2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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「毎回同じことを説明したり、質問されたりして疲れる」「あの人から連絡が来るとドキッとする」など、コミュニケーションコストが高い状態は、組織の疲弊につながってしまうことも。そこで今回は、株式会社営業ハック 代表取締役社長の笹田裕嗣氏が、不健全な社内コミュニケーションが起きる理由を解説します。本記事では、コミュケーションにおいて「コンテンツ」と「コンテキスト」のバランスが重要な理由を語ります。
笹田裕嗣氏:デキる営業・デキるビジネスパーソンは、コミュニケーションにおいてストレスとコストを減らすことができます。少しお題は変わっていきますが、じゃあストレスとコストってどうやって減らせるのか。
ストレス、コスト、つまり手間がかかる部分は、結局は一言で言うと「疲れる」なんですね。つまりデキる営業は疲れさせないと、先ほどお伝えしました。
どうすれば疲れさせないコミュニケーションが取れるのかというと、「見るのが疲れない」「やりとりが疲れない」「読み解くのが疲れない」「時間がかからず簡単に終わる」の4点がポイントになります。
例えば、メールやチャットで超長文の文章が届いた瞬間に、「読むのだるい」みたいなことが起こります。私も、社内のコミュニケーションの中ではあえて長文を送るケースもあったりしますが、基本的には短文で結論だけ答えるケースが多いです。
なぜかというと、読むのが疲れるからです。なので、「円滑にキャッチボールを早く進めたいな」という時に関しては、短文で内容をまとめてシンプルにして送ってあげたほうがいいよねということです。
「やりとりが疲れる」というのは、先ほどの通りキャッチボールです。キャッチボールをする時にはボールを投げますよね。取りづらいボールを投げまくっていませんか? 暴投したら、ボールを取りにいかなきゃいけないですよね。
ボールが胸元に来れば取りやすいんですが、バウンドしてから取るとか、腰を曲げて膝を曲げて取らなきゃいけないとか、受け取るのがめんどくさい状態にしていないか? という部分です。
一回言ったことに関して「ちょっとわからなかったので、もう一回教えてください」と言われたのでもう一回伝えました。こういう場合に「一緒に言ってくれよ」「一遍に言ってくれよ」みたいなことが起こるのは、やりとりがつかれる方です。
また「読み解くのが疲れる方」というのは、専門用語を多用しまくるとか、自分の言葉で話をしてくるみたいなケースは、やはりコミュニケーションが疲れます。
また「時間がかかる」というと、「見るのが疲れる」「やりとりが疲れる」「読み解くのが疲れる」という部分とも重なってくるところもありますが、待たされている時間とか、それをやるに当たってかかる時間が長いという部分ですね。
特にここでの「時間がかかる」というのは、待機時間の長さというかたちで捉えていただけると良いかなと思います。
よくビジネスの中で、SNSでも出ていますが「即レスって大事だよね」と。なんで即レスが大事なのかというと、「いや、なんとなく早いほうがいいじゃないですか」というかたちで捉えないでください。
即レスが良い理由は、相手を待たせる時間が少ないからなんですよね。「あれ、どうなったかな?」「あれ、大丈夫かな?」と、待っている時に不安な状態だと、どんどん自分の中でストレスがたまるわけです。
告白して「返事はちょっと待ってね」(と言われると)、「『ちょっと』ってどれぐらいなんだろう?」と、ずっと待っているほうは精神衛生上よろしくないわけです。
受験も同じですよね。テストや受験を受けて、合格発表まで1週間ありますよといった時には、1週間ソワソワしているわけですよ。そういったことを起こさないのがデキるビジネスパーソンです。
コミュニケーションをあえて「コスト」という捉え方・考え方をした時に、デキるビジネスパーソンはコミュニケーションコストが少ないです。なぜ少なくできるのかというと、「内容」「意図」「工数」「関係」を踏まえた上でコミュニケーションを取っているからです。
