CLOSE

【知らないと損】頭がいい人が、やっている交渉術(全1記事)

上司や取引先からの“むちゃぶり”に負けない方法とは 頭のいい人がやっている交渉術まとめ5選

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は「頭がいい人が、やっている交渉術」と題し、5つのポイントを解説します。 ■動画コンテンツはこちら

取引先のパワープレイ、上司の無理な命令に負けないためには

伊庭正康氏:上司から無理を言われる、取引先から無理難題を言われる。どうすればいいんでしょう? タフな交渉力を身に付けてください。頭がいい人がやっている交渉術を紹介します。

「頭がいい人がやっている交渉術」と言うと、なんか難しそうに思えますが、そんなことはありません。「調整する力」だと思ってください。これは社内でも社外でも使える力です。

取引先のパワープレイに負けない、上司からの無理な命令をうまくかわせないということがあれば、それは問題は相手にあるのではなく、あなたの調整力に問題がある。つまり、交渉力に問題がある場合が多いんですね。じゃあ、どうすればいいのか。今から紹介するハーバード流交渉術を覚えてください。難しくないんですよ。

私はUdemyや研修でこれをよく紹介していますが、感謝されます。「今までとはぜんぜん違います。でも、すぐできます」と言われます。今日はそれを一部抜粋してお届けしますので、もしあなたが調整力や交渉力を身に付けたいなら、最後までお付き合いよろしくお願いします。

このチャンネルは、年200件登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、ちょっと知ってるだけで人生のクオリティがドンとアップする本物のヒントを紹介しています。ぜひチャンネル登録をお願いします。

そして、登録していただいたらベルマーク(通知)もチェックしておいてください。リアルタイムで更新をチェックできます。見逃しがなくなりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

YES・NOで答えようとするのは相手の思うツボ

あるシチュエーションで考えてみましょう。もしあなたが家電量販店の店員さんだとします。こんなお客さまが来ました。

ちょっと怖そうな顔ですが、「パソコンを100台買うので半額にしてよ。もしできなけりゃ、他の家電量販店にも行くので、できないとは言わないよね?」みたいに言われたとしましょう。あなたはこの後どう答えますか?

もしあなたが「いやぁ、100台で半額はちょっと厳しいです」と答えたのであれば、それは相手の罠にはまっています。いきなりYES・NOで答えようとしませんでした? もうこの時点で、あなたは交渉で損をしています。

まず1つ目は、YES・NOで回答しようとしていなかったか? ということなんですよね。これでは相手の思うツボです。「二項式の罠」と言って、「この条件でできる? できない? どっちなの?」と言われた時に、相手のペースに巻き込まれやすくなる。

2つ目が「アンカリングの罠」。例えば「半額で」とか「3割引で」と言われた時には、そこを起点に交渉が始まります。先ほどのシチュエーションでは、半額が起点に始まりますよね。もし「3割引で」と言われたら、3割引から始まります。

「パソコンを100台買うから半額にしてよ」「いやぁ、ごめんなさい。100台買っていただいても半額にはできないんです」「じゃあどれぐらいだったらできるの?」「100台とはいえ、できたとしても10パーセントぐらいまでなんです」「10パーセントでは話にならないねぇ。20パーセントでどう? 20パーセントだったら今決断するよ」「いやぁ、それはちょっと」。

………はい、相手のペースに巻き込まれてますよね。二項式の罠とアンカリングの罠に引っ掛けられております。交渉力や調整力の強い人は、これをもう少し優しく、わからない感じでやってると思ってください。寄り添う姿勢でヒアリングに回るのが正解です。

まずは寄り添う姿勢でヒアリングに回る

「パソコンを100台買うから半額にしてよ」と言われたら、まずはYES・NOで答えずにヒアリングに入ってください。「100台もお求めなんですね。私もぜひお役に立てればと思ってますので、お話をうかがってよろしいですか?」というふうに、寄り添う姿勢でヒアリングにサッと回ります。

「100台ってどういったシーンでお使いになられるんですか?」と、このように背景を確認していきます。その上でもう1つ大事なことがありました。

「今回、半額でというお話でございますが、会社から具体的にそういう指示が下りてるということでしょうか。それとも、そうではなく何かがあるということでしょうか?」「具体的な指示があるわけではないんだけれども、他の部品も買わないといけないので、今回パソコンについては半額で抑えたいと思ってるんだわ」。

ここで、半額である理由がないとわかりましたよね。曖昧なことが多いです。当たり前のように既成事実として伝えられることであっても、実は事実ではなく相手の意見であることがよくあるんです。そこは崩せますよね。

そして目的を確認します。「今回、100台はどういうふうになるのが一番よろしいものですか?」「すぐに稼働したい。1ヶ月後には新しい人員が入ってくるので、100台使える体制にしておきたいと思ってるんだわ」。(目的は)新しい人員が1ヶ月後に来ても稼働する状態になることです。

「じゃあ、お急ぎなんですね。何かご不安な点ってありますか?」と、不安点を確認しましょう。「納品されたとしても、うまく本人たちが使いこなせるかどうか。ネットワークのトラブルがあるかもしれないので、そこが不安なんだわ」みたいなお話があると、交渉の余地が変わってきそうですよね。

相手のペースに流されないために大切なこと

次に「決着点と留保価値」。言葉は難しいんですが、留保価値というのは妥結する最小の条件。こちらからだと一番ミニマムの条件ですよね。うれしくない条件のことを留保価値と言います。今回、決着点はなんとか1割引で抑えたい。でも、最悪でも2割引で抑えたいと決めておかないと、流されちゃうということですよね。

ですから、「100人の方が1ヶ月後に安定稼働できるようにしておくことが大事ということでございますよね。かしこまりました」と言いながら、「急ぎで納品することが肝心ということですよね。そして稼働した上で、もし何かあった場合サポートさせていただくことも必要になってくるかと思います。そうなった場合……」というふうに、交渉を切り出す流れなんです。

ですので、まずは決着点と留保価値を決めておいた上で、ヒアリングの後から交渉が始まります。流されないようにしていきましょう。

決着点は1割引、最悪でも2割引で抑えたい。じゃあこの場合、あなたならいくらの値段を提示しますか? 何割引でいきますか?

