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第1470回 仕事に役立つABC『ボスマネジメントのコツ』(全1記事)

「合わない上司」とうまく付き合う3つのコツ 仕事がスムーズになる「ボスマネジメント」の極意

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。今回は、上司をうまく動かす「ボスマネジメント」のコツをお届けします。

上司をうまく動かす「ボスマネジメント」のコツ 

熊谷翔大氏:今日は「ボスマネジメントのコツ」がテーマです。長くこの水曜日の「仕事に役立つABC」を担当していますが、意外にもこのテーマについてはお話をしていませんでした。

ということで、多くのビジネスパーソン共通のお悩みである、自分のボス、つまり上司に対していかにうまく働きかけて、スムーズに協業していくか。上司をうまく動かしていくか。そんなテーマでお届けしていきます。

この「ボスマネジメント」、おそらく誰もが一度は悩んだ経験があるのではないでしょうか。私は比較的上司には恵まれたキャリアだなぁと思いますけれども、それでも悩んだ経験があります。

「人間的に合わない上司」とうまく付き合うには

世の中いろんなタイプの上司がいますから、日々のコミュニケーションの中でうまく意思疎通が図れなかったり、上司が思っていたことと自分の理解が違っていたり、そもそも「人間的に合わないなぁ」と感じてしまったり、いろんなパターンがあるかと思います。

私は、このボスマネジメントに関して、実はターニングポイントがありました。何かというと、20代前半の頃、まだ仕事もあまりできないし、精神的にもかなり若かったと思いますが、当時の上司と合わないなぁと感じて、事あるごとに嫌な表情を顔に出してしまっていたんですよね。

そしたら尊敬していた隣のチームの先輩に呼び出されました。「気持ちはわかるけど、上司とは絶対にうまくやっていかないとダメだよ」と厳しく言われました。そこでハッとさせられてから、心を改めました。

そこからいろいろ自分なりに工夫をしてきたつもりでして、そのおかげかわかりませんが、グロービスに転職してからも、周りの同僚から「上司といい関係を作るのが上手ですね」と言われたことも一度ではありません。

上司をうまく使って仕事を進める

このボスマネジメントを「別にあまり大事にしなくてもいいじゃないか」と思う方もいらっしゃると思います。

でも私の考えとしては、もしあなたがいい仕事をしたいのであれば、そして楽しく仕事を進めたいのであれば、やっぱり上司に対して自分からしっかりと働きかけて、つまりしっかりとボスマネジメントをして、うまく上司を動かしていくことは必要不可欠だと考えています。

部下が何を言っても、組織において権限を持っていたり、自分よりも関係者に顔が利いたりするのが上司ですから。言い方はあれなんですけれども、上司をうまく使って仕事を進めていく、そんなマインドセットは欠かせないと思っております。

前置きが長くなりましたが、みなさんが気になるのはボスマネジメントのコツっていったい何なんだということかと思います。

このコツというのは、唯一絶対の正解はありません。けれども、今日は私が日頃大切にしているボスマネジメントのコツを3つお話しいたします。「スピード」「コミュニケーションスタイル」「腹を割って聞く」。その3つがキーワードです。

一番大事なのは「上司のスピード感」についていくこと

まず1つ目ですね。上司のスピード感にしっかりとついていきましょう。なによりこれが一番大事なのではないでしょうか。

例えば、メールやチャットの返信のスピード。何か「資料を作っておいて」と頼まれてアウトプットするまでの期間。他にはお客さまに関わるやり取りの際の時間軸といったイメージで、スピードの感覚は人それぞれ微妙に違うかと思います。

反対に上司の目線から考えて一番辛いのが、思ったスピード感で部下から返ってこないことだと思うんですよね。

なぜかというと、部下・メンバーの人が今進めてくれている仕事がどういう状況なのか、悩んでいるのか、はたまた忘れてしまっているのかがわからないんですよね。そうなってくると、上司自らフォローもしづらくなります。

だからこそ仕事のクオリティよりも前に、まずはスピードが命だと思います。上司の方のほうがスピード感が速いということが多いんじゃないかなと思いますが、そこはぜひ必死に食らいついていきましょう。

そうすることで、間違いなく信頼に変わっていきますし、ボスマネジメントもしやすくなっていきます。最後は「あの上司はこういうスピード感だから、このタイミングで動くとちょうどいいな」みたいな感じで、いい意味でしたたかに考えて動けるレベルを目指しましょう。

上司が好むコミュニケーションスタイルを押さえる

2つ目のポイントですが、上司が好むコミュニケーションスタイルを押さえましょう。これはもうシンプルに、コミュニケーションを図る際に、テキストで書いて伝えたほうがいいのか、もしくは口頭で話すほうがいいのか。そんな感じで好みを捉えるようにしてください。

うまく上司をコントロールしようとするのであれば、自ら相手の好みに合わせてあげるイメージで動くことです。もちろん、このお話をすべてのコミュニケーションにおいてやっていく必要はないんですけれども、例えば重要な仕事とか、自分の中で「ここ一番だな」と思う場面においては、しっかり意識してコミュニケーションを図っていただけるといいんじゃないかなと思います。

上司が困っていることや要望を聞く

最後に3つ目ですが、上司が困っていることや要望を、腹を割って聞いてみましょう。これはどういうことかと言いますと、ボスマネジメントをうまくしようとするのであれば、上司が困っていることとか、こうしてほしいという要望に対してタイムリーに的確に答えていくことが欠かせません。

つまり、期待にしっかりと応えようとするのであれば、上司の考えていることをよく理解しないといけないんですけれども、なかなか黙っていても理解はできません。

だからこそ、日頃からコミュニケーションをしっかり図れていればいいんですけれども、そうでないなら、ぜひ上司に腹を割って聞いてみてください。

「こんな場面でどうするのがうれしいか」とか、「自分に対して『もっとこうしてほしい』という要望はないか」みたいな感じで質問をしてみる。そんな質問をされて嫌な気持ちになる上司はいないと思います。

特に今のご時世は、なかなか上司からいろんなことを話したり伝えたりしづらいと感じていらっしゃる方が多いと思いますので、ぜひやってみてください。

このポイントもぜひしたたかに考えてもらって、うまく上司の懐に入って、実は自分が上司を手のひらで転がしていく。そんなつもりで聞き出してみてください。

今日はボスマネジメントのコツについて3つポイントをお話ししました。何か1つでも参考になれば、今日から試してみていただけるとうれしいです。

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