内容というのは、話している内容のわかりづらさが生まれないように整理して伝えること。また、意図・目的を明確にしている。そして、相手とのやりとりで必要以上に工数を生まないようにしている。
そして、関係性を間違えていないというところです。仲が悪い相手から諭されると、「こいつなんなんだよ」と思ってしまうのは必然ですよね。
こういったコミュニケーションのコストを意識いただいた上で、具体的ではなくて恐縮ですが、不健全なコミュニケーションをなくすには当たり前のことをぜひ意識いただきたいんです。「ちゃんと伝えて、ちゃんと聞く」です。
「ちゃんと伝える」というのは、コミュニケーションコストを落としたかたちでやりとり・会話ができる状態を作ることがポイントの1つです。
「ちゃんと聞く」というのは、相手の言葉にちゃんと耳を傾けて、意識を向けて聞いていますか? という部分です。
パソコンを見ながら目も合わさずに話をしていたり、スマホをいじりながら会話をしているのはNGなんですよ。「受け取ってもらっている感」を相手に伝えることができているのか(どうかが重要)なんです。
作業として消化しているだけではなくて、人間のコミュニケーションなんです。人間は他の機械と違って何があるのかというと、感情があるんです。感情を踏まえたやりとり・会話ができていますか? ということを、ぜひ意識していただきたいなと思います。
不健全なコミュニケーションは、作業としては行っていたとしても、相手の感情を踏まえていない・寄り添っていないケースが非常に多いです。
じゃあ、この「感情」という部分は何で生まれるのかというと「文脈」なんです。「文脈」「コンテキスト」と呼ばれますが、コミュニケーションの成立要件は、コンテンツ(具体的に伝えている中身)とコンテキスト(文脈、背景)が重なって初めて成立します。
ダメな人、論理的にコミュニケーションがぱぱぱっと進むような人、論理的すぎる人はコンテキストを理解していないので、「私、言いましたよね?」「私、やりましたよね」「伝えましたよね」「それ以上、何かありますか?」みたいなかたちで、「伝えた」という事実だけで会話をしてしまっているんですね。
一方でコミュニケーションが円滑に進む人は、文脈をしっかり理解しています。「コミュニケーションはコンテンツ×コンテキスト(文脈)です」とお話しをさせてもらいましたが、コンテキストが多ければコンテンツは少なくても成立するんです。
うちのじいちゃん・ばあちゃん、祖父母がそうなんですね。じいちゃんが「おい」と言ったら「はい」とお茶が出てくる。歳を重ねた老夫婦だと、「どんなマジックなの?」みたいなケースは多いかなと思います。
これは「コンテキスト」という、結婚して50年の歴史があるから成立する文脈なわけです。「このタイミングでおじいさんが『おい』と言ったら、お茶が欲しいんだろう」ということを理解しているわけですね。
コンテンツもコンテキストも相手に理解して受け取ってもらうためのコミュニケーションなので、それがちゃんとつながっているのか・実現できているのかを意識いただいた上で、コンテンツが少なくても伝わることがあります。それは、コンテキストが揃っているからです。
一方で、ちゃんと伝えようと思った時にコンテキストが少なければ、具体的に言葉で伝えなければ伝わらないということも、ぜひ意識いただきたいなと思います。
コミュニケーションは、あくまでコンテンツとコンテキストの両方が適切なバランスでそろっているから伝わります。なので、オンラインのコミュニケーションやテキストコミュニケーションは、コンテキスト部分が伝えづらいんです。
今日みたいに私がZoomでウェビナーでお話をさせていただく時に、汗をかきながら、熱弁を振るいながら、メリハリをつけながら話したら、「ここが大事なんだな」とわかっていただけると思います。
先ほどお伝えしたコミュニケーションの成立要件をもう一度言います。今日覚えて帰っていただきたいのは「コンテンツ」と「コンテキスト」です。「コンテンツ」と「コンテキスト」の2つが大事なんだということを、「2回も言ったから大事なんだろう」というかたちで、コンテキストの理解があるから予測が立てられるわけですね。
なのでみなさんがコミュニケーションを取る時には、今は「2回言う」という強調の手段を取りましたが、「声を大きくする」「声のトーンを上げる」「あえてゆっくり話す」とか、話し方の工夫で伝えたいメッセージの訴求力を上げることができるんです。
