2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平野裕一氏(以下、平野):私は、株式会社主体的なキャリア形成という会社の代表を行っておりまして、人と組織の架け橋にしていこうというロゴの意味もあります。2級キャリアコンサルティング技能士で、若者、中高年、シニア、女性のご相談を18年行ってきました。
あと「ログミーBiz」で、前回セミナーを行ったものが記事になっておりますので、よろしければ見てみてください。総合人材サービス会社で支店長を歴任していて、他社人事部と連携した業務を10年以上。刑務所で受刑者の方へのキャリアコンサルティングとかも行ってきました。
令和4年12月16日から「『聴く力』と『問いかける力』を高めて」という社員の方々がやる気になる面談力の向上講座をSNSで毎日発信中です。気になる方はXで「やる気になる面談」を見てみてください。
2023年Xでキャリアコンサルタントが注目を浴びてまして。毎日投稿をしてましたのでポストが何度かトレンドに入ったことがあります。SNSは若者の採用力を強化していくために必要ということで60歳から始めて、今、(複数アカウントの累計で)2万4,000人を超えております。
どんな経験をしているかというと、支店長時代に派遣社員の方々が相次いで辞めて、広告予算もなく困り果てて、どうしようかと思ってキャリアコンサルタントの資格を取得しました。
刑務所の受刑者の方へ全6回の動機付け面談プログラムを組んで面談を行い、最初は就職の意欲が低かったんですが、徐々に自己理解が促進され就労の意欲が高まっていった経験があります。私は勤務先が倒産したりリストラにあったりとしくじっておりますので、仕事でしくじったことがあるなぁという人はかなり親近感が湧いて、お仲間のような感じがします。
60歳からSNSを始めて会社も設立をしておりますので、60歳からでもなんとかなると思っております。そして主体的なキャリア形成なんですけど、社員の方々がやる気になることにもつながっていきます。
平野:主体的なキャリア形成の背景としましては、リンダ・グラットン氏の『LIFE SHIFT』で言われているように、今は人生100年時代で、かつての学校に行って就職して定年を迎えて、残りの人生を生きるといういうモデルが機能しなくなっている状態です。
終身雇用制も崩壊して、なかなか組織に頼った生き方が難しくなってきた。その中で静的なフレームは、自分自身をゆっくり見つめ直す。Will・Can・Must、やりたいこと・できること・するべきことの3つが重なったところが、活躍しやすい場所だと言われております。
あと自分自身の中の能力・興味・価値・経験(を洗い出す)。自分では難しい場合は、周りの方と一緒に自己分析をやってみてください。
ここで重要なのは、この静的なフレームで自分のことがわかるプラス、動的な変化の激しい時代に適応していく。今ChatGPTやコロナとか、社会の激しい変化に対応できるように、自分自身を合わせていかないといけなくなっています。
あとは仕事でも家庭でもない第3の居場所があると、より良くなってくると思われます。他でもないご自身の人生ですので楽しんでくださいということです。うちの会社は何をやってるかというと、(社員の)定着率を向上させる事業をやっています。採用と定着は密接な関係がありますが、辞める、広報採用費用をかける、また辞める、広報採用費用をかけるというのも、なかなかお金がかかるので。
社員がやる気になる面談、1on1ミーティングを入れて定着率を向上させて、経費が削減できれば賃金アップ等も可能になっていきます。人手不足対策、若者の採用力向上、定着率向上、1on1ミーティング研修、国家検定2級、キャリアコンサルティング技能対策講座。こちらは得意です。国が定めた面談のやり方を各先生と相談して、テキストとかも作成をしております。
私からは以上で、林先生にバトンを渡してよろしいでしょうか。
林雄次氏(以下、林):はい。ここからは私のほうでお話をしていきたいと思います。本日ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。資格ソムリエ、林でございます。
