
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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今井裕平氏(以下、今井):(顧客開発の)具体例とかも見ていただいていいですか?
細野:ぜひ。もう今、具体例を知りたくてワナワナしていました。
今井:さっきのお茶屋さんの例では、伊勢茶の農家さんが名古屋にカフェを出していたんですけど、先ほどお伝えしていたように、売上が3分の1になったんですね。それで、固定費を軽くするために移転リニューアルするというプロジェクトを相談されたんです。
依頼された内容としては、「デザインをやってくれ」という話なんです。
細野:よくあるやつですね。
今井:そうなんですが、そのクライアントと話していくと「課題むっちゃあるやん」ということがわかったんです。例えば、今の要件にはスライドで挙げたような課題がありますよね。
構造化すればもうちょっときれいに表せるんですけど、「客数を確保しなきゃいけない」とか、「新しく行くところやから、やっぱり関係を作らんとうまくいけへんよな」とか、あとはPRとかもそうですよね。
そして、「オフピークの時はどうするか」「テイクアウトのトレンドをどうするかとか。あとはやはり、コンセプトが「新しい緑茶の楽しみ方」だったんで、そんなところが、さっきの要件に当たるものです。
細野:「これを解決しないと、グッドなアイデアじゃないよね」というふうに定義をし直すということですよね。
今井:そうですね。
今井:なので、これなんか頼まれたのは空間デザインのほうなんですけど、「なんとかせなあかんな」と思って。それで「朝ボトル」っていう、朝に300円で茶葉が入った水出しボトルを借りて、それをオフィスに持っていくと、それで3回ぐらい本物のお茶が飲める。それを「帰りに返してね」みたいなサービスを企画しました。これで一応、全部を解決しているんです。
細野:気持ちいい!
今井:例えばこんなのです。プロジェクトごとにあるんですけど、わかりやすい例はたぶんこれだったんで、ちょっと持ってきてみました。
細野:これ、村上さんどうですか? 急に振ってみるけど(笑)。
村上:さっきのところの話を「どんなことなんだろう?」って思っていたので、少しイメージが湧きました。
さっき言っていた価値、ユニークネスを考えると、この店舗の場合は顧客増加のために、どんなことを考えたり、どんなプロセスで取り組んだりしたんですか?
今井:ありがとうございます。まず、この場合、起点はクライアント発信なんです。クライアントが実はうちでインターンをやっていた男の子だったんですけど、そのあとお茶屋さんを継いでという。
細野:えっ! すごいご縁(笑)。
今井:そうなんです。彼が「朝にサブスクでお茶を売りたい」と言ってきたんです。だから、これはさっき言った妄想起点なんです。
村上:なるほど。
細野:なるほどね。
今井:そこにもうユニークネスは入っていました。
今井:それでまず、サブスクは全否定したんですね。「食関連でサブスクに金を払ったことあるか。1個でもあるんやったら考える。ないんやったらやめよう」と言いました。ただ、「『朝にお茶を出す』というのはなんかおもろそうやぞ」と思って、どうやったら朝にお茶を買ってもらえるかというところから始めました。
競合相手としては、ペットボトルのお茶やコーヒーがあるんで、「こいつらを倒さなあかんな」ということで、やはり本物のお茶というところで勝負しなきゃと考えました。それから、ホットよりも水出しのほうが良いのではないかと思ったんです。僕はこのプロジェクトを通して、水出しってカフェインが少ないし飲みやすく、コーヒーのオルタナティブになると感じました。と。
そこからのブレークスルーは、ガラスのボトルが2,000円ぐらいするので渡せない。だから、それをレンタルにするというもので、そこがポイントですかね。
細野:今のポイントってどうやって思いついたんですか? そのガラスのカッチョいいボトルをリターナブルなものにすると、SDGsとか、いろいろな文脈にも急に結びつくから、一石何鳥になるじゃないですか。
今井:そうですね。
細野:それ(アイデア)はどのように降ってきたんですか?
