2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
仕事に効くパワーワード『まいた種で成果をはかる』(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
中村直太氏:グロービス経営大学院の中村です。このコーナーでは、心に響いた言葉をシェアしながら、仕事やキャリアに役立つヒントをひもといていきます。
今回の言葉は、「まいた種で成果をはかる」です。みなさんはこの言葉、どのように受け取られたでしょうか。
私は家の近くに小さな土地を借りて、畑で野菜を育てています。冬の畑は変化が少なく、あまりやることがなかったのですが、これから暖かくなるにつれて、雑草が生えたり、虫が出てきたり、急速な成長と収穫が訪れたりと忙しくなってくるので、今からとても楽しみにしています。
畑をやっている一番の楽しみは、なんと言っても収穫にあります。土を作って、種をまいて、水をやり、雑草や虫から守って、気長に成長を見守った結果としての実りをいただく。野菜を育てる成果は、やはり収穫にあると言ってよいと思います。
ただ、その収穫だけにとらわれすぎると、おかしなことになります。お察しのとおり、自然相手の野菜作りは、こちらがどれだけ誠意を尽くしても、うまくいかないこともたくさんあります。
天候の影響もありますし、虫や鳥による被害もあります。野菜も時に病気になります。原因がわからずに、実らないということもよくあります。「収穫がすべて」になっていると、自分のコントロールが効かないことに一喜一憂することになります。
また、収穫が大事なことに変わりはないのですが、収穫だけにとらわれすぎると、必要な行動が疎かになることが多いです。当たり前ですが、収穫はプロセスの最終工程であって、そこに行き着くためには、土を作り、種をまいて、水をやって、外敵から守るなどの前工程が不可欠です。
頭ではわかっていながらも疎かになってしまうことは、畑をやっていると、すごく身に染みてよくわかります。自分の畑もそうですし、周囲の他の畑を見ると、雑草が生い茂って荒れ放題になっていることもよくあります。
「どれだけ収穫ができたか」が、とても大事なわけですが、そこにとらわれすぎると弊害があります。特に、「どれだけ収穫につながる行動がとれたか」に無関心になってしまうことには気をつけたいものです。
成果のはかり方は1つではありません。多くの場合、今回で言えば収穫、つまり最終的なアウトプットに焦点があたりがちですが、時には、「どれだけ種をまいたか」、つまりインプットに注目することも有益ではないでしょうか。
「どれだけ収穫ができるか」に関心を向け、「どれだけ種をまいたか?」には無頓着になりがち。これは畑仕事だけではなく、仕事においても言えそうです。そうなりがちだからこそ、仕事で安定的に成果を上げている人は、種をまく行動に、より力を割いているように思います。
例えば、知人の経営者の会社はほとんど営業活動をしていないにもかかわらず、常に新しい案件に溢れ、コロナ禍でも忙しそうにしていました。知り合いから勝手に「相談に乗ってあげてほしい」とか、「力になってほしい」とか、相談が持ち込まれるそうです。
なぜ尽きることなく相談が持ち込まれるのかと言うと、どんなに忙しくても、毎日必ず20名の知り合いに、何でもない連絡を取り続けているそうです。
そのような日頃の種まきが、仕事の基盤となる信頼関係を作り、コミュニケーションを育んで、結果的に収穫がもたらされる状態になっているようです。
他にもいろいろ観察をしてみると、「よく新しいアイデアを思いつく人」というのは、日頃から競合や他の業界の動きをチェックしているように思います。
また、「おもしろそうなプロジェクトによく声がかかる人」は、例えばランチに行くなどして、日頃からチームを超えた幅広い交友関係を築いているように思います。
これらの例に共通しているのは、収穫そのものではなく、収穫につながる行動に焦点をあてて、継続していることだと思います。
この人たちが1日の成果を振り返る時は、おそらく、「今日も収穫がなかったなぁ」ではなくて、「今日もやるべきことをやったなぁ」という感覚ではないかと思います。
1日を振り返る基準を、収穫から種まきへと変える。それは、「得たもの」ではなく、「やったこと」に注目するということかもしれません。
あらためて考えてみると、毎日収穫ばかりを期待している畑が、豊かに実る道理はありません。収穫を期待するのであれば、種をまく行動をする必要があります。仕事もそれと同じように、収穫を期待するのであれば、種まきが不可欠だということかもしれません。
成果につながる、今日やるべきことをやりきる。そんな基準で1日の成果をはかってみる。そんなことが、この言葉から得られるヒントではないでしょうか。
あらためて、今日の言葉は「まいた種で成果をはかる」。そこから教えてもらった教訓は、「収穫そのものではなく、収穫につながる行動に注目すること」でした。
こんなことが考えられるかもしれません。「今日は、どのような種をまいただろうか?」「明日、プラスで種をまくとしたら、どのような種をまけるだろうか?」ピンとくることがあれば、ぜひ考えてみてください。
今回も最後まで聞いていただき、ありがとうございました。今日も、すばらしい1日をお過ごしください。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05