株式会社らしさラボ代表取締役 伊庭正康氏の
『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、職場での評価を下げる行動5選をお伝えします。
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こちら 職場で評価されない人がやりがちな行動5選
伊庭正康氏:「職場で評価をされない人がやってしまいがちなダメな行動ワースト5」を紹介していきます。あなたもある人の行動を見て、「なんかイマイチだよね」と思うことはないでしょうか。自分では気づかないけど、人から見ると「イマイチだよね」と思われてしまうダメな行動があるんです。
イマイチな人の特徴を紹介しますので、もし1つでも当てはまってるものがあれば、絶対注意です。
このチャンネルは年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、リーダーシップや時間管理、ロジカルシンキング、なかなか会社で教わらない研修で学ぶような本物のTipsを楽しくライトに学べるようにしています。
ではいきましょう、評価を下げる行動その1「時間の感覚が甘い」。これは絶対に避けたいですね。私もかなり注意をしています。
例えば直前に「何々をしてください」というリクエストをされる時、私はよく思うことがあります。「あれ? なんで直前まで言ってくれなかったのかな。それまでにわかったでしょう」なんて思うことがあるんですね。直前に言われても困ることはあります。
あと「曖昧な表現」。「急ぎでまた連絡しますので」……「急ぎで」というのがすごく気になるんです。いつやねんって話なんですよね。
あと何度も「打ち合わせしたいです」というリクエストをもらった時に「なんで何度もするのかな?」と思います。これは、時間への感覚が甘いということが絶対の問題なんですよね。
これは周囲を振り回すことになるので、私も正直「この方、振り回すなぁ」なんて思ったりします。なのでやはり時間感覚が甘い方と仕事をすると、ちょっとしんどくなります。
じゃあ自分はどうなのかと言うと、若かりし伊庭は時間の感覚が甘々でございました。だからたぶん「なんかあいつ、どん臭いよね」と思われていたと思いますが、誰も注意はしてくれません。自分で気づけるかどうかなんですよね。私は自分で「直そう」と思いました。
時間を明確にするということから、ぜひやってみてください。評価される人は時間を限りなく明確にします。
「なるべく早く」は絶対に言ってはいけない
では実際に私がふだんやっているコミュニケーションを紹介します。そして私と一緒にお仕事をしている方で、非常に心地いいやり取りをご紹介します。
これはYouTubeのクリエイターさんと私の、チャットでのやり取りです。
(クリエイターさんに作業を依頼していたのですが、私が)なぜか動画をドライブに格納できていなかった時のものなんですね。(それについてのクリエイターさんからの連絡に)「そうでしたか! 途中で止まってしまったのかもしれません。昼過ぎにはアップするようにいたします。今外出いたしておりまして、申し訳ございません」と返し、確か13時か13時半ぐらいにアップしています。
すると受けた側としても、その間はその作業をしなくていいわけですよね。こういうふうに「昼過ぎ」と表現してます。
ほかにもあります、これも同じやり取りですね。「1011動画をまだ撮影しておらず格納していませんが、明後日(火曜)の午前にはアップさせていただきます。遅くなり申し訳ございません!」。
実は締め切りに遅れてるわけじゃないんですよ。ただいつものコミュニケーションからすると、ちょっと遅いってことなんですね。締め切りには間に合ってるというコミュニケーションです。
じゃあ私の周りの方はどういうコミュニケーションをとるかというと、この動画のクリエイターさんとのやり取りもそうなんですけども、こちら。
「通常であれば9月29日(日)に編集を行う予定の『1001』ですが、この日は編集にあたることができないため、翌日の9月30日(月)のアップになる見込みです。大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。何卒ご容赦いただけますと幸いです」。
こういう連絡をいただいてますが、9月30日アップになる見込みであればぜんぜんオッケーで、本当に急いでいただきましてありがとうございます、ぐらいなんですよね。
このように締め切りを明確にするのが、仕事がうまくいくコツなんですよ。「なるべく早く」とかは絶対に言ってはダメです。なんだったら世の中にある「なる早」という言葉はあなたの辞書からは削除しておいてください。
メールのラリーの回数でわかること
では評価を下げる行動の2つ目は「3手先のことを考えず、目の前のことを矢継ぎ早にやってしまう」。「またその時になったら連絡しますね」というのはダメなんですね。
例えば3手先を考えると、調整に手間取るかもしれません。すると、自分だけじゃなく、お相手もほかの予定を犠牲にして日程調整をしないといけなくなるかもしれません。そういうことを考えたら、「少し先ですが日程を決めておきませんか?」「加えてその際、〇〇の状況も先に決めておきませんか」と、先々のことを一気に決めてしまうんです。
評価される人は先々のことを考え、一度で済ませます。だからメールのラリーの回数を見ると、その人が(先のことまで)考えている人か、目の前のことに追われている人なのかがわかります。
ラリーの回数は私も相当こだわっております。当然1回で済ませられたらいいんですけれども、2回、3回することはあります。その時は、お相手に1回で済むところを2回、3回、お手間を取らせてしまっているので「あぁしまった、申し訳ないな」と思います。
5〜6回もラリーをすることが当たり前になると「あー、面倒くさいなぁ」と思われてしまうので「3手先のことを考え一度に済ませる」ことをしてください。
「立場の違い」を強調しがち
では3つ目の評価を下げる行動、「立場の違いを強調しがち」、これもご注意ください。「うちの会社は中小企業なので無理です」「現場は忙しいのでそれはできません」。立場を笠に着て「できません」と言っているわけですよね。
