CLOSE

元外資系CFO(最高財務責任者)が教える『3秒でイメージさせて相手を動かす技術「数字で示せ」』発売記念オンラインイベント(全5記事)

上司からの評価が上がる「数字で示す」3つのシーン 時間削減にもつながる「いつ・いつ・何%」のテクニック

仕事のスピードを上げる、数字を使ったコミュニケーション方法を解説した書籍『数字で示せ』。もともとは数字オンチの商社マンだったという著者の定居美徳氏が、グローバル企業で学んだ「数字」を使った効率的な成果の出し方について紹介します。本記事では、上司からの評価をアップさせる、数字を使ったコミュニケーション術を解説します。

数字で示すと、上司からの評価が上がる3つの業務

定居美徳氏:次は「上司から評価されるには?」ということで、「3つのシーンで『数字で示せ』」というお話をさせていただきます。

ずばり3つのシーンは「メール」「悪い報告」「急な頼まれごと」。これを数字で示す。もう少し具体的な話になりますが、お付き合いください。

まず大前提は、上司もあなたと同じだということ。つまり、上司も残業を減らしたいし、上司も社長や取引先に悪い報告をするのは気が重いし、上司も評価されたいんです。ということは、あなたが評価されたかったら、上司の悩み・上司の願いに役立てばいいんですね。

「当たり前じゃん」と言われたらその通りです。じゃあ、それを(具体的には)どうしようかということで、「メール」「悪い報告」「急な頼まれごと」の話をしていきます。

まずは「件名を数字で示せ」。件名に2つを入れてください。1つ目が「いつまでに返信してください」。そして2つ目は、数字じゃなくていいですが「上司が行うアクション」。

簡単に言うと(スライドの)下にあるように、「6月9日までに承認願います。大阪出張の件」のように、件名を入れるんですね。みなさんはどうでしょう? 件名を入れていらっしゃる方もいれば、相手から返ってきたものにそのまま返す方もいらっしゃるかなと思います。

(件名にこの2つを入れると)なんでいいかというと、スキマ時間、例えば移動中や会議が終わった時に件名を見たら、「それでOK」とすぐに返事ができちゃうんですね。

すると、上司のメールチェックの時間が減りますし、上司も残業が減ります。当然あなたも返事が早く返ってくるので、早く行動ができる。なので、上司もあなたもハッピーになる。

たくさん未読メールがある場合、どこから確認しますか? わかりやすい件名のメールではないでしょうか。本文をしっかり読まなくても、件名に何をしてほしいかが書いてあったら、上司もハッピーだしあなたもハッピーになる。だから「メールは件名を数字で示せ」という話になります。

悪い報告こそ「早く・正直に・数字で」示す

2つ目が「悪い報告は、早く・正直に数字で示せ」。失敗したとか、お客さんからクレームが来たとか、言いにくいことが多いと思うんですが、悪い報告こそ「早く・正直に・数字で」行いましょう。

「悪い報告です。値引き要求が来ています」と報告すると、上司も「あぁー」と思うんですね。でも、これを数字で示すんです。

例えば、「値引き要求が来ています」に続けて、「100万円であったものを50万円に値引きします。でも中古品でOKです。中古品だったら原価が安いので30万円の利益が出ます」というふうに数字で話すと、上司が味方になってくれます。

どうしてかと言うと、上司はその数字によって「会社の経営にどう影響するのか」という判断ができるわけですね。同じように、あなたが報告したことをまるまる自分の上司、関係者に説明できるわけです。すると、上司もあなたもハッピーになるわけですね。

逆だったらどうですか? 「遅く・うそをついて数字で話さない」。もう最悪です。そういったケースも本(『数字で示せ』)の中には入れているんですが、悪い報告こそ早く・正直に・数字で示せということをお伝えします。

