2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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東京・立川を拠点に起業に関連したさまざまなイベントを開催しているStartup Hub Tokyo TAMA。本記事では、『秒で使えるパワポ術』『秒で伝わるパワポ術』の著者で、シリョサク株式会社代表の豊間根青地氏が登壇したイベントの様子をお届けします。今回は、まず答えて後から根拠をくっつける姿勢や、階層箇条書きの長所について語られました。
豊間根青地氏(以下、豊間根):ということで、問いが設計できたところで、答えを整理していきます。ここで一番お伝えしたいのは、まずは端的に「2行以内」で答えるということです。先ほど作った問いに答えていくわけですが、まずはシンプルに答えてください。問いに対して5行とか6行とかダラダラ書くと、答えにならないんですね。
みなさんもたぶん身に覚えがあると思います。みなさんの身の回りに、質問すると質問への回答で返さない人がいますよね。
「例の案件って、今順調ですか?」と聞いたら、「それはですね、田中さんが先週2週間ほど休暇をとっておりまして。私は、そうですね、代理店さんのほうの調整は済んでいるんですけども、イベントの企画のほうは済んでいまして」という感じ。「いや、結局順調なの? 順調じゃないの?」という人っていると思うんですね。それが起きます。
問いを立てたら、まずはシンプルに答えてください。「順調なの? そうじゃないの?」と言ったら、「順調である。なぜならば、これはこれこれこうだ」というふうに、まずは端的に答えることが大事です。
これをしないと、せっかく立てた問いに対して答えが見つからない、情報がダラダラあるだけで何が言いたいかわからないスライドが完成します。まずは端的に答えてください。
答えるのってちょっと怖いんですよね。自分のスタンスを示すということなのでちょっと怖いんですけど、ここは勇気を持って、自分なりの軸を持って答える。まず答えてから、根拠を後からくっつける姿勢がすごく大事です。
資料作りには仕事人としての姿勢が出るんですけど、まずは自分のスタンスを持って、端的に答えることが大事です。
いったん答えた上で、その次に説得力を出していくことが必要です。その時にポイントになるのが、「ツッコミ」です。みなさん、自分にツッコミを入れてください。
どういうことかというと、例えば桃太郎パワポでいえば、「一方、村人たちが自然破壊を進めています」「我々は高品質・低価格を実現する体制を構築しています」「鬼退治はアプリで完結する非常に簡単なフローです」と、一言でズバンと答えるわけですが、これだけだと説得力がないんです。
例えば、「それってデータとかあるんですか?」とか「なんで高品質・低価格なの?」「具体的にはどうやるの?」ということがわからないわけですね。ツッコミどころが出てきます。
僕はこのツッコミどころを自分で探して、自分でツッコむ。「心のひろゆき(西村博之氏)を召喚する」と呼んでいるんですが、「そういうデータとかあるんですか?」「それ、あなたの感想ですよね?」と、自分で自分のやっていることにツッコんでいくと穴が見えてくるわけですね。
心のひろゆきに対して答える情報を、あらかじめくっつけておくわけです。「それ、データとかあるんですか?」「ありますよ。柴刈りが4割です」と。
「なんでそう言えるんですか?」「こういう体制を組んでいるからです」と。「具体的にはどうやるんですか?」「こういうステップです」というふうに、勇気を持って端的に一言で答えたものに対して自分でツッコミを入れていくと、集めるべき情報が浮かんできます。
その時は、基本的には「なんで?」「具体的には?」です。ざっくり言うと、「なんでそう言えるんですか?」と「それをもうちょっと詳しく説明するとどうなる?」という、「それはなんで?」「具体的には?」の2つをぶつけると、考えるべき情報が見えてきます。
ちなみにこれ、要はコンサル仕草でいう「Why so?」ですね。「Why so?」と「So what?」という言葉がありますが、その「Why so?」です。「具体的には?」は具体化する情報で、対になるのは「要するに?」。抽象化をする情報です。
今の「それはなんで?」と「具体的には?」は、情報をより下に落としていく時に使うツッコミです。逆に、いっぱいある情報をまとめていく時には、「だから何?」と「要するに?」が便利です。
