2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
リンクをコピー
記事をブックマーク
「ニッポンの「学ぶ力」を変えていく。」をミッションとする一般社団法人21世紀学び研究所が主催した『ダイアローグ』出版記念セミナーに、著者の熊平美香氏とサンリオエンターテイメント代表の小巻亜矢氏が登壇。熊平氏がリフレクションに出会うまでの経緯や、リフレクションの効果などが語られました。 本記事は、2023年8月23日に開催された講演の書き起こしになります。
熊平美香氏(以下、熊平):お話を聞いていて、私自身も実は30代の前半まで実家の仕事をしてきたんですけど、そこから突然離れることになったんですよ。クーデターみたいな感じで。
私は田舎の家で育っていますから、社宅があって家の隣に工場があるみたいな、そんな感じでした。そういう世界でご飯を食べさせてもらった。会社の名前も一緒でしたから、会社を離れるのは正直苗字を奪われるような気持ちでした。それほどアイデンティティが失われる出来事があったんですね。
でもそこにいることが、自分にとってそんなに楽しかったかというと別な話なので、その運命を受け止めた。
そのあと、「自由になりました。何します?」となった時に、アメリカ人に相談したら、「美香は好きなこと、それから得意なこと、リストアップしてごらん。見つかるから」と簡単に言われてしまって、「はあ?」と。さっぱり見つけられなかったんです。
そういう時期があって、子どもが小さかったのでいろんな背景もあって、私はある時期、子育てを中心に生きたんですけど、こう見えて母親業が向いていまして(笑)
小巻亜矢氏(以下、小巻):こう見えて(笑)。
熊平:こう見えて向いていまして、「お母さんはおもしろい」と思ったんですよね。なので、お母さんモードはすごくいい経験をさせてもらったんですけれども、一生お母さんでいるわけにはいかないので、「自分自身は何者だ」と、ずっと自分の中で探し続けたんです。
私の場合は「お母さんである」ことと、あと会社で変革をやっていたので、現状維持とかはあまり好きではなく、変革が大好きです。その時で「学習する組織」という理論に出会って、なんて素敵でしょうと思いました。それに救われたのが1つ大きかったんです。
ですから、お母さんでいたことと、学習する組織に出会ったことで私は救われて、このリフレクションの話につながっていきます。リフレクションに出会ったのは教育関係の仕事をしたからですが、なんで教育のことをやることになってしまったかというと、お母さんとして私がルールにしていたのが、「自分がやらないことを子どもに求めない」だったんです。
子どもに自己実現をしてほしいと思ったんですけど、自分が今、自己実現していないことを自分でよく知っていました。これはまずいな、いよいよその日が来たか、と思いました。それで変革が好きだし、自己実現が必要だとなって、「じゃあお母さん、何に向かいますか?」となった時に、教育を選んでしまったんです。
選んでみたら、たまたま教育が本当に変革の時代だったんですよ。それでリフレクションに出会って、オランダで4歳の子がリフレクションをやっているのを見て、「ああ、大人ができないとダメだ」と思って、『リフレクション』の本を書くことにつながってくるのです。
私の場合はすごく時間が掛かったので、「3年半ですか!」と思わず言ってしまったんです(笑)。私もその講座に行けばよかったと思いました(笑)。そんな旅をしておりました。
久保田博氏(以下、久保田):リフレクションを繰り返し実施できるようになると、すごく素敵なエネルギーが湧いて来る。
小巻:そうですね。
熊平:そう。
久保田:そのリフレクションで得たエネルギーをつなぐのは対話で、その時に共感が芽生えると、何かシナジーが生まれてくる。共感についてお考えをうかがいたいです。
熊平:なるほど。その前にもう1個だけ言ってもいい(笑)?
(会場笑)
久保田:どうぞ(笑)。
熊平:それで私はリフレクションをやることになって、自分でも意見、経験、感情、価値観というメンタルモデルを、学習する組織の考え方に基づいて作ったわけです。それで自分の感情をリフレクションすると、すごく早く価値観に出会える。先ほど3年半とおっしゃったけど、簡単に出会えるんですよね。
リフレクションをすればするほど、自分のことがわかってくるし、自分は何が嫌なのか、何がいいのか、何がうれしいのかがわかってくるので、どんどん自分のやりたい方向に、自分を向かわせることができるようになってきました。
私も本能的にリフレクションに行ったと言いましたけど、やはり積み重なったリフレクションの結果、リフレクションに行った感じです。
熊平:他人に対する感情を大事にしながら、自身の感情も大事にする。それが人間が生きる上で、自分が自分を作る上で、とても大事なものだと思います。その上で共感の質問にご回答をお願いしたいと思います(笑)。さて、共感についていかがですか?