とはいえ、悪い報告はなかなかしづらいところもあると思います。そこに関しては、上司または部下とのコミュニケーションの仕組みを変える。こんな話も本の中でしていますので、見ていただければと思います。

急な頼まれごとはむしろチャンス

3つ目の「急な頼まれごとは、『いつ・何パーセント』を数字で示せ」という話をしていきます。上司からの急な頼まれごとはチャンスです。なんでかというと、あることを数字で話せば、あなたの努力が何倍にもなって返ってくるからです。

それは何かと言うと、「いつ・いつ・何パーセント」です。

例えば会議資料だったら、まずは最終ゴールである「最後の締め切り」がいつなのか。あとは「直近の締め切り」。上司は最後まで待っていられないです。だから、「直近これぐらいで出します」と言ったらすごく喜びます。僕もハッピーだったし(笑)。

そして、「取り急ぎ何パーセント完成すればいいですか?」。(スライドの)一番下に書いてあるように、上司から頼まれている時に、自分でいきなり100パーセント完成させようとしないことが大事なんですね。

100パーセント完成版と思って自信満々で出しても、「いやいや、そうじゃないんだよ。大事な資料なんだからちゃんとわかってよ。もう時間がないよ」みたいなことを言われて、がっかりしたことはないでしょうか?

やはり上司も人間ですし、その指示が必ずしも明確じゃなかったりする場合があるんです。だから(自分だけで)100パーセントやる前に、チェックしてもらうことが大事です。

80パーセントや70パーセントでいいと思うんですが、あるところまでできた段階で見てもらって、アドバイスをもらう。すると、結果的に早く終わるわけです。

上司から評価される「できる部下」になるために

頼まれごとが早く手に入って、上司も早くレポートや資料ができるし、あなたも100パーセントやって「やり直し」となる時に比べて時間がぐっと減る。なので、上司もあなたもハッピーになるわけです。

すると、4つが劇的に向上します。まずは「スピード」。上司のベストタイミングということは、チームや部署の仕事がスピードアップします。

そして「効率」。上司も頼んでいるうちに、だんだんあなたの得意な分野がわかってくるんです。例えばグラフが得意とか、分析が得意、計算が得意、文章が得意みたいな。そういうところで、だんだんとあなたの得意な仕事を振ってくれるようになります。

そうすると、空いた時間で自分の仕事も相談できちゃうんですね。忙しい上司はなかなか相談しにくいですが、そんな上司にも相談できる。

そして「評価」。あなたの良い仕事のおかげで、上司の評価も上がりますし、あなたの評価も上がります。良くないですか? だから、急な頼まれごとはチャンス。「『いつ・何パーセント』を数字で示せ」という話をさせていただきました。

「メール」「悪い報告」「急な頼まれごと」の3つを数字で示すことによって、上司から評価されてください。また、上司を評価させるのは「できる部下」ですからね。

将来の夢を叶えるための「マップ」の作り方

「でも、今の仕事だけじゃなくて将来が心配なんです」という、そんなあなた。もちろん今の部署の仕事も大事だけど、将来も大事なんだというあなたへ、キーワード4の「幸せな未来へのGoogleマップ『数字で示せ』」というお話をしていきます。

みなさんはGoogleマップを使っていらっしゃいますか? 目的地へのルートを教えてくれるので、ドライブする時や、自分が行ったことのない初めての場所で便利ですよね。なので逆に、旅行先とかでたまたま(スマホが)充電されてなくてGoogleマップを使えなかったりすると、けっこう悲劇ですよね。

それぐらいGoogleマップは非常に便利な存在です。これが自分の未来を教えてくれればいいんですけど、それは教えてくれない。だから、数字は幸せな未来へのルートを教えてくれます。

例えば、「あなたの幸せな未来」は何でしょうか? 今日ご覧いただいているみなさんは、数字が好きなみなさんがそろっていらっしゃるので、スライドに書いているような「あなたの幸せな未来」を、よかったら数字で書いてもらってよろしいでしょうか。

