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楽しく続けられる英語学習法【英会話は筋トレ。中2レベルの100例文だけ!1か月で英語がスラスラしゃべれる。 - 船橋由紀子】(全1記事)

英会話も筋トレも“王道”を鍛えると効率良く伸びる 「わかる」ではなく「使いこなす」ための英語習得のコツ

「セミナーに参加したかったけど、時間が合わなくて行けなかった……」。株式会社イノベーションの調査によると、ビジネスパーソンの2.5人に1人はそんな経験をしているそうです。同社が運営する動画サービス「bizplay」は、オンライン配信を通して、いつでもどこでもセミナーに参加できる環境を提供しています。今回は英会話の勉強が続かない方に向けて、『英会話は筋トレ。』著者の船橋由紀子氏が、英会話を続けるコツを解説しました。 ■動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

まず王道を鍛える、英会話と筋トレの「伸びる」共通点

英会話も筋トレも続ければ人生が変わる

船橋由紀子氏:英会話と筋トレって、そもそも一般的に「共通点があるよね」というお声がすごく多かったと思うんです。やはりどちらも反復して鍛えるところが一緒というのがあって、私もそれは十分承知していたんですけれども。

英語の指導を12年やりつつ、自分が初めて筋トレの本も本気でやったら、もっと深いところで共通点があることにすごくびっくりしたというのがあって。それを私が担当している生徒さんたちに伝えたいし、できれば本にしたいと思ったところがあります。

『英会話は筋トレ。 中2レベルの100例文だけ! 1か月で英語がスラスラしゃべれる。』(かんき出版)

例えばなんですけど、「BIG3」という筋トレの言葉がありまして。これは「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」という種目なんですが、一番効果が出やすい、王道と言われる種目なんですね。大きな筋肉を複数鍛えることができる種目をやると、効果が出やすくて、早く体が変わりやすいと聞いたんです。

一方英会話も、特に初心者・中級者の方が細かい筋肉を鍛えてもしょうがないというか、細かいフレーズをたくさん覚えてもなかなか伸びは感じられなくて。いち早く効果が出る「王道のフレーズ」を身につけたり、英文を習得するのが、一番みなさんが効率よく、しかも楽に伸びていくんじゃないかなって思って。

実際にそれを主語「I」「You」、それから「It」っていう、本当にシンプルな例文だけに絞って、初心者の生徒さんに指導をし始めたら、やっぱり圧倒的に伸びがよくなった。

継続することで構築される「自分に対する自信」

指導者として何かを捨てるのはちょっと怖いんですよね。「三単現のsって必要じゃん」とか、いろいろ何かあるんじゃないかと思いつつ、思い切って切り捨てて指導することをしたら、担当する生徒さんの伸びがよくなったっていうのが、筋トレをやったことで得られた経験になりますね。

英語も筋トレも、たぶん習慣化できないことのベスト5ぐらいに入ってるんじゃないかなと思います。続きにくい、挫折しやすい。それは、1日やって変化が感じられるものではなくて、反復して初めて筋肉が育ってきたり、英語であれば「あ、記憶が定着してきたな」って(実感するまでの)手間がどうしてもかかるものなので、挫折しやすいですね。

一方で、「続けると人生が変わる」というのもすごく大きな共通点です。私も英語を学んで、3ヶ月ぐらい集中してがんばったところで、ようやく何か手応えが出てきたというステップアップの道のりを経て、なぜか今英語業界にいる。これも人生の変化です。

筋トレしていると何か体が鍛えられて、謎の自信が出てくる方がすごく多い。英語も共通してると思うんですけれども、やっぱり自分に対する自信を構築する。それを経て人生を切り開いていくというところは、すごく共通してるかなと思います。

継続する方法は、自分の学習の「伸び」を数値化すること

続けられる英語学習方法

ここが大変ですよね。本当に筋トレしたらパンプアップするみたいな、脳のわかりやすさがあったらいいんですけれども、なかなかそういうことがないので。

おすすめする方法としては、まず自分の学習の「伸び」を、できる限り数値化しようとすることができるかなと思うんです。

例えば、何かを覚える時に、何分間で何フレーズ言えるか測ってみるとか。英会話ってわかりやすくワード数のカウントができたりするので、例えば1分間にこれだけしゃべれるようになった、みたいな可視化ができたりします。

これは1分間に単語がいくつ言えるようになった、フレーズがいくつ言えるようになった、実際にどれだけしゃべる量が増えたというように、なるべくわかりにくいところをわかりやすくする(のがいいと思います)。

