2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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桜井雅斗氏(以下、桜井):さあそれでは、ここからは事前にお送りいただいた相談やご質問などについていくつかピックアップしておうかがいしていきたいと思います。よろしくお願いします。
笑い飯・哲夫氏(以下、哲夫):お願いします。
桜井:まず1つ目です。仕事と年齢というテーマです。「『四十にして惑わず』と孔子は言っていましたが、この年齢に実際なっても、迷ってばかりです。このまま今の仕事にしがみつくのがいいのか、思い切って別のことをやるのがいいのか、転職を含めて仕事と年齢は関係あるのでしょうか」と。
先ほどのWさんの悩みにもちょっと似てる部分はあると思うんですけれども、いかがでしょうか。
哲夫:僕も47歳ですけど、迷うことはありますよ。
桜井:あぁ、そうですか。
哲夫:迷いますね。どうしようかなぁ、ここの電車乗ろうかな、それとも1本遅らしたほうがええかなぁ……。
桜井:いやいや、そこですか?
哲夫:でも遅らした場合、この電車が止まってしもうたら、新幹線に間に合わんようになるなぁとか、そう考えて迷うことが多々ありますね。
桜井:さすがタイムキープ力がすばらしい。
哲夫:いやほんま、秒単位で生きていたらこんなんなるんですよね。
哲夫:でもね、僕は新大阪の新幹線のホームで待つあの無駄な時間が嫌いでね。要はホームに上がったらすぐ新幹線乗りたいんです。ようみんな待合室とか使えるなあと思って。すーっと上がったら、すーって入りたいんですよ。
桜井:そうですね。
哲夫:要領の悪いような時間を作りたくなくて。時間を捻出した部分で、自分のできる事務作業をしておきたいんですよね。アンケートを書くとか。「ここからばーっと移動したら、そのまんま新幹線に乗れるのに」とか、そんなことばっかり考えてるんです。
桜井:効率の良さは本当に大事やと思うんですけれども。仕事でいうと、今の6足のわらじを何か履くのをやめようかなと思ったり、逆に7足目に手出してみようかなとか思うんですか。
哲夫:増えるんですよ。
桜井:減らすことは今まであまりしたことがない?
哲夫:ないんですよ。結局増えてしまいます。
桜井:でもそうなったらまた時間がどんどん......。
哲夫:そうなんですよね。でも1個1個が手薄になるか言うたら、またさらに時間の使い方がうまなったりとか。
桜井:逆に上手になっていくんですね。
哲夫:そうですね。全部が連携していく感じなんでね。
哲夫:それから、人に任せるのも上手になってくると思いますよ。だから抱え込むというより、誰かと分担作業でやったほうがいいと思う。偉そうに僕は寺子屋こややのオーナーと言うてますけれども、現場は後輩が一生懸命仕切ってくれていますから。後輩にも感謝なんですね。
分担作業で、誰かに任せることも取り入れていくのがいいんじゃないかなって思います。
桜井:これはいくつになっても、という感じですよね。
哲夫:そうですね。あとさっき言わはった「捨てる」というのも、僕は捨てたわけじゃないんですけれども、前はサーフィンしてたんですよね。
偉そうにサーフィンしてたんですけど、なかなかこれは時間をとる。なのでこれだけは今行けてないんですよね。ちょっと諦めてるわけなんです。
でも「諦める」というのはすごくいい言葉です。お釈迦さんが説いた最初の心理で、「四諦」というのがあるんです。四つの諦めと書くんですけど、これは「諦め」という意味じゃなくて、4つの「真理」という意味なんですね。
4つの、世界で起こってる正しいこと。でもこの真理という意味と、諦めるというのは同じ漢字なんです。なぜかと言ったら、諦めるという言葉(あきら)と明らかにする(あきら)という言葉は、同言語なんです。
桜井:確かにそうですね。
哲夫:明らかにする、イコール真理。諦めるというのは、明らかにされた真理。要は、人間は「やらなあかん」「やらなあかん」と思ってますけれども、そのいくつかを諦めていくことによって、ほんまの真理が見えてくるんです。
哲夫:結局僕もそうなんです。最初は嫌な毛布で自分を包んでたんです。どういうことかと言ったら、仏教を好きや、仏教マニアであることが芸人界でばれたくない。だから自分の中で毛布をまとっていたんですね。
でもある時に、番組で抜き打ち荷物チェックということで僕の荷物を漁られて、その中から般若心経を写経した紙がいっぱい出てきて。「こいつ、気持ち悪~」ってなって。そっからいじられたんですよ。
ほんでヨシモトブックスという部署ができて、そこの方が「般若心経の本書かないですか?」と。「うわ、もう会社からいじってるきてるやん」って思って、その時に諦めたんですよ。仏教マニアであることを今まで隠してたけど、隠すのをもう諦めようと。ほんなら、真理が見えたんですよ。
