思決定の現場で何が起きているのかを実際にたどって、自分でやってみて、うまくいく・うまくいかないをわかって初めて、戦場全部を見渡したリアルな戦略が立てられるという、そこのポイントはありますよね。

田部:そうですね。

三浦:だから今日、本当に「B2B Marketing Breakthrough」を見ているみなさんに関しては、それこそ自分の役割をブレイクスルーして、現場に行ったり営業のメンバーと話したりするのは、絶対やってほしいですよね。

田部:ですね。そのブレイクスルーも、結局インプットじゃないですか。だから、他の仕事をして業務のインプットをするもよし、まったく違う仕事のことを理解するもよし、BtoBなんだけどBtoCのことを理解するもよしということで。

僕もBtoBマーケティングの人と話すことが多いんですけど、BtoBの世界に閉じているんですよね。

こんなBtoBマーケターはダメ

三浦:あ、それ聞きたい。「こんなBtoBのマーケターはダメだ」っていうのはありますか?

田部:まずは、「BtoBはBtoCと違う。BtoBは個別の特有のものがあって」みたいなものがありますよね。あとは結局、個別最適していけば、「営業さえ強ければ売れる」みたいなものですね。それは一側面としては、正直あるんですよ。

三浦:もちろん、もちろん。

田部:何でも売ってくるやつとかいるので。という意味で、BtoBマーケティングとして、ある種、「営業さえ強ければなんでもいいじゃん」みたいなこと。3つ目は、一時期そうだったかもしれないですけど、最近やはり変わってきたなというのは、「いい機能さえ作れば売れる」みたいなことですね。

逆に言うと、「機能の話だけすればいい」みたいなものが、結局うまくいかないことが多いかなという。もうちょっとわかりやすい例でいくと、セミナーばっかりやっている会社はダメなことは多いですよね(笑)。

三浦:「セミナーばっかりやっている会社」って、どういうことですか?

田部:なんかBtoBってWebセミナーがたくさんあるじゃないですか。

三浦:いや、でも今みんなWebセミナーを見ているんだよ。

田部:いや、これはいいんですけれども、ある会社が毎週のようにセミナーをやりまくるみたいな。でも、セミナーをやると一定数人は来るので、「ふむふむ」みたいになるんですけど、だいたいあんまりうまくいかないですよね。ビジネスのインパクトがないのに、やった気にはめちゃくちゃなる。

三浦:だから、セミナーの回数がKPIになっていて、入会、登録、LTVをちゃんと追えていないみたいなことですか。

田部:だから、KPIマニアみたいなものは良くないかもしれないですね。KPIだけを追いかけるみたいな。これは重要なんですよ? 重要なんですけど、勝ちパターンが見えているでかい会社は、それだけ追い掛けりゃいいんですけど、たぶん今日聴いているのはそうじゃない会社の人が多いと思うので。KPIだけ追い掛けるんじゃなく、KPI以外のこともちゃんと考えないと、うまくいかないことが多いですよね。

三浦:そうですね。

KPIだけを追いかけて事業を俯瞰して見れない人

田部:まさにセミナーの回数がKPIになった時に、やって満足度4.5になってすごく良かったということになるんだけど、結局それが本当に理解されて売上につながっているのかというと、そうじゃなかったり。

三浦:それで上に何か言われた時に、「いや、自分は自分の役割を全うしています」「いやいや、お前の役割は物を売って、事業を成長させて、顧客を成長させることだろ?」という、そこの視野を持てていないということですよね。

田部:そうですね。

三浦:でも、そういうKPIしか見ないというか、本当に事業のことを俯瞰して見て事業成長にコミットできない人は、なんでそういう人間になっちゃうんですかね? 僕、そういう人間が生まれる理由がよくわからないんですよね。実際にいるけど。あれ、何なんですか?

田部:うーん、個別最適しちゃうということですよね。

三浦:転職しまくる人は、そういうところがあるのかな?

田部:でもやはり、大手になれば、それだけを追い求めて成果を出すフィールドもあるので。例えば、よくある話としては、大手の人がもうちょっと幅を広げたいから、スタートアップに行きます。そうしたら全部見ることになるんだけど、「ここしかやっていないのでわかりません」みたいなことで、問題になるケースがある。

逆に言うと、ここのKPIだけを追い続けたので、同じ小さい会社に来たら全部見ないといけないんだけど、ここだけを追い続けるみたいなケースもあったりするんですよね。

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