答えにいきましょう。まず「1割引で抑えたい」と思って、1割引の話をしようとしませんでした? アウトです。交渉はそうじゃないんです。1割引で抑えたいのであれば「1割」を言っちゃダメで、交渉はドア・イン・ザ・フェイスという交渉術を使うのがセオリーなんです。

交渉上手な人がやっている「ドア・イン・ザ・フェイス」とは?

ドア・イン・ザ・フェイスというのは、決着点、合意するよりも上のところでまず話をすることなんですね。見ていきましょう。

「申し訳ございません。ご事情はよく理解いたしました。実はお値引きは厳しい商品でございまして、その代わりにサポートをしっかりさせていただきます。また、余裕をもって納品するように動きますのでご安心ください。ただ、お値引きは厳しい商品なんです」。今、値引きはできませんと言っていました。

「おいおい。『値引きできない』はさすがに勘弁してよ。じゃあどこまでできるの?」と言われた時に、「この商品は値引きができないんです。今後○○をしていただけるという条件をベースにしていただければ、私の決裁で5パーセントでお話をすることができます。5パーセントオフであればすぐに決裁が取れますので、。5パーセントでいかがでしょうか?」。

「ちょっと待ってよ。5パーセントってキツくない? 他も部材を買うんだからさ」「精いっぱい努めますので」と、けっこう粘ります。

「いやいや、それではさすがにキツいよ」「わかりました。○○さんのお話を聞いて私もお役に立ちたいと思いましたので、1割引でいかがですか? これ以上はさすがに無理です」「わかった。そこまで言うのであれば、1割引でお願いしよっかな」「ありがとうございます」。はい、本当は2割引まではよかったんですが、決着点で合意できましたよね。

これをドア・イン・ザ・フェイスと言って、上から条件を言っていく方法です。覚えておいて損はないですよね。実は交渉上手な人はこれをやってますので、ご安心ください。別にずるいことじゃないんです。ビジネスでは普通のセオリーですので、ぜひ覚えておいてください。

頭がいい人がやっている交渉術まとめ5選

とはいえ、そんなに簡単に相手は折れますかね? と思われたかもしれませんが、交渉上手はまだもう1個用意してるんです。もしそれでも「いやいや、3割引じゃないと話にならないね」と、強気に出られたらどうしましょう。この時に必要なのは、あらかじめBATNAを用意しておくことが大事になります。

BATNAというのは「最善の代替策、代替え策」とも言いますが、妥結範囲で決まらなかった場合、代替策を用意しているかということです。この代替策をBATNAと言います。妥結範囲というのは、こちらが譲れる範囲です。交渉上手はこのBATNAを用意しているんです。

「すみません、3割引はできないんですよ。できるのは、せめて1割引までです。ただ、今回は100人の方が安定稼働できることが絶対の条件だとおうかがいしましたので、納期を早くします。ふだん納期は2週間かかるんですが、今回は1週間以内に入れるようにします」。

「そして次の週にはすべてのパソコンが安定稼働できるように我々が配線もして、すべてをテストした上で、さらにみなさんが安定稼働いただけるように、2週間でシステム担当の方とミーティングもしっかりとさせていただきます」。

「ここまでやっておけば、何かがあった時にすぐ対応できるようになります。プロジェクトのチームを作って対応するようにいたします。他の家電量販店さんではここまでされないと思います。我々はチームを作って、きっちりと対応するようにやります」。

「そしてその後も、2ヶ月ちゃんと安定稼働ができるかどうかもサポートをさせていただきますので、30パーセントは厳しいんですが、10パーセントオフでちゃんとチームを作って立ち上げのお手伝いまでしっかりとサポートさせていただくのはいかがでしょうか?」というふうに、代替策を用意していることが大事なんですね。

交渉前に代替策を複数案を用意しておくことも大事です。「頭がいい」という表現はよくないんですが、そういうことをしている人はやっぱり頭がいいと言われます。

いろいろと言いましたね。では、まとめていきましょう。まず、交渉を迫られた時にYES・NOで回答しようとしていなかったか。しちゃダメです。その代わりにやることが、寄り添う姿勢でヒアリングに回り、背景・事実・目的・不安な点を確認していきます。

そして交渉に臨むにあたっては、決着点・合意点と留保価値、最低で譲れる条件をこちらでちゃんと整理をした上で、流されないように会話をします。交渉する時はドア・イン・ザ・フェイスを使う。そして5つ目は、BATNAを用意しておく。

ここまでやっておけば、交渉のパワーはこちらが持てます。ですから、この5つの流れを笑顔のコミュニケーションでやってみてください。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 初対面の相手から本音を引き出す「核心質問」のやり方 営業のプロが教える、商談成功のカギを握る質問力アップのコツ

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!