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『今日からできる ゼロストレス営業』発売即重版記念 河合克仁×成瀬拓也 無料オンライントークライブ すべての仕事に「営業力」を!(全6記事)

「営業」能力向上で、ロープレや商品知識より遥かに大事なもの AIやテクノロジーが進化する中で、「人」が価値を出せる領域

新刊の著者を講師に招く「すばる舎」主催のセミナーに、『今日からできるゼロストレス営業』を上梓した河合克仁氏が登壇。大学も新卒で入った会社も一緒で、共に経営者になった今もサポートし合う株式会社ウィルフォワードの代表・成瀬拓也氏をゲストに迎え、自分にも顧客にもストレスがかからず、無理せずに持続できる営業スキルを語りました。本記事では、お客さんが新しいお客さんを紹介するという「謎の仕組み」や、多くの経営者から応援を得られた理由などが語られました。

営業が得意じゃない人に向けた「営業生存戦略」

河合克仁氏(以下、河合):今回、おかげさまで発売3日目に増刷が決まりまして。僕の本がそのタイミングで評価されたというよりも、シンプルに「河合が本を出したんだったら応援しよう!」と思ってくださっている方々の、応援力のおかげなんですね。それによって、今の自分自身がいるなと思っています。

それから、営業が得意な方は、もうご自身のスタイルでどんどん進んでいかれたらいいと思います。「営業得意じゃないかも」「営業苦手かも」とか、成瀬さんがおっしゃったみたいに「営業関係ないや」という方ほど読んでみてほしいと思っていて。

ちょっとしたコミュニケーションを工夫したり見方を変えることで、ご自身が気づいていない良き営業があるかもしれません。お腹が空いていない人に、無理矢理食べてもらおうとしたら、それは良くない営業かもしれないから、「お腹が空いている人はどこにいるのかな?」また「お腹が空くタイミングっていつなんだろう?」と考えてみると。

その時に、僕の本を思い出してもらえるといいなと思います。ある意味、営業が得意じゃない方々の「営業生存戦略」みたいな。僕自身も、意外と営業において記録更新できたりしたので、普通よりも遥かに売れる方法も載せています。話が上手とか、めちゃくちゃロジカルな提案ができるとかじゃなくても、「いけるよ!」ってことを伝えていきたくて。そんな思いも今回の本に込めさせていただきました。

とにかく「お客さまの声を聞く」

成瀬拓也氏(以下、成瀬):河合くんは初めは、商品サービスに自信が持てなくて、「これを提供することはお客さまにとって迷惑な行為なんじゃないか」と思っていて。そこから、お客さまの感動と感謝の言葉をきっかけに、ちょっとずつ変わっていったわけじゃないですか。

これ、もし商品がお客さんからクレームをもらうような物だとしたら、河合のゼロストレス営業はできない感じですか?

河合:それはシンプルにやめたほうがいいですね。良くないものを営業力で売るほど悪いことはないですから。例えば、オレオレ詐欺集団の人たちに、ものすごい営業力を授けてしまったら、「それってぜんぜん良くないじゃん」みたいな話だと思います。

成瀬:詐欺レベルだったらわかるんだけど、どうやって「その商品が良いか悪いか」を判断するの? そのアドバイスをまんま聞くと、「売らない時代の河合くん」だったら「やっぱ俺はこの仕事やっちゃダメなんだ。や~めよ」にもなりかねないじゃん。

河合:「お客さまの声を聞く」ということがすごく大きいです。例えば、僕は今小学校4年生と1歳の娘がいるんですけど、意外と身近な人たちの声、親兄弟の声はなかなか聞かないんですよね。逆に友だちの声は聞いたりして。

上司やチームメンバーの「お前、こんな考え方だから売れねぇんだよ。もっとこうしてみたらいいじゃねぇか」みたいな声も、間違ってはいないのに意外と素直に聞けない。

営業だったら、実際に商品・サービスを購入・利用してくださっているお客さまの生々しい声を聞く。リアルな声を聞く。たぶん、100点満点ってないと思うんですよね。良いところも、より良くしていくために聞いていく。そういった、良いところをたくさん聞くチャンスを掴めると、きっと乗り越えていけると思います。

逆に「お客さまの声を聞いてはダメだ」みたいに止められるチームや組織、商品であったら、ちょっと考えたほうがいいかもしれない。明らかにお客さまが損するけど会社の損を防ぐために売る。こうしたことに、僕は超反対ですね。

AIやテクノロジーが進化する中で、人が「価値」を出せる領域

成瀬:今の話を聞いていて思い出しました。僕が独立した後に、コンサルとして、R社のトレーナーの研修とか教育プログラム作りをやらせてもらっていたんだけど。

初期の頃、20歳やそこらの若い子たちは、「週2回の筋トレに何十万は高すぎる」って言っていたのよ。そういう子たちは、やっぱり売れない。売れないというか、仕事に自信が持てていない。

