2024.12.24
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【仕事】コミュニケーションに苦手意識がある方必見!シリョサク的コミュニケーション「QAR」とは?【シリョサク!お悩み相談室_005】(全1記事)
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岩本紘佳氏(以下、ヒロカ):「新卒1年目です。上司とのコミュニケーションに苦手意識を感じています。いつも上司に『何を言いたいのかわからない』と言われます。プライベートではハキハキ話すことができるのですが、いざ仕事となるとうまく自分の伝えたいことを言葉にし、相手に動いてもらえません。仕事のコミュニケーションの方法について知りたいです」。
豊間根青地氏(以下、豊間根):ということで、コミュニケーションの考え方をお話したいと思います。シリョサク的なコミュニケーションの仕方はいくつかキーワードがあるんですが、ぜひ今日持ち帰っていただきたいキーワードに「QAR」というものがあります。
これは、シリョサクがずっと提唱しているコミュニケーションのお作法なんですが、QARって何でしたっけ?
ヒロカ:Question、Answer、Reason。
豊間根:大正解! Question、Answer、Reasonの3点セットでコミュニケーションをしましょう。これをすることによって、何が言いたいのかがわかりやすい。そして説得力のあるコミュニケーションができるようになります。
QARとは要するに何かというと、Questionは何の話をするかの宣言。なぜQuestionかというと、今からどんな問いに答えるのかの宣言なんですね。そしてAnswerは答え。最初に提示した問いに対して、何が言いたいのかを明確にする。答えを出すということですね。Reasonは、なぜそう言えるのかの根拠を示すこと。このQARの3点セットを使ってください。
まずは「Q」。何の話をするかの宣言をするところなんですが、上司とかに話をする時に、発言に見出しを付けるということなんですね。例えば「相談です」「報告です」「質問です」みたいに、今からどういう話をするのかを明確にしてあげる。これをしてあげると、聞き手側も聞く姿勢ができるんですよ。
「あ、なんか報告されるんだな。ということは、その情報を受け取ればいいんだな」という気持ちで聞けるし、「なんか質問が来るんだな。ということは、答えを出してあげなきゃいけないな」という気持ちで聞くわけですよ。聞き手のスタンスを作ってあげる、聞く姿勢を作ってあげるというのがすごく大事なんですよね。
豊間根:相談や報告の見出しのところに「問い」と言うかはちょっと微妙なんだけど、あらゆる説明で同じことが言えるんですよ。例えば「男性が野生動物を飼いならし、ある地域を脈絡なく侵略するストーリーです」と言われたら、「何言っとんねん」ってなるでしょ?
ヒロカ:急に?
豊間根:急に。突然よ?
ヒロカ:怖い(笑)。
豊間根:突然これを説明されたら、「いやいや。なんだこの怪文書は」ってなるわけですよ。それに対して、「桃太郎とは何かを説明します。桃太郎というのは日本に古くから伝わる昔話の1つです。男性が野生動物を飼いならし、ある地域を脈絡なく侵略するストーリーです」って言われれば、「あぁ、こいつはそもそも桃太郎とは何かを説明していたんだ」と、わかる。
それに最初の一言で、「要するに日本に古くから伝わる昔話の1つなんだ」ということがわかった上で、「脈絡なく侵略するストーリーなのね」ということがわかれば、「なるほど。そうなのね」と、聞く姿勢ができる。同じ情報であっても聞こえ方が変わるわけですよね。これが、ちゃんとQを作るということ。
今のは若干A(Answer)も入っていたんだけど、今から何の話をするかをちゃんと最初に明確にすることによって、同じ情報であっても受け取られ方がまったく変わるというのが、Q(Question)を明確にするという概念。問いと言うと若干難しいから、先に答え方としての表現に悩んでいるんだけど。
ヒロカ:(笑)。
豊間根:「問い」なんですよ。でも、「発言に見出しを付ける」と言ったほうがわかりやすいかもしれないですね。
ヒロカ:そうですね。
豊間根:見出しを付けること、Q(Question)はけっこう気にしていますか?
