「目標を決めてもいつも挫折してしまう」「やりたいことがあるけど時間がなくてできない」そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、『決定版 手帳で夢をかなえる全技術』著者の高田晃氏にインタビューしました。本記事では、着実に目標達成できる手帳術や、夢や理想を見つけるためのステップについてお届けします。
『手帳で夢をかなえる全技術』著者にインタビュー
——著書『決定版 手帳で夢をかなえる全技術』の中で、手帳を使うと「自分の人生を自らの手でデザインできる」と書かれていますが、高田さん自身は、手帳でどんなふうに人生を変えられましたか?
高田晃氏(以下、高田):端的に「こんなことを実現してきましたよ」というのを挙げますと、例えば僕が手帳を使い始めたのは二十歳の大学3年生の時でした。「将来どうしたいかな」と考えて、やりたいことを箇条書きで大小かまわずズラーッと書き出していった中で、自分的に一番大きかったのが、「起業する」ということでした。
後に「28歳までに起業する」って期日まで加えて掲げていたんですが、結果としては29歳で独立できました。
あとは、とあるビジネス書に影響を受けて手帳を使い始めるようになったのですが、「自分も人に影響を与えるような本を書きたい」という夢も実現できました。つい最近、自分の中では10冊目となる新刊(『とにかく早起き 自分を変える一番大事な習慣力』)を出すこともできました。
あとはもうちょっと違った観点で言いますと、「人前でうまく話せるようになりたい」とか、「人にものを教える仕事をしたい」という夢があったのですが、もともと「緊張しい」で人前で話すことがまったくできませんでした。
でも、おそらく100人ぐらいだったら、緊張することなく話せるぐらいまで克服できました。今は大学の非常勤講師の仕事をしていたり、自社でセミナーを開催して登壇したりしています。
仕事からプライベートまで、さまざまな夢を叶えてきた
——仕事だけではなく、「苦手なものを克服したい」とか「コミュニケーションがうまくなりたい」といった内面のところも変わっていったんですね。
高田:そうなんです。あとはプライベートで言うと、学生の頃から22〜23年、ずっとサーフィンをやっていまして。「サーフィンの大会で優勝したい」という、当時の自分からしたら身分不相応な夢も達成できました。それから、「都心に住みながら週2回以上サーフィンをするようなライフスタイルを確立したい」という夢もかなえて、今そんな生活をしています。
大小さまざまな「こうなれたらいいな」ということを手帳に書き記して、その実現のための行動計画を立てて、一つひとつ着実に実現してきたということなんです。
年収アップ、過去最高売上を更新…仕事で結果を出しやすくなる理由
——ありがとうございます。実際に高田さんの手帳術を実践された方のお声はありますか?
高田:はい、例えば年収が上がったという方は、何人もいます。僕は「手帳を使って自己マネジメントをしていきましょう」ということを提唱しているんですけれども、そうすると自分自身の行動のパフォーマンスが上がりますので、当然仕事では結果を出しやすくなります。
経営者の方やフリーランスで1人でビジネスをされている方は、自分自身のパフォーマンスが業績に直結しますので、「業績が向上した」とか「過去最高売上記録を更新しました」みたいな報告は、たくさんいただいています。
あとは、年収とか業績以外の部分で言うと、例えば転職などでキャリアアップに成功したとか、キャリアチェンジに成功したというケース。また、「うつ病で引きこもりの状態から社会復帰しました」という方。「離婚寸前の状態から、夫婦関係がすごく良くなりました」みたいなケースもあったりしますね。
手帳で自己実現するための3ステップ
——人生におけるいろいろな場面で成果が出ているんですね。書籍の中でも、「手帳は自分のありたい姿を実現するための自己マネジメントツール」だと書かれていました。手帳で自己実現をするためには、どんなステップが必要なのでしょうか?
高田:すごくシンプルにステップバイステップに分けると、3段階に分かれるかなと思います。まず自分が「どんな人生を歩みたいのか」「どういう姿を目指すのか」という、ありたい姿=夢を明確にするのがステップ1ですね。
ステップ2はその夢の実現に向けて、「じゃあまずこういうことを達成するといいよね」という目標を、年単位で立てるのを推奨しています。
例えば「3年後には独立したい」という夢だとしたら、「今年は○○の資格を取得しよう」とか、「今年1年間でいくら貯金を貯めよう」とか、「今年中に業界内の人脈を何人以上作る」とか。ステップ1で描いた夢の実現に向けて必要と思われることを洗い出して、「直近1年でどこまで達成するか」という目標を立てます。ステップ3では、「その目標を達成するために必要な行動」の計画を立てる感じです。
目標管理がしやすくなるガントチャート
——ステップ1で夢を明確にし、ステップ2で目標を設定し、ステップ3で具体的な行動を決めるということですね。これらを手帳に書いていくのでしょうか?
