2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
【警告】嫌われた上司の末路!信頼を失うとどうなるか?(全1記事)
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伊庭正康氏:今日のテーマはこちらです。あなたの職場には嫌われている上司はいないでしょうか? その上司はクビになるんでしょうか? 飛ばされるんでしょうか? それとも残留するんでしょうか? ドキドキします。でも、実は法則があるんです。この法則を知っておくと、上司も部下も幸せになれるんです。
とにかく、こういうことです。管理職は別に嫌われてもいいんですよ。嫌われることを避けていては何にもできません。ですから、嫌われてください。
ただし、良い嫌われ方とダメな嫌われ方があるんです。そこを上司も部下も知っておくと、「これはOK」「これはダメ」というのがわかるんですね。なので、あなたの職場は大丈夫? ということでチェックをしてみてください。
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さぁ、今日のテーマは非常にデリケートですね。嫌われている上司はどの会社にもいますが、その人はクビになるんでしょうか? 飛ばされるんでしょうか? 残留するんでしょうか? 会社はどこを見ているんでしょう? 嫌われてはダメということではない。悪い嫌われ方を押さえておきましょう。
まずは良い嫌われ方から説明します。嫌われることを厭わないことが大事。こちらの図をご覧ください。聞き流している方は、もう図を見ずとも大丈夫です。今から口頭で説明しますが、見ることができる方だけ見てください。
上司が嫌われるのは、嫌われ役を負っていると思ってください。その嫌われ役を負ってでも、良い状況に近づいているのであればOKです。
例えば「今までのやり方は止めたいと考えています。これからはAではなくBでいく。これが私のやりたいことです。Aはもう止めてください、Bです」というふうに方針を変えると、当然嫌われることもあるでしょう。
ところが周囲が見た時に、「目指す状態、理想の状態には近づく」と思っているのであれば、評価としては「がんばっているね」となるんですよね。
「今はしんどいかもしれないけどがんばってね」と、見る人は見たら思います。たぶんこれは目指す状態に近づく嫌われ方なので、管理職として取るべき行動です。
では、ダメな嫌われ方、目指す状態からかけ離れていく嫌われ方です。「今、みなさんはAをやっているが、これからはBをやってほしいと思っている。Bしか許さない」と言ったとしましょう。ところがBをやることによって、だんだんと理想から離れていく、なんてことがよくあります。
よくあるケース、実際にあったケースを言いましょう。「かつてのやり方はこうでした。私が前にいた部署はこうやっていましたので、これをやってください」。(昔と今で)状況は違うんですよね。ですから、経験則を持ち出しやすい人はかなり危ないです。
「前の職場ではこうでした」「あなたの状況は知らんがな」なんですよね。ですから、絶対にこれは要注意です。でも、ここまでであればかわいいですよ。よくある話です。
もっと激しいダメな例もあるんです。あなたの職場では、どんな人がめちゃくちゃ嫌われていますか? もっとダメなのは最短距離で組織を悪くする人です。じゃあ、何をすれば最短距離で組織を悪くさせることができるんでしょうね。なかなかできないですよ。簡単です、「ブチギレる」です。
感情的になる人はブチギレちゃうんですよね。「伊庭くん、なんでこれができないの? 何度注意したらわかるの?」と、みんなの前でやっちゃう。すると場の空気が悪くなるんです。すると心理的安全性が悪くなって、「これは上司に言えないな。隠しておこう」「言わないでおこう」「やっているふりをしよう」となる。ギスギスしてきます。
そして会社の帰り道に上司の悪口を言われる。これはダメなんです。最短距離で組織を悪くする上司の特徴は、すぐにキレる、部下の言っていることを尊重しない。「それはいい」って、何がいいんだという話ですよね。あとはコミュニケーションを取らない。現場のことを「うん。わかってる」というのは、何もわかっていないですよね。
「もともと私も営業をやっていたのでわかってる」というのは、めちゃくちゃ怪しいです。管理職で「もともと営業をやっていましたので」「〇〇をやっていましたので」というのは、「知らんがな」なんですよ。管理職で「プレイヤー時代の頃の経験があるから」ということを笠にするパターンが多いので、コミュニケーションをもっと取ってください。
