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B2BマーケティングにおけるSNS活用のリアル Bizインフルエンサーが拓く未来(全4記事)

失敗する企業SNSの始め方 本質をおろそかにしたSNSマーケで起こること [2/2]

“自社のプロダクトは、世の中に価値を届けているか?”

飯髙:そこはまさに、あったほうがいいように見えてしまう。なぜならば、隣の畑はめちゃめちゃ花が咲いているので。こんな話を聞くと、「じゃあ、いてくれたほうが楽じゃん」となってしまうとは思うんですけど。

ちょっとSNSのほうに下ろして話そうと思うんですけど、もちろん枌谷さんが言ったように、「誰に・何が」が前提と考えると、「そもそも自分たちのプロダクトって、世の中に価値が出ているのか?」という問いにすべてが集約されると思っていて。

仮に自社に人材がいなくて、「自分たちはあまりSNSに強くないんだよね」と思っていても、本当に提供しているプロダクトやソリューションが良ければ(投稿される)。例えばニューピークスさんもそうですが、こういう(イベントの)収録をやって、参加した人たちが勝手に投稿しますよね。

細沼:なるほど。確かに確かに。

飯髙:となれば、別に自分たちが力を持たなくても、提供しているものが本当に良ければ、実はSNSの中で自然に会話がされるんじゃないかという考え方もあるので。それは持つべきものなのか、持たなくてもいいのかみたいなこと。

結果的に「プロダクトが良くないと、そもそも結果が出ないよ」という前提で、その上で「他のチャネルも取り切ってしまっている。さてどうしよう」だったら、もう少しブレイクダウンして戦術まで落とす必要性はあります。でも、そこがないんだったら、実は他にもっとやるべきことがあるかもしれないよ、みたいな。

細沼:ありそう(笑)。

飯髙:SNSが魔法の杖みたいになっている。別にあったほうがいいのは間違いないけど、マーケティング全体で見れば1つの手法でしかないので、そういう捉え方はぜんぜんあるかなと思いますけどね。

SNSが効く業界、効かない業界の差

枌谷:ベイジの事業が大きく3つあって、ターゲットが全部違うんですよね。サイト制作はマーケティング担当とか、中小企業だと経営者とかが出てきます。採用サイトは、どちらかというと人事・採用担当で、業務システムのUIは、情報システム部寄りなんです。

BtoB × Web制作はわりとSNSが効きますね。採用・人事は、採用支援会社の人は効くけども、実際の採用担当はうちのことをあんまり知らない。

UX・UIの、要は社内システムとか業務システムとか、いわゆるSIerが牛耳っている世界にはほぼ伝わっていない。だから、いくら10万フォロワー近くいようが伝わらないゾーンはあるし、逆に伝わりやすいところもある。

そのどれが自分の顧客かを決めておかないと、ただ「うちもやらなきゃ」でやると、「え? うちの客はSNSを見ないよ」みたいなことになりかねないので、ここの考えを持っておくのはめっちゃ大事かなと思いますね。

隠れた競合がいるかもしれない

飯髙:確かに。逆に言うと、ニューピークスさんとかもイベントマーケを仕掛けていて、SaaS系ってSNSは多いじゃないですか。だけど、イベントマーケの機能を持っている組織も多くなっていますよね。

細沼:確かにそうですね。

飯髙:となると、どういう人たちに見られるといいのか。イベントマーケとの関係性が濃いことによって、実はSaaSの企業と顧客を食い合っている可能性もある、みたいなことも考えられるんじゃないか。もしかしたら攻める場所ってちょっと違うのかなと。今ふわっと考えているのでわからないですけど、そのねじれはある気がしますね。

細沼:何事もそうですけど、そこまで深く考えた上で、やる・やらないもそうだし、どうやるのかも考えないといけないですね。

枌谷:あと、僕の経験上は、エンタープライズはあまり効かない。社内に人的ネットワークがあって、信頼できる情報の共有が行われているんですよ。わざわざSNSの、信頼できる人かわからないところまで探しにいかない傾向があるので。

飯髙:本当に一人ひとり、ちゃんと会ってやっていかないと納得もしないので、それはあると思いますね。

枌谷:もちろんエンタープライズにいるけど見てくれる人もいますけどね。いるけど、中小・中堅企業ほど刺さらない感じがします。

飯髙:すごい、超まれですからね。いたとしてもなかなか難しいです。

枌谷:そうですね。意思決定権者じゃないとか、いろいろありますよね。

細沼:なるほど。おもしろい。

フォロワー数と事業貢献度は一致しない

飯髙:やはり見え方として、いたほうがいいのはそうなんだろうなと思いますけどね。逆に言うと、これは僕の実体験なんですけど、1万フォロワーがいるスタッフがいたとして、本当に事業インパクトがあるかというと、別にそんなにないんですよね。

それがあるから、めちゃくちゃ問い合わせが来るかというと、本当にケースによるので。そう見えていることはあるかもしれないですけど、実はそうじゃないケースもありますよと。

細沼:確かに。だから一番最初にあるのって、自分たちの事業をやっていて、そのお客さまが、本当にそこにいるのか。

飯髙:うん、まさに。少しだけ話をさせてもらうと、僕はライターさんと何人かつながりがあって、もちろんフォロワーが多くてすごそうみたいな人の記事を見にいくじゃないですか。その後、「なんか違うな」みたいなこともあるし。

でも、僕が今けっこうお世話になっている方とかは、フォロワーが1,000人ぐらいなんですけど、コンテンツがめちゃくちゃいいんですよ。だけどXがきっかけだと、最初は「フォロワーが多いほうだ」となったりするので。

枌谷さんも言いましたけど、「フォロワーが多いから頼んでいる」わけではないよねという実態はあるんじゃない? とは思いますけどね。

SNSをBtoBビジネスに活かすには

細沼:最後に、ブレイクスルーで、「SNSとか個人の力は事業成長に影響するのか?」みたいなところを、何か一言、お願いできますでしょうか。枌谷さんから。

枌谷:そうですね、SNSの効果は自分の経験としても感じているし、BtoBとSNSは、相性が良い領域ではあるんですけども、やはり誤解しちゃいけないのは、「SNSをやったからうまくいく」じゃなくて、マーケティングで上流の戦略をちゃんと立てているか、顧客が見えているか。メインの部分があって、やっとSNSがハマる話だったりします。

ここが曖昧だと、SNSでは解決できないと思うので、本質を見失わないで付き合うことを意識してうまく活用すれば、効果があるチャネルじゃないかと思いますね。

細沼:ありがとうございます。飯髙さんも、お願いします。

飯髙:そのとおりです。

(一同笑)

飯髙:でも、まさにそのとおりだなと思っていて。これはtoCのお客さまでしたけども、SNSを支援する時って、「経営やマーケティングの同義にSNSを入れた場合、どういうかたちになりますかね?」と、問い続けていたんですよ。

BtoBでも手法にブレイクダウンする必要はあるのですが、そこを一緒に並べてみてもおもしろいのかなと思います。

ただ、やったほうがいいのは間違いないんだけど、やれば伸びるものではないし、これをどう動かすかのほうが重要になっちゃうので。

例えばマーケティングにおいてもそうですよね。どう得たいかによって、マーケティングに落とさないといけないので、そこを履き違えないほうがいいと思います。

ただ、僕はSNSがずっと好きで、成長させてもらっているので、事業にインパクトがあることを信じていたいなというのが、最後の本音ですね。

細沼:ありがとうございます。また何か違う機会でセッションをさせていただけたらと思います。本日は本当にありがとうございました。

枌谷、飯髙:ありがとうございます。

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