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インプットよりアウトプットが先!トップ5%社員の情報活用術(全3記事)

トップ5%社員の習慣から学ぶ、アウトプットのポイント やる気に頼らず行動に移すために大切なこと

本の学びを深めるオンライン講座「flier book camp」を運営する株式会社フライヤーが主催したイベントに、『トップ5%社員』シリーズ著者の越川慎司氏が登壇。8年間で31冊もの書籍を出版した越川氏が、アウトプットのコツについて解説します。

8年間で31冊もの書籍を出版できたわけ

越川慎司氏(以下、越川):ズバリ今日だから言いますが、なぜ僕が8年間で31冊も出版できたと思います? 久保さん、なんでだと思います?

久保彩氏(以下、久保):うーん……。それは、毎日書いているからですか? わからない(笑)。

越川:でも、書いていても出版できない人もいますよね。

久保:そうですね。

越川:これはすごく簡単なことで、原稿って1冊だいたい8万文字ぐらい書くんですね。(書籍化できるのは)8万文字分のコンテンツを持っているからなんですが、それ以上に重要なことがあります。それは、僕は31冊の本を出版していて、今は残りもどんどん(執筆を)進めているんですが、1回も期限に遅れたことがないんですよ。

こういったちょっとした約束を守れる人じゃないと、大きな裁量権は来ないですよね。小さな依頼、小さな約束を守らないと、大きな約束って守れないんですよ。

だから、資料を言われたとおりにちゃんと作って信頼を作ると、「じゃあ、次はこういう人を動かす提案資料だったらいかがでしょうか?」という信用に変わっていくんですよ。覚えておいてください。仕事は会社軸で、キャリアの積み上げ方は自分軸ですね。

ということを考えると、アウトプットして評価してくれる人、例えばお客さんなり上司なりを考えないと、仕事はうまくいかないです。残酷なんですが、そういうことなんですよ。じゃあ、そのためにどうしたらいいかなんですが、ズバリ言います。「アウトプットが先」です。

なぜ「アウトプットが先」なのか

越川:「アウトプットが先」をレコメンドする……ルー語を入れましたが、レコメンドする4つの理由。1つ目は、思考が活性化されるから。

「何を使って相手に評価してもらおうか?」という、いわゆるシステムツールの思考モードに入って脳が本気になるんです。言われたことをただやるんじゃなくて、「どうやったらいいんだろう?」という考え方が、実は思考を活性化させる。

2つ目は、やっている途中で気づくんですよ。「あれ? 僕は本を書いていたんだけど、この部分は苦手だな。よし、調べてみよう」と、あとでインプットすればいいんですよ。不足分がわかるというのが2つ目。

3つ目は、先にアウトプットしちゃったほうがプロセスを楽しめるんですよ。「ただ言われたことだけやりなさい」「Googleで検索して終わり」とかだと、やらされ感(が生まれるん)ですね。これは修行なんですよ。今、求められているのは「学習継続力」です。

10代から70代までずっと学んでいかなきゃいけないので、プロセスを楽しむためには先にアウトプットをしちゃったほうが、自己効力感で内発的動機付けがされる。

4つ目は、クリエイティビティ。人間がAIに勝てるのは、0から1を生み出すクリエイティビティ。コンセプト、妄想ですよ。「こういうことをやるとうまくいくんだ」「こうやるとお客さまが買ってくれるんだ」という妄想、コンセプト、プロトタイピングをするから、自分で工夫が生まれるんです。この工夫をオリジナリティと言います。

『トップ5%社員の読書術』では、「インフォメーション」「インサイト」「インテリジェンス」と言っていますが、(「アウトプットが先」をレコメンドする理由の)4番目は「インテリジェンス」なんです。

トップ5パーセント社員がやっていること

越川:これを積み重ねないと成果は出ないよということを理解した上で、みなさんとトゥギャザーしながら進めるサイクルが、この「Output-based Input Cycle」の5つですね。

まずは適切なインプット。「適切」がわからないから、これが一番難しいです。まずはやってみる、インプットする。相手がどういう人なのか、どうやったら成功なのか、仮説設定をする。AIができないのはこれですから、延々と人間がやるのは仮説設定です。