桜井:逆に。
哲夫:仏教って固いイメージがあったけども、仏教という固いお題によって、めちゃくちゃボケれる。めっちゃボケやすいんです。
桜井:なるほど。
哲夫:だから今これだけ仏教仕事とか、いろんな講演会で偉そうにしゃべる仕事をいただいてるんですけれども、「諦める」ということが原因となって、結果お金儲けをさせてもらえているんですね。
桜井:最初に見つかってしまった時は、「うわぁ、あちゃー」ってなりましたよね。メンタル的にへこみませんでしたかね。
哲夫:お笑いで笑ってほしいんですよ。「あほやねん、あほやねん」で売ってるから、仏教というちょっとお固いイメージで「あいつ固いねんで」とか思われたら、そりゃおもろいことも笑ってもらえへんようになるんちゃうかな、と思ってたんですが。
ただやっぱりお客さんがその辺を上手に噛み砕いてくれはる。漫才は漫才、仏教は仏教。しかも仏教(側の人たち)は「この人がおもしろくしゃべってくれるから」って思ってくれはって、ぜんぜん漫才に支障はきたさなかった。
桜井:結果として、すべてが仕事としてつながっていく感じですね。
哲夫:そうなんです。ありがたい。
哲夫:桜井:この方も「四十にして惑わず」ということで、惑わず進んでいっていただければと思います。では、2つ目の質問です。どうしても合わない人との接し方です。
「哲夫さんは、どうしても合わない人にはどのような心持ちで接していますか。とある若い方ですが、『もしかして馬鹿にされてる?』と思うほど、ビジネスマナーが皆無です。そういう方に限って一生懸命やっているふうにパフォーマンスをしてくる。
最初はイライラしていましたが、最近はなるべく関わらないようにしていますが、やたらと人の会話に入り込んできたり、迷惑というか困ってしまっています」と。
後輩、先輩、同業者、そして吉本でいうと社員さんだったり、哲夫さんのわらじの数ではいろんな方と関わると思うんですよ。その中で「この人ちょっとしんどいな」と思う方って、そもそもいらっしゃるんですか。
哲夫:イラッとしますよ。なんでこんな距離近いんやろとか。
桜井:なるほど。
哲夫:ソーシャルディスタンスと言われて3年やのに、なんでまだこの人こんな距離近いんだというところでしゃべってくる人とかね。
桜井:物理的にも。
哲夫:それから服屋の店員さんとか、ばーっと寄ってきて「紫でお探しですか」とか言って「いや、俺の傾向を読み解くな。お前監視してたやん」と。追いかけっこしてますもん。店員さんに寄ってこられるの嫌やから。寄ったほうが売れるんでしょうけど。
桜井:わかります。わかります。ノルマもあるんでしょうけども。
哲夫:あるんやろうけどもほっといてくれたらええのにって思います。必要な時はこっちから声かけますんでって。
桜井:本当にそうやと思います。
哲夫:勝手に傾向を見抜いてくるんで。それを報告してくる。「Vネックでお探しですか」と。いやええって、見んなやと。確かに3回Vネック触ったけれども。
桜井:ありますね。
哲夫:傾向を読み解くなやって(笑)。
哲夫:でも、僕の場合はすぐ笑ってしまうんですよね。「これネタにしようかな」とか。「この次に寄ってきた人に屁かましたらおもろいな」とか。それも想像力なんですけど、そんな余計なことを考えて笑ってしまう。
イラッとした時に一番考えていることは、「明日の今日、この時間に俺は同じようにイラッとしてるかなぁ」とか「1年後にこのことを覚えてるかな」とか。結局イラッとした気持ちも諸行無常やし、すぐに廃れていくんやって思うと、今現在のイラッとしたむかつきもぜんぜん少なくなる。
「三毒」というのがあります。煩悩の原因とされる3大要素が貪・瞋・痴です。貪というのは貪る。こうしたい、あれ欲しい。瞋というのは怒りの気持ち。「うわ、なんやねんこいつ」と。痴というのは知らないこと。この「知らない」というのが大元なんです。
痴漢の痴って書くんですけど、知るにやまいだれなんでね。これは「真実を知らない。」ということ。ここから2大要素の貪と瞋が出る。だから貪る気持ちと怒りは、2大要素と言ってもいいぐらい、すぐにやっぱり人間の中に沸いてしまうんですよね。
だからそれを抑え込むというのを何時間もやってるんです。ずっとやってるんですよ。貪ってしまうというのと戦ってるんです。ここまで欲をかいたらあかんわみたいな、腹立つわって言われるけど、あぁこんなん怒ったらあかんわみたいな。
三毒って言われる3大要素に2つ入ってるぐらいやから、ずっとそれと付き合ってるんです。だから生まれてくるのはしょうがないんです。生まれてくるのはしょうがないけれども、要は諸行無常。
哲夫:ほんでさっき言いました「自他平等」というのは、お経にも出てくるんですけど。自分の幸せと人と幸せっちゅうのを同じぐらいに考えれるようになったらいいんですよ。
