2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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定居美徳氏:定居美徳です。よろしくお願いいたします。今日はオンラインセミナーということで、「『数字で示せ』元外資系CFOが教える 3秒で人を動かす技術」をお話ししていきたいなと思います。
サブタイトルとして、「2030年に向かってあなたが活躍するための5つのキーワード」をお話ししていきたいと思いますので、お付き合いください。よろしくお願いいたします。
まずはじめに、「元外資系CFO」というところで、僕のことをご存じの方であれば「定居か」と思われるかもしれないですが、初めて私のことを見ていただいた方の中には「大丈夫かな?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、最初に「3つの安心」をお伝えしたいと思います。
1つ目。スマホでご覧のあなた。「スマホだとなかなか見づらいし、何を言っているかよくわからないし」みたいな方、安心してください。(スライドの)フォント、大きいです(笑)。なので、スマホでご覧いただいても十分見えるかなと思います。
そして2つ目。倍速でご覧になりたいあなた。タイムパフォーマンス、「タイパ」と言われますね。こういったセミナーも「どんどん早く飛ばせないの?」みたいな。
今はライブなのでそれは難しいと思うんですけど、そんな方も安心してください。けっこう早口です。僕もできるだけゆっくり話をしようと思いますが、早口になったら倍速にすると聞き取れないかなと思います。あと、ページ数が多いので、その分も退屈させないかなと思っております。
そして、なんといっても「難しそう」「数字が苦手」と思っていらっしゃるあなた。しかも、まだ仕事が終わらないとか、他のことをやっていらっしゃるあなた、安心してください。ぜひお気軽にご覧ください。
ご自分で使えそうなところや、興味のあるところが2割もあれば十分です。「全部を聞いて、全部メモしよう」とは、ぜんぜん思わなくてけっこうなので、そんな感じで聞いていただければと思います。
まず最初に、どこからご参加いただいているのか、教えていただけますでしょうか。東京、大阪、名古屋、九州、四国、東北、北海道。あるいは「まだオフィスです」「自宅です」とか、もしかしたら「食事中です」みたいな方もいらっしゃるかなと思ったりします。
もう1つ、「期待しているものは?」というところで、例えば「数字と仲良くなりたい」「数字のプレゼンのコツ」とか、いろいろ(参加理由は)あるのかなと思うので、そこも教えていただけたらうれしいです。
(視聴者コメントを見ながら)札幌からご参加いただいているということで、ありがとうございます。北海道からもご参加いただいていたり、「某所でワーケーション中」という方もいらっしゃるんですね。
自由な働き方も増えていますし、そのあたりも含めてチャットでいろいろと教えていただけたらと思います。(視聴者コメントで)「出版した経緯を知りたい」、このあたりも(トーク内容に)入れていけたらなと思っております。よろしくお願いします。
では、行っちゃいましょう。実は僕自身も、北海道で一番高い山のある東川町というところからお届けしております。北海道にいらっしゃる方でも、もしかしたら聞いたことがない方もいるかなと思うんですが、東川町は人口8,000人ちょっとの小さな町です。
と言いながら、「いい部屋ネット」の大東建託さんがランキングを発表されていらっしゃるんですが、なんと北海道住みここちナンバーワンに選ばれた町です。
また、全住民のみなさんがミネラルウォーターで暮らしています。お風呂とかも含めて、蛇口をひねるとミネラルウォーターが出てくる。こんな、北海道オンリーワンの町なんですね。
(画面にボトルを写しながら)こんなミネラルウォーターがスーパーでも売っているんですけど、これが蛇口をひねると出てくる町です。
また、日本で初めての「写真の町」ということで、文化でまちづくりを進めているところでもあります。「写真文化首都」ということで、東京以外に首都を宣言している、そんなゼロイチの町でもあったりするんですね。僕は8年前にここに移住しました。今日はここ、東川町からお届けしております。
(今日のセミナーには)いろんな期待をされている方がいらっしゃると思います。ここまで見た段階で、「なんか大丈夫そうだな」と思った方が多いのかなと思いますが、そんなゆるいスタンスで行きたいなと思っております。