この場合「頭わるっ」と思われてしまうんですね。なんでかというと、正解は「中小企業だけど、どうすれば我々なりにやっていけるかな」「現場は忙しいけど、負担なくやれる方法ってないかな」。
評価される人というのは立場の違いを強調して「できない」と言うのではなく、目的思考で考えるんですよね。「できない」じゃなくて「どうすればできるようになるかな」。この考え方を持ってる・持ってないは大きな違いです。
もともと私はリクルートという会社にいましたので、「リクルートでこういうことがあったんです」という話をした時に「リクルートさんだからそれができるんですよ」と言う人もいました。
一方で「そっか、リクルートさんだとそういうやり方だったんですね。うーん……じゃあうちの会社ではこういうやり方が使えるかもしれませんね」と言う人もいます。同じ情報でも判断がぜんぜん違いますよね。
ひどい場合になると、例えばYouTubeのコメントなんかでも「あなたは大手企業出身だからそんなこと言えるんだ」とか言われます。「大手企業の出身者は黙れ」と、立場でシャットアウトしているんですよ。これが評価を下げる行動の源になってるんです。評価される人は「立場」でなく「目的」で考える、これは絶対に押さえておいてください。
仕事ができる人は「うまくいっている事例」から学ぶ
評価を下げる行動4つ目、「自分のやり方に固執しすぎ」です。ほかの成功事例に関心がなく、研究してないので、なんでもかんでも自分が良かれと思ったことをガシガシとやる。
第三者から見た時に「なんでそのやり方をしてるの?」ということはよくあるんですよね。白状しますと、私の若かりし時がこれです。自分のアイデアでガシガシやって、たまにホームランが出るんですけど、打率は1割。
1回ヒットが出たとしても、あとの9回はすべて三振です。そう考えた場合に自分のやり方に執着するのは効率が悪すぎてあんまり良くないんですよ。
だとすると「ナレッジへの関心をどれだけ持っているか」ということです。これは仕事ができる人の特徴なんですけれども、うまくいっている事例に対してアンテナを張っておき、ヒアリングをしたり調べたりする行動が習慣化されています。
私も振り返るとこんなことがありました。前職で、ある新規事業の担当者をしてた時にうまくいったやり方がありました。すると関連会社の別会社の部長さんと、そこの役員さんが「伊庭さんの話を聞きたい」とわざわざ連絡をとってお越しになられました。
こちらも同じグループ会社ですから、このお話をしたところ「ありがとうございます」と戻られて、私がやった以上にすばらしい成果を叩き出してらっしゃいました。その方は当然ですが、もっと大きい会社の社長さんになっていかれました。
ですので、やはりできる方は「人から学ぶ」ことをやるわけです。評価される人は、成功事例があれば自ら調べ、自ら聞きに行く。これをぜひやってください。
なので絶対やってはいけないことは、「何々するしかない」。この「〜しかない」という表現は、あなたの辞書から取り除いておきましょう。「〜しかない」と言う人は、自分のやり方に固執している人なんですね。(他のやり方を)ちゃんと探しましたか、ということなんです。私もこういうセリフをよく吐いており、よく注意をされました。私も肝に銘じて生きております。
遠慮をしていたらビジネスで評価されない
では、次の5つ目も大事ですね。「会議で発言しない」人。「息をしてますか、止まってませんか?」という人、いるんですよね。そういう人は遠慮が先立ってる方ですよね。遠慮をして評価をされたというビジネスの歴史は、私はないと思ってます。遠慮なんてしてたらビジネスで評価されるはずないんですよ。
会議の場で「特にありません」と回答するのは、「(自分は)消極的である」と宣言してることなので、絶対にダメです。でも一番ダメなのはこれです。「特にありません」と言って会議を終えたのに、あとになって「いや、やっぱり難しいですよ」「やる意味がわからないんですよね」と、後出しで言い始める人は、消極的を超えて「ずるい」になるんです。
特に上司や周囲から見た時に「なんかずるいぞ。じゃあ言えよ」となってしまうんですよね。私も最初は奥手だったものですから、会議であんまり発言してなかったんですね。それで、ある人事部長からこのように言われました。「伊庭くんって発言するほう?」「いや、僕はあんまり発言しないほうなんですよね」「じゃあそれはダメだわ」と。
その会社の部長は、「僕は間違えたことでもいいので1番に発言する人は、無条件で選考を上にしていたんだ」とおっしゃったんですね(笑)。今だから言える話なんですけど。
これはその人の主体性を測るものだからですよね。遠慮する人は仕事でうまくいくはずがないという、彼なりのバロメーターだと思いますが、私もそのバロメーターに1票入れます。そのとおりなんですよね。
私もその部長の言葉を聞いてから「これではダメだ」と思って、自分を改めた記憶がございます。評価される人というのは会議で「発言の義務がある」と考え参加している。この感覚は大事なんですよね。「特にありません」というのは、義務を果たしていないと言えるんでしょうね。
会議で「何を発言していいかわからない」時の対処法
では、何を発言していいかわからない場合、これです。何か決まる時に想定されるリスクを本気で考えてみてください。
「Aで決まりました、Bはいったん捨てておきましょう」となった時に、「質問よろしいでしょうか。私もAでいいと思うんですけれども、あえて確認したいんですが、もしこうなった場合はどう対処を打てばいいんでしょうか」と。こういうふうに「もしこうなったら」ということを考えてみると、いろいろ出てくるはずなんですね。
ではまとめていきましょう。評価を下げる行動は、反応的にリアクションしてしまうことですよね。それは「考えていない」と思われるので、切り口としては「相手の立場を想像すると、今どういったことをするといいのかな」「目的思考でどのように判断したらいいのかな」とか。今日はこのあたりをお話ししましたので、考えるヒントにしてみてください。