2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
高橋晋平氏:ということで、この『1日1アイデア』という本を今回出版させていただきました。今回の本は何を目的にしたかというと、その5年前の企画の『メモ技』という本に関しては、さっき言ったように、企画を作る技や起業のネタ、会社で作る新商品などのお話をしています。
この本を手に取ってくださった方も、「すごく参考になった」と喜んでくれたんですけど、結局はもともとクリエイティブ系の職についてる人、それこそ起業をしたいという興味がある人、アイデアがもともと好きな人たちが手に取ってくれて、喜んでくれたところにとどまってしまった印象があったんです。
僕は理想としてアイデアという言葉をもっとみんなに使ってほしい。アイデアは難しいもので、頭がいい人、選ばれし人だけが思いついて、仕事で世の中を変えるものだと捉えられがちな横文字です。
おばあちゃんの知恵袋という表現が近いのかわからないんですけど、もう少しそれよりも、さらにハードルが低いものです。「これってこうすればいいんじゃん?」みたいなことを思いついて試してみて、ダメだったら2つめを試してみて「あ、うまくいっちゃった」みたいなものなんですよ。
すごく敷居が高いと思いながら、僕は何十年もアイデア・発想という言葉を仕事で使ってきちゃったので、今回この本を書くにあたって、アイデアという言葉のハードルを下げたかったんです。
そして、子供も含めたあらゆる人に、アイデアという言葉に親しみを持ってもらい、ゲームやクイズ、スポーツみたいな遊びの文化に近いものに格を一段階上げたかったんですよね。格というか、そのポピュラーさを上げたかった。
そのためにまずアイデア発想力とは何かを考えるところから始めたんですよ。今まで自分もアイデア発想力と言っていたけど、それって、本当に広い意味を持っていたんですね。
今回の本を書くにあたって、アイデア発想力というものは、大きく3段階に分かれるなと整理しました。この本を書いた段階では、機転力、思考力、創造力という言葉で説明をしています。
まず、機転力は、さっきから言ってるような、自分のちょっとした悩みをパッと軽くする力です。「これがもう少しこうなったらいいのに」「これが苦手で、なんかいつもうまくいかないんだよね~」とか、それが起きた時に「あ、だめだなぁ」って思ってしまいますよね。
ただただ苦手、できない、辛いってずっと思ってないで、「こうしたり、ああしたりしたら楽になるかなぁ」と想像していくつかやってみると、「あ、なんかうまくいっちゃった」「この悩みなくなっちゃった」みたいなことが機転力ですね。小さい悩みを解決するものですね。
これをまず、みなさんにやる習慣を楽しんでいただきたくて。今日用意しているワークショップも、そこにフォーカスしたものです。
まず胸に手を当てて「これがこうなったらいいよね」「これって不便だったよね」「この時はいっつも腰痛いんだよね」「この人とうまくしゃべれないんだよね」みたいなこと、小さいものがいっぱいあると思うんですよ。
いくつかのことを試してみたら「うまくいって、ちょっと幸せ」「心が温かくなった」。それが機転力です。これは誰にでもできます。
2つ目の思考力は、もう少し大きな問題や仕事の課題があって、それを解決していく時に、もう少し深く考えるということです。これは機転力の連続、組み合わせみたいなものです。
「あれはどうかな」「これはどうかな」をいっぱい考えていって、それを選択していくとうまくいくという、小さいアイデアの組み合わせですよね。
3つ目の創造力は、「新しい企業ネタを考えよ」「新規事業を作れ」みたいなことが上から振ってきたりして、そういうクリエイティビティの世界の力です。
これに関しては、自分で問いを作って、それを解決したら喜ぶ人がたくさんいるという仮説を立てて、新しいものを生み出すことです。一番レベルが高いことなんですけど、それもできるようになります。
勝手に湧いてくる問題に対する解決には飽きてしまって、自分で問題を作ろうみたいなことが起こり始めるんですよね。そういったことが楽しくできる。
言い方を変えて、2番目の思考力は問題解決、3番目の創造力は事業開発だとすると、この機転力は幸せ作りですよね。自分が幸せになれるということです。