ヒロカ:自分で思うことがあるんですが、しゃべっているとあまり気にできないんですよ。
豊間根:なるほど。
ヒロカ:テキストコミュニケーションだと、例えばSlackとかだったら見出しを付けて、そこにスレッドを立てていくというかたちで、「この話をします」って最初に提示したりはなんとなくできるんです。だけど、急にしゃべり出しちゃうことはたまにあるなと思って。
豊間根:なるほどね。
ヒロカ:それはちょっと気をつけなきゃいけないなと思いますね。
豊間根:そうね。口で話すのと文字で書くのは、また考え方が違っちゃうところがあるからね。なるほど、いいですね。続いてA(Answer)です。ちなみに、このQARで一番大事なのはAnswerです。
Answerというのは、何が言いたいかを明確にするということなんですが、要はスタンスを取ることなんですよ。質問されて質問に答えない人、よくいるでしょ。
ヒロカ:うん(笑)。
豊間根:「例の件、順調?」と言われて、「えーっとですね。田中さんへの連絡は済んでまして……。資料も30ページあるうちの20ページぐらいまでできていまして……。一応、予約のところは一応済んでまして……。お店も予約が取れて……」「順調か、順調じゃないかを聞いているんだよ! まずは順調なのか順調じゃないかを示してくれよ」みたいなね。
ヒロカ:確かに。
豊間根:質問に答えない人がよくいるんですよ。あれって、要は逃げているの。順調か順調じゃないかという判断を自分ができないから、相手に委ねているんですよ。「順調です」と言い切ると、「なんでそれが順調って言えるの?」って突っ込まれちゃうから怖い。そこから逃げずに、ちゃんと自分のAnswerを出す。
まずは一言で答えを出すことがすごく大事なんですよ。これはコミュニケーション術というか、心構えの話だと僕は思っていて。
豊間根:資料や説明がわかりづらい一番根本的な原因って、スタンスがないことなんですよ。自分の意見がないから、そもそも自分が何を言いたいのかがわかっていない。だから、どう情報をくっつけるかがわからない。
一番最初に大事なのは、「自分がこれを言いたい」「俺はこう思うんだ」という、ちゃんと一本(軸を)立てること。それさえできていれば、多少伝え方が悪くてわかりにくくても、ちゃんと軸が通っていれば伝わるんですよ。
一番大事なのは、要は自分で決めることなんです。スピリチュアルな話をしてるね。
ヒロカ:(笑)。
豊間根:なんか最近もうね、資料のことを突き詰め始めたら人生観みたいな話になってきちゃっているんだけど、マジでそうなんですよ。「俺はこう思う」「俺はこう決めた」というスタンスを取る練習をしないと、これはできないんですよ。筋トレと一緒。
ヒロカ:確かに。
豊間根:例えば、親に言われたとおりの学校を受け、先生に言われたとおりに課題をこなし、お客さんに言われたとおりの仕事をして、上司に言われたとおりに動いている。こういうふうに、誰かに言われたとおりのことばかりやっていると、自分のスタンスを取ることができなくなるんですよ。
筋トレと一緒だから、(ふだんから)走らないとすぐにバテるのと一緒。資料のコミュニケーションがどうとかを言っているんじゃなくて、「自分で決める」ということをマジでちゃんとやったほうがいいです。
ヒロカ:でも、やっぱり自分で決めるのは怖く感じる人もいるんじゃないんですかね?
豊間根:怖いです。そうなんですよ。
ヒロカ:だって、それが間違っていたらいろんな人に迷惑をかけるかもとか、決定打を打ちたくないみたいな。たぶんありますよね。
豊間根:そう、わかる。怖いよね。
ヒロカ:怖いと思う。
豊間根:しょうがないんですよ。ヒロカは筋トレ好きだけどさ、筋トレすると筋肉痛になるじゃないですか。でもなんか、「これで成長しているな」って、ちょっとうれしいでしょ?