本日は「主体的なキャリア形成を考える資格の活かし方」ということでお話をしていきたいと思っております。略歴は、1980年生まれ、東京都足立区出身でございます。大学では、社会福祉をやってたんですけれども、その後IT系に進みまして、なんだかんだやって、今は(保有する)資格が500を超えております。
東京都社労士会の委員とか全国の社労士会の委員とか、セキュリティのプレゼンター、IPAさんのセキュリティプレゼンターとか各所でいろんなお話をさせていただいております。パラリンピックの情報科学スタッフなどもがんばっております。
自分の著書と共著と雑誌、その他。あと漫画の監修なんかもしたりしています。どれも毎度全力でがんばっておりますので、ご覧いただけましたらおもしろいかなと思います。
本日のテーマにもある、渾身の1冊『資格が教えてくれたこと 400の資格をもつ社労士がみつけた学び方・活かし方・選び方』はなんだかんだ途中で執筆の方向がガラっと変わった関係もあり、足かけ3年ぐらいかかりました。
書籍全体は学ぶ前の話と、学ぶところと、その後の活かし方の3章で構成されています。その後、なぜか僧侶資格からの学びという、仏教書みたいなニュアンスもあります。私自身僧侶でもあるんですけれども、学び方・活かし方・選び方ということで、全100項目をお伝えしております。
本日は一部のエッセンスをお話ししますが、さすがに全部の内容をお話ししきれませんので、ご興味湧いた方、もしよろしければご覧いただけましたら大変幸いでございます。
林:ということで、本日は資格の活かし方ということですが、いきなり核心に入るよりは、活かす前にどうやって選ぶか。この選び方もけっこう大事なところなので、その手前のところからお話を差し上げていきたいと思います。
例えば「どんな資格がいいですか?」って聞かれることがあるんですけれども。さっきのWill・Can・Mustと主に似たような考え方でございます。
Can、できる、Will、やりたい、Must、やってほしいという周りからのニーズが重なるところが自分のやるべきことかだと思っております。
「この資格を勉強する!」「これをやりたい!」っていう時に、意外とこの軸が抜けちゃってる方が多いかもしれません。資格を選ぶ時に、自分ができること、やりたいこと。そして社会からのニーズ、時代のニーズ、やってほしいということ。こういう軸で考えるといいのかなと思っています。
あとは、自分の強みですね。これはなかなか自分1人で発見するのは難しいことです。本でも書いておりますけれども、自分の強みって、自分では絶対にわからないんです。なんでかと言いますと、自分の強みは息をするように無意識でできちゃうんですね。他の人がぜえぜえがんばってどうにかできることが、息をするようにすっとできちゃうのが、本当の自分の強みです。
なので、自分の強みだって言ってることは、たぶんまだ手前なんですね。もっと先に何かがある。私も自分の強みは自分では気づけませんでした。「ITに詳しい社労士っていうのが林さんの強みじゃない?」って言われても、ぜんぜんピンと来なかった。経緯を話してると長くなっちゃうので割愛しますけども、やってみたら自分の強みだったんですね。
なかなか難しいことですけれども、自分の強みを意識するのが大事です。あとやってみないとわかんない部分もあるんです。自分の強みが見つけにくいのと一緒なんですけれども、見えにくいので。
林:テストマーケみたいにやってみながら掘っていくことが大事かなと思っています。資格の組み合わせについても各所でお話をするんですが、足し算、掛け算、引き算、割り算、実は4つちゃんとお話をしてるんですけど、時間の関係で割愛します。
資格の組み合わせ方で従来から推奨されているのは割り算です。社労士の後には、特定社労士とかですね。どっかの分野に特化するのが推奨されてます。専門性の山を登るということです。
専門性を高めるのはもちろん大事なことなんですけれども、それにはとても手間がかかりますし、どんなに専門性を高めたとしても、先に山に登ってる人がいるんですね。そして、山を登れば登るほど、ここまで登ってきてくれるお客さんが少なくなります。