僕らはドキュメンタリーを撮るために、お客さんのビフォーアフターをひらすらインタビューしていたから、いかにお客さんが感動しているかを知っていて。「Rに出会わなかったら、もう人生終わってた」みたいなことを、泣きながら訴えてくれるような人たちにたくさん会っていたから。たぶん全社の中で、俺らが一番サービスに自信持っていたんじゃないかな。

だって「糖尿病で薬を何十個も飲んでいて、このままいったら自殺していた」みたいなところから、「運動するようになりました」とか。あと、「ずっと夫の人生を支えてきて、ふと夫が定年になった時、自分の人生に何の自信もなくて。だから、せめてぶくぶく太った自分を変えたい」と言っていた女性も、ダイエットが成功したら自信が出てきて「65歳で起業しました」とか。

そういう人たちの話を聞いていると「本当に超いい仕事じゃん!」って思った。今思えば、「自信がない」と言っている子ほど、お客さんの声を聞いたらいいんですよね。

河合:今成瀬さんがお話しくださったエピソードにもあるように、「ロープレがんばろう」「反論処理やろう」みたいなテクニックとかスキル、または商品知識も大事だけど、ぶっちゃけ、そういうテクニックより遥かに大事なものは、「この商品・サービスを、目の前の方にお薦めしたら喜んでいただける」という確信なんですよね。それがあれば、「言葉すらいらない」みたいな世界だと思うんです。

究極的に信頼関係が生まれたら、商品のメリットを伝えるよりも、「成瀬さんに言われるんだったらやるよ」ということだと思うんですよ。営業という仕事だからこそ、商品サービスの価値を超えて「人と人とのつながり」が生まれることにも出会えると思うんですよね。

「上手に説明すること」「メリット・デメリットを整理すること」みたいな部分は、もう映像や資料の力を借りる。一番上手に説明できる先輩の映像を流せばいいだけだと思うんですよね。

それよりも、そのプラスアルファの周辺領域の中で、「この人とつながっていけたらいいな」とお客さまに思ってもらうこと。または、「こんな部分があるなら、こんなこともできますよ」という話ができたりすることが、いわゆる営業AIではなく、営業パーソンとして今後大切になってくる。

なぜ売れない時期でも営業を続けられたのか?

河合:本にも少し書きましたが、結局そういうことをされている方々は、お客さまたちと深い関係性を作っているんですね。僕は、超至らない点が多かったのに、成瀬先輩や前職の社員のみなさん、お客さまたちにめちゃめちゃ怒られながらも、今もこうやってつながりを持たせていただいていますよね。それは感謝しかないなと思いますし。

1件質問をいただいていますね。「多くの方が河合さんと同じように、まだ売れていない時期に売れるようになる自分を思い描けずに、営業を離れていくと思います。売れていない時期に営業を続けられた拠り所というか、我慢というのか、続けられた背景は何だったんでしょうか?」。

今までの話にもあるように、1つはやっぱり直の上司だった成瀬さんの存在がめちゃめちゃ大きかったです。やっている行為に対しては、いっぱいご指導・ご指摘があったんですけど、「僕自身の存在」を受け止めていただいて。「今は活かせていないけど、お前はできると思うから大丈夫だよ」と、どこかで承認の言葉をいただいて。その言葉を通して「受け止めていただいているな」と感じました。

会社の雰囲気としても「ぜんぜんダメじゃねぇか」という叱責よりも、伸びしろに期待していただけた部分があって。だから、早く期待に応えたい気持ちがめちゃめちゃありましたね。

成瀬:確かに成果は出ていなかったけど、社長には気に入られてたよね。

河合:はい。目を掛けていただいていました。

「六本木に終電で出社」のエピソード

成瀬:今日もう1つ、深掘りしたいと思っていたのが、「河合がかわいがられる所以」みたいな話。

思い出したエピソードとしては、社長がよく夜の11時半とか、終電間際の時間に……。いや、今はたぶんそんなことやっていないと思うけど、当時は終電を気にするような社会じゃなくて、まだ会社にほぼみんないるみたいな状態で。

帰りたい人が一生懸命、日報書いているような時に社長から電話がかかってきて、「今、会社に誰がいる?」と聞かれて。話を振られたり、「今からミーティングだ!」とか言われると帰れなくなるから、みんな「いる」って言ってほしくないんですよ。

みんな、僕と目を合わせないように顔を伏せる。それで僕が「え~っとですねぇ……」と言っていると、河合は逆に顔を出してきて「俺、います」みたいなジェスチャーをするんですよ。それで「河合と僕で、あとはみんな帰ろうとしている感じですかねぇ」って答える。