だって自分の経験なんて、微々たるものの中の微々たるものですからね。もっと世間は広いですし、商売はもっと複雑です。ですので、コミュニケーションを取らないことは絶対にやってはいけないということなんですね。
ここまででどうでしょう。あなたの職場にもこういう人はいませんか? さぁ、この人たちはクビになるんでしょうか? ならないですよね。その前に会社としてやるべきことがあるからです。
この人たちに、「今から会社はこういうことをやり始める」という話をします。そして、その施しに対してその人がどう出るかがけっこう重要なんです。会社はどんな施しをするんでしょうか? クビではないですよ、対症療法のプロセスを入れます。
血が出ているのであれば包帯を巻きにかかります。(スライドに)いくつかの赤い丸がありますが、対症療法を入れる。
1つは、管理職の上司からフィードバックをする。「伊庭さん。ここはがんばってくれているんだけれども、もう少しここをこうしてほしいんだ」。さらには「研修を受けてきてほしいんだ」。もしくは「360度サーベイを見て、伊庭くんなりにどういった改善をするかを考えてきてほしいんだ」といったように、会社はさまざまな施しを会社はします。
そこで、また右肩上がりに上がっていけばお咎めなしです。なんの問題もありません。ここまでは会社として責任を持ちます。そうですよね。任命、任用したわけですから、ここまではやります。
ところが私も研修講師ですから、何人、何十人、何百人、何千人もの管理職を見てまいりましたが、それでも直らない人がいるんですよ。自分のやり方を変えられない人がいるんです。そうなったらどうなるんでしょうか? 会社としては放置するんでしょうか? 放置するはずがないんですよ。
こんな感じで、対症療法のプロセスが効かない人はいますよね。やってもやっても変わらないので、状況がだんだんと悪化する。会社としては放置するはずないですよね。私の見た方もそうでした。
実際に上司の上司から「こうしてほしい」「こう改善してほしい」というフィードバックをするんですが、その方々が言うセリフを言いますね。「それをすることで良くなると考えているので、私はあえてやっているんです」。馬鹿野郎です。
対症療法が入っているんだから、周囲はもうそう思っていないんですよ。馬鹿野郎状態です。「あえてやっています」は通用しないステップにきていますので、そんなことは言っちゃダメなんです。
もう包帯を巻いていて、包帯が取れませんという状態になっていますので、これだとだんだんとケガが深くなって、悪化して膿んできます。組織を膿ませるわけにはいきません。じゃあ、会社はどうするんですか? クビになるんでしょうか? ちょっと待ってください。
そう。対症療法の次は、いよいよ本質的な対処をするんですね。もう対症療法が効かないので、悪化傾向を止めにかかります。どうやって止めるんでしょうね?
「伊庭さん、もうクビです。あぁ、気持ちいい」というわけにはいかないんですね。伊庭さんをクビにしたら気持ちいいけど、日本の会社はそういうわけにはいかないですよ。
本質的な対処の種類としては、1つ目が人事異動で再起を促す。2つ目がポストオフ、役割を外す。「課長の方はプレイヤーになってください」というものですよね。3つ目、クビにはなりません。別に何か瑕疵のあることをしているわけじゃないから、クビにはなりません。
1番か2番になることが一般的で、多いのは1番ですね。1番があってから2番というふうに、人事異動をやって、人事異動が終わってもダメだったらポストオフになることが多いです。
ただ、ここで1つだけお話をさせてください。ポストオフが悪いんじゃないんですよ。「ポストオフがかわいそう」ということではなくて、手を挙げて「ポストオフしてください」というケースも、今はぜんぜん多いんです。何を言っているかというと、願わずしてポストオフになることはちょっと嫌ですよね、ということを言っています。
願ってポストオフは何も問題はないですよね。適材適所で、そちらではさらに(能力を)発揮できたりするので悪い話ではないんだけれども、「あなた、(悪いところを)直しませんでしたよね? なのでポストオフします」なので、意味付けは若干変わります。ポストオフが悪いんじゃないんです。そこだけよろしくお願いします。
そう考えた場合に、やはり直す・直さないはすごく大事なんですよね。じゃあ、そのことに気づけますか? 最後に大事なことをお話しします。1つ目は先ほど言いましたが、図で説明しますので、聞き流しの方はご容赦ください。
今の嫌われ方、周囲からちょっとつらく当たられている状況があった時に、それを周囲が「目指す状態に近づく」というふうに思ってくれているかが大事です。周囲は思ってくれているか、コンセンサスが取れているか、もしくはコンセンサスが取れていないのか。ここがかなり重要です。自分は良かれと思っても周囲はそうは思っていない。これはかなり重要ですよね。