次に検証をして、良かったかどうかを振り返る。そして4番の「想定外反応」が重要です。これを無視しちゃうと、インテリジェンスは磨かれないですよ。「意外と良かった」とか「意外とダメ出しされた」ということを基にまた検証を進めると、再現性の高いメカニズムが出てくる。

「あ、インプットってこれでいいんだ」と、適切なインプットがわかる。仮説設定力が上がる、検証できる、想定外の刺激を受ける、再現メカニズムが獲得できる。トップ5パーセントがやっているのはこれだけなんですよ。これをやるんです。

わかりやすく振り返ると、ちょっと書籍の宣伝になっちゃうんですが、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』では「ホリデー・トランスフォーメーション」を書いているんです。休日が充実すると、脳が疲れてないから平日に冴えるんですよ。そうすると成果が出て、裁量権を得て、時間に余裕が出るから休める。このサイクルの起点が休日なんですね。

こういったサイクルを作るのが、トップ5パーセント社員の得意技。これを、ぜひみなさんと一緒に学んでいきたいんです。ズバリ「サイクル」というのは、日本語に直すと「仕組み化」ですよね。この仕組み化を4ヶ月でみなさんと一緒にやっていきたいんです。

この背景に気づいた方はいますか? 後ろのやつは、仕組み化じゃなくて「欧米か」ですね。はい、スベったので次に行きます。

久保:(笑)。

越川氏が提唱する「UDONサイクル」とは

越川:実際にみなさんと進める4ヶ月の中でやるサイクルは、僕のオリジナルで作っちゃいました。「UDONサイクル」です。まずは状況・目的を理解する。Understand。UDONの「U」。

久保:うどんになってる。ほんとだ(笑)。

越川:「すぐやる(Do)」と「Observer & Optimize(O)」。ホモサピエンスが強いのは、オブザーブできるからですからね。観察する、相手の反応を見る。そしてそれを標準化、Normarizeしていく(N)。背景にあるうどんをこねている絵はAIが作ってくれたんですが、UDONサイクルでいきます。

これはふざけてやっているんじゃなくて、やはり学習は楽しみながらやっていかなきゃいけないんです。ルー語で言うと「ファン・アンド・ラン」ですよ。学習を継続させるためには、楽しんでいかなきゃいけないので、このUDONサイクルをみなさんとじっくりこねながら回していくというかたちです。

中には、どういう情報ソースを獲得しているかというのも、一応傾向もありますよ。ただ、僕は大学の授業みたいにしたくなくて。先ほど言いましたが、僕がこの10年間の間でどうやって情報を仕入れて、それをインサイトに変えて、インテリジェンスに変えていくかということを、ツールや情報ソースも含めてこの講座の中で全部暴露します。

本の書き方だけじゃなくて、コンサルティングの仕方、講演・講座をする、Voicyのリスナーを増やすとか、そういったものも全部アウトプットですので、その型もご説明していきます。

型の1つとしては、例えば「インフォメーションをインサイトに変えるにはどうしたらいいか?」みたいなちょっとした知恵、僕のインテリジェンスを共有します。ぜひみなさんのオリジナリティで、インフォメーションをインサイトに変えるサイクルを作っていただきたいと思いますし。

インプットの仕方としては、「ブレイクスルー・インプット法」というけっこう有名なやつがあるんですが、これを実際にやってみて型を身につけると、「これに向けて情報を集めればいいんだ」というふうにわかりやすくなります。

アウトプットを意識してインプットをするブレイクスルー・インプット法とか、「バリュー・プロポジション・キャンバス」みたいな、いわゆるフレームワークを使ってやります。

ただ、授業じゃないので、どういうアウトプットをしたいか、どういう変化を起こしたいかある程度メニューを作って、その中から「どれをやりたいですか?」と、みなさんにDay1で希望を募る。グループに分かれて、最終的に4日目にプレゼンする。

前回もやったんですが、プレゼンをして優勝したチームには私からプレゼントを差し上げます。例えば発売前の本のサイン入り書籍を送るとか、書籍で使った原稿の図版の資料を差し上げるとか、僕が出版した本の中から1つ選んでもらってサインして送るとか。楽しみながら、ご褒美を入れながら、4日間でやろうかなと思っております。