(一同笑)
小巻:唐突ではございますが(笑)、共感?
熊平:感情だから共感ですよね。私は、ピューロランドのMiracle Gift Paradeとか。みなさんどうかな。いらしたことがありますか? KAWAII KABUKIとかを見せていただいて、共感というか、心の世界ですよね。
小巻:そうです。
熊平:すごく描かれている。
小巻:ぜひ!
熊平:ぜひ見ていただきたい。
小巻:ピューロランド。今日は男性の方も多いんですけども、お届けしているパレードとか、松竹さんと一緒に作った「KAWAII KABUKI」は本当にダイバーシティー&インクルージョンの世界を、キャラクターたちによるミュージカル仕立てで伝えているので、大人の方がけっこう涙して感動してくださるんですね。
そこで伝えたいのは本当に共感。まさにいい振りをしてくださってありがとうございます。
小巻:みんな心の中に光も闇もある。要は「多様性を認め合う」とかの手前のところで、自分の心の、それこそ結局リフレクションがもとにあるんですよ。
自分の心の中の多様性にまず気がついて、それを自分自身が認めることが礎ですよね。自分の中にもいろんな自分がいて、いろんな感情を想起している。その中で時に感情にやられてしまって落ち込んだり、舞い上がったり、人間なのでいろんなことがあると思うんですよね。
先ほども言ったように、人に見せたくない感情。憎悪とか嫉妬とかも、人間だからあります。でもそれを含めて自分だと。
誰かから「小巻さんはそんなことないでしょう」と言われるのは、私のそうではない面を見てくれているだけであって、「いやいや、私の心のこっち側には、そういうのもちゃんとあるんだよ」と言っています。
けっこうドロドロした状態の人は、「本当に自分はダメな人間だ」と落ち込んでいる。でもそうではなくて、たまたま今そういうところが前面に出ているだけです。自分の中にもその感情は絶対あるので、そこがやはり深い共感のスタート地点だと思うんですよ。
だから、自分もリフレクションする。相手にも「そんな面だけではない。でもその面も、あなたを作ってくれている大切な感情だよね」と言える自分になれるとすごくいい。
職場でもお互いに、「あいつは嫌なやつで、あいつはいつも失敗して、あいつはいつも迷惑をかけている」という人がいるかもしれない。けど、その人の中にも、うちに帰ればすごく優しい、いいお父さんだったりとか、介護をしていたりとか、動物がすごく好きだったりとか。必ず自分との共通点は、どんな人の中にもあるのを知る。みんなそうだと知り合う。
私にはたまたまその面が見えていないだけかもしれない。深い自分自身のリレフクションと、お互いのAさん、Bさん、Cさんの、彼ら・彼女たちがリフレクションをした時には、やはり共感できるところは絶対あると思います。
小巻:先ほどの「相手を信じる」で言うと、「いい人だよね」「自分と合うよね」「一生付き合うよね」と信じるのではなくて、可能性というか。多様な人間同士であることを理解して、共通点、共感できるポイントが必ずあると信じる。これが「関係性を信じる」ことだと思うんですよ。
そう思うと逆に気が楽です。まるっとその人を受け止めるなんてムリ。その人の人生を引き受けるなんてムリ。ある程度のところは、ちゃんと自分で乗り越えてくれないとムリ。
だけど、職場であれば、希望に満ちあふれるはずだった令和が、コロナ禍を抱えていろんなことになった。この時代に、なぜ同じ会社で働いているのか。このご縁の意味と、「何のために今私たちはこれをやっているの?」と考えた時に、共感がものすごく活きてくるし、輝くし、愛おしいし、「ああ、一緒にやっていこう」となるんですよね。しつこいですよね。熱いんですよ、そこは(笑)。
熊平:その背景があって、ああいうパレードだったり、「KAWAII KABUKI」になっているんだなと思いますね。
小巻:ありがとうございます。
熊平:私も何度かお邪魔させていただきました。実はこの会の直前にもお邪魔させていただいて、また見せていただいて、ラッキーでした。大人になりますと、仕事だったり、やらないといけないことがいろいろありますから。やはり人の心が置いていかれる感じはするんですよね。
