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周りに振りまわされない 本当の「自信」の育て方 (全2記事)

“周囲に頼れない”という悩みの背景にある、母親からの評価 大人になっても影響する、幼少期の自分を守るためのメカニズム

「他人の意見や期待に流されやすい」「リスクやネガティブな考えが常に頭に浮かぶ」そんな悩みを抱える人に向けて開催された本イベント。習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役の古川武士氏と、同社の執行役員の島名祐紀氏が登壇し、本当の「自信」の育て方を語りました。本記事では、自信を育てることが人生にもたらす影響についてお伝えします。

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自信を育てていくとどんな未来があるか

島名祐紀氏(以下、島名):自信を育てていくのが今日のテーマだと思うんですけど。セルフイメージを高めたり、自信を育てていくと、どんないいことが待っているか。どんな人生になっていくんでしょうか。

古川武士氏(以下、古川):因果関係でいくと、自信がついてセルフイメージが上がり、やるべきことだけじゃなく、やりたいことにも目を向けられるようになります。つまり、人のことばっかりケアしてて、自分のことが後回しになるケースが多いと思うんですけど。

そういうのがなくなってきて、「自分のやりたいことや大切なものって何だろう」と考えられるようになります。スタートラインとして、本当に自分を大切にできるようになると思います。次に、「少しでもわくわくすることをやってみよう」と思えるようになってきます。例えば、近くに料理を習いに行くとしますね。そうすると、やりたいことや好きなことをやって生きている人たちと出会えるわけですよ。

島名:そうですね。

古川:その人たちが、「ブラジル料理があるのよ。行かない?」みたいにして、次に何かに誘ってくれるんですね。そこですごくわくわくして生きてる人に出会ったりすると、その先で「副業やってます」とか「幸せな結婚生活です」とか、幸せに生きている未来に触れる可能性が出てくるんです。

つまり、やりたいことや好きなことに目を向けて人と接していくと、その人たちから影響を受けるんですね。だから、本当に人から変わるんです。人のオーラとか影響とか、幸せな状態をいっぱい見ると「あ、自分もそこに行っていいのかも」って思えるんですね。

島名:なるほどね。

古川:その最初のスタートラインを、「自信がないからできない」ってなっちゃうのは、可能性を閉じているんです。

親が我慢して好きなことをやれていない状況が、子どもに与える影響

島名:まず自分を大切にして、わくわくして人に会いに行って、幸せに生きている未来と触れたあとは、どんな未来になっていくんですか?

古川:例えば副業をやろうと思ってやり始める人もいるし。結婚までいった人もいましたよね。

島名:いましたね。

古川:自分のセルフイメージが上がって、転職してもけっこううまくいって、「私も結婚して幸せになってもいいのかもしれない」と思って、人生の選択をする人たちが出てきます。

あとは、自分を大切にした結果、「単身赴任を女性がやってもいいじゃないか」と思って東京に出てきた女性。今まで学んでいた心理学を職場で活かしていって、上司からも期待される未来に変わっていった人たちもいますよね。

島名:やっぱりファーストステップは、自分を大切にするってところですよね。そこから、どんどん良くなっていくってことですよね。

古川:そうですね。その結果、自分の未来も良くなるし。あとは自分の子どもにも良い影響を与える。なぜならば、自分の親が好きなことや大切なことをやってると、「あぁ、自分も(好きなことを)やっていいんだ」ってなるわけです。

自分が我慢しまくって(好きなことを)やれていないと、子どもも「我慢するものなんだ」って思うので。自分が子どもにどんな影響を与えたいかって、親としてはすごく考えると思うんですけど。自分が好きなことややりたいこと、大切だと思ってることを優先する。これを日常で見せるのは、すごく重要かなと思いますね。

我々の人生の質って、人間関係で出来上がってると思うんですよ。だから負の人を引き寄せるのか、良い人を引き寄せるのかによって、ぜんぜん環境は変わってくる。

島名:確かに。

古川:自信がついてセルフイメージが高くなると、同じ人たちが来るんですね。不平不満のコミュニティと、自分のやりたいことや希望に向かって進んでいるコミュニティって、どっちのゾーンに入るかによって、その先に見えてくる未来もぜんぜん違ってくる。