久保:ありがとうございます。みなさん、コッシーさんのテンポにけっこう巻き込まれた感じがします(笑)。

インプットとアウトプット、わかっているのにできない理由

久保:ちょっと聞いてみたいなと思ったのが、すごく納得感のある部分がある一方で、「なんでじゃあ、できてないんだろう?」というところがすごく気になるんですよね。「インプットよりアウトプットが先」というキーワードって、なんとなく知識としてはあるじゃないですか。

「できている人は、アウトプットしているから」というのがすごくわかる一方で、インプットとして、読書したり動画を見ても、「ふーん」で終わっちゃう。引っかかりみたいなものがないまますーっと流れていってしまう。残らないということを感じる。

アウトプットも「量が増やせない」とか、「どこから何をすればいいのかわからない」というコメントをいただいています。言葉として、最初の「アウトプットが先」は理解できるけどが、どうしたら進められるのかが、たぶんイメージがつきにくいところなのかなと思うんです。

越川:代表的なご質問ありがとうございます。よく寄せられる質問ですね。わかっているんだけどできない理由は、僕は2つだと思っているんですよ。

まず1つはインプットが目的になること。僕なんかは昔は年間で1冊ぐらいしか読めなかった人間ですから、読書家の方は尊敬します。でも、今の僕みたいに300冊読めば偉いんですかね? いやいや、別に「本をたくさん読んだら偉い」みたいな時代じゃないですよね。ただ、不安なんですよ。キャリアって不安ですし、不安のない人はいないですから。

不安だからこそ、「何かしなきゃいけない」といって資格試験を取るとか、読書をするというのはよくあるパターンです。でも、それは手段が目的化されちゃってるんですよね。なので、本来の目的を見失っちゃうと、手段が目的化されてしまって、「結局変化が起きないな」というのが1つ目の理由ですね。

やる気に頼って何かを継続するのは無理

越川:2つ目の理由は、習慣化のメカニズムがまだ構築できていないからですね。たぶん今日ご参加の方々は、インプットしている方のほうが多いと思いますよ。読書でflierの要約を読むとか、Voicyを聴くとかはいいと思うんです。でもたぶん、忙しい時や他に趣味ができちゃうと、それをできなくなっちゃいますよね。

というように、やる気に頼って何かを継続するというのは無理なんですよ。そうじゃなくて、やる気がなくても読書なり情報収集なりが、習慣化できるようなメカニズムを先に作っちゃわないといけないんです。だから、仕組み化がすごく重要です。

2つ目の理由は、仕組み化がまだできていないから。仕組み化のやり方を知らないからだと思います。

久保:まさに「やる気に頼らないメカニズム」を作りたいと思いますが、ここで言うメカニズムってインプット習慣ではないってことですね。

越川:そうですね。

久保:アウトプットを含めた習慣、という理解をすればいいですか?

越川:そういった意味では広義の意味で言うと、インプットする時でもアウトプットする時でも初速を速めるのがポイントかなと思います。

久保:ほう。もう少し(詳しくお願いします)。

越川:例えばやる気が出てきたら、テンションが高い時って初速が速いのは当たり前じゃないですか。でも、なんか苦手なやつとか、ちょっと体調が悪いとか二日酔いの時って、やはり仕事に手をかけられないですよね。これは家事でも一緒だと思うんです。

そうすると、うまくいく時とうまくいかない時があるっていうダンピーな成果になっちゃうんです。そうじゃなくて「やる気」自体を諦める。そもそもやる気というのは作業をしたら出てくるものなので、やる気があって作業をするものじゃないんですね。それを理解してもらうこと。

やる気に頼らない行動デザインのコツ

越川:あと、実はアウトプットの時もインプットの時も、両方ともアウトプットをイメージしたほうが内発的動機付けがされやすいことが、2万4,000人の再現実験でわかっているんですよ。だから、アウトプットをイメージする。「妄想」と僕は言っているんですが、その妄想を先に作っちゃったほうが、やる気に頼らず行動が促されると考えています。