と、言っておきながら、いきなりテンションを変えます。「『キツい現実』を数字で示せ」。こちらからお伝えしなければなりません。ずばり3つの数字をお伝えします。「84パーセント」「73.7パーセント」「3億人」です。
「84パーセント」というのは、転職をされる時に84パーセントの方が「残業の有無や平均時間が企業選びに影響する」と答えています。
これは、エン・ジャパン株式会社が「エン転職」で行ったアンケートです。残業がある・ない、あるいは平均どれくらい残業するのか。やはり残業って仕事を選ぶ上で大事ですよね。
そしてもう1つが「73.7パーセント」。これは上司が「テレワーク時の部下の人事評価が難しい」と思っている割合です。
「もうテレワークはないよ」という方もいらっしゃれば、「まだまだ続いている」方もいらっしゃると思うんですが、上司のみなさんは、テレワークが多いと部下の人事評価を難しいと感じていらっしゃる。
「あしたのチーム」の調べによると、「人事評価が難しい」「管理職はさみしい」という回答もあったりします。
そして実は、もっと深刻な問題の「3億人」という話があります。
(「3億人」という数字の詳しい説明は)このあと行いますので、お付き合いください。
僕の自己紹介にいきたいと思います。定居美徳です。生まれも育ちも北海道、元道産子ラガーマンということで、(大学を)卒業してから20年ほど東京にいたんですが、8年前に東川町に移住してきました。実は、僕自身が「数字で示せ」によって劇的に人生が変わった人間です。
「数字で示す」、または「数字で話す」とどれだけ人生が変わるかレバーの切り替え、ビフォー・アフターをお話しさせていただきたいなと思います。
ビフォー。高校の頃は、体が少し大きかったのでラグビーをやっていました。大学でもやっていたんですが、ラグビー以外では不器用で、数字が苦手だったんですね。
また、その頃は就職氷河期で、今で言う「ロス・ジェネレーション」という、なかなか就職が大変な時期だったんですね。そんな時期ではあったんですが、ラグビーの根性を認められたのか商社に内定しました。
元ラガーマンが商社マンっていい感じだと思うんですけど、数字オンチの自分が配属されたのは、なんと財務部だったわけです。
日本で財務をやっている時は、(上司の指示どおりに仕事をすれば)まだよかったんです。でも、入社3年目で、香港の財務実習生として、初めて海外赴任しました。そこでは、銀行や証券会社とか、自分がお客さんと直接やりとりしなきゃならない。
香港の仕事はさらに激しく、毎日電話200本の取引。本当に右・左の手だけじゃ足りないぐらい、いろいろな取引をやっていたんですが、それも不思議なもので慣れてきたんです。
そして香港生活1ヶ月で起こったのが、なんとアジアの通貨危機だったというわけです。1997年かな? ちょうど25〜26年前ですが、なんと金利3,000パーセント。今の金利が0.0何パーセントとかですが、(アジア通貨危機では)一時的でしたが3,000パーセントということがありました。
そんなことがあって、銀行が撤退したり、会社が破綻したり、いろんなことがあったわけです。数字オンチの自分がそこでうまくできるわけありません。ただ頭を下げるだけ、そんな状況が続いたわけです。
まさに「崖っぷちその1」ですね。なかなか大変な状況だったんですが、これじゃまずいと思って日本に帰って予備校に通い始めたわけです。予備校でアンケートに答えたわけですが、この1枚のアンケートがさらに自分を追い詰めることになってしまいました。
あんまり意識していなかったんですけど、転職のアンケートだったんですね。そして、会社のインタビューを受けたんです。イギリス人の方だったんですけど、「俺が君を財務のプロに育てる」と言っていただいたので、「じゃあがんばろう」と思って転職を決めました。
その会社がアクセンチュアという、今は世界最大のコンサルティング会社です。ここに、コンサルタントとしてではなく財務担当として就職しました。今考えると「やっちゃっているな」という感じなんですが、(外資系のあたりまえを)知らなかったんです。
「もともと財務の仕事をしていたしなんとかなる」と思っていたんですけど、外資系の当たり前って、「自分で考えて・自分で行動して・自分で結果を出す」こと。さらに「自分で評価のアピールもしなきゃならない」というものなので、厳しいですよね。
数字オンチにそんなことができるかと。いろんな数字や分析を片っぱしからファイルした大きなバインダーを10冊くらいを両手に持って走り回る。何か言われたら、その場でばーっと調べる。こんなことをやっていたんですね。
「君をプロに育てる」と言ったイギリス人の上司は、いつもメールの下書きや分析、レポートを真っ赤にして返してきました。ダメ出しの日々です。なので、ついていけずにギブアップ寸前。