島名:付き合う人も変わってきて、もっと良いエネルギーになっていくってことか。

自分の弱みだと思っていたものは、尖った強みだった

古川:そうですね。ちなみに島名さんも大企業を辞めて独立していますが、どうですか。

島名:やっぱり最初は、自分が何が好きで、子どもの頃は何が好きだったのかとか。あとはエニアグラムっていうタイプ診断で、自分はサポータータイプで貢献するのが好きなんだって知りました。今までは、人に合わせてしまうのって、弱みだと思ってたんですね。でも、それが尖った強みなんだってわかってから、どんどん変わっていきましたね。

古川:そう。それがセルフイメージが変わったということなんですよ。弱みだと思ってたものが強みなんだっていう。

島名:そうそう。営業としてはそれじゃだめなんじゃないかとか思ってたんですよね。サポーター型営業みたいなのもありますが、もっと強い営業に憧れてた。

古川:でも、フォロワー型の営業があっていいって自分を受け入れられた時に、行動が変わったと思うんですよね。

島名:変わりましたね。

古川:職場の中ではどうなりましたか?

島名:本当に周りから、「え、なんでそんなことに気がつくの?」とか「普通そんなのできないよね」みたいなことを言われて、自分で当たり前だったことが、「あれ? そうなの?」となって、どんどん変わっていった気がしますね。

古川:そうですよね。それが職場でファシリテーターをやるようになったりとか。

島名:そうなんです。「サポートなら任せてください」と上司に言ったりして。研修やプレゼンをやらせてもらえたりしましたね。

古川:そうですね。その結果認められると、また自信になってくるじゃないですか。

島名:そうなんです。でもその代わり、戦略を立てたり、マーケティング系はできない。できないというか、そこではない強みを尖らせたみたいなイメージかもしれないですけど。そうすることでどんどん変わっていった気がします。

古川:そうですね。自分の得意なことがわかると、弱みやできないことに執着しなくなるんですよね。

島名:そう。「人を喜ばせることなら任しとけ」ってなったという。

自分の価値観に気づけると、弱みが気にならなくなる

古川:そうそう。それがセルフイメージです。「人を喜ばせることなら俺に任せとけ」って思える自分を作るには、もちろんそのノイズをなくすのもあるけど。自分の価値観に気づけると、弱みが気にならなくなるんですよ。なぜならば、大切な強みと輝きを持っているって気づけるから。でも、それがないと思っちゃうと、自分の価値観に気づけないんですよね。

島名:そうですね。

古川:そうすると、ますますどん詰まりになっていくんですね。全方位的にいろんなことを身につけなきゃと思って、もっとできる人と比較して、できない、できないのパラダイムから抜けられないんです。

自分の好きなことややりたいことを見つけて、そのループから抜けられたら人生が変わります。いつの間にか島名さんに至っては、会社(を設立して)3年が経ち、それで満足してたけど、もっと次の次元に行きたいと。

島名:いけるんじゃないか? みたいなね。

古川:そうそう。それも仲間と一緒に進んでいって、影響を受けたんじゃないですか。

島名:そうです。

古川:同じ波動というか、そういう人たちが集まると影響を受け合って上がっていく感じですよね。

島名:そうですね。やっぱり習慣は複利でずーっと効いてくるから、早めにこういうことを扱っておく。すると本当にあとの人生が良くなっていくなって、自分が感じてますね。やらなかったら今頃どうなってたんだろうみたいな感じ。

古川:そうそう。だから、これからどうなっていくかは完全に逆算できるわけじゃないんだけど、今の選択がこれからの未来を作るとすると、これからどうするかですよね。

島名:うん。僕も本当に周りの目線が気になってたけど、ちょっと自分のいいところを見つめてみようかなって思ったのがきっかけだったので。

古川:それがセルフイメージが変わるってことなんですよ。

島名:そうですよね。

自分を“かけがえない存在”と思えたら、他人のかけがえなさに気づける

古川:技術なんてないんです。自分のことを自分でどう評価するか。この自己評価、セルフイメージが、いろんなことをやりながら変わっていくんですよね。そうすると、どんどんチャンスに目が向くようになります。

するといつの間にか、島名さんのように大企業を飛び出して、次のステージに向けて行動していける。そんな未来もあるということですよね。

島名:私もちょっと熱くなっていろいろ話してしまいましたが、チャットを見てみましょうか。いろいろ来てますね。「本当に失敗するイメージから逃れたいです」とか「やっぱり自分をかけがえないと思えると、他人のかけがえなさに気づけますよね」とか。