情報を小さくしていく時は、「なんで?」と「具体的には?」。大きくしていく時は、「だから?」と「要するに?」。この4つのツッコミどころを使いこなすと、みなさんの資料はわかりやすくなるはずです。4つのツッコミどころをもって、自分の資料を見直してみるといいかもしれません。
ということで、一言で答え切った上でそこに情報をくっつけていくと、説得力が出てきます。最初は確かにスタンスはとっているけども、シンプルすぎて「本当にそうか?」という状態だったものに根拠をつけるための情報をくっつけていくと、説得力が生まれるわけですね。
この際に、階層箇条書きというものを使ってください。階層箇条書きは、このように、ただ行をいくつか並べただけのものではなくて、タイトル、見出し、本文という階層構造を示す箇条書きのことです。
この右側はまさに、階層箇条書きになっているんですね。
タイトルとその中に入る情報が区別されて書かれています。この階層箇条書きを使うことがおすすめです。
階層箇条書きは何が良いかと言うと、文字を書くだけで階層構造が作れるわけですね。先ほどみたいに、まず一言で答える。それを支える情報をそこにくっつけるという階層構造をちゃんと作ろうとすると、パワポでこういうロジックツリーを作んなきゃいけないわけですけど、めちゃくちゃ大変です。
階層箇条書きを作ってあげれば、キーボードだけである種のロジックツリーが作れて非常に便利なので、階層箇条書きを使ってください。こんな感じですね。
こういうツリー構造を文字だけで作るのが、階層箇条書きです。ちなみに今、パワポの変形という機能を使っているんですけど、そういうテクニックにあまり凝らないほうがいいです。
その際には、Tabキーですね。知っている方からしたらどうってことはないんですが、キーボードの左上にあるTabキーによって字下げ、文字の行頭を下げることができるので、それによって階層構造を示してください。逆に戻したい時は、Shiftを押しながらTabを押すと行が戻ります。
ちなみに、太字と細字の切り替えはCtrlとBでできるので、見出しの部分をより太くしてあげると、より階層構造がわかりやすくなります。
資料に限らず、みなさんはふだんの仕事で階層構造を持った箇条書きを作っていますか? 「よく使っている」「時々使っている」「使っていない」で教えてほしいです。
「よく使っている」方。めっちゃいいですね。ありがとうございます。「時々使っている」方。ありがとうございます。「使っていない」方。あ、いらっしゃらない。
僕は「すべての仕事は階層箇条書きから始まる」という概念を提唱していまして、すべての道はローマに通ずるんですけども、すべての仕事は階層箇条書きから始まる。階層構造を持って情報を整理するのは非常に重要なテクニックなので、資料に限らず、ぜひ使っていただきたいと思います。
以上を踏まえて、「問いを立てる」と「答える」が終わったわけですが、これを全部やると、こんな感じで「聴き手が誰なの?」「ゴールは何なの?」「どういう問いにどう答えるの?」というのがまとまったWordの資料ができるはずなんですね。
ここで大事なのは、目的によってはこれで十分な場合もあります。
別に毎回毎回何でもかんでもパワポにする必要はないわけですね。元パワポ芸人がやっているわけですけども、パワポなんか作んなくていいなら作んないほうがいいですね。あんなもの、時間ばっかかかって面倒くさいので、別にパワポにしなくていいなら、しないほうがいいです。
Wordから作ると何が良いかというと、手間をかけてスライドを作らなくても、WordでよかったらWordで止められるわけです。それをするために、まずWordから作ってください。
この後も言いますが、「ひと目でわかる」が作れることがパワポの強みなので、ひと目でわかる必要がない時、聴き手がちゃんと時間を取って読み込んでくれる時とか、社内会議の場ですね。Wordのほうが作るのが楽だし、読み手も変な誤解が生まれないです。Win-Winなので、Wordで止めるという選択肢を持てるようにWordから作ってください。
まとめます。
パワポを使いすぎず、Wordとか、OneNoteもいいですね。活用してください。話は前後しますが、資料作成は「答えるべき問いの設計」から始めて、「階層箇条書きで問いと答えを整理する」というのが、ここまでお話しした内容でした。
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