2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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森山佳亮氏(以下、森山):それでは今回は、「これからのSNSマーケティングは消費行動をどう変えるのか。本質を捉え、潮流を掴む」というテーマでお話をしていきたいと思っております。今回のセッションは、ホットリンクの鈴木さまとサムライトの半澤さまにご登壇いただきます。本日はよろしくお願いいたします。
鈴木脩平氏(以下、鈴木):よろしくお願いします。
半澤弘幸氏(以下、半澤):よろしくお願いします。
森山:それでは、ホットリンクの鈴木さまから、簡単に自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。
鈴木:はい。ホットリンクの鈴木と申します。ホットリンクでは執行役員を務めさせていただいております。主に広告やコンテンツの部門の管掌をしている中で、SNSマーケティングのコンサルティングもしております。今日は、そのメソッドやノウハウについてお話できればと思っておりますので、本日はよろしくお願いいたします。
森山:よろしくお願いいたします。この前、書籍を出されたんですね。
鈴木:8月10日に『SNSマーケティング7つの鉄則』という本を発売させていただきました。2019年に飯髙(悠太)という者が、『僕らはSNSでモノを買う SNSマーケティングの「新法則」』という本を書かせていただいたんですけど。
森山:ヒットしましたね。
鈴木:あれはどちらかと言うと、SNS担当者向けの本だったんです。でも8月の本は、SNS担当者向けでもあるんですが、SNSの管掌をしているリーダーやマネージャーの方に、今どういう状況かとか、どういう施策を打ったらいいのか、口コミの生み方から運用体制の構築まで、知識をインプットしていただきたくて、出版させていただきました。
森山:僕も読ませていただいたんですけれども、非常に基礎的な部分からちょっと拡張した内容だったり、本質を捉える内容がすごく詰まっていました。今たぶん画面に(書影が)出ていると思います。
鈴木:ありがとうございます(笑)。
森山:みなさま、Amazonで検索してぜひご購入いただければと思います。
鈴木:ぜひよろしくお願いします。
森山:では、半澤さまから自己紹介をいただいてもよろしいでしょうか。
半澤:サムライトの半澤と申します。ソーシャルメディア事業のマネージャーをやらせてもらっています。顧客のビジネスの課題を、ソーシャル起点で解決するための支援をしています。本日はよろしくお願いいたします。
森山:はい。よろしくお願いいたします。サムライトさまで言うと、SNSマーケティングの他にも、コンテンツマーケティングみたいな(ものもされていますよね)。
半澤:そうですね。もともと弊社は、オンウンドメディアの支援をさせていただいていたんですが、2018年ぐらいからソーシャルメディアの支援をさせていただいていて、今はYouTubeとかTikTokまでやらせてもらっています。
森山:なるほど。ありがとうございます。本日は、そのコンテンツ周りのお話も含めておうかがいできればと思っていますので、よろしくお願いします。本日モデレーターを務めさせていただきます、株式会社PLAN-Bの森山佳亮と申します。私も今SNSマーケティングで、主にインフルエンサーマーケティングのプラットフォームの「Cast Me!」というサービスを運営させていただいております。
インフルエンサーのあれこれが多い分野ではありますが、今日はそういったお話も含めてできればなと思っております。それではさっそく、1つ目のセクションに入っていきます。「SNSマーケティングの変化」で、情報収集の多様化というテーマについて、少しお話をおうかがいできればと思うんですけれども。
いろんなプラットフォームに、ある程度コンテンツ化したものが増えてきたかなと思っています。昔は(主流が)「映え」だったけれども、最近だと文字が入ったものがいっぱいあったりだとか。ムービー自体も、きれいなムービーより解説レビューが増えたり、さまざまな変化が起きていると思います。
森山:鈴木さまはSNSに関して、今ユーザーさまはどのように向き合っていらっしゃるとお考えでしょうか。
鈴木:そうですね。インターネットが普及する前は、社会人だとだいたい働く時間と娯楽の時間の2つで占められていて、娯楽の時間はみんな均等に持っていた。その中で、だいたい4マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つのメディアの総称)で時間を占めているかたちだと思うんですけど。
インターネットやSNSが出てきたことによって、その4マスからSNSにどんどん視聴時間が流れていきました。コンテンツが爆発してる状態なので、やはり全部のコンテンツを見ることはできない時代になってきているかなと思っています。
結果的にユーザーからすると、見たいものしか見られないような時間の消費の仕方になってきていると考えています。そうなってくると自分たちの見たいもの……興味関心のサイロ化(組織やシステムが孤立してしまい、情報が共有できていない状態)がものすごく発生していると感じています。そのサイロ化の中にどうやって企業が入っていくのかが、すごく大事なポイントかなと思いますね。
森山:なるほど。確かに。今、画面に(昔と今の1日の時間の使い方が)円グラフで出ていますが、娯楽の中にいるプレイヤーたち(XやInstagram、TikTokなど)が、非常に増えていっている感じですね。
