
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
第1106回 仕事に役立つABC『頭の外付けハードディスクのススメ』(全1記事)
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熊谷翔大氏:今日は「頭の外付けハードディスクのススメ」がテーマです。あなたの周りには、めちゃくちゃ記憶力が良くてなんでも覚えている人はいるでしょうか? 多くはないかと思うんですが、たまにいらっしゃいますよね。
仕事やプライベートにおいても、「あの時、誰々さんがこう言った」という感じで、しっかりはっきり覚えている人は本当にすごいなと思いますし、覚えられているほうからすると、「なんでそんなところまで覚えているんだ。ちょっと怖いよ」みたいな感じですよね。
特に仕事においては、「あれをやる」「これをやる」「誰々さんのコメント」とか、しっかり記憶しておけるといいということで、「自分も記憶力がいい人になりたいな」と思った経験、1度はあるのではないでしょうか。でも、なかなかそうはなれないのが現実ですよね。
残念ながら私も、記憶力は決していいほうではないなと自分で思っています。ですので、ちょっとでも記憶力を上げることができないかなと、がんばって覚えようとしてきたんですが、あんまり変わらないなと感じております。
でも、長年仕事をしていて、特にマネジメントをするようになってからは見る範囲も広がって、覚えておかなくちゃいけない場面が本当に増えてきました。これは困ったなということで、ここ数年ずっといろんなことを考えていたんですが、自分の中でしっくり来た考え方、対処法が1つあります。
それが、今日のテーマの「頭の外付けハードディスク」なんですね。これは比喩表現なんですが、パソコンの容量がいっぱいになった時に、ハードディスクを買ってきてデータを移すという経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
そんなイメージなんですが、いい意味で頭で覚えることを諦めてしまって、割り切って頭の外付けハードディスクに記憶を収めてしまいましょう。
今日は、もっとうまく記憶しておきたいなとか、覚えていることを仕事に活かしたいなと考えていらっしゃるあなたへのおすすめということで、頭の外付けハードディスクの方法とメリットについてお伝えいたします。
まず方法についてですが、とにかくシンプルに何かあったら書き出すことです。具体的に書き出す際のポイントが2つあるんですが、1つ目のポイントは書き出す場所を固定することです。「何かあったらこのツールに書き出す」というのを自分の中で決めておくイメージですね。
ちなみに私は、仕事中は基本的にはGoogleドキュメントにすべて書き出すようにしています。あと、仕事以外の場面で思いついたアイデアであったり、自分が考えたことについて書き出す時には、Evernoteというアプリを使っています。
GoogleドキュメントでもEvernoteでも、共通してやっている工夫があるんですが、タイトルに必ず日付を入れるようにしています。
例えば「230719_」という書き出しでタイトルを作ります。そうすると、後から「だいたいこの時期に書いたかな?」という感じで検索しやすい状態になるので、めちゃくちゃ便利です。という感じで、書き出す場所を固定しましょう。
そして、書き出す際の2つ目のポイントなんですが、いかなる場合でも書き出すようにしましょう。特に仕事中に誰かと話をした場面、ミーティングであってもそうでなくてもです。「毎回議事録取りましょう」という考え方と同じなんですが、ある意味で機械的に、必ず「何を誰と話したか。結論は何か」をメモする習慣をつけましょう。
頭で覚えようとすると気持ち的にも大変ですし、やはり忘れてしまいますので、とにかく例外を作らずに迷わず書き出す。それも後から書くのではなくて、その場でメモを書いてしまうというイメージです。1人で考え事をしている時に思いついたこともパッと書き出す。そんな癖をつけることをおすすめします。
ということで、頭の外付けハードディスクはとにかく書き出すというのが方法です。この方法のメリットは何なのか気になるかと思うんですが、大きく2つあると思っています。
1つが、書き残していますので、当たり前なんですが後から見返すことが簡単にできます。頭で覚えるというわけではないんですが、ある意味抜けていく記憶を補うことができるかと思いますし、私も書き出す方法を常にやるようになってから、自分のメモに助けてもらう場面が本当に増えました。
そして2つ目のメリットなんですが、精神的に楽になります。どういうことかというと、「これを覚えておかなくちゃ」と思うと、気持ちの面でプレッシャーに感じるじゃないですか。
そうではなくて、割り切って大事なものは全部書き出す、メモする、覚えようとしない。そう決めてしまえば、頭の中のデータが全部消えてしまっても外付けハードディスクに残っている。そんなふうに捉えることができるようになってから、精神的にすごく楽になりました。
もちろん毎回書くのは大変だというのもあるんですが、個人的には、覚えようとするよりは気持ちが楽だなと感じています。
ということで、今日は「頭の外付けハードディスクのススメ」ということで、書き出す方法とメリットについてお話ししました。今日のお話も当たり前のことなんですが、一番のポイントは「いい意味で覚えることを諦めて、割り切って書き出そう」という捉え方なんじゃないかなと思っています。
この方法をぜひご自身でも試してみてほしいなと思いますし、部下、後輩を育成をされている方で「ぜんぜん覚えてくれないな」というシーンがあるのであれば、「覚えなさい」ではなくて、「書き出しなさい」とアドバイスしてあげるといいんじゃないかなと思います。
何か少しでも参考になれば、今日から試してみていただけるとうれしく思います。それでは今回はここまでです。本日も素敵な1日をお過ごしください。
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