(ストレスによる)体重アップで100キロ超えです。これはやばいなと。まさに「崖っぷちその2」ということで、本当にやばい状況だったわけです。
そんな時に気づいたんです。イギリス人の上司の背中に、こうやって(「シンプルな数字で話せ」と)貼っていれば、わかりやすかったんですが。
(実際にはもちろん)貼っていなかったんですが、日本人の役員やコンサルタントに対して彼は英語で、しかもスムーズにやりとりをしていた。
実はその秘訣が、シンプルな数字で話していたということだったんですね。ということで、上司の背中から学んだのが、まさに「数字で示せ」でのサバイバルでした。なので、必要なのは難しい数字じゃないということだけは先にお伝えしておきます。
アフターがどうなったか、そのイギリス人上司が帰国したときに、その後任として、まだ20代で数字オンチの自分が、日本の財務統括になりました。数年後、アクセンチュアからGE(ゼネラル・エレクトリック)という、電球を作った発明王のエジソンが創業者の、当時の時価総額世界最大の会社に転職しました。
この写真のように心から信頼できるチームで、自分にも非常に合っている天職だなと思ったんです。ちなみに、自分はこの(写真の)中で一番左ですね。インドを含むアジアの8ヶ国で、信頼できる部下・チームに恵まれて、キャリアアップもしていきました。
普通ならここでハッピーエンドです。そのはずなんですけど、初めて訪れたここ、東川町に一目惚れしてしまったんですね。スキルゼロ・経験ゼロ・人脈ゼロのまったく違う世界に行ってしまったというわけです。これは「崖っぷち3」というより、むしろ自分から飛び込んじゃった感じですよね。
今まで数字で生きてきた人間なので、東川町で数字も含めて初めてもらった目標が、「マイナス20度の中で雪だるまを100個作ること」。
実は、マイナス20度だと雪がサラサラすぎて雪だるまを作れないんですね。なので、写真の真ん中に黒い、たい焼きの型が大きくなったようなものがあると思うんですけど、そこに雪を詰めて、水をかけてガシャンとやる。
「いやー。自分、こんなことをやるために移住したのかな?」と思いながら、それでも「数字で示せ」でサバイバルしてきたわけですね。
まず、できることから1つずつということで、1年目は「こういうことをやって」と言われたら、まずは「イエス」と言ってやる。ラクビー部の根性・気合ですよね。
2年目になったらスキル活用です。通訳をやったり、起業家のイベントをやってみたり。3年目になって、オリジナルプロジェクトをやっていました。
今は実際にどんな仕事をやっているかというと、1人で15の仕事をやっています。「どんな人間だ?」と思われるかもしれないんですが、起業・自分のビジネスをやりながら、会社のコンサルやベンチャー支援を行いながら、まちづくりもやっています。
例えば、これはデジタル地域通貨と呼ばれているものですが、人口8,000人の東川町で8割が利用して、10億円の経済効果をもたらしています。みなさんが使う「電子マネー+ポイント」で、地方が持続・発展するエコシステムをプロデュースさせていただいてます。
あるいは、東川町のまん中の図書館のホテル。今は4,000冊ぐらいの本に囲まれながら滞在いただけるよう、宿泊者専用の図書館ルームのある長期滞在型ホテル(The Peak Villa Suite Hokkaido)を経営しています。
また、今日はビジネスパーソンの方が多いと思うんですが、学生や自治体方への講演をさせていただいたりします。
さらに旭川で、地域の高校生・大学生が小中学生に対して、SDGsや地域の未来づくりの活動をお伝えするような(まちなかキャンパスという)イベントをさせてもらったりしています。
あとは大学の学生ベンチャーということで、研究者が自分でビジネスを立ち上げるため、メンターという立場でお手伝いをしています。GEの時の同僚と一緒に、テック系のビジネスを準備しているところです。
さらに、隣の旭川市がユネスコデザイン都市で、世界の都市と一緒に未来づくりを行うアドバイザーとして関わらせていただいています。
そんな折、今回ご縁をいただきまして、『数字で示せ』という本を書かせていただきました。本当に多くの方からご支援、それからパートナーとしてお仕事をさせていただきながら、発売日前に増刷が決まりました(発売後1ヶ月で3刷が決定)。
ここに参加いただいているみなさんの中にも、ご支援いただいた方、応援いただいた方がいらっしゃるので、あらためて感謝申し上げます。
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