鈴木:もういっぱいですよね。昔だと、同じテレビを見ていたから共通の話題ができたと思うんです。だけど自分で見たいものを見ていると、仲のいい友だちだったとしても違うものを見ているから、なかなか同じ話題が出てこない状態になってきていると思いますね。
森山:なるほど。今見えているグラフ(AさんからDさんの4つの円グラフがあり、それぞれX、Instagram、テレビ、ラジオなど、使用メディアの内訳が示されている)も、簡単にご説明いただけますでしょうか。
鈴木:そうですね。人によってSNSであったり、メディアの消費の仕方が違うので、(Aさんのグラフのような)ツイ廃の方であれば、ひたすらTwitterを見る。人によっては(Bさんのグラフでは)TikTok、インスタ、Twitterを一緒に見たりとか。ちょっと年齢がいくと、(Cさんのグラフでは)テレビ、新聞、雑誌、メディアを消費したり。
あとは(Dさんは)YouTube、TikTok、テレビのような動画を見たりと、人によって消費の時間がだいぶ違ってきます。その顧客になる方たちに情報を届けるにあたって、どういう情報の消費行動をしているかを把握した上で施策設計をしていかないと、情報が届かなくなってきているとすごく感じています。
森山:そうですよね。
鈴木:ユーザーが何に興味関心を持っているのか、常に情報を収集しておくところが、SNSを支援する上では、すごく大事かなと思っていますね。
森山:確かに。ユーザーさま自体は、もういろんなソーシャルメディアやメディアを介していて。企業さまはそこをコントロールしていくことの大変さもすごく広がってきていますね。
鈴木:そうですね。やはり実際に扱うメディアがどんどん増えてきているので。それに掛ける時間とか、それこそ作成するコンテンツに関しても、時間が掛かってくると……。
どんどん作業などでリソースが取られていってしまって、結果的にうまく運用ができなくなってきてしまうと思います。目的としては、情報をユーザーに知ってもらうことがすごく大事なわけなので、やはりSNS上でみんながいろんな情報を語っている中で、自社の商品の情報を語ってもらう。
自分たちが運用をがんばらなくても、UGCや口コミがたくさん発生すれば、顧客や友だちに情報が伝播していく構造になっていきます。なので、リソースや運用負荷を減らす意味でUGCを増やしていくのは、とても重要な施策になってくると思いますね。
森山:なるほど。確かに。自分たちで網羅するのはもうほぼ難しいでしょうから。
鈴木:難しいですね。
森山:みなさんに手伝ってもらうその仕掛け作りが、けっこう重要になってくるんですね。
鈴木:そうですね。
森山:わかりました。ありがとうございます。プラットフォーム、情報の発信源が多様化していっているというお話でしたけれども、このあたり、半澤さんはどのように捉えていらっしゃいますか?
半澤:そうですね。多様化しているからこそ、各プラットフォームの使い方とか使われ方の特徴を捉えないといけない。例えばInstagramとかXでも、あとYouTubeとかのショート動画の配信面でも、同じものを使い回すよりは、どう発話されているのか、まず特徴を捉えた方がいいと思っています。
半澤:そこで、XとInstagramの違いをまとめさせていただきました。Xについては、もう日本人は大好きです。
森山:(笑)。
半澤:やはり匿名性が高くて本音を言いやすいところが、一番日本人にマッチしているんだろうなと思っています。匿名だからこそリアルな情報のキャッチアップができるのが、非常に浸透してる理由です。
森山:なるほど。
半澤:あとは、みなさん自然に使っていてあまり意識していないと思うんですけど、複数キーワードでの検索もしやすいのがXではすごく重要です。また、リアルタイムでの情報交換。テレビを見ながらXでポストしてつながっているところもやはり多いので。このあたりは、たぶん日本のもともとあったメディアの土壌と合わせても、すごく親和性が良かったんだろうなと思います。
一方でInstagramは、やはりトレンドのキャッチアップ。今、流行っているものを見ることには、すごく長けているなと思っています。ハッシュタグでの情報を探す、タグるところも、トレンドをキャッチアップしていって「これ良さそう」を探すのがインスタ、みたいな感じです。
森山:なるほど。
半澤:レストランを探すのにInstagramを中心に探すユーザーも増えているので。それぞれ情報との出会い方を、いろいろ使い分けている感じかなと思いますね。
森山:ありがとうございます。このあたりもかなり増えてきていて、それこそTikTokもそうですし、Lemon8や、Pinterestと、どんどん広がっていくので、キャッチアップをしていくのがけっこう大変だなと思うんですけれども。スライドでもかなり勢力として上がっているTikTokは、実際はどんな感じですか?
半澤:弊社ではTikTokは、XとInstagramのいいとこ取りをガッとしている感じです。認知も取りやすいし、逆にトレンドのキャッチアップの場にもなっています。(TikTokの)今後の動き方が、このTikTokを中心としたソーシャルメディア界隈の動き方を考察する上では、重要かなと思いますね。
森山:なるほど。確かにInstagramほどキラキラしていないというか、やはり本音を言いやすいところは、TikTokの中だとありますもんね。
半澤:そうですね。TikTokは人重視か、もしくは企画重視になるので。このあたりは、本音的な口コミも見られる部分があるのかなと思いますね。
森山:ありがとうございます。今、各プラットフォームの棲み分けが大事だよというお話をさせていただきました。
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