「年収1,500万円を目指したいです。だったら幸せです」だけじゃなくて、「年間30日旅行できたら幸せです」とか。先ほどワーケーションをしているという方もいらっしゃいましたが、「今はなかなか休みが取れないけど、今の自宅に加えて3拠点で生活できたらいいな」とか。

自分でビジネスをやっていらっしゃったり、営業の方であれば、「すごくいい関係のお客さまを800人」とか。あるいは「体重を63キロまで減らしたい・増やしたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

マップを使い、具体的なアクションを明確にする

ずばり数字で「幸せな未来」を描いてみることが、“Googleマップ”の大事な点の8割になります。

あなたの幸せな未来はどこにありますか? お金の話だけじゃないですよね。健康であったり、余暇であったり、時間の使い方、仲間、例えば「フォロワー1万人」という方もいらっしゃるかなと思います。

もう1つ大事なのは、じゃあ現在は? ということです。「年収550万円です」「旅行は年間で言えば10日ぐらいかな?」「もちろん今は拠点は1つです」「お客さまは200人ぐらい」「体重が83キロ」みたいな方もいらっしゃるかなと思います。

なので、「幸せな未来」を書いたら、その隣に「今の状況」を書いていただければと思います。「1,500万円」という未来の年収を書いたら、実際の今の年収の「550万円」を書くということです。そうすると「未来」と「現在」の2つの数字が出ます。

それを実現するためには2つの方程式があります。

偉そうに言っていますけど、引き算と足し算なので小学校1年生の算数ですよね。方程式とはちょっと違うかもしれないですが。

「年収1,500万円を目指します。今は550万円です」という場合、1,500万円のゴールに対して550万円の現在地。イコール、ギャップは950万円です。

950万円のギャップを細分化していきます。例えば、200万円+300万円+450万円の3つを足して950万円になるようにするとか。もちろん、もっとアクションが増えてもOKです。これを自分で作っていただくのが“Googleマップ”です。幸せな未来から逆算するということですね。

まずは「簡単に踏み出せる最初の一歩」から

今は年収550万円で、これをどんどん積み上げていって、750万円、1,050万円、そして最終的に2030年には1,500万円にいきます。1,500万円から逆算していくと、2年後にはこれぐらい、その2年後にはこれぐらい……という、こんな感じのものができてきます。

数字が決まったら、それを実現するためのアクションを決めます。「どうしたら、年収が200万円とか300万円上がるのか?」ということを実現をしていく。

当たり前すぎて笑っちゃいますよね。笑っちゃうと思うんですけど、これをやることで理想の幸せな未来がぐっと近づいてきます。とはいえ、「いきなり年収を200万円上げるって大変じゃん」みたいな。

その実現のためのコツとして、アクションを細かく分けて、簡単に踏み出せる最初の一歩をぜひ踏み出していただきたいんです。

先ほど、2025年に対しては(スライドより)もう少し高い200万円と言いましたけど、「今年の年末までには580万円」「じゃあ650万円」という感じでさらに細分化するんです。そうすると、それぞれに対するアクションがより具体的に出てきます。

大事なのがここです。明日・あさってで年収を1万円増やすにはどうすればいいかと考えるんです。自分ですぐできそうなこと、例えば副業用の銀行口座を開設するとか、あるいは転職やキャリアに対する本をAmazonで調べるとか、そんなのでいいと思うんです。

すぐにできることを1つやってみる。ゴールも、長期的な・幸せなゴールがありながら、すぐにできることをやっていくと、また次の一歩も踏み出せる。

ということで、Googleマップを身につけていただければと思います。本当に簡単すぎて大丈夫かな? と思うんですけど、それが大事です。実際に僕も20年間続けてきました。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 初対面の相手から本音を引き出す「核心質問」のやり方 営業のプロが教える、商談成功のカギを握る質問力アップのコツ

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!