今お腹すいてるなぁというのは、自分が満たされること。隣に同じだけ腹減ってる人がおったら、この人の腹を満たしたいなって。弁当1個あんねやったら、この人が満たせたらそれも同じだけうれしいよな。この人だっておいしい思いしてんねんから、そこもうれしいよなというふうに思えるようになったらすごくいいんですよ。
だから同じなんです。自分悩んでるなっていうのも、この人がすごい悩んでたら、同じだけ自分はへこむんですよ。嫌やなぁって。なので自分の悩みというのも、やっぱりそういうふうに誰かに譲ってあげたら、自分の悩みに反映するわけです。
桜井:なるほど。
哲夫:自分は全体であり、全体は自分である。個っていうのと全っていうのを同一視できるようになることを、座禅のコツと言うたりもします。ワンフォーオール、オールフォーワンですね。
桜井:なるほど。
哲夫:ラグビーの精神はほんま仏教観やなと思うんですけれども。1人はみんなのために、みんなは1人のために。そのことを考えてたらなんでもええかと思えるようになってましたね。
桜井:そうですね。諸行無常の考え方もそうですし。先ほどおっしゃってた、おもろなってくるじゃないけど、こういうことも飲み会のネタの1つにするみたいな、ちょっと変換してしまえばまだどっかで落としどころを見つければ。
哲夫:お笑いやっててよかったなと思いますよね。そういう時ね。普通だったらみんな腹立つんやろなぁと思うけど、こっちはめっちゃわろてるみたいな。
桜井:どっかで言えるぞみたいな。
哲夫:俺はよう「なめてんか」って言われたんですけど、ヤンキーのメンチもおもろうてしゃあないんですよね。僕らがちょっと売れ出した時とか、メンチ切ってくる奴がおったんですけど、もうめっちゃ笑ってたんですよ。
桜井:おぉ……。怖い怖い!
哲夫:なんやねんその顔みたいな。「なめてんか、おいー!」って。
桜井:そりゃね。
哲夫:いや、なめてるよ。おもろいねん。
桜井:すごい。結局喧嘩とかにはならず、大丈夫でしたか。
哲夫:そうですね。ふざけて交番の前にへばりつくってボケしてましたからね。
桜井:はぁ~。なるほど。
哲夫:でも圧倒的に自信があるんですよ。こんだけ精神状態安定してるんやから、負けるわけないやん。
哲夫:うちのじいちゃんがかっこよくてね、じいちゃんにすごく憧れてるところがあるんです。農業にもすごく憧れて、じいちゃんに教えてもらってばっかりなんです。
僕が中学校ぐらいの時。実家はそうめん屋でしてね。2階に厨房があって、そこで僕はお手伝いでそうめんを湯がいていたんです。それで下をぱっと見たら、シャコタンの車同士の事故があったみたいで。うちのそうめん屋の駐車場の前に、友だちを呼んだんかして、シャコタンがどぅわーって集まったんです。
シャコタンがずらーって並べられたから、お客さんが入って来れへんようになったんです。それで2階から下を見たら、おじいちゃんが車のほうに向かってぐわーって歩いていったんです。
そのへんにおるリーゼントのヤンキーみんなに向かって、「お前らこんなとこ車停めたらお客さん通らへんやないか! どけろぉ!」って言うたんですよね。
ほんなら「すいません!」言って、ヤンキーがみんなぶわーっていってどいていったんです。僕は中学生ぐらいで、それを見てすげーと思って、じいちゃんに言いにいったんですよ。「じいちゃん、ヤンキー怖ないの」って聞いたんです。
ほんなら「お前な、兵隊もっと怖いねんぞ」って。
桜井:なるほど(笑)。
哲夫:うわー、説得力あるわーと。
桜井:確かに。
哲夫:めちゃめちゃ説得力あると思って。だから自分はそっから兵隊さんの気持ちになろうって思いました。
桜井:別の人に成り代わるじゃないけど、俺よりもっとしんどい人もきっといるし、と考えるんですね。
哲夫:そういう人の気持ちを想像して、そっちに立ってあげる。
桜井:確かにそうかも。なんでこの人怒ってんのかなって、この人の立場に立ってちょっと想像してみると、もしかしたらイラついてる理由もわかるかもしれない。
哲夫:自分を鏡で映してみたらいいんですよね。よう見たらむかつく顔してんすよ、自分なんて。
桜井:それがもう見えてしまってるから。
哲夫:そうなんです。だから怒らせたんやって思うと、ほんまごめんなさい。こっちが怒っててごめんなさい。僕なんて怒らすばっかりのやつです。あ、煽ってきとんな、こいつと思った時に、自分の運転見たら、けっこう煽ってるやん俺って気づく、みたいなね。
桜井:人の振り見て我が振り直せじゃないけど。
哲夫:そうですよね。
桜井:なるほど。そういったところでみなさん向き合っていただければと思います。
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