CLOSE

片付けパパ対談【特別編】 整理術×行動術×メモ術で、仕事も人生も自在にデザイン!(全3記事)

A4用紙を持ち歩いて殴り書きでアウトプット コクヨのワークスタイルコンサルタントが語る、2種類のメモ術

「もっと効率的に仕事をこなしたい」「仕事もプライベートもバランスよく過ごしたい」という人に向けて開催された本イベント。目標実現の専門家の大平信孝氏と、コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタントの下地寛也氏、資格ソムリエ(R)の林雄次氏をゲストに迎え、「整理術」「行動術」「メモ術」を組み合わせた実践的な手法について語られました。本記事では、「インプット」と「アウトプット」の2種類のメモ術と、下地氏が実践しているアウトプット法について語りました。

メモ術には「インプット」と「アウトプット」の2種類の目的がある

大村信夫氏(以下、大村):では、ちょっとメモ術にいきましょうか。

下地寛也氏(以下、下地):『「しやすい」の作りかた』の前に『考える人のメモの技術』を書いたんですよ。さっき言ったように、僕はコクヨっていう会社出身だったので、編集者から何度か「メモ術を書いてください」と言われていて、ずっと逃げていたんですよね。ダイヤモンドの市川(有人)さんっていう編集の方だったんですけど。

大平信孝氏(以下、大平):有名な方ですね。

下地:『情報は1冊のノートにまとめなさい』という大ベストセラーの編集の方ですね。「あっ、この人に編集してもらったらひょっとしたら売れるかもしれない」と、よこしまな気持ちが出て書いたんですが、4年かかりました。

大平:やはりそれくらいかかりますよね。

下地:10万字を書いて、出して、バツを食らって。また10万字を出して、バツを食らって。3回目でやっと出たんです。

大平:よく諦めなかったですね。

下地:本当に、11冊の中でこれが一番苦しかった。

大村:(笑)。

大平:なぜ諦めずにリトライされたんですか?

下地:何だろうな、メモ術って2種類あるって知っていますか? 大きく言うと、情報をインプットするためのメモ術と、アウトプットのメモ術です。『情報は1冊のノートにまとめなさい』もたぶんインプット型なんですね。『メモの魔力』もたぶんそうです。

他方、『ゼロ秒思考』という本がありますけど、あれはアウトプットのメモ術なんですよ。

大平:なるほど、そうか。

アウトプットはA4用紙に殴り書きでいい

下地:人のノートを見て「下地さんのノート、きれいですね」って言われたりするじゃないですか? あれ、何なんだろうなと思って。ノートをきれいに書くのか、殴り書きでいいのかっていう問いと……大前研一が「ノートが小さいのは、脳みそが小さくなるぞ」って言っています。

大平:なるほど。

下地:インプットを中心としたノート術とアウトプットを中心としたノート術は、流派が違うんですよ。インプットはきれいに丁寧に書いていいし、ノートが小さくてもいい。アウトプットは殴り書きでいいんですよ。それがスパンとわかって、本の中で書いたら、「あっ、おもしろいですね」と言われて……4年かかりました。

大村:それに4年。

下地:はい、そうです。というのがこのメモ術(『考える人のメモの技術』)です。(小さく畳んだ紙を広げながら)今はこういう(感じでメモしています)。

大村:見てください。これ、A4用紙なんですよ。

大平:おもしろいです。

下地:字が汚いので、こんなんです。ノートだと汚い字で書くので、見返すと自己嫌悪になるんですよ。これだったらA4の紙だからいいと思って、歩きながら思いついたことを書いて、会社に着くと……何を書いているかわからないと。

(一同笑)

下地:これがお勧めの方法です。

大平:これ、コピーも取りやすそうですね。

下地:そうなんです。これは図なんですけど次の本はこうしようとか。

下地氏の次のテーマは「社内コミュニケーション」

大村:えっ、次はどんな本を書くの?

下地:社内コミュニケーションをする時に、会社のルールを無視しても絶対うまくいかないよっていう本。

(一同笑)

大平:ちょっと今ハテナが。

下地:林修さんとUSJを立て直した森岡毅さんの対談で、林修さんが言っていたんですよ。「みんな、変数と定数の、定数を変えようとして死んでいる」って。良いこと言うなと思って。社内コミュニケーションも同じなんですよね。そこに文句を言ったって変わらないだろうってところに文句を言う人がめちゃめちゃ多いんです。

大平:そうですね、確かに。

下地:だから、社内コミュニケーションの本なんだけど……なんか脱線してますけど、これでいいのかな。

大村:大丈夫です。

下地:そこはもう会社の暗黙のルールだからいじってもしょうがないのがここだよと。例えばあなたが評価されないのはこういうことだよとか。上司が理不尽なところはこういうことだよと。そこの定数の部分はよけて、変数に集中してコミュニケーションしようっていう。動かないところを動かしてもしょうがないという本です。

