
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
『今日からできる ゼロストレス営業』発売即重版記念 河合克仁×成瀬拓也 無料オンライントークライブ すべての仕事に「営業力」を!(全6記事)
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成瀬拓也氏(以下、成瀬):僕は営業職じゃないけど、BACK AGING(バックエイジング)っていう治療院をやっていて、治療スタッフは「お客さんに喜んでもらいたい」と思って、お客さんは「スタッフを応援したい」と思う関係になればいいなと思っていて。そうすれば、営業マンや広告費を使わなくても、どんどん紹介がくると思うから。
それこそ、この本を僕が薦めると、みんな「買います」とか「読みます」と言ってくれたりするんだけど。
河合克仁氏(以下、河合):ありがとうございます!
成瀬:尽くして、返ってくるのって、言うたらバーター的というか。「紹介してあげるから、同じだけ紹介してください」という、その保険の営業マンと河合くんの関係って、一見バーター契約じゃないですか。
僕の中では、「応援し合う関係」と「バーター」の違いがうまく説明できないんだけど。「その違いは何なの?」っていう。
河合:本に書いた言葉を使うならば、「真心51パーセント以上」「下心49パーセント以下」ですね。
成瀬:なるほどね。
河合:もちろんご契約・ご紹介はほしいですよ。そりゃそうですと。「とは言っても」というところじゃないですか。だから僕も、感覚的には「100紹介して、10返ってきたらいいなぁ」ぐらいな感じです。
成瀬:「紹介してあげるから紹介してよね」だと、「紹介してもらいたい」が先にあると。それだと51パーセント以上が「紹介してほしい」になるのね。
河合:はい。
成瀬:でも、「この人のことを応援したいから応援する。でもせっかくだから紹介とか返ってきたらうれしいな」みたいなのは、「この人の力になりたい」が先だから真心が51パーセント以上あると。
河合:はい。たまに、下心がぴょこんと60~70パーセント出ちゃうこともあるんですが、「あ、やべやべ」と、ちゃんと戻していく。
成瀬:49パーセント以下に。
河合:平均して49パーセント以下にキープしていけるようにする。そこも「〇〇さんのためですよ」というトークで決めていくんじゃなくて、本当にそう思えるものを提案していくほうがいいような気がします。
成瀬:うちのスタッフを見ていると、逆に下心がないんですよ。「お客さんのために」という思いはめっちゃあって。「そこまでやらなくてもいいよ」みたいなことを一生懸命やってくれたりするの。それはそれで、僕もすごく誇らしいと思っているんだけど。
逆に下心みたいなものがないから「もし誰かにご紹介いただけるのでしたら、このQRコードを使ってください」みたいなテクニックがなかなか出んのよ。
河合:なるほど!
成瀬:それはちょっと逆に「下心がもうちょいあってもいいよ」みたいな感じなの。
河合:そうですね。たぶん下心がないことはないと思うんですよね。ただ、抑えすぎちゃっているというか。でも、わかんないですね。いい人すぎるのかも。僕の基準が低すぎるのかもしれません。「給料安いより、高いほうがいいじゃん」とか。
もうちょっと話をするとしたら、お客さまにちょっとしか喜んでもらえないよりも、たくさん喜んでもらえたほうがいいわけですし。つまり「1人喜ばせるよりも、2人喜ばせられるほうがいいじゃん」ということもある。
僕は、どこかのタイミングで「お客さまに喜んでもらうことをするためには、僕は営業をしている場合じゃないな」と思ったんですよ。営業はお客さまに任せて、僕の時間の100パーセント近くをお客さまに喜んでもらうために使おうと。「そうすれば誰もがWin-Winじゃん」って思ったんですよね。
だから「新規営業開拓はお客さまに任せます」と。その分、「僕の持っている時間の、できる限り多くをお客さまに喜んでもらう時間に使わせてください」みたいなところがあって、お客さまも腹落ちしたんじゃないですかね。
