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『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜(全2記事)

「資格のかけ算」で切り開くキャリア戦略 4パターンの資格の組み合わせで自分の強みを最大化するヒント

株式会社主体的なキャリア形成が主催した本イベントでは、『かけ合わせとつながりで稼ぐ 資格のかけ算大全』著者で資格ソムリエの林雄次氏が登壇。本記事では、532の資格を持つ同氏が、大谷翔平も実践した自己分析の手法や、自分の強みを最大化するヒントを語りました。

「自分の強みに合う資格の組み合わせ」を見つける

林雄次氏(以下、林):ここからは300ページの内容の『かけ合わせとつながりで稼ぐ 資格のかけ算大全』を、超スーパーダイジェストでお伝えします。まず「自分の強みに合う資格の組み合わせを見つけましょう」というのが今回の本のメッセージです。

具体例は3章にたくさん書いてあるんですが、それよりも大事なのは、自分の強みに合う資格を見つけるには、そもそも自分の強みがわかってないといけないということです。しかしながら、自分の強みは気づきにくいんですね。



例えば私の場合、「IT×社労士」という組み合わせが「珍しいんじゃないんですか?」って言われたんですね。そこから自分でも言い始めて、わりと注目をしていただいたという経緯がございます。今でもこの「IT✕社労士」の自分のキャリアがそんなに珍しいのかと、自分自身は未だに疑っています。

それぐらい自分で言われてもピンとこないんです。なんでかというと、自分が本当に得意なことは、他人が歯を食いしばってがんばってがんばって、どうにかできるかできないかわからないということでも、息をするようにできてしまう。

本人にとっては、息をするようなことなので、いちいち説明もできない。人に言われてもピンとこないところに本当の強みはあるような気がします。それぐらい自分の強みに気づくというのは極めて困難です。

大谷翔平も実践した自己分析の手法

林:ではどうすればいいのかというと、最低限、大谷(翔平)さんで有名になったマンダラートとかの自己分析手法でほかの人に見えるような材料を出す。

自分の経験はあっても、人に見えるかたちにしてあげないと、人に見てもらうことすらできないので。マンダラートでもライフラインチャートでもいいんですが、なにかでアウトプットした上で、人に見てもらうのが大事です。

人に見てもらうためにはアウトプットが必要なので、なんらかの自己分析手法で、とにかく紙でもなんでも書く。そして周囲の人の意見を大事にして、とりあえずやってみる。その結果、自分ではピンとこなくても周りの人にやたらと刺さるような強みが見つかったりします。

4つの資格の組み合わせ方

林:本書で書いてるので簡単に資格の組み合わせ方をお伝えします。足し算、かけ算、割り算、引き算という4つがあると思っていまして、足し算というのは従来のダブルライセンス、トリプルライセンス。



これはお店を2軒〜3軒持つようなものですからリスク分散にはなりますが、やはり時間が足りなくなっちゃうということです。自分の1日は24時間で限られていますからね。じゃあどうしますかということで、私が推奨してるのはかけ算です。

新しい価値ということになるので、オンリーワンなのは良いんですけど、周囲に理解してもらうまでは、なかなか困難というか、「つらいな」という時期はどうしても出てくると思います。本当のオンリーワンだったら理解されづらいという難しさがあるので、そこは知っておくべきかなと思います。

あとは割り算、専門性の山を登るみたいなものですね。従来から推奨されておりますし、別にこれ自体は本当に良いことだと思うんですけど。絶対に先に登ってる人がいるので自分が最初にはなれません。そこは知っておく必要があります。

大工さんが宮大工になったところで、自分の家を建てる時に宮大工の人を呼ぶかというと、呼びませんよね。市場規模についても、ちょっと考慮する必要があるかもしれません。

また、数を増やすことでマイナスになっちゃうような、引き算的な資格もあると一定程度思っています。私が言うのもあれですけれども、ただ数を増やせばいいわけじゃないですよというのは、ちょっと気をつけてほしいなと思います。

資格の難易度と稼げるかどうかは別

林:どんな資格がいいかというのは本当によく聞かれるんですけれども、難易度と稼ぎは別の話です。



難しければ稼げるってわけじゃないですね。例えば整理・収納アドバイザー、2級だったら1日で取れるんですけれども。

その1日で取れるような整理・収納アドバイザーで、「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこんまりさんみたいになっちゃう人もいるんです。どういうふうに資格を活かせるかは、その人の腕前次第かなと思います。

でもやはり自分に合うものがいいですね。運動が得意なのにすごく静的なものとか、ちょっと合わないものを無理にやる必要はないです。自分に合うものを選んだらいいと思うんです。そして自分に合うものを複数見つけて組み合わせるのが一番いいかなと思っております。