久保:なるほど。今のお話からすると、「どんな妄想が自分のやる気を促すのか」をしっかり最初に見極めて、それを日常に入れていくという感じなんでしょうか。

越川:そうですね。ですから、手段を目的化しないのであれば目的を明確にする必要がありますし、目的の解像度を高めたほうがいいですし、目的は文字よりも映像・カラーで頭の中に思い浮かべたほうが潜在意識が自動的に動きますし、目的の解像度を高めるのがまず1つですね。

あと、アウトプットの約65パーセントは、文字を書くとかしゃべるとか、コミュニケーションで行われることが多いんですね。アウトプットした後に、「相手にどういう行動をしてほしいのか」「こうやったら正解」という行動デザインをします。

例えば「チャットに質問をしてくれたら正解。10個以上質問が出ること」って、僕は今日メモに先に書いているんですが、それができたら達成じゃないですか。質問を出してもらうために、僕はあえて細かく説明していないところもあるんですよ。

こういう行動デザインをすることが、やる気に頼らずすぐに行動していく、アウトプットにつなげていくということなんじゃないかなと思います。

久保:なるほど。じゃあ、スタートは目的、行動デザイン。イコール妄想といいますか、やりたくなるイメージを具体的にするということですね。

「自分の妄想」を表現しきれないという悩み

久保:さっそく、いくつかそこに関連する質問が出ています。スタートは妄想・目的設定だとわかったのですが、最初にあった「仕事は会社軸」のように、外から来ている何かで私たちは急かされている感覚があって、なかなか自分の妄想を表現しきれてない気がするんですね。そこに疎くなっている感覚があったりするんです。

妄想するには、初速を速める最初のやる気のドライブになる、具体的に自分をイメージするのはどうやるといいんでしょう?

越川:ありがとうございます。これもよくある質問なので、想定どおりの質問だなという感じなんですけど。

久保:え!? ちょっと違う質問をしたいな(笑)。

越川:(笑)。ありがとうございます。妄想の作り方ですね。妄想というのは、どっちかというとぼーっとするって考えがちですが、目標達成に至るまでのプロセスを考えることなんですよ。ポイントなのは、先ほど言ったようにしっかり目標の解像度を高くすることが重要です。

いきなり講座のDay1で「じゃあみなさん、これから妄想してください」とはやらないんです。例えば「評価されたい」「プレゼンがうまくなりたい」「本を書きたい」「エンゲージメントを高めたい」とか、起こしたい変化をある程度パターン化します。

我々は17万3,000人のデータを基に、実現したい妄想を10個ぐらいにある程度パターン化します。0から1にはできないので、当事者意識を持ってその中から自分に合うものを自分で選択してみるのがDay1です。

妄想の仕方がわからないと思うので、ある程度新しい型を作って、例えば4ヶ月が終わったら自分で仮説設定して妄想ができるような状態にする。なのでDay1は、ある程度仮のパターンをいくつか作ってみなさんに選んでいただく予定です。

久保:きっかけとなるような言葉なり選択肢があることによって、ちょっと妄想しやすくなる。そんな材料をコッシーさんがくださるということですね。

越川:そうですね。

多くの人が当てはまる3つのパターン

越川:大きく言うと、たぶん3つのパターンに分かれるんじゃないかなと思うんです。まず1つは、会社や社会が求めている、ルー語で言うと「ニード」にどうやって対応していくかというニードドリブンの方。

2つ目は、自分のキャパシティを上げたい方、ケイパビリティを上げたい方。「もっとできるようになりたい」「生成系AIを使いこなしたい」というのが2つ目のパターンですね。

3つ目のパターンは、「私はやりたいことがないんです。キャリアでどうなりたいとかないんです」という、自分軸が見えない方、やりたいことがわからない方。

全体の83パーセントの方は、だいたいこの3つのパターンのどこかに含まれているので、その中から細分化して、「こういう変化はどうですか?」とパターン化して選んでもらいたいと思います。

久保:ちなみにコッシーさんはどれなんですか? ニードドリブン、キャパシティドリブン。

越川:僕はどっちかというとニードドリブンなんですよ。

久保:そうなんですか。

越川:本を書いているのもニードドリブンです。

久保:へぇ。

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