ここから始めて、「私ってアイデア考えるの、けっこうイケてるじゃん」と思った瞬間にもう全部回り出すんですよね。「私、いろいろ思いつくんです」って、人前で一言でも言ったら、もう勝ちというか。
それで、自分がそうなんだという自意識が生まれるので、問題を解きたくなるし、人にも頼られるし。そこらへんの問題に飽きて、自分で問題を探しに行ったり、作ったりしたくなるんです。
だけど、現実の仕事では、この2番目の問題解決や、3番目の新規事業開発などをできる力が「アイデア発想力」なるものだと思われていて、会社で振ってくる仕事もそういう類のものが多いですよね。
だから、その難しいところから最初に求められて、アイデアの考え方の基本がわからないまま、何も思いつかない。「私ってアイデア、発想力ないんだ」って思って、考えることがおっくうになるとそこでストップしてしまいます。そこから始めるのは無理、不可能です。僕も不可能だったんです。
ちょっとした裏技というのかなぁ、とんちというんですかね。でも、とんちってほどでもない、普通のことでいいんですけど。なんか頭に思ったことを試してみる癖をつけて、それがうまくいったら人に教えてあげてもいいし。自分で喜んでもいいし。SNSでなんか小ネタを紹介してもいいし。なんでもいいんですけど。
そうしていくと、趣味がアイデアになり、アイデアパーソンになっていくという話なんですね。ということで、この機転力から始めましょう。それが大きい問題を解決したり、新しいことを生み出したりするきっかけにつながります。
クリエイティブなことを作ることを目指す前に、アイデアの力で、まず自分自身の人生を思いっきり楽しく楽なものにしてみませんかと。この状態を目指すことを伝えたかったのが、今回の本です。
この本は具体的事例とともに、全部笑い話みたいな感じで、読んでいるうちに機転力から順に育っていくように仕立ててあります。
ニヤニヤしながら読んでいくうちに「アイデアって別にしょうもないことでいいんだ」みたいにわかっていくことを狙っています。
本読んでない方もいると思うんで、口頭になるんですけど。この本でその「機転」の例ってどういうことを書いてるかをいくつか紹介します。
僕は風邪ひきやすくて、うちに小さい子どもが2人いるんですけど、子どもは風邪ひきやすいじゃないですか。風邪をひくと、鼻かみたくなって、ティッシュはどこだみたいな感じになりますよね。「ティッシュが空だぞ」ともなりますよね。
「ティッシュ! ティッシュ!」って僕たちが騒ぐから、ある時に妻が「うーっ!」となって、ティッシュを縦に入れるケースを布で作ったんですよ。いろいろな色の布で紐をつけて、10個ぐらい家中にぶら下げたんですよ。
家のそこら中にティッシュがあるんですよ。バナナ、果実、森の木の実みたいな感じで、ティッシュがぶら下がっているんですよ。鼻をかみたい時に(手を伸ばせば)取れる。どこにいても取れます。めちゃくちゃ快適になって、「ティッシュはどこだ」というのがなくなりました。
僕はまったく思いつかなかったんですけど、それができるのすごいなと思いました。たまたま僕の妻に思いつくことができた一個のかたちで、ティッシュを10個ぶら下げてくれと言いたいわけではなくて。
人それぞれ、「これ、不便だな」って思った時に思いつくことはいろいろあるよねという。不便なことを仕方ないと思うのではなく、遊んでみたらどうかなぁとおすすめしたいです。この本は全体を通して遊びで解決するという話がすごく多いですよね。
次の話が、イライラを沈める方法として、両足とも宙に浮かすことをおすすめします。これは僕が偶然見つけた方法です。アイデアは偶然がほとんどなんですよ。頭で機転を利かせろみたいなイメージで言っちゃったかもしんないですけど、適当にうろついたり、人に相談したり、手を動かしてみたりすると、うまくいくみたいです。
俺は身体を壊した時に本当に具合が悪くてイライラしてて、歩けなくなっちゃった時が一回あったんです。人って歩けないと、すごく病むんですよね。
歩けないから自転車で移動してたんですけど、漕ぐのも大変でした。漕いで、なんとなく足をペダルから両方外して乗ったら「痛くない」と思いました。一生懸命がんばって漕いで、ヒューって足を浮かして乗ってたんですよ。
すごくニヤニヤしてきたんです。身体がつらいんだけど、両足が浮いてるとニヤニヤしてくると。ジェットコースターでもないけど、遊園地の乗り物で足をブラブラしてる時って「おお」ってなりそうなイメージじゃないですか。