高田:そうですね。書き方は自分のまとめやすいかたちでいいかなと思っています。「目標はどういうふうに書けばいいですか?」というご質問をいただくことがあるんですけれども、普通にご自身が使っている手帳とか、もしくはノートの余白ページに箇条書きで書いてもいいと思います。
その箇条書きで出したものに対して、「じゃあ、この目標に対して何月に何をしよう」というのを余白に書いていくのでもいいですし。それをマンスリーのカレンダーにどんどん書き込んでいくのもありだと思います。僕の実物のものをお見せしますね。こういうふうにExcelで表を作って、1枚で見られるようにしています。

——これはどんな項目が書かれているんでしょう?
高田:これは縦に今年の目標が並んでいて、今年は12個目標がありますね。横軸では1月から12月まで割り振っていて、それぞれの目標に対してどの月で何をするかを書き出す、いわゆるガントチャートです。僕の場合は、これをA4用紙で印刷して穴を開けてシステム手帳に挟んでいます。
1年間の目標を立てたら、四半期目標に落とし込む
——表にすると一覧で見られるからわかりやすいですね。1年間の目標を立てた後で、それぞれの月で何をするかという目標に落としていくんですね。
高田:もっと言うと、僕は1年間の目標を立てたら、次に3ヶ月の目標も立てています。
よく会社とかでも四半期ごとに計画が立てられたりすることがあると思うんですけど、それと同じ感覚ですね。たぶん会社における四半期目標って、例えば第1四半期は売上がいくらとか、営業利益がいくらとか立てられると思うんですけども、それは年間目標から来ていると思うんですよね。
年間目標から四半期目標を立てて、「その四半期目標を踏まえて、今月はこれをやろう」と、月間目標に落ちるというイメージです。それで、月間の次は1週間の目標を立てて、それを実行するのがデイリーの目標というふうに、僕は自己管理しています。
「やりたいことがわからない」人のための、夢や理想の見つけ方
——なるほど。週間やデイリーのスケジュールの書き方については、このあと詳しくおうかがいできればと思います。先ほどステップ1のところで、「ありたい姿=夢を明確にする」というお話がありましたが、そもそもやりたいことがなかったり、「将来に漠然とした不安はあるけど、具体的にどうしたらいいかわからない」という人も多いように思います。そういった場合はどうしたらいいのでしょうか?
高田:やはりなかなか自分の将来像が描けないとか、自分が何をやりたいのかわからない人は多いですよね。その場合は、3つの観点でご自身がやりたいことを書き殴っていただくのが、お勧めの方法です。3つの観点とは「欲しいもの」「やりたいこと」「なりたい状態」ですね。
「欲しいもの」とは、例えば「3LDKの新築マンションを買いたいな」「新しい車を買いたいな」「こんな春服を買いたいな」とか。2点目の「やりたいこと」は、「〇〇に旅行する」とか「田舎暮らしをする」という、体験したいこと。
3点目の「なりたい状態」は、例えば「年収いくらになりたい」「英会話ができるようになりたい」「10キロ痩せてドレスが似合う体になりたい」「料理上手になりたい」とかですね。
4つの時間軸に振り分ける
——なるほど。「こんなの無理だろうな」といったフィルターをかけずに、いったんイメージしたことをバーッと書き出してみるんですね。
高田:はい。もうちょっと突っ込んでお話しさせていただくと、今3つの観点でリストアップしたものを、表に落とし込んでみるのもお勧めしています。1年後、3年後、5年後、10年以上先という4つの時間軸で、「今リストアップしたものを、じゃあ、いつ実現したいですか?」というふうに振り分けていく。

例えば「車が欲しい」というのがあったら、じゃあ、車は1年後に欲しいのか、それとも3年後なのか5年後なのか、10年以上先なのか。「3年後には欲しいな」と思ったら、表の3年後のところに入れておく。
3LDKの新築マンションが欲しいのだとしたら、「それはいつだと理想的か?」と考えて、「ちょっと直近は現実的じゃないから、10年ぐらい先かな」となったら、10年以上先のところに入れておきましょう、という感じです。
必ずしも表にしなくてもいいのですが、時間軸に落とし込むということですね。10年先までの自分のやりたいことを決めておくという意味で、これを僕は「10年ビジョン」と呼んでいます。
これをすると、例えば「5年後には自分はこういう状態になっていたいんだな」というのが可視化されていきますので、それをもとに、「じゃあ、今年1年はこういうことを達成しよう」ということで目標に落としていきやすくなります。
——夢や目標を可視化することで、達成するビジョンも湧きやすくなって、モチベーションも上がりそうですね。ありがとうございます。
関連サイト:
『決定版 手帳で夢をかなえる全技術』『とにかく早起き 自分を変える一番大事な習慣力』