古川:あ、それはいい言葉。本当にそうですよね。

島名:「休みの日も仕事の勉強をして、やりたいことができない。仕事のことを考えて(やりたいことが)できない自分が情けない。もっと勉強しなきゃと負のスパイラルに陥っています」とか。たくさんいただいてますね。

古川:いいですね。かけがえのない自分を信じられたら、みんなかけがえのないと思えるし。自分はだめだと思ったら、相手もだめだ、あいつもだめだって、他人のだめな部分をあげつらいたくなる。どっちのスパイラルにいくかは、セルフイメージで決まるんです。

島名:本当にそうですね。質問もたくさんいただいてますが、またあとで取り上げたいと思います。「もう遅いと思っても、結局今が一番早いタイミング」と。いいですね。

古川:今が一番若いということですね。何歳になっても、いつからでも、今から決めれば変われる。間違いないですもんね。

島名:今日は今もう300名近く入っていただいてますね。本当にありがとうございます。

幼少期に作られた信念がその後にも影響する

島名:じゃあ古川さん、もう1個いきたいんですけど。今日来てるみなさんは、自信をつけて幸せに生きていきたいとか、自信をつけた未来に向かって歩んでいきたいと思うんですけど、なかなかできない。今のセルフイメージが邪魔をすることがあると思うんですが、その問題はどうしたらいいんでしょうか。

古川:さっきも言ったように、「自信をつけるためには、実績やすごい結果を出さなきゃいけない」ということから1回解放される必要があります。自分が自分をどう評価して、どう捉えているのか。頭の中でセットアップされているものに気づくことが、すごく重要なんです。

我々は必ず自分や人間、社会に対して、ビリーフという信念を持っています。心理学では、わずか5歳までの間に、「(自分は)こうなんだ」って決めつける信念を作ると言われています。

これは我々が安全に生きるために絶対必要なんです。「人を信用してはいけない」って信念でも、「人類はみんな友だちだ」って信念を持っても、どっちも世の中は一緒じゃないですか。一緒だけど、どっちを信じるかなんですね。

人とか社会はちょっと置いといて、自分に対しても「私ってこういう人間なんだ」っていうのを、5歳までにセットアップされてる。そのイメージが、実はあとにずーっと影響を与えてるんですね。

だから、もし自分のセルフイメージがなかなか上がらないと思ったとしても、それはみなさんのせいじゃない。脳が勝手に幼少期の環境の中から「こう考えたら安全かな」って信じているメカニズムがあるんですね。セルフイメージはあなたを守るために信じたものなので、決して責める必要はないと。

幼少期の母親との関係が大きなヒントになる

島名:自分を責めてる人は多いと思うんですよ。でもそうじゃなくて、そういうメカニズムなんだってことですよね。

古川:そう、そう。ちっちゃい頃は必要だったかもしれないけど、「大人になったら、そういうふうに信じなくても大丈夫」って場合でも、ずっと引きずるんですね。

だから、それを効果的に扱っていく。自分の幼少期やルーツに戻って、どこから信じるようになったのか。なぜ信じるようになったのか。それを信じることでどんなメリットがあったのか。それを信じ続けると、どんなデメリットがあるのかを順に考える。

心の無意識の部分にある安全装置をオフにするプロセスをちゃんやらないと、理屈ではできないんですね。そんな浅いものじゃなくて、そのデフォルト値を変えていくことがすごく重要。それには、思考の習慣を変えることが大切になってきます。

島名:その思い込みには、やっぱり自信とかセルフイメージがめっちゃ影響してそうですね。

古川:はい。一言だけ、もし一番のヒントを言うならば、母親との関係は子どもにとってはめちゃくちゃ大きい影響になってます。

それは悪い意味ではなくて、わずか7歳までの間の母親の評価が、子どもにとって生きていく上でものすごく重要なんですね。だから母親が持っていた価値観や、どうやったら母親に認められるか。母親を喜ばせたり、良いと思ってもらうために、子どもって必死になるんですね。

その時に自分が何をし、どんなことを信じたのか。「あなたは手がかからなくて本当に助かるわ」って言われたら、人に頼っちゃだめなんだと。なんでも自分でやらないといけないんだって思う。そしてお母さんが褒めてくれると、またそれをやる。