例えば私は社労士でもありますけども、社労士というだけで45,000人とかいるんですね。その中で「どんな社労士ですか」ってことになりますよね。その時に資格だけじゃなくて資格✕キャリアでもいいと思うんですが、そういった組み合わせは大事かなと思っております。

忙しくて勉強時間が取れない人へのアドバイス

林:事前にいただいていたQ&Aでお答えをしますと、「資格の勉強は時間がかかるのでなかなか始められない」という時間の使い方については「まずなにかをやめる」ってことですね。そして隙間時間を徹底的に活用する。

私はこれで300日で社労士を取りましたけれども、なにかやめるというのはあんまり語られないことかと思います。みんな1日24時間がパンパンなので、なにかやめないと空き時間は作れないよ、というところは参考にしていただければなと思います。



あと学習の方法で言えば、問題を解くところから始めていただくといいと思います。学校の勉強は積み上げですけれども、資格の勉強は問題をいきなりパンと解いてできちゃったら、もうそれでOKなんです。学校の勉強のやり方だけを使うわけではないんですね。

そもそも習慣化をして、モチベーションを使わないとか、始める前にモチベーションを確立して追い込む方法もあります。このへんの詳細は『資格が教えてくれたこと』という1冊で述べているので、参考になればと思います。

あと資格を仕事に活かす、収入に結びつけるところですけど、これはまず資格は「知らせる」。周囲が知らないと使うことができません。



そしていろんな方法で収入を得ることができます。今だったらスキルシェアのサービスがありますね。最初は無料でもいいと思いますし、いきなり本格的にプロデビューするのはなかなか難しいので、段階を踏むといいかなと思います。

「資格が、あなたを輝かせる」を鵜呑みにしない

林:「おわりに」というところに進んでいきます。「資格が、あなたを輝かせる」みたいなことは、予備校の講師もよく言ってしまいがちなんですけれども(笑)、そうじゃないと思っています。

資格を取ればもう安泰というのは昭和の時代ですよね。そうじゃなくてみなさん自身が資格1つ1つをいかに輝かせられるか。21世紀の資格の活用の仕方はたぶんこういうところにあるのかなと。今は資格をどう活かすか、いかに行動していくかですね。

私の場合はITのキャリアがあるので、士業でもありながらkintoneのお仕事も今やっています。別に仕事の仕方は従来と同じではなくていいと思いますので、ご自身のそれぞれのキャリアを活かした仕事の仕方ができるといいかなと。

今回出しました『資格のかけ算大全』では、資格1つでももちろん役に立つんですけど、複数を上手に組み合わせましょうというお話をしておりますので、参考にしていただければと思います。またこれの基になっている『資格が教えてくれたこと』は、モチベーションとかタイムマネジメント、学習法などすごく幅広いテーマを述べていて、相互に補完するような内容になっています。

ということで本日ご用意をしておりましたコンテンツは以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

大事なのは「自分のオリジナルの組み合わせ」

平野裕一氏(以下、平野):ありがとうございました。チャットのほうで1つ質問がきています。

「スキルアップで複数の資格を取得する過程で、さまざまな知識やスキルを習得できることはわかっています。これにより問題解決能力やコミュニケーション能力といった、社会人として求められる能力が向上することにつながっていくんでしょうか?」という質問ですね。汎用性のあるスキルの獲得につながりますか、という質問がきております。

林:汎用性というのは幅の広さで表現をされますけれども、幅の広さというのはいきなり幅が広いところを作れるわけじゃなくて、点を集めて幅が広くなるような気がするんですよね。

なので、自分の見聞をいろんな面に広げていくことで幅の広がりができる。私みたいにそんな何百個も取る必要はありませんが、いろんな分野を知ることは人と会話する時に役に立つと思うので、幅を広げるという意味で大事だと思います。

平野:ありがとうございます。最後にチャットのほうで「本を読ませていただきました。資格を活かす上で戦略を考えていたと思われますが、効果的な戦略方法はございますでしょうか」という質問がきております。

林:効果的な戦略は人の真似じゃなくて、自分なりに考えることですかね。予備校とか資格のサイトとかで案内されてる方法を、そのまま猿真似しちゃいけないと思っています。参考にするのはいいんですけど、自分のオリジナルの組み合わせにしないと、やはり勝てない部分はあると思うので。自分のオリジナルを考えるのが大事だと思います。

平野:ありがとうございます。これで本日のセミナーを終了したいと思います。林先生に大きな拍手をお願いします。

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