
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
第1133回 入社1年目からの働き方『モチベーションとの付き合い方』(全1記事)
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中村直太氏:今回のテーマは「モチベーションとの付き合い方」です。モチベーションが湧く、湧かない。モチベーションが高い、低いなどと表現されるように、私たちのモチベーションは刻々と変動しています。
モチベーションとは「動機付け」と訳される言葉で、人が行動を起こす背景にある原動力のことを指します。心理学的には厳密な区分があるようですが、シンプルに「やる気」と捉えるのが最もわかりやすいでしょう。
ある20代の働く男女に対する仕事のやる気に関する調査を見ましたが、「仕事でやる気が出ない時はありますか?」という質問に対して、9割以上の方が「ある」と回答をしていました。
個人的には10割が「ある」と回答するものだと思っていたので、「やる気が出ない時がない1割の人はすごい」と勝手な感想を持ちましたが、それほどモチベーションを高く保ち続けることは簡単ではないということです。
モチベーションが湧かない・下がる原因を調べてみると、調査ごとにさまざまな回答がありますが、共通していたのは「体調が悪い」「職場の人間関係が悪い」「やりたくない苦手な仕事をしている」「忙しすぎる」、逆に「暇すぎる」などが挙げられます。
もちろん「上司に怒られた」や「評価が悪かった」など突発的な要因もありましたが、その多くは体調、人間関係、仕事の繁閑など、解決するような原因ではなくて、ずっと付き合っていくような原因が多かったように見受けられます。
私個人としても、モチベーションの浮き沈みをなくすのではなくて、モチベーションの浮き沈みとうまく付き合っていくのがいいのではないかと思っています。
では、モチベーションとうまく付き合っていくために大事なことは何でしょうか? 1つは、自分自身のモチベーションの傾向を知ることです。
つまり、自分はどんな時にモチベーションが上がるのか、逆にどんな時にモチベーションが下がるのか。さらには、モチベーションが下がった時にどのような対処法が役に立つのかを理解しておくことが重要だと思います。
そのための1つの有効な方法が、「ライフラインチャート」と言われるツールを使って自分のモチベーションの上下を把握することです。どのようなツールかというと、人生を通してプラスマイナスの両面でモチベーションがどのように上下していったのかを1本の線で表現するもので、手軽に取り組める点がおすすめです。
(モチベーションが)上下した時に具体的にどんな出来事があって、その出来事からどのような影響を受けたのかを知ることで、自分はどんな時にモチベーションが上がるのか、逆にどんな時にモチベーションが下がるのか。さらにはモチベーションが下がった時にどのような対処法が役に立つのかという、モチベーションの傾向をつかむことができます。
ライフラインチャートと検索すれば、書き方や解釈などを含めてたくさん出てくると思いますので、ぜひ調べて取り組んでみてください。
モチベーションとうまく付き合っていくために大事なことのもう1つは、多様な種類のモチベーションを認識することです。私は勝手に「モチベーションポートフォリオ」と呼んでいます。いろいろな種類のモチベーションをしっかりと認識し、自覚して活かそうということです。
例えば、我々の中には「知的好奇心を満たしたい」という自分のためのモチベーションもあれば、「社会をより良く変えたい」という、他者や社会に向いたモチベーションもあります。
ほかにも、「新しい価値を生み出したい」という内から湧き出すモチベーションもあれば、「迷惑をかけたくない」という外を意識したモチベーションもあるでしょう。
私たちは、さまざまなモチベーションを原動力に行動を起こすことができます。その時その時に役に立つモチベーションを見つけて、それを行動のエネルギーに変えることができれば、自分のモチベーションを維持、管理しやすくなるはずです。
みなさんの身近にいる、いつもモチベーションが高い方は、その時その時にモチベーションの種を見つけて活用するのが上手な方なのではないでしょうか。
以上、モチベーションとの付き合い方として、自分自身のモチベーションの傾向を知ること、そして多様なモチベーションを認識することの2点を挙げさせていただきました。より一層内発的な動機が重要視される時代だからこそ、お互い、自分のモチベーションをうまく管理できるようになりたいものですね。
では、マネジメントする側の立場からは何ができるでしょうか? 1つは、モチベーションが下がりにくい環境整備をサポートすることです。
先ほど話に出たように、モチベーションが下がる原因に共通して挙げられるのが、「体調が悪い」「職場の人間関係が悪い」「やりたくない苦手な仕事をしている」「忙しすぎる」、逆に「暇すぎる」などの、完全にはなくなりにくい問題です。
基本である心身の体調管理はもちろんのこと、職場の人間関係を円滑にすることや適材適所のタスク配分など、マネジメント側からサポートできることは少なくありません。
もう1つは、多様な種類のモチベーションに気づかせてあげることです。メンバーの行動を観察していると、とても楽しそうに活き活きとしている瞬間に気づくことがあります。
その時に、例えば「今、すごく楽しそうに見えたよ」と伝えてみると、「そうですか」と戸惑いながらも、「でも、この仕事は地味ですが、チームの役に立っていると実感できるので、私は好きなのかもしれないですね」などの回答が返ってきます。
このようなやり取りを通して、メンバーは自分のモチベーションがチームや他者の役に立つことにあると認識することができます。ぜひたくさんのモチベーションに気づかせてあげてください。今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。今日もすばらしい1日をお過ごしください。
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