大工さんには家のちょっとした修理を頼むと思うんですけれども、大工さんの道を極めて宮大工みたいになった人には、私たちは頼むでしょうか? 市場が狭くなっちゃうので、専門性と市場の規模というのはけっこう難しい部分がございます。
私は資格の組み合わせ方では掛け算を従来から推奨しております。社労士・行政書士のような単なる足し算、ダブルライセンスはよくあります。これとはちょっと違う活用の仕方のイメージです。
新しい価値を作るということで、例えば本屋さんの隣にカフェをオープンしました。これを2軒別々にやってると本屋さんとカフェなんですけれども、まとめて1つにしちゃうとブックカフェという新しい業態ができます。
カフェに来た人にゆったりと過ごしていただきながら、本屋さんに来た人にゆったりと本を選んでいただく。新たな価値が生まれるので、探しても他にないものだったりいたします。
これは別に資格×資格じゃなくても、資格とキャリアでもいいと思います。その人のキャリア、成育歴というのはその人本当にオンリーワンのものです。ですので、こういった組み合わせを見つけていくと、学年に1人ぐらいのレアなものが1つや2つ、みなさんも持ってるんじゃないでしょうか。
100人に1人(の要素)を2つ合わせると1万人に1人です。3つ合わせますと100万人に1人。3つの要素で、100万人に1人。意外と簡単になれるということなんですね。
林:なので自分のやってきたことで得意なことを組み合わせてあげる。オンリーワンを作るというよりは、みなさんすでにオンリーワンがあると思うんです。それをどう見つけるかというところだと思います。
私も別に「オンリーワンをがんばって作るぞ」と言って作ったわけではなくて、言われてみて「あ、あった」という感じだったんです。それを訴求していく過程は確かにがんばったんですけれども、(オンリーワンのものが)意外と自分の中にすでにあるという可能性はけっこうあります。
選び方もそうなんですけれども、効果的・効率的な学び方。勉強の仕方も知りたいですよね。モチベーションの話も各所で聞かれるテーマですので、お話ししていきたいと思います。
「どんなモチベーションがあれば、そんなにがんばれるんですか」とよく聞かれるんですけれども、私はそんなにものすごく高いテンションで日々がんばっているわけではありません。やっぱり2日酔いでつらい時もありますし、週末ちょっとのんびりしたい時もある。人間でございますので、みなさんとまったく変わりません。
ただ、何が違うかと言うと、まずやる気がなくても、ちょっと動いてみる。やる気ってとっても大事だと思うんですけれども、やる気がないと仕事はできないのか。やる気がないと勉強はできないのかというと、そうではないと思うんですね。やる気がなくたって行動をすることはできると思うんです。
朝に歯を磨いたり顔を洗うことを、「よし、がんばるぞ!」と思ってやる人がいるでしょうか。めんどくさくても、なんとなく「しょうがねえな」と思ってやるんです。気持ちと行動は表裏一体ですから、行動が気持ちを生む。気持ちが行動を生む。キャリコンでも学びますが、両方の理論があります。悲しい時に涙がつーっと1滴出るのは、たぶん気持ちが行動、体に出てるんだと思います。
でも、涙が1滴出ると、その後「あ、悲しいんだ」と自覚して、だーっと涙が出ますね。これはたぶん行動が気持ちを高ぶらせていると。この両方があるんですね。
気持ちがないと行動しちゃいけないってことではなくて、行動することで気持ちが生まれてくることもあります。やる気がなくてもちょっと動いてみることで生まれてくるやる気があるんです。そうすると、まず行動してみるだけで「私できるじゃん!」みたいな感じになってくるんですね。
林:ですのでやる気がないから行動できないということはありません。ちょっと動いてみることが大事かなと私は思っています。あとはちょい足しで習慣化する。勉強も仕事も習慣、流れにしちゃえばいいんです。
人間には生き物としてホメオスタシス(外界がたえず変化していたとしても、体内の状態、体温・血液量・血液成分などを一定に維持できる能力のこと)が備わってます。