ヒロカ:はい。うれしい。
豊間根:怖いと思いながらも、誰かに「いやいや、違うだろ」と言われて、「いや、でもここはこう思うので」と反論されて、しんどいなと思うけど成長痛なんですよね。楽しまないとダメですよね。
ヒロカ:確かに。
豊間根:「今日、肩を(筋トレ)やったら効いているな」みたいに、「今日は答えを出したな」「スタンスを取ったな。しんどかったな」という筋トレだと思う姿勢がやっぱり大事ですよね。これ、今日は何の話なんだろうね。
ヒロカ:(笑)。なんでしょう。精神論みたいな。
豊間根:でも、本当にそう。精神論なんですよ。スタンスを取るのが一番大事。ということで、A(Answer)が一番大事です。
豊間根:最後に、R(Reason)も大事なんですね。例えば「この施策、やったほうがいいと思う? どう思う?」と聞かれて、「やったほうがいいと思います!」だけだと、「いやいや、なんでそう言えるの?」ってなるんだよね。説得力がないんですよ。それはスタンスじゃなくて、ただの当てずっぽうなんです。
自分なりの根拠と仮説を持ってスタンスを取らないと、それはただの見せかけのスタンスなんですよ。だから、ちゃんと「自分はこういう理由でこうだと思う」という仮説と根拠を持つこともすごく大事。それを(相手に)ちゃんと示してあげる。
「やったほうがいいと思います。なぜなら過去のお客さんの事例で、こういう事例とこういう事例で、うまくいった事例があるからです」とかね。
例えば「前職でこういう経験があって、こうであるからいいと思います」みたいな、仮説と根拠が必要。そのためには一定の経験がいる。
新入社員とかでぜんぜんやったことがない人は、一定は当てずっぽうでもいいかもしれない。だとしても、最近はGoogle検索をしたりAIに聞いたら、ある程度の根拠を出してくれるはずだから、とりあえずググって根拠を探すでもいい。とにかくスタンスを取る。当てずっぽうではなく、根拠と仮説を持つことが大事です。
豊間根:あらためてもう1回言うと、QARは、何の話をするのか、どういう問いに答えるのかを明確にし、自分が何を言いたいのかのスタンスをちゃんと取り、そこに根拠と仮説をくっつける。このQARのコミュニケーションを意識すると、話がわかりやすくなるはずです。これはもうこれだけの話ではなく、マインド。仕事観であり、人生観みたいな話です。
これがコミュニケーションをわかりやすくするためのポイントでした。ヒロカさん、どうでしょう?
ヒロカ:そうですね。私も最後のまとめで、こんな精神論みたいに言うのはちょっとどうかなとは思いつつも。自分で一番精神論っぽいことを言うと、自分事に考えられてないと、スタンスを持つモチベーションもできないなと思ったので。
豊間根:確かに。
ヒロカ:だから、まずは自分が関わっている物事について、自分ごとに捉えられるようにするための知識を付けるとか、気持ちを持つとか。そういうことをしなきゃダメだなというのは、ちょっと思いましたね。
豊間根:それは大事だね。「言っても他人事だし、自分には関係ないし」と思っていると、どうでもよくなっちゃうんですよね。
ヒロカ:「どうでもいいから適当にAnswerを言っておくか」ってなっちゃうので。
豊間根:わかる。とりあえず捌くみたいな。それ大事やね。
ヒロカ:自分の精神論的なんですが、ちょっとそこはがんばりたいなと思いました。
豊間根:そうね。やっぱり普通に仕事をしていると、なんでもかんでも全部を自分ごと化すると疲れちゃうから。一定で切り分けは必要なものでありつつ、自分ごと化して情熱を持って取り組むポイントを決めて、スタンスを持ってやりきるのは本当に大事だよね。
ヒロカ:はい。
豊間根:そこに気づくとは、すばらしいですね。
ヒロカ:(笑)。でも、すごく学びになりました。
豊間根:ということで、今日はだいぶ精神論の話になりましたが、みなさんもQARを意識して、わかりやすいコミュニケーションをやってみてください。
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