2024.11.26
セキュリティ担当者への「現状把握」と「積極的諦め」のススメ “サイバーリスク=経営リスク”の時代の処方箋
第1229回 トレンド経営学『無駄な仕事をなくそう』(全1記事)
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日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。今回は、無駄な仕事を増やさないためのポイントを解説します。
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加藤想氏:グロービス経営大学院の加藤です。月曜日は「トレンド経営学」というタイトルで、よく聞くニュースをいろんな視点から切り取った場合に何が見えてくるのか。こんなお話をしていきます。今日は「無駄な仕事をなくすための方法」について考えていきます。
「あなたにとって無駄な仕事はありますか?」と問われると、恐らく1つや2つ「これ、あんまり意味ないんだよな」という作業やタスクが思い浮かんだ方もいらっしゃるかもしれません。「無駄な仕事はなくしたい」と、みなさん思いながらも、なかなかできていないというのが現実じゃないかと思います。
そもそも「無駄な仕事」の定義は何なのかについて考えていきます。個人的には、シンプルに「費用対効果が悪いもの」が無駄な仕事だと思います。
「費用」というのは、かけた時間やコストがそれに当たります。「効果」についてなんですが、ビジネスパーソンであれば売上のアップ、もしくは費用削減のどちらかにつながらなければ効果とは言えないんじゃないかと思います。
「お客さまの満足度がアップした」みたいなかたちで、定量的に測りづらい効果もあるとは思うんですが、それらも結局は売上につながる。そんなものになるかと思いますので、できる限りしっかり定量的に、その仕事は費用対効果として高いのか・低いのかを、まずは考える必要があると思います。
じゃあ、そもそも無駄な仕事を減らすための方法です。これは以前私のチームでも実証したんですが、実は「捨てる会議」というものが効果的なんじゃないかと思います。
これは、昔記事で読んだサイバーエージェントでやっていたものを真似したんですが、「これはやめてもいいんじゃないか?」というものをリストアップして、思いきってまずはその仕事をやめてみる。3ヶ月後ぐらいに、やめたことによって何か悪いことが起きていないかをみんなで振り返る。こういう営みです。
3ヶ月後に問題がなければ、継続してその仕事はもうやらないし、何か重大な問題が発生すれば、やはり続けようというかたちで行う営みです。大事なこととしては、いったん捨てるというプロセスもそうなんですが、捨てる会議のプロセスの中に関係者を巻き込むことが大事だと思います。
例えば、上司から「この仕事はもう意味がないからやめておけ」と指示を出したとしても、なんだかんだ部下やメンバーの方は、1ヶ月後ぐらいには「やはりあの仕事をやっておいたほうがやらないと気持ち悪いな」という感情にかられて、結局その後は捨てたつもりが捨てられなかったということが起こり得ます。
なので、捨てる会議でいったんしっかりと捨ててみる。そして、そのプロセスに巻き込むということを意識してもらうといいかなと思います。
ただ、一番大事なこととしては、そもそも無駄な仕事を増やさないことが大事かと思います。なんでこんなに無駄な仕事が増えるのかなんですが、恐らくその理由としては、やり始めた当初は関係者とかも含めて「意味がある」と思って続けるんです。
ただ、だんだんと担当者が代わって引き継ぎを行う中で、いろんな環境の変化があるにもかかわらず、その背景をよく理解しないままタスクだけが残っている。こんなことが、実はけっこう起こっているんじゃないかなと思います。
大事なこととしては、新しいことをやる時に、何をもってその施策は良かったのかを判断する軸を設定する必要があると思います。この時の軸というものは、冒頭に申し上げた費用対効果の「どこを見るのか」をなるべく定量的に示す必要があると思います。
例えばよくあるのが、「こういったメルマガを送るといいんじゃないか?」というかたちで新しいメルマガを考えてみた。その後、何をもってその施策が効果的なのかという判断軸が曖昧なまま、「前任者がこのメールを送っていたから、今期もこのメールを送ろう」というかたちで、ずっとずっと負債がたまっていくものがあったりします。
そのメールは、本当は開封率が良ければグッドなのか、もしくはそのメールに送ったURLのクリック率が上がればグッドなのか。こんな判断軸をしっかり持って、その後の継続の判断をすることが、無駄な仕事を増やさないためには必要かなと思います。
というわけで、今日は「無駄な仕事をなくす」ということをテーマにお話をしてみました。あなたの周りにある無駄なタスクをぜひ一度見てみて、一度捨ててみて、その後判断するということを実施してみていただければなと思います。
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