政治の選挙と一緒で、「私は良かれと思っている」「いやいや。あなたの政策はちょっと合っていません」ということですよね。なのでまず1つ目として、これは自分で評価ができるようにしておいてください。
2つ目。とはいえ自分では気づけませんので、フィードバックの機会を積極的に取ってください。フィードバックを自分を変えていく機会にするんですね。
ですので、もしうまくいっていないのであれば「どうすればいいですかね?」というアドバイス、フィードバックをもらいます。そして自分でフィードバックの機会を作らせてもらって、徐々に改善していく。フィードバックを変容の機会とするのはめちゃくちゃ重要です。
これさえやっておけば、めったなことにはなりません。そして、今回(タイトルで)「末路」と言っていますから、どうなるのかという実例の話もちょっとお話しますね。
ある方の例です。この方はよくブチギレる管理職の方でした。このブチギレる管理職の方は問題児になっていましたが、30年前、20年前、昔は良かったんでしょうね。ところが、もう時代にはそぐわないです。すぐにキレて、激昂した時には「テメエ」という言葉を使います。
テメエと言うのはありえないですよね。「お前」よりも、もう1個悪いような気がします。「テメエ、何やってるんだ!」。テメエ問題だけじゃなくて、自分のやり方、自分の過去のやり方をやってくれ(と言ったのに)やらない。だから「テメエ!」なんですよね。
その時点でだんだんと軋轢が生まれ、「あぁ、困ったな」で対症療法を入れるけれども、「いや、あえてやっています」「困ったなぁ」と、役員さんは困ります。「じゃあ、もう異動してもらおうか」と異動してもらったら、異動先でも同じことが起こる。またフィードバックをすると、「あえてやっています」。(その次には)もちろんポストオフが待っています。
でも、ポストオフになっても、その人が望むポストじゃなかったから転職できないんですね。「あえてやっているのに」と、すごくガッカリしていました。「転職できますか?」というと、できないです。会話すれば「なんかおかしいな」というのは、人事はわかるんですよ。
今、その方の周囲の方々とお話をすると、「聞いたことありません」「いや、会ってないな」「接点は誰も持ってないと思うよ」と言う。これ、すごくないですか? 20年、30年勤めた会社で、誰一人としてその人の行方がわからない。どこかに住んでいるんでしょうけど、誰も接点を持ちたがっていないということなんですよ。
本人はどう思っているかわかりませんが、周囲が接点を持ちたがっていないから、それが「どうなっていらっしゃるんでしょうね」という会話になる。
つまり最終的な末路は、フィードバックも聞き入れなくなった場合、孤独が待っております。その方だけじゃないですよ、そんな方はいっぱいいます。孤独が待っている。
なので、そうならないために大事なことを2つ。私も思い返すとやばかったなと思うことも正直あります。これを知っておけば、もうちょっとマシな行動が取れたかなと思います。ぜひ参考にしていただければうれしいです。
まとめです。管理職になると、周囲からストレートに「はい、あなたダメですよ」と言われることはまずないでしょう。それが管理職で、ダメ出しされません。ダメ出しされる時は、いきなり戦力外通告のようにやってきます。フィードバックはダメ出しじゃないからですね。
なので、結果で判断されるんですね。結果を見て、「状況が悪くなったから」という理由で言われるんですが、実際はそこまでのプロセスがかなり見られています。ゆえに、セルフモニタリング、フィードバック、自己変容の姿勢は極めて重要です。ちょっと古い本なんですが、一條(和生)さんという一橋大学の教授(※現在は名誉教授)だったと記憶しております。
『リーダーシップの哲学』という著書の中に、当時LIXILのトップでいらっしゃった藤森(義明)さんというプロ経営の方のお話が載っています。「私は常にコーチを付けるようにしています。自分が客観的に見ることができなくなるので、あえてダメ出しをしてもらう。そんなコーチを付けています」ということが載っていました。さすがプロは違うなと思いました。
藤森さんがどういう方なのかご興味があれば、ネットで調べていただくと、プロ経営のご活躍された方であることがわかるかと思います。そんな方でもコーチを付けるようにしているので、このようにセルフモニタリング、フィードバックの機会を設けておきましょう。
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