Appleの「11の成功ルール」にある、「床は全員で拭く」

大村:僕、企業さんで「5S」の話をけっこうしているんですよ。5Sとは整理、整頓、清掃、清潔、躾なんですが、躾のところで、いつもこういう事例を出しているんですよ。躾は、「決めたことを必ず守ること」と一緒にやるといいよとか。

あと、例えばAppleの「11の成功ルール」というのがあって、そこに書かれている一つが「床は全員で拭く」となっています。要は、これって心構えやマインドじゃないですか。

だから、「5Sにおいてマインドってそんなに大切なんですか?」という時に、僕は「モーションマインド」によって5Sが機能していると言っています。モーションマインドって、JIS規格なんですよ。JISって、経産省がやっている国家標準です。

「JIS Z8141」にモーションマインドっていう定義があって、そこに「作業方法又は動作方法について、その問題点が判断でき、より能動的な方法を探求し続ける心構え」って書いているんです。JISって定量的なものや数値的なものが多いと思うんですけど、こういう心構えも通しているんですよ。

下地:JISにこれだけ心構えを。

大村:そうなんですよ。でも、心構えってばくっとしているじゃないですか。というので、僕が3年くらい前からお伝えしているのがこれなんですよ。実践してほしい心構え。「『○○○』を探す」。

大平:探す? 何でしょう。

大村:「にくい」を探す。「見えにくい」「取り出しにくい」「置きにくい」「分けにくい」「処分しにくい」を何にするかというと、「やすい」にする。

そうすると、「見えやすい」「取り出しやすい」「置きやすい」。「にくい」を「やすい」にしましょうっていうので、小学生でもわかる心構えじゃないですか。

ということを言っていたら、なんと『「しやすい」の作りかた』が大ヒットして、びっくりしました。

まさに「『しやすい』環境で『できる人』になる習慣づくり」で、「仕事も人生も自在にデザイン!」というところで、僕はやはり人との関わりによって実現できることばかりだと思うんですよ。1人じゃ絶対できない。

大平:そうですよね。1人でできることは限られていますよね。

「会社での承認欲求」が消えると楽になる

大村:うん。あと行動するのが仕事も人生も自在にデザインするには重要かなって思ったんですけど、そのあたりはいかがですか?

下地:僕らは副業著者というのをやっていて。今、僕は55歳なんですけども、会社にどれくらい自分のエネルギーをかけるかっていうところとか……(仕事は)やっていてすごくやりがいもあるし、楽しいんですよ。でも副業したことで、会社においての承認欲求がけっこう消えたんですよ。

これって、会社と関係なく世の中から自分が認められたことの反応なんですよね。そういうことをしていると……やはり会社の人間関係の7割〜8割は上司とか男のプライドですよね。

「なんであの人が先に?」とか「なんであいつ動いてくれないの?」とか「いや、私はこう思っているのに」という時に、自分の承認欲求を消せるとめちゃめちゃ楽になるんです。

だから、副業する時によく「儲からないから」とか「能力がないから」と言うんですが、そういうのじゃなくて、自分が世の中にどれくらい認められるかを、会社の世界と分けて考えられると、すごく心持ちが落ち着くと思います。

大村:そうですね。

下地:そういうことで、やはり本を書くのはすごくいいなって思います。

大村:もちろん、本を書くとかそういうのだけに限らず、例えば少年野球のコーチをするとかもありかなと。

社内に「居場所があるか」「存在を承認されているか」がポイント

下地:そうだと思いますね。僕、人間関係を整理する上で大事なことが2つあると思っています。1つがさっきの承認欲求ですよね。もう一つがマズローの(欲求5段階説によれば)真ん中にあるいわゆる社会的欲求。それって要は、居場所があるかっていうことです。

だから「居場所がある」ということと、「自分が承認を持っている」ということさえコントロールできていれば、会社の中のコミュニケーションってほぼうまくいく。

一番上に自己実現っていう、要は挑戦しましょう、成長しましょうというものであって、2つ目が承認欲求で、3つ目が仲間、居場所があるっていうことです。

(会社では)挑戦しようとか成長するとか、たいてい一番上ばかり言うんですよね。でも、居場所があるかという話と、「その会社の中で存在を承認されていますか」っていうことが会社のトラブルの要因であることがほとんどなんです。

大平:そこですよね。

下地:「しやすい」というのも基本的にはそういうことにつながると思いますね。

大村:なるほど。これ(『「しやすい」の作りかた』)、いつ発売されたんですか?

下地:これは9月くらいですかね。

大村:めちゃめちゃ売れているみたいで。

下地:いえいえ、ありがとうございます。

大村:ぜひ。こちら、片付けのことも書いてありますね。

下地:そうですね。これは編集の人が最初、「『しやすい』っていろいろある」と言って、「しやすい」を、見開き全部に並べたいって言われました。

大平:一覧で並んでいるんだ。

下地:そうなんですよ。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!