今井:やっぱりあれですかね、さっきのコーヒーとペットボトルのお茶に勝つには本物のお茶を出すしかないなというのと、やるなら水出しがいいなみたいな感じですかね。
細野:そこらへんから思いついたんですね。
今井:クライアントと話していて「いやでも、ボトルはさすがに2,000円なんで売れないです」みたいなことを言っていたので、「だったらレンタルすればええやん」みたいな経緯です。
細野:おもしろい、リアルですね。
村上:今の顧客を増やしていくようなところって、けっこう丁寧に考えられているんですね。例えば「今顧客が買っているコーヒーとペットボトルのお茶だったらどこで戦うの」とか、「どういう接点でどんな体験をしてもらうの」ということを、さっきおっしゃっていたじゃないですか。そのあたりを改善して、顧客を増やしていくプロセスが、予想していたよりも、丁寧なんだなとすごく思いました。
今井:ありがとうございます。そうか、それは僕の中では、実はまだそこを意識していなかったんですけど、やっていくうちにそれも意識したアイデアにはなるのは間違いなくて。ここでの「ユニークかどうか」という点は、誰もやったことがないレンタルサービスがコアであるのはまず間違いないですね。
おっしゃるように、そこでそのお客さんがスイッチしてくれるかとか、あとはこの例ではメディアにもたくさん出ることができたんですけど、「これはリリースを書いてもいけるやろうな」とか、そういうのをさっきのプロセスで見ていくという感じですかね。
村上:なるほど、ありがとうございます。
細野:今、さらっと今井さんがおっしゃったんですけど、あれですよね、考えている時にプレスリリースのイメージが湧くかというのが実はけっこう大事な判断ポイントというふうに常におっしゃっていて。
今井:そうですね。さっきの図に戻すと、特に僕の場合はクライアントに中小企業が多いので、顧客プロセスの中でがんばらなきゃいけないところって、確実に認知の部分なんです。
細野:お金をかけられないですしね。
今井:そうです。よく中小企業支援をされているシニアアドバイザーの方が「販路をどうやって作るか」みたいな話をしているんですけど、「いやいやいや、まずは知ってもらわんと」というのが1つですね。
もう1個は、広告費がないということです。村上さんの得意領域だと思うんですけど、これはもう知恵を絞って、汗をかいて、広告費分の認知をどうやって作りにいくかをがんばります。それでいうと、PRってすごく努力すればワンチャンあるんで、ここはうちのプロジェクトではほぼ必須でやっていますね。
このあたりはやればやるほど、「メディアの人ってこういうのを拾うのね」みたいな蓄積もあります。ですので、僕のプロジェクトで1個『がっちりマンデー!!』がまた1つ決まったんです。もう撮影も終わったんですけど。
細野:僕、毎週見ていますよ。
今井:また出るんで。
細野:今度教えてください。
今井:はい、ぜひ。僕の判断で今は言えないんですけど、6月に出ます。
細野:へぇ、ありがとうございます。
村上:すごいですね。実は私、ローンディールで広報をやっているんですけども、観客のみなさまに……。
細野:「観客」と呼ぶのはやめてくださいよ(笑)。プロレスじゃないんだから。
村上:そうですね、ご参加のみなさまに(笑)。私は広報歴が長いんですが、やっぱり「できました。じゃあ、これを広報で発信して」と言われた時に、作った方にとってはすごく自信満々のものでも、売るポイントが難しいことってあるので、そこを事業を作る方が考えることの重要性みたいなことを、今井さんのお話からすごく感じましたね。
今井:僕のプロジェクトでは、わりと企画の段階でもうPRの方に入ってもらったり、もしくはラフな段階でちょっと先に見せて、「これ、ポテンシャルがあるかどうか言ってほしい」みたいなことはよくやりますね。
村上:すごい良いプロセスですね。
細野:実はユニークネスとマーケットのバランスを取るって、最後はプレスリリース文に出るなと僕は思っていて。世の中の多くの方にちょっと驚きがあるおもしろさになっているかという点がないと、プレスリリースって書けないじゃないですか。大企業の新規事業を伴走していると、それを意識するのってかなり後のフェーズなんですよね。
今井:わかります。広報ってあまり密接にプロジェクトを作られていないんで。
細野:広報にバレると「そんなの無理!」とか怒られるから、なるべく最後まで広報には言わずに隠し続けて......という順番が実は違うんですよね。中小とか大企業という意味じゃなくて、マーケットに対して良いプロダクトサービスを出すというプロセスとしては、先にプレスリリースを考えるってけっこう大事なポイントなのかなって、今聞いていてあらためて思いました。
