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第1023回 マイキャリ「ファシリテーターに必要な心がけ」(全1記事)

「誰もが納得する結論」に着地させるファシリテーターの特徴 みんなで一緒に考えるメリットを最大化させるファシリ術

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル「ちょっと差がつくビジネスサプリ」。本記事では、ファシリテーターの最重要任務とそれを達成するためのポイントが語られました。 ■音声コンテンツはこちら

ファシリテーターの最重要任務

鈴木麻希氏(以下、鈴木):おはようございます。グロービス経営大学院の鈴木です。毎週木曜日は「マイキャリ」と題して、キャリア構築のためのヒントをお話ししています。

今日は、「ファシリテーターに必要な心がけ」についてお話しします。「こういう仕事がやりたい」と思っても、自分1人でできることは限られています。周りの人を巻き込んでうまく協力を得る必要がある場面には、みなさんもふだんからよく出会うのではないでしょうか?

その仕事をどう進めるかをみんなで一緒に考えるために、みなさん自身がミーティングのファシリテーターになることも多いかもしれません。今日は、そんなファシリをする際に必要な心がけについて、お話ししたいと思います。

そもそも、ファシリテーションとはどういう意味なのか? ファシリテーションの語源は「簡単にすること」です。つまり、仕事のミーティングにおけるファシリテーターの役割は、その仕事をより簡単にして、実行に移しやすいようにすることと言えます。

そして、よいファシリテーターとは、複数の人を巻き込んで、「みんなで一緒に考えるメリット」を最大化させる人です。複数の人の頭がある分、1人では考えきれないところまで考えられるのがミーティングという場のよさですが、グループで考えるメリットを最大化して、やりたい仕事をより簡単に、より実行しやすいようにするのが、ファシリテーターの最重要任務と言えるのではないでしょうか。

逆に言うと、やりたい仕事があるのに、それを実行するまでのステップを煩雑にするようなファシリはアウトということになります。

では、そんなファシリテーターに必要な心がけとは何か? 個人的にもっとも大事に思うのは、話しやすい空気を作ろうとする心がけです。ファシリのTipsは書籍や動画などでたくさん紹介されていると思いますが、そういったものは、参加者全員が意見を出しやすい空気ができていることが前提にあると思います。

「誰もが納得する結論」に着地させるファシリテーターの特徴

「そんなの当たり前じゃん」と思われる方もいるかもしれません。ただ、ご自身が参加、もしくはファシリをするミーティングの空気を想像してみてください。参加している全員から、自然と意見がまんべんなくたくさん出ている状態と言えるでしょうか?

この、「自然とまんべんなく意見が出る」というのがポイントになります。「たくさん意見が出ちゃうと、ファシリするのが大変だよ」と思う方もいるかもしれません。ただ、そこはもらった意見から論点をうまく抽出して、問いかけをしたりして、流れを整理していけばOKです。参加者全員が言い残したことはないという状態になれば、誰もが納得できる結論に着地できます。

そして、その仕事を実行する上で、「何を誰がいつまでにやればいいか」という結論が出れば、やりたい仕事をより簡単に、かつ納得感を持ちながらみんなが実行することができます。

一番怖いのは、ミーティングで出た結論に参加者が納得できていないことです。その状況になってしまうのは、もとをたどっていくと、意見を出しにくい空気が原因であることが多々あります。

例えば、意見を出したら「いや、それは違うと思います」と反対意見で返されてしまったり、あるいは、新しい論点をせっかく出したのに、「それはちょっと本筋とズレるから」と即座に流されてしまったりといったイメージです。

意見を出しても歓迎されない空気があると、「ここで何を言っても意味がないよな」とか、「どうせ何か言われちゃうしな」という気持ちがメンバーの中で生まれて、よい場になりません。

ファシリテーターのタイムマネジメントも、進行に使う資料もバッチリだったとしても、なかなかみんなが意見を言えないままミーティングが終わってしまうと、結論に対する納得感がなくなってしまいます。

意見を出しやすい空気の作り方

では、意見を出しやすい空気にするにはどうすればいいか? ファシリテーターとしては、意識的にアイスブレイクの時間を設けたり、基本的には新規歓迎の態度で場を回すことが必要になります。

また、もしファシリをうまくやりたいミーティングがチームのものである場合は、大前提として、ふだんから心理的安全性を作る努力が必要不可欠です。

「この人には何を話してもいいんだ」とか、「意見を言ってもいつもこの人は受け入れてくれるな」という印象を持ってもらう努力を、日々の小さなコミュニケーションの中で積み重ねていくこと。これをまず意識してみるのがおすすめです。

前提としての心理的安全性があるだけで、「その仕事をより簡単にして、実行に移しやすいようにする」というファシリの役割をグッとまっとうしやすくなります。

今日は、ファシリテーターとしての必要な心がけについてお話ししました。自分がファシリをしているミーティングを思い返した時、「参加している全員からは意見が出ていないな」とか、「こっちから催促してようやく意見が出るくらいだな」という印象があったら、意見を出しにくい空気になっていないか? というのを振り返ってみてはいかがでしょうか?

今日のお話が、ふだんみなさんが関わっているミーティングのあり方を見直す際のヒントになったらうれしいです。では、今日はここまでとします。

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