例えば、成瀬さんたちの「RUNNING CLINIC」(ランニングクリニック)での、ランナーの方々のタイムのこともそうだと思います。患者さんたちの自己実現や自信をつけていくこと、チャレンジしていくことに100パーセント向き合っていくためには、きっと営業なんかしている場合じゃないんですよ。
患者さんたちに寄り添ってサポートをしていく時間を最大化しなくてはいけないと。それが私たちのミッションだと気づいたんだと。これをお客さまに話して、「営業よろしくお願いします」とお願いする。そうすれば「おぅおぅおぅ」みたいになると思うんですね。これはある意味、今でも間違っていない気がしています。
成瀬:河合くんがかわいがられるっていう話をもっと聞きたいなと思っていて。ちょうど秀逸な質問が2つあがっているから、これに答えてもらいたいなと思います。
「『かわいがられる』というのは、若い世代の可能性が高いですよね。ただ、ある程度の年齢になると、『かわいがられる』『お客さんに甘える』っていうスタンスは難しいと思いますが、こうしたことは年齢と無関係だとお考えですか?」という質問がまず1つ。
その質問に紐づいて、次の質問がおもしろくて。「かわいがられるのも実際は『好み』で決まりますよね。ろくに仕事もしていないのにかわいい人がすごく高い評価を受けて、すごくがんばっている見栄えの悪いおじさんは、まったくかわいがられていない。こういうことがほとんどじゃないですか?」という。
見た目や年齢、同性・異性とかと「かわいがられる」の関係ですね。こんな話、本には書きにくいですね。
河合:書きにくい(笑)。
成瀬:せきららにお願いします。
河合:僕も今年40歳になりますが、「この年齢でかわいがられるとか言っていていいのかな」と、内心思っています。
そう言えば最近、20代前半の頃にお世話になった経営者の方々から「お前本を出したのか。あいさつに来たら100冊買ってやるけど、お前忙しいからどうせ来れんやろうな」みたいな圧を久しぶりに感じながらですね。これフルストレス営業の分野だと思うんですけど(笑)。
実際に伺ってお会いすると、年齢は以前からお互い十数歳ずつ上がっているんですが、結局出会った頃のまんまの感じなんですよね。だから、はたから見たら成瀬さんと僕も年齢だと2つしか変わらないんですよね。
成瀬:そうだよね。42歳と40歳のいい年のおっさん2人やからね。
河合:そう。いい年のおっさん2人だけども、僕はかわいがっていただいて。
成瀬:18歳と20歳の時に出会っているんです。
河合:そうです。逆に、僕よりはるかに先輩の、例えば50代半ばから後半ぐらいの外資系生命保険会社の超トップオブトップの方も、やっぱりお客さまにかわいがられていて。「かわいがられる」という表現が適切かわからないですけど、やっぱり愛嬌があったりして、応援されているなとは思うんです。
たぶんですけれど、僕80歳になっても、82歳の成瀬さんにかわいがっていただいていると思うんですよ。
成瀬:なるほどね。
河合:2つ目の質問ですが、例えば若い女性のほうが、年上の男性からは……。いわゆる、とくに仕事をしない、かわいいと思われている人がめちゃくちゃ高い評価を受けていて、かんばっている見栄えが悪いおじさんはかわいがられていないと。まあ、ゼロじゃないかもしれませんけど、瞬間最大風速なのかなという気もします。
例えば、僕の前職でも、「この子が僕と同じことをしたら、絶対かなわないな」という同僚ががいっぱいいたんですよね。でも結局、長い目で見たらそうじゃなかった。質問者さまも逆に、誰か1人かわいがる人を決めてみてもいいかもしれませんね。そのかわいがる人って、「なんでかわいがろうと思うんだろう?」みたいに考えてみるとか。
「先輩すごいっすね!」と言ってくれたりする人は、瞬間的に気分は悪くないですよね。でも、たぶん長い目で見たら、その人をかわいがるというのか、応援し続けようとは思わなかったりする。
その「見栄えが悪いおじさん」でも、「清潔感はあったほうがいい」「不衛生要因は取り除いたほうがいい」とは思うんですよね。だから、清潔感さえあれば僕は意外といけると思う。逆にそんなふうにがんばっているおじさんって応援しちゃうと思うんですけどね。どうなんでしょうか。