今井:さすがのツッコミ。そうなんですよね、プレスリリースって、コンパクトにまとめなきゃいけないので、しかもテキストとビジュアル、サムネがいるじゃないですか。あれをちゃんと作れんのか? とか、いろいろ検証できるツールになるし。
でもその一歩手前でお客さんを増やすといったら、もちろん買ってくれるかというのが一番大事なんですけど、メディアが取り上げたくなるか。メディアって結局社会性を求めているんで、社会性を満たしていくとお客さんが増えるという考え方もできるんですよね。
細野:そうですよね。
今井:だからメディア側とお客さん側と両方を見とくと、僕は基本的に(失敗しないと思います)。
今井:「ヒット商品」って一応書いていただいているんですけど、確実にヒットさせることはできないので大失敗しないようにと思ってやっているんですよね。その時にその認知も押さえるし、販路も押さえるし、Webも検討してもらえるように押さえるしとか、そんなふうに考えていますけどね。
村上:今のところでちょうどコメントもいくつかいただいておりますのでちょっと紹介しますね。「今井さんのお話しのベースには数をこなす力、数の力を感じます。まずは数は力、ここは絶対ですね」という感想をいただいております。
「良いプレスリリースは最初に社会・メディアに選ばれる機会になりますね」。ありがとうございます。
「『ウケる』を早めに確認するということですかね? ぴあとかの名前が出ていましたが、意見が聞きやすい組織や企業ってありますかね?」、優しいところ、どんなニュアンスでしょうか?
今井:「ウケる」......ひょっとしたらあれですかね、僕は初めて知ったんですけど、細野さんが書籍(『リーンマネジメントの教科書』)で書かれているプレトタイピング、あれめっちゃいいですね。
細野:いいですよね。
今井:やろうと思いました。僕の場合、なかなかできないところもあるんですよ。物がないとどんなに聞いたって(出てこない)。聞き方1つじゃないですか。
細野:そうそう、こっちのさじ加減ですからね。
今井:そうなんです。だからWebとかデジタルはおもろいなと思ったんです。クイックにやって、一番肝のコアのところを検証できるのはおもしろいなと思って。プロダクトってけっこう難しくて、だからまずはPRの方がメディアに持っていけるかみたいなポテンシャルを聞いたりとか。あとは展示会ですかね。試作だけ作って見せて、それで……。
細野:反応。
今井:そうです。バイヤーの方が「これ、できたらここに連絡ちょうだい」という名刺が溜まると、メーカーの人はもう思いっきり自信持ってできる。
細野:確かに社内も通せますしね。
今井:そうなんです。なので実は僕もまだ有効な策はそんなに見つけられていなくて。
細野:なるほど。そうですよね。
細野:僕もWeb系とかサービス系が多いので、メーカーの方に「我々の場合はプレトタイピングはどうしたらいいんですか」って死ぬほど聞かれるんですよね(笑)。
今井:そうですよね(笑)。
細野:死ぬほど聞かれて、「プレスリリースとかですかね」とかって言っていたんですけども、今井さんでも苦しんでらっしゃるというのを聞いて自信を深めました。
今井:そうですね。だから僕はあまりもう公式のプロセスではユーザーヒアリングはやらないですね。嫁にはむっちゃ見せます。
細野:えっ(笑)。
今井:別に嫁の意見が全てではなく、嫁みたいなペルソナの、その正確な情報を知りたいじゃないですか。
細野:ディテールをね、本音のね。
今井:そうです。子どもに見せる時もあれば、こっちのことを気にせず言ってくれる人とか、気にしてくれるのはわかっているけど、こういう人に見せたらこんな反応すんねんなとか。そういうのはいっぱいやるんです。公式のヒアリングはほぼやっていないですね。
細野:そうですよね。公式なプロセスではちゃんと聞けないですよね、物がないと。
今井:そうです。
細野:おもしろいですね。
今井:物があっても、公式でやるとお互いクライアントも、うちもちゃんとしなきゃというのがあるから、儀式みたいになるんですよ。
細野:わかる(笑)。
今井:それだとあまり意味ないし、金もかかるし、誰が得すんねんって思いながら。
細野:そういう儀式的なユーザーインタビューをしている方が今日の観客にはいっぱいいらっしゃると思うんで、耳が痛い(笑)。
今井:あっそうか……。
細野:いやいや、言っていいですよ。みんな「そうだ、そうだ」って思っていると思うので。なのでプレスリリースは1つのやり方ですね。
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