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BtoBマーケは"やりきった"もの勝ち〜 施策の選び方&やり抜く組織戦略 〜(全5記事)

「PayPay」「Airペイ」に学ぶ、競合に勝てないサービスでも市場を取る方法 『マーケティングの全施策60』著者が語る、“穴場チャネル”とオフライン施策の可能性 [2/2]


マーケ・営業兼任者の役割の切り分け

小畑:では、ここからはQ&Aに移っていければと思います。残り5分ほどなのでテンポよくいきたいのですが、田中さん宛に質問が1件来ているので、こちらからお願いします。

田中さんが設定した歩留まりの受注率20パーセントは、何経由でのアポですか? また、以下のような場合、受注率を上げる打ち手を取るべきでしょうか?」とのことです。

田中:まず僕たちの想定している20パーセントというのは、紹介とアウトバウンドを除いた、インバウンド施策における平均的な受注率の指標として設定しています。

ご質問いただいた内容を拝見すると、紹介や代理店経由が50パーセント、アウトバウンドが2パーセント、インバウンドが20パーセントということでしたので、全体としては標準的な受注率に収まっていると思います。

もちろんホームページ経由のインバウンドでさらに5〜10パーセント向上の余地はあるとは思いますが、その分、難易度も上がりますので、無理にそこを改善しようとするよりは、リード数の最大化やアポ率の向上に注力する方向に切り替えてもいいと思いますね。

小畑:ありがとうございます。では、もう1つ、こちらも田中さんにうかがいたいのですが、「マーケと営業を兼任しているのですが、どちらも中途半端になりがちです。役割の切り分けってどうされていますか?」というご質問です。

田中:そうですね。SAKIYOMIでは、いわゆる「The Model型」で運用していまして、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスを分け、それぞれにKPIとして有効リード数、アポ数、受注数を持たせています。

ただ、これは組織の規模がある程度ないと難しい面もあると思います。SAKIYOMIでも立ち上げ当初は、代表と僕の2人でマーケとセールスを兼任していましたし、その中で僕がマーケとインサイドセールス、代表がインサイドとフィールドセールス、というようなかたちで分担していたんです。

なので結論としては、規模が大きければ役割で明確に分けて、KPIも分けて、さらにその連携を密に保つために、最低でも週1回の連携ミーティングを設定するのが理想です。

一方で、まだ立ち上げフェーズで2〜3人規模であれば、あえて厳密に切り分けるよりも、ある程度フラットに役割を持ち回りで回すほうが機動力も出ますし、成果に直結しやすいかなと思っています。

マーケ施策で上司の承認を取るための説得ポイント

小畑:では、残り時間的に最後にもう1つだけ、ご質問にお答えできればと思います。「上司に施策の重要性を説明しても、なかなか理解してもらえません。どのように説得していますか?」というご質問ですね。

まず僕のほうからお話しさせていただくと、やはり大事なのはシミュレーションを丁寧に用意してあげることかなと思っています。「この施策を実行すれば、たとえばSAKIYOMIさんのようにこれぐらいのリードが見込めますよ」といったかたちで、他社事例も交えて説明すると、上司の方も具体的なイメージが持ちやすくなると思います。

上司側としては、施策にコストをかけて失敗するリスクを恐れているというケースも多いので、「仮にうまくいかなかったとしても、損失はこの程度に収まります。一方で、成功した場合はこのくらいのリターンが見込めます」というように、損得のバランスを具体的な数値で提示してあげると、納得感が高まるのではないかなと思っています。

田中:僕もほとんど同じ考えですね。判断基準と撤退基準、あとは逆にアクセルを踏む基準。この3つを最初にしっかりセットで提示するようにしています。

例えば、「この施策はまずテスト的に20万円の予算でやってみたいです」と。で、「ここまで成果が出たら追加で50万円投資します。逆に、この数値を下回ったらここで打ち切ります」とあらかじめ伝えておくと、上司としても判断がしやすいんですよね。根拠と見通しをセットで提示するのが大事だと思います。

小畑:なるほど、ありがとうございます。では、お時間になりましたので、これにて本日のセミナーを終了させていただきます。ご参加ありがとうございました。田中さんも本日はありがとうございました。

田中:失礼いたします。

▼主催
株式会社Digital Arrow Partners

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