そうすると社長は「あ、そうなんだ。どうだ、六本木で一杯やるか」と言うんですよ。だいたい、僕らがそこに向かう電車が終電で。

河合:(笑)。

成瀬:六本木に終電で出社するみたいな。僕はけっこうそういうの、ノリで「ぜひ行きます!」と言うんだけど、河合もこうやって自分を指すんですよ。「河合も行きたいと言っているんですけどいいですか?」と言うと、「ああいいぞ! いいぞ! 河合と2人で来い!」とか言って。

「電車なんか使わなくていいから、タクシーで来い」って、よく僕ら2人で、六本木のルーズっていうバーみたいな店に行きました。フードメニューはほぼないんですけど、僕らが行くと「お腹空いているよね」と言って賄い料理みたいなものを作ってくれて。僕らは飯を食わせてもらいながら、社長と3人で飲むという。だから、新人の時に社長と飲みに行っていたのって、今思えば河合ぐらいだったんじゃないかな。

河合:そうですね。

お客さんが新しいお客さんを紹介する「謎の仕組み」

河合:僕は、自信がない営業商品を売ることはしたくないんだけど、「成長したい」「採用していただいた会社に恩返ししたい」「期待に応えたい」という思いは持ち続けていました。社長と飲めるなんてチャンスじゃないですか。自分1人だったら社長との時間なんていただけないけれど、成瀬さんの手伝いなら行けると。

結局は手伝いでもなんでもなく、僕自身がちゃっかりいろんなことを学ばせてもらったり、お食事をごちそうになったりしていたんですけれど。そういう「学ばせてもらいたい」とか「チャンスを広げていきたい」みたいな思いだけは強かったんですよね。

成瀬:やっぱりそういう姿勢があったから、別に目先の数字云々じゃなくて「河合は見所がある」って社長は思ってたのかもね。

河合:はい。

成瀬:えこひいきされるぐらい、やっぱりかわいがられていたと思うんだよ。

河合:本当にありがたいです!。

成瀬:ご飯が食べたかっただけかもしれないけど(笑)。

河合:ご飯も食べたかった部分は否定はしませんが!(笑)。 

成瀬:僕自身も、言ってみれば社長にはえこひいきしてもらって。すごくかわいがってもらったと思うんだけど。

河合くんがすごいのは、週5件50週のご契約という営業の伝説の記録を打ち出した時、実は河合くんが自分で見つけてきて契約したお客さんは数えるほどだったんだよね。

むしろほぼ全部が、河合くんのお客さんがお客さんを探してきて。お客さんがですよ? お客さんがお客さんを営業して、ほぼ「契約します」という状態で河合くんにパスされて。研修受けるだけじゃなくて、お客さんが勉強会をやってくれたり、フォローしてくれるという、謎の仕組みになっていたじゃないですか。

河合:はい。

成瀬:あれがなければ、あれだけの契約を預かることはできなかったと思うんです。超応援されたという。

多くの経営者から応援を得られた理由

成瀬:なぜ、あそこまで紹介が出たのか。そこをあらためて掘り下げたいんだけど、あの時は何があったんでしょうね?

河合:冒頭にお話ししたO社長からのお話にも通ずるのかなと思います。僕自身の営業もがんばったんですが、それ以上にお客さまの目標達成に本気で向き合ったというか、取り組んだところがあります。

当時の自分は、まだ社会人2~3年目ぐらいで、当時のベストって今でいうと、おちょこぐらいのキャパだと思うんですよね。おちょこなんだけど、表面張力で……。

成瀬:今のサイズが何かも言わずにおちょこって言われても……。まあいいや。どうぞ。

河合:ちっちゃい器の中でのベストオブベストを尽くして、「お客さまにどうしたら喜んでもらえるのかな」「こんなことをしたら喜んでいただけるのかな」ということを行っていて、そこは超自信がありました。仕事につながること・つながらないことをひっくるめて、あらゆることをさせていただいていて。

今思えば、やっぱりまだまだできることが少なかったとしても、例えば社会人1年目の営業マンで、それぐらい本気で自分のことを応援してくれる人が来てくれたら、めちゃめちゃ応援しちゃいますよね。

O社長のメッセージじゃないですが、たぶん当時活躍されていた経営者の方々も、そういった僕の行動を見て昔のご自身を思い出されたのかもしれません。また、ひょっとしたら「こういう人材がうちにもいたらいいな」なんて思っていただきながらご紹介していただいたのかなと。

というのも、僕もお客さまに、お客さまを本当にたくさん紹介したんですよ。例えば当時お世話になっていた保険営業、ライフプランナーの方にも、30人ぐらい紹介しているんですよね。

だからある意味、「そちらの契約のほうが大きいんじゃないか」というぐらいやっていました。また経営者のお客さまが多かったので、「僕、平均よりもちょっと上になりたいです」ではなくて「トップを目指しているんです!」という言葉が、応援してくださることにつながったのかなと感じます。

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