あとは目を向けるところは伸びたという結果ではなく、「これだけできました」という勉強量です。「これだけ勉強したから今日も積み上がってる」みたいな、学習したという行為そのものを自分が評価するところも大事になります。

アウトプットとして、リアルにしゃべる「場」を作る

あとは、何かを覚えるという勉強をするのであれば、必ずアウトプットする。しゃべったり使ってみないと悶々とする感じがあるので。

実際にしゃべってみる場を設けると、ほとんど失敗することが多いんですよね。やっぱり覚えたものの100分の1も出てこないと思うんです。でも、そのアウトプットしたことが気づきとか学びとか、ある時はラッキーにも成長が感じられて、「次またインプットがんばろう」となれる。

自分で学習することと、リアルにしゃべる場を持つことのバランスをとっておくと、気づき・伸びは生まれやすいかなと思います。

とはいえ、すごく気軽に、いろいろな工夫をしてアウトプットをやられている方もいるんですけれども。「しゃべる」ではないですけれども、Twitterだったりとかで誰かに絡んでみる、みたいなこともありますし。

あとは私の知り合いで、カレー屋さんのインド人の方がいるらしいんですが、英語で話しかけると喜んでくれるんです。別にネイティブじゃないけれども、少し英語を試してみるみたいなことをされる方もいらっしゃいます。

でも、そういうシチュエーションは今もゼロではないと思うので。海外の人がいた時に、「ちょっと試してみたいな」と思う勇気がちょっとでも出せれば、いくらでもチャンスはつかめるのかなと思います。

繰り返しの効果を高める「意識性の原則」

『英会話は筋トレ』ということで、表紙に「繰り返し方にコツがある!」と書いてあいます。基本的には、中学校2年生までの例文100を載せていまして、それをどのように反復したら確実に身についてしゃべれるようになっていくかという、反復の方法を詳しく書いた本になります。

収録している英文自体は、先ほどお伝えした効果が出やすい、筋トレで例えるとBIG3のような、とにかく一番最初に勉強したほうがいいものですね。

反復の仕方がすごく大事なんですけれども、例えば筋トレでいうと、「意識性の原則」というものがあって。「ここを鍛えるぞ」と思って筋トレすると、そこに神経回路が通るので、より効果的に鍛えられるというのがあるんです。

英会話も本当に同じで、例えば「お腹すいたな~」とか思いながら英語を聞いたり、ちょっと口に出してみても、脳は英語にあまり意識がいってないんですよね。「お腹すいたな」のほうに意識がいってることがあったりする。

人間って一度に2つのことを意識するのが苦手なんですね。スマホに夢中になっていると声をかけられても気がつかないのと同じなんです。なので、適切な意識の置きどころをステップにして、この1分はここに意識を向けましょう、次の1分はここに意識を向けましょうっていうふうに、意識の置きどころをインストラクション、リードするような本になっています。

短文を繰り返し学ぶことの重要性

短文を繰り返し学ぶことは重要?

重要です。英語って相手がしゃべって自分もしゃべる、リスニングとスピーキングで成り立っていくので、長い文章をしゃべらなければいけない時もあると思うんです。なのでいかに自動的に口から出るフレーズが多いかで、英会話が成立するか、ひいては楽しめるかがぜんぜん変わってくるんですよね。

瞬発力よく出るものを長文からやろうとすると、苦行みたいな感じになって、「できる」とか「やれる」というな感覚をまったく得ることができないので。まずは短文から、瞬発力よく出るものを増やしていく。

考えてみると、「短文の集まり」が会話だったりとか長い文章になっているので。その意味でも短文を習得するのは、最初のステップとして非常に大事になると思います。

「コミュニケーションを円滑にするフレーズ」をおざなりにしない

繰り返し使える例文

本当にシンプルな例文なんですけれども、「I like ~」があるんですね。「私は好きです、○○が」という文で、めちゃめちゃ簡単なものなんですけれども、これだけで自分の趣味も好みも言えるのと、あと相手を褒めることができるフレーズにもなるので、すごくお役立ちだなと思っています。

英語のネイティブな方たちは、とにかくライトな褒めをたくさんするという文化があります。その「褒めのコミュニケーション」をいち早く体験できるフレーズということで、「I like ~」はすごく気に入っているので、ぜひいっぱい使っていただきたいなと思います。