ただいきなり明日から海の中で生活しようとか水中で生活しようとしたら死にます。大きすぎる変化は種として死んでしまいますので。それはダメ。でも、ちょっとだけの変化だったら受け入れることができます。ですので、習慣化の基本は「ちょい足し」です。
バス停をいきなり自分の家の前に100メートルずらしたら怒られると思うんですけれども、1センチずらしたらたぶん気づかれないですね。1年ぐらいしたら家の目の前にバス停がずれてるかもしれません。
ちょっとずつやれば習慣化できますから、続けるうちに、当たり前のものになっていきます。
例えば朝、歯を磨く前に単語カードを洗面所に置いておいて、ちょっと覚える。磨いてる間に空想して覚えることもできるでしょう。
ちょっと奇異な習慣かもしれませんが、続けるうちに当たり前になってきます。ほんの30秒~1分の話で、やろうと思えばできる。慣れていくと新しいことを受け入れやすくなって、どんどん好循環に入っていきます。
林:逆に「私は新しいことができないんで」と言っていたら、どんどん悪循環に入っていきます。ですのでちょっとしたことから、小さなスモールステップを積み上げていくのが大事かなと思っています。
成果が出るのはゆっくりだと認識しておいたほうがいいです。1日で大きく変わることはまれです。先週に私は保有資格が500を超えましたけれども、400の時も300の時も、何も変わらないんです。1日で大きく変わることはまれです。
ボクシングの選手なんかは試合の直前に絞るかもしれませんが、それも限界があります。ダイエットしようと思ったら、今日1日で5キロ痩せるのは無理です。じわじわ減らしていくのと同じです。
私もじわじわ日々勉強をやっているわけですが、そうするとある時パコンっと上がるところがあったりします。タクシーのメーターみたいな感じかもしれませんけれども、いつの間にかブレークスルーがあって、ふとできるようになるんですね。
みなさんは初めて自転車に乗れるようになった日を覚えているでしょうか。たぶんそれまでは補助輪をつけてもなかなか漕げなかった自転車が、ある日突然漕げましたよね。
いつの間にかできるようになっちゃうんですけれども、それまでは泣きながら練習していたかもしれません。それと同じで、ここはじっくり待つ必要があります。
林:本当にあと一堀りで穴が貫通するのに、その手前で諦めちゃうこともあるんですが、成果が出るのはある日突然なんです。なのでコツコツがんばる。そして効果的・効率的な学び方として、隙間時間を活かしましょう。時間を取れたらやるっていう人がいるんですけど、週末も含めて、空いてる時間なんてそんなにありません。
昨日だって、朝起きてから夜寝るまでたぶん忙しかったと思うんです。夜寝てる時間は大事なので、削っちゃいけません。例えば昨日1時間空いてた人いますか? いないんです。なのに我々はなぜか新しいことを始める。
駐車場は満車なんですけども、なぜかそこに車が突っ込んじゃう状況が推奨されています。でも危ないですから、何か取り出さないとダメなんです。または軽自動車しか入れない隙間に無理やり入れるとか。そういう隙間時間を活かす努力が必要なんです。例えば、1時間に5分隙間時間があったとしましょう。朝6時から夜6時まで、5分の隙間時間が12回あったとしたら、1日1時間掘り出せるんですよ。
電車を待つ5分。トイレに行った前後の5分。ついついスマホを見ちゃう5分。積み上げてみてください。
この間、駅のエスカレーターに乗った瞬間に文庫本を読んでいる小学生がいて、「この人すごいな」って思いました。エレベーターに乗ってる30秒、またはエスカレータに並んでいる時。電車を待ってる時間なんて何分かありますから、5分はあっという間に捻出できます。
これをたくさんやると、1日1時間捻出できます。1週間で7時間、1ヶ月で30時間、1年で365時間と、とんでもない時間になります。宅建なんて1年で余裕で取れちゃう。それぐらいの埋蔵金的な時間が眠ってるんですよね。
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