ただ、テキストコミュニケーションだけだとその部分が難しくなります。なので、コンテンツや言葉で強調・補足しなきゃいけない。ここが大事なポイントです。
最後です。健全なコミュニケーションを生むためには「まずは話す」じゃありません。まずは聞く、そして相手の言葉を受け取り、内容を理解する。背景を想像して、自分が言葉を発してください。ここを間違えないでくださいね。
逆に言うと、「聞く」「受け取る」「理解する」「想像する」ということをすっ飛ばしてしまうと、相手の家に土足で入っている状態と同じですよということを、ぜひ意識いだきたいなと思います。
会話をスタートさせるためには、「まず自分が何を言うか」ではなくて、「まずどうやって相手のことを理解するのか」が大事だということを意識いただいた上で、コミュニケーションを図っていただきたいなと思います。
ここでは偉い・偉くないは関係ありません。偉いからコンテキストをすっ飛ばしていいというわけじゃないんですよね。
偉いからコンテキストをすっ飛ばす上司はどういうコミュニケーションを取るのかというと、怒鳴りつけるんです。それが一番早いからです。「理解してもらおう」じゃなくて、「とにかく俺の言った通りに黙ってやらせよう」というコミュニケーションを取りたいのであれば、「怒鳴りつける」が一番勝ちパターンなんです。
だけど、コミュニケーションや仕事は継続が大事です。続けていくことによって、成果、生産性、効率が上がる。
先ほどの話でいくと、うちのじいちゃんとばあちゃんは50年という歴史があるから、「おい」と言ったらお茶が出るというマジックができるわけです。こういったコミュニケーションって、やはり楽なわけですね。
「すみませんが、私のためにお茶を入れてくれますか?」という会話を、「おい」という言葉でショートカットしている。20~30文字が2文字で済むわけですね。これが効率が良いコミュニケーションの理想形なわけですね。
ただ、それを全員ができるようになりましょうという話ではないですが、みなさんは、コンテンツとコンテキストを理解したかたちでコミュニケーション・会話をしていますか?
「どう伝えればいいか」「どう話せばいいか」ばっかりを考えてしまっていて、相手に寄り添う関わり方・やりとりをしているのかどうか、ぜひ意識いただきたいなと思います。
これをするために飲み会に行きましょう、社員旅行をしましょう、ということを別に言いたいわけではありません。いろんなかたちで相手を理解する術はあります。
「この言葉を相手はどう受け取るか」を予測・想像することを意識していますか? 取り組んでいますか? こういうことをやっていただいて、健全なコミュニケーションを生み出していただきたいなと思います。
不健全なコミュニケーションが生まれているのは部下のせいではありません。こちら側の伝え方であったり、伝える前の準備が足りないケースがほとんどであるという耳が痛いお話を、最後に残します。
これは、自分にも言っています。自分でもちゃんと踏まえながら、社員とメンバーと仲間とパートナーとお客さまと関わっていく。そういったことが広がってくれば、円滑なコミュニケーションがどんどん広がっていくんじゃないかなと思います。
今日の話を聞いていただいたみなさんから、どんどん発信いただけるんじゃないかなと思いますので、健全な、円滑な、お互いが気持ちの良いコミュニケーションをたくさん世に広げていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
ウェビナーの中だけではなくて、メールやSNSでご質問いただいても、お答えできればと思います。ぜひみなさんも、自社の営業活動、そして社内のコミュニケーションを円滑に進めるべく、今日のお話を参考にしていただいて、みんなが楽しく笑顔で働ける職場作りを目指していただければと思っております。
では、本日はこちらで以上とさせていただきます。最初にちょっとバタバタして恐縮でしたが、ご参加いただきありがとうございました。
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