それにはまって、地面に足がついてたり寝たりしてる時は身体がつらい。イライラしたり、悲しくなったりするんだけど、両足が浮いてる時は落ち込むことができないって思いました。
それが治ってから、あるおもちゃ開発の仕事の一環で、スキップをしてみる仕事がありました。どんな仕事だって話なんですけど。大人になってからスキップを久々に何十年かぶりにしたんですよ。スキップしたら笑けてくる。
試しにスキップをしながら、怒れるのかみたいな検証をしたら怒れない。自分以外、誰も怒れない。スキップは飛んでるというか途中で両足が浮くじゃないですか。足が両足とも宙に浮くというか、地面を離れると、怒れなくなるんではなかろうかと思いました。
足がついていて踏ん張ってるから、怒っちゃうんだよなぁと思いました。僕は縄跳びが今は趣味なんですけど。縄跳びもニヤついちゃうんですよ。きっと跳んでるからなんですよね。
だからイライラしたら、どんなかたちでもいいからピョンピョンしたり、足を浮かせたりしてます。偶然見つけたんだけど、人生にとってすごく重要な一つのアイデアを発見した感じです。
子育ての話なんですけど……一応子育てじゃなくても、部下育成、後輩育成みたいなことでもつながる話なんですけど。迷信やおまじないってすごく使えると思います。
うちの子が水をぜんぜん飲まなくて、心配だったんですよね。ジュースしか飲まない時期があったんですよ。砂糖のたっぷり入ったジュースしか飲まない。
水を飲ませようと思って「これ、ソーダの味するぞ~」って言ったら飲みました。「ソーダの味する!」と言い出したという。まあまあ、小さい子だからありそうですよね。
「風呂上がりに飲む水ってソーダの味するんだ!」みたいなこと言ったら「ソーダだ!」って言って、水を飲むようになったという。これは機転ですね。
ずっと新聞を読んでなかったんで、新聞を読まなきゃなみたいな時もありました。ネットのニュースは興味あるものしか見ないから。新聞を読んどいたほうがいいと思ったんですけど、とてもとても新聞をとれません。なぜなら、新聞をとると、すごい量の紙がただただ積まれていくじゃないですか。チラシも異常な量が来て、ただただ袋に入っていって、毎日読めないみたいな。
これも思いついた時のことを覚えてないんですけど、「週2で新聞がとれるのかな?」と思いつきました。勧誘に来た人に聞いたら、日割りでいけるそうでした。1週間無料だったので、何曜日がいいコーナーがあるかを調べて、水曜と土曜に新聞をとってます。
週2購読は超おすすめです。紙も積まれていかないし、週2くらいだと読めますし。あと、新聞は掃除とかに時々役に立つじゃないですか。月に1,000円ぐらいなので週2は最高です。
全部の販売店ができるかわかんないですけど、これはいいと思いました。結局毎日読んでも、前の日の事件が詳しくなっていくぐらいじゃないですか。だいたい3日に1つぐらい新しいことが載るんですよね。だから週2は最高です。気づくの遅かったかもしれないけど、気づいてよかった。こういうことです。
昨日、大阪に来てホテルに泊まりました。今朝、ホテルの下にあるローソンでコーヒーと朝ごはんを袋に入れずに買って、エレベーターで上がって、部屋のカードキーで開けて、中に入ったら、コーヒーを落としちゃった。
最近この本を出したばっかりなんで、しばし「あぁ、機転の出来事だ」と思いました。コーヒーはほぼこぼれてるんです。9割方こぼれてて、大惨事ですよ。で、「機転」ってしばし考えて、素直に謝ったんですけど(笑)。
それも僕の中でのアイデアでした。アイデアって、もともとその観念という意味で、観念って頭に浮かぶ考えです。「ああ、これ謝る以外ないわ」って(笑)。それはそうですよ。もうどうしようもないですから。謝ったんですけど。
それもアイデアだと、今日伝えて元を取ろうって思いました。ここでみんなに言ったら元が取れるかなと。ということで、この本はそういうことを伝えている本です。
めくって好きなところを読むだけでも楽しい側面もありながら、1月から12月まで日付を振って並べてあります。読んでいくにつれ、機転力、思考力、創造力と、養われていくように。
そうやってアイデアがだんだん好きになって行く人が増えたら、もう僕は幸せです。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略