成瀬:確かに河合だけに「”かわい”がる」という表現を僕も使いましたけど。
河合:はい(笑)。
成瀬:そう考えると、実態は「応援される力」だと思うんだよね。たぶん年齢とか性別によっても応援のされ方は違うと思うけど。
河合:そうですね。
成瀬:若くて、なんか危なっかしいけど、自分にはないガツガツした努力みたいなのを見て「いいな」と思うこともある。逆に自分の父親ぐらいの年齢で、本来ならば老け込んでいそうなのに、新しいことに挑戦し続けたり。すごい実績出しているのに、僕より年下の人にもすごく丁寧に接して新しいことを学んでいる人とか、「うわぁ、この人すげぇなぁ」と思うから。
尊敬のされ方、応援のされ方は違うのかもしれないけど、やっぱり応援される力というのはありますね。ただ、質問者のお二人がおっしゃっているように、もし若さや見た目が武器になるのなら、絶対活かしたほうがいいと思いますけどね。これ、パブリックなところでは表現しにくいですけど。
ただ紙一重で間違っちゃいけないのが、やっぱり異性の色恋じゃないけど、違う動機で引き込むのは違う。それはたぶん瞬間最大風速というか、お互い長続きしない。
異性の魅力で惹きつけて、何か違う目的のものをセールスするとかでも、さっきの51パーセント・49パーセントじゃないけど、常に「善な動機が51パーセント」であるべきで。100パーセントにはならないけど、51パーセントは必要だなとは思いますね。
河合:あとはたぶんコミュニケーションですね。例えば、夜の飲み屋さんとかで、きれいな女性が49人いるところで、僕自身が入って接客しても1番になれるかどうかはわからない。でも、トップ3ぐらいには入れるような気が勝手にしていて。
結局、男性で年上という、ウルトラビハインドがあったとしても、お客さまたちに喜んでもらえることを、コミュニケーションや接客の中でしていく。工夫できることはありますよね。
成瀬:そうなってくると、もはや営業とかぜんぜん関係なく、「いかに人に応援される人間になるか」ということで、その極意は「その人にどう喜んでもらえるか」ってことが一番で。
河合:そう思います。今回の本に関しても、まだ2回ぐらいしかお会いしたことがない社会人2年目の方が、一昨日この本のことをFacebookにあげてくださっていて。今の僕の活動や、この本に関しても「よかったですね!」と言って応援してくれています。何冊も本を買って、社会人2年目だから1年目の後輩に「この本を読むといいよ」と渡したり、実際に「お客さまにこんなふうに喜んでもらいました」と言ってくださったり。
確かに「かわいがられる」という表現だと、若い方が年上の方に、というイメージがありますが、成瀬さんがおっしゃったみたいに「応援される力」のほうが適切かもしれませんね。
だから、その年齢とか性別で、それぞれの「応援してもらい方」や「かわいがられ方」を発揮できると思うんです。僕も本に書いたんですが、いわゆる「営業のさしすせそ」みたいなのって昔からあるじゃないですか。
「さすがですね」とか「すごーい」とか。それ、僕から言われても「ふざけんな」じゃないですか(苦笑)。ある意味、もうちょっと若かったり、異性だったら話は別かもしれませんし、そういうところで瞬間的に、刹那的に喜ばせることはできるかもしれませんけど。
でも、もう少し長期的な視点ということであれば、お客さまたちと長い目で関わらせていただき、喜んでいただくことを考えていかないといけない。だから、「さらにお話をうかがわせていただけませんか?」という話になると思うんですね。じっくり聞いた上で「そうなんですね」というコミュニケーションのほうが、僕は男性・女性、そして異性・同性関係なく心地いいと思うんです。
僕はもう無意識ですけど、成瀬さんが冒頭で拾ってくださったみたいに、否定せずに受け止めるんですね。「そうなんですよ」というコミュニケーションが、僕はたぶん習慣化していますね。
「応援されたいのに、なかなかされないなぁ」ということがあるとすれば、真心はできる限り51パーセント以上ぐらいに意識する。それができているなら、あとは言葉遣いや行動を変えるだけですね。
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