小巻:そうですね。
熊平:その心が前面に、パレードから出ているから、うわっと心に響く。小巻さんの熱さと同じぐらいの熱さで、パレードに表れていたなと思いました。
小巻:ありがとうございます。
久保田:パレードは、100回ぐらい見ています。
(会場笑)
小巻:ぜひみなさん、本当に「Miracle Gift Parade」を見てほしいし、「KAWAII KABUKI」は本当にね、絶対見てもらいたい。DVDをみなさんで回してでもいいので。いえ、そんなことはないです。購入してください(笑)。
(会場笑)
小巻:ある程度のストーリーは、ネット上でネタバレが出ているので、ぜひ見ていただきたいですし。メタバースの「Sanrio Puroland」を作っているんですけど、その中でも時々無料で見れたりするので。でも、できれば生で、ぜひ見ていただきたいです。
久保田:「かわいい」「思いやり」「仲良く」。3つのハートはみんなの中にもある。とてもすばらしいパレードなので、第三者的な観点からもぜひ見に行っていただきたいなと思います。
小巻:宣伝ですね(笑)。ありがとうございます。
(会場笑)
被害者多数…「対話の場」を壊してしまう人の特徴 互いが学びを得られる対話を実現する「5つの基礎力」
社員との対話を通して、相手、組織、何より自分が成長する ピューロランド館長が語る、組織変革への「対話」の活かし方
他者にムカつく心情も憎々しい気持ちも自分にとって“宝” ピューロランド館長が自分の「価値観」に気づいたきっかけ
職場の嫌な人やいつも失敗する人にも必ず自分との共通点がある リフレクションでたどり着く、「深い共感」のスタート地点
上司の形式的な1on1を変えたい時に使える「中断のスキル」 有効な「対話」につなげたい、部下からできる働きかけ
部下のネガティブな状況を聞いた時の1on1の終わり方 重たい空気で終わらせない、上司の対話スキル
2024.11.26
タスクの伝え方が部下のモチベーションを左右する マッキンゼー流、メンバーが動き出す仕事の振り方
2024.11.25
仕事はできるのに、なぜか尊敬されない人が使いがちな言葉5選 老害化を防ぐために大切な心構えとは
2024.11.27
何もせず月収1,000万円超…オンラインゲームにハマって起こした事業 大学中退し4社立ち上げ・2社売却した起業家人生
2024.11.29
「明日までにお願いできますか?」ちょっとカチンとくる一言 頭がいい人に見える上品な言い方に変えるコツ
2024.11.25
論理的に「詰める」マネジメントでは本質的な解決にならない マッキンゼー流、メンバーの理解と納得を得る接し方
2024.11.28
管理職の「疲弊感」がメンバーに伝わるリスク 部下の「働きがい」を育む6つのポイント
2024.11.27
部下に残業させられず、自分の負担ばかり増える管理職 組織成長のカギを握る「ミドル層」が抱える課題
2024.11.27
仕事中の「今ちょっといいですか」が苦痛… いしかわゆき氏が語る、ADHD気質にマッチした働き方のヒント
2024.11.26
仕事の質を左右する「ムダな習慣」トップ5 忙しくなる前に棚卸ししたい“やめたほうがいいこと”とは
2024.11.28
“新規事業が生まれない組織”に足りていないもの 「PoC貧乏」に陥らず、アイデアを形にするためのヒント
長期投資の衝撃の真実!20年投資しても年率1.9%しか増えない!?
2024.10.04 - 2024.10.04
第765回 トレンド経営学『顧客に謝る基準とは?』
2022.04.18 - 2022.04.18
不機嫌な自分をやめるために!認知行動療法の専門家 中島美鈴先生新刊『脱イライラ習慣! あなたの怒り取扱説明書』発売記念【無料オンラインイベント】
2024.10.25 - 2024.10.25
ログミーBusiness リニューアル記念イベント開催
2024.11.29 - 2024.11.29
品がある人、育ちがいい人の見える 人のセリフ 3選
2022.11.30 - 2022.11.30