でも、大人になるとそれには頼れなくなってくるんですね。子どもの頃にもっと深いストーリーがあるんですけど、これを1人で見ていくのは大変です。ただ、ちゃんと順にやっていくと、それらを憎むんじゃなくて自分の中で和解できるんですね。そうすると、ふっとストーリーは軽くなって、より本来の自分になっていけます。

セルフイメージを上げることと「自己受容」をセットで行う

島名:なるほど。メソッドというか解決策としては、どうしたらいいんですかね。

古川:(現時点では)自分がどんなセルフイメージを持ってるのかすら気づかないので、言語化されていないですよね。我々は「習慣化の学校」とかをやっていますが、そういうどちらかというと安全安心の場で、ちゃんと時間をかけて扱っていくことがすごく重要ですね。

まず表面的なところで言えば、行動習慣を積み重ねていくことでセルフイメージを上げることと、あとは自己受容と言われるような、自分を受け入れるもの。これは両方セットでやったほうが絶対にいいです。

だから、行動習慣とか勉強とか、自分にとって大切なことを行動に起こしていく。それに加えて自己受容をしていくと、自己開花につながっていきます。これがすごく重要なポイントかなと思います。

島名:ありがとうございます。みなさんから質問をいただいております。「お二人の熱い話を聞いていて、自信を持って生きられるのがすごく楽しそうと思えます」。「母親との関係、すごくわかります。言われた時に、思わず『ああっ』と声が漏れました」。

古川:大丈夫です。私も大人になっても結局、母親と暮らしていた小さな団地で「誇らしい息子でいるためにどうすればいいか」を、頭の中で比較してるんです。でもそのストーリーは、もういらないと。

「自分が本当にやりたいことをやって生きていいんだ」って思った時に、自分の信念を博物館に保存して、次の新しい人生に向けて必要なセルフイメージを信じることができる。これを丁寧にやっていくことで、人生は激変するんです。

人を信じられないというビリーフを持っていると、人間関係はこれからもずっと破綻していく。そしたらものすごく孤独になっちゃうじゃないですか。「人は信用しちゃいけない」って何か(のきっかけ)で信じてるんです。そのイメージを変えてあげれば、我々は温かい関係を結べる。

でも、医者が自分にメスを入れられないのと同じように、1人でやるのはしんどいことだし、危険なことでもあるので。深いところでやりたい方はそういったプログラムに参加するのもいいかなと思います。

まずは自分のセルフイメージを変えることから

島名:ありがとうございます。1個だけ質問です。自分がわくわくできるやりたいことはあるんだけど、「もう何歳だから」って、年齢を言い訳にしてしまうことがあると思うんです。「それはどう考えたらいいですか」というご質問をいただいています。我々のプログラムだと、いろんな年齢の方が来てますよね。

古川:50代で会社の中ではやっぱり先が見えてきたと。でも「自分はこのままじゃ終わりたくないから次の人生を」っていうことでチャレンジしている人たちもいますし。最高齢だと、75歳の時に「習慣化の学校」に来られた方もいました。

「わしね、あと25年生きるんや。あと25年生きるんやったら、これからやりたいこと見つけたほうがええやろ」ということで。革ジャンを着て、「健康に関する講演家になりたい」と来られたんですよ。

見事講演家になりましたからね。75歳から人生を変えて、今80歳か。それを見てたら、年齢って本当に関係ない。モチベーション寿命というか、エネルギーがどのぐらいあるかなんです。「この年で」ってなるのは、年齢に対するビリーフなんですよ。「周りもそうしてるから、自分もそうしなきゃ」って思っているだけの話であって。

でも、周りにやりたいことをやって好きにチャレンジしてる人たちっているんですよ。そういう人たちと触れると変われるんです。でも、そういう人たちがいるとはなかなか思えないじゃないですか。そこで、その人たちのところに急に入っても、違和感だらけで帰ってきちゃうんですよ。

だから何をすればいいかっていうと、自分のセルフイメージを変えること。セルフイメージが変わっていって、そっちが標準になっていくというか。37度5分の体温が当たり前の世界に入っていく感じですね。これが、人生が変わっていくための一番大きなテーマかなと。

島名:ありがとうございます。

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