もう1つ簡単なのは「How was ~」。これは「How was today?」とか、「How was your week?」とか、「何々はどうだった?」というフレーズです。相手がこの1週間だったりとか自分と会う直前とかに、何をしてたか、どうだったかを聞くものです。

これは「How was today?」とか、たった3語でいいんですよね。3語でコミュニケーションのきっかけをつかめたりとか、相手に何かしゃべってもらう、ボールを渡せるフレーズなんです。そういったものもお気に入りの1つかなと思います。

特にこれは私の体験なんですけれども、「How was ~」とかは、TOEICの点数がある程度高くなってからはあんまり使えなくて。真面目に自分は「しゃべる練習」はいっぱいしてたんですけれども、「コミュニケーションを円滑にするフレーズ」をおざなりにして、勉強を積み重ねていたんです。

自分の途中段階の英語でのすごくショックな体験は、TOEICの点数も上がって英語もしゃべれるようになったのに、挨拶に応えられない。自分のことをしゃべってると「この人英語しゃべれる人じゃん」みたいに思っていただけど、気軽に挨拶してくるようになったその方に「もう何言ってるかわからない」ということがあったので。

そうなってほしくないという思いも込めて、いろんなかたちでコミュニケーションに役立つようなフレーズを盛り込んでいるところがあります。

学習者の目的意識がすごく求められる時代

>正しい英語学習の選び方

「何のために使うのか」という、学習者の目的意識がすごく求められる時代かなと思っています。英語の発信をしてくださっているYouTuberさんはいっぱいいるんですけれども、ただ見ているだけでそれが自分の「伸び」につながっているのかとは、また別だったりとか。

YouTubeを見る、気軽に英語の番組を楽しむっていうのは、私の書いた本の「反復が必要だよ」という英会話のトレーニング理論とは、逆の行為になるわけですよね。なので、今自分が選ぼうとしている英語学習のツールにはどういう効果があって、それは自分とどうマッチングするのかっていうのを少し考えながら選ばれると、本当にいろんなツールをフル活用できるかなと思っています。

>今から英会話を始める人でも大丈夫?

(本の)解説に、文法のことだったり、発音のことだったり、どこで使うかっていうイメージだったり、あとは英文のこの部分の単語を入れ替えると自分仕様のことがしゃべれるよ、っていうようなインストラクションが入っているので、それにのっとって進めていただくと、文法のおさらいが気軽にできたりします。

ざっくりとした「英語の発音ってこういうものだよ」みたいなこととか、いろいろ包括的に勉強していただけるように作っています。

読者からいただいたリアルな声

>読者からどのような声を頂戴しましたか?

一番多いのは、「イラストが笑える」みたいなところは、Amazonのレビューとかですごくいただいています(笑)。英語のフレーズのこととかをおっしゃってくださっているわけじゃないんですけれども、自分としてはねらいどおりです。楽しんで気軽に、思わず開いちゃいたくなるような絵本みたいな感覚で、本との距離を近くしてもらいたいというのがあったので、それはすごくうれしいお声ですね。

あとは、この本を使っていただいた後に「オンライン英会話をやったら自分がしゃべれるようになってきました」という、けっこうリアルなお声もいただきました。それはやっぱり主語を「I」とか「You」とか、まず自分ごと、そして相手という、この主語の2つを練習しましょうっていうところ(がポイント)なんじゃないかなと思います。

本では「3日に1回ぐらい戻ってください」という反復のスケジュールも組んであります。そのスケジュールに完全に沿う必要はまったくなく、自分のペースで進めていただいて大丈夫なんですが、何ページいったら戻るというアクションは必ず入れていただいたほうが伸びるかなと思います。何度もぐるぐる、ぐるぐる反復して使っていただきたいです。

「わかる」ではなく、「使いこなせる」英語に

今日は聞いていただいてありがとうございました。あらためて『英会話は筋トレ』、ぜひおすすめさせてください。私の筋トレと英語指導の実体験をもとに、その共通点を盛り込んだ書籍になっています。英語学習に挫折した人も、中2レベルでいいという本になっているんですね。それらの英語が「わかる」ではなく、「使いこなせる」ようになっていく本です。

自分でこの1冊を学ぶのはちょっと不安かなと思われるかもしれませんが、私がどのように勉強したらいいかという解説をたくさん盛り込んでいるので、本のとおりに勉強していただければ必ず伸びていくと思います。ぜひ使ってみてください。

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