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井上裕之×岡崎かつひろ オンライントークライブ 「一流の学び力」(全4記事)

人間的な器が小さいと、話を「聞く」ことはできない 「要領の悪い人」に薦めるコミュニケーション練習法

出版社すばる舎が主催で開催された、『お金に困らない人が学んでいること』刊行記念イベントの模様を公開します。著者・岡崎かつひろ氏と、『「学び」を「お金」に変える技術』などの著者で歯科医師・潜在意識の専門家である井上裕之氏が、一流の学び方について語り合いました。本記事では、両氏が意識している最近の「学び」について、「要領の悪い人」が学ぶべき事について語られました。

実体験することで得る「学び」

小寺裕樹氏(以下、小寺):過去の学びについてお聞きしたんですけれども、お二人が今まさに積極的に学んでることや分野はありますか? 単純な個人的興味で聞きたいんですけど、井上先生はありますか?

井上裕之氏(以下、井上):特に何か専門で学んでいることは、今はないような気がするんですけど、ただ「学び」という意味で、本を読むだけじゃなくて、実体験をすることに対しての学び、経験をすることの学びをすごく大切にしますね。

例えば、この店のこれがおいしいよって聞いたら、まず行ってみようとか。ここの宿泊施設が素晴らしいのよって聞いたら、行ってみようとか。何か美術館で企画展がやっていたら見に行くとか。

頭だけの表面的なものじゃなくて、立体的に物事を見て感じることをすごく大切にしてますよね。45歳を過ぎてからは、そういうことに時間と金を投資したかなと思います。

小寺:体験というと話がずれるかもしれないですけど、体づくりについても詳しいじゃないですか。基礎代謝がどれぐらいだから、こういう食事をしているとか。みなさん、井上先生は腹筋バキバキですからね。びっくりしますから、本当に。

井上:今、週2回のパーソナルトレーニングと、大山峻護さんという元プロ格闘家の方にマンツーマンでボクシングを週1回習ってるんですね。

小寺:ボクシングはなぜおもしろいんですか?

井上:1つはまず健康のために自己管理しているという意識の問題。2つめは、きれいに洋服を着るための「ボディメイキング」としての体づくりという点。

3つめは、ボクシングは可動性を付けて反射性を高めていくことだから、それによって体を使って実際に対峙することで、格闘技から自分の人生観や経営とかに結び付けて、少し学びたいということ。最後に、しかしたらパンチをして逃げるというのは「自己防衛」のために必要なこともあるかもしれないのでやっています。その4つの要素ですね。

小寺:僕、毎回井上先生としゃべると自分の反省しかなくなるんですよね。

ボクシングで学ぶのは、人生における「形」

井上:例えば大山さんと話してると勉強になるのは、格闘技ではまず相手と自分のポジション、距離を保ちなさいって言われるんですね。距離を保って相手のフィールドに入ると、必ずパンチをもらうので、まず相手が出てくる癖をみてパンチを出しなさいって言われるんです。

これはビジネスでも何でも、自分のフィールドに相手を呼び込むことが大切なんだなという学びにつながります。他者のフィールドでは勝負事で負ける可能性がある。環境作りに対して、僕はボクシングから学んだりもするんですね。構え方とかいろいろ言われるんですけど、別に強くなるにしても限度があるわけだから、ボクシングの「形」ですよね。

だけどやっぱり強くはなりたいので、メイウェザーのような世界チャンピオンの動画を見たりとか、または自分の大山さんに撮ってもらった画像を、今バンタム級のチャンピオンの小川選手に動画を送って指導を受けたりとかしています。みんな優しいから教えてくれるんですよ。「こうやって体使ってください」って。

なので、ボクシングを通じて強くなるというよりも、そこから自分の人生にどう生かすかという「学び」でやっている部分もありますね。

小寺:確かにそういう意識を持ってやると、ビジネスとか人間関係でも活きるでしょうね。

井上:藤平信一先生の「気と心の道場」という合気道の5日間の合宿で、経営に通じる学びを得たことがあるんですね。物事の体験で自分の人間関係や経営に活かすとか、すごく役立つことを知っていた。それで大山さんとただボクシングをするのではなくて、ボクシングから何を自分の中に取り入れていくかということをフィードバックしながらやってますね。

自分の役割は「ハブになる」こと

小寺:さすがです。岡崎先生は、今しいて言うなら何か意識的に学んでいることとはありますか?

岡崎かつひろ氏(以下、岡崎):いや、僕もボクシングがんばろうかなと思いました。

小寺:ガツガツ今影響受けてるじゃないですか(笑)。

井上:岡崎さんは、僕より20ぐらい若いんですか?

岡崎:僕は42歳です。

井上:僕が58歳で、今度59歳ですからね。

小寺:いやあ、それであの腹筋ですもんね。衝撃です。

岡崎:服に合わせて体を作るという発想がなかったですもん。

小寺:確かに、それ聞いた時びっくりしましたね。

岡崎:びっくり。すごいですよね。絶対に井上さんの前で服は脱げないです。

僕自身の話としては、コロナの前からもそういう傾向があったんですけども、コロナ禍に入ってから「自分の役割はどこにあるのかな」って改めて考えることがいくつかありました。

僕は、スペシャリストのタイプじゃないんですよね。何かを1つ突き詰めていくよりは、どちらかというとジェネラリストで、広くそれなりにできるというタイプです。そんな僕がどうすれば一番人の役に立てるのかなって真剣に考えると、おそらくは「ハブになる」っていうポジションだなと今思ってるんです。

毎朝のClubhouseで学ぶ「発信力」

岡崎:要は、いろんな人をつなげるのもそうだし、これから輝いていく方々を応援するとかのほうが得意。そこでハブになったり、いろんな人を輝かせていける自分になるために一番必要なのは何かと考えると、僕の場合は「発信力」なんですよ。

例えば井上さんが新しい本を出された時に、もし僕に100万件の顧客リストがあったら、「井上先生が出しました」ってバーンとお知らせすれば、ボーンって話題になるじゃないですか。そんなことをワクワク考えちゃうタイプなんですよね。

なのでSNSしかり、広告しかり、それ以外についてもいくつかやっているんですけれども、「いかに自分の影響力を高めて広く発信していけるか」を一番の関心事項にして学んでいるかなと思います。

小寺:音声SNSのClubhouseをやってらっしゃらない方もいるかもしれないですけど、岡崎さんのClubhouseはまさに「ハブになる活動」ですよね。「朝カツ大盛り!」という番組名で、毎朝配信されているんですよね?

岡崎:そうそう。

小寺:毎朝どういうのをやっているのか、説明してもらっていいですか?

岡崎:毎朝7時55分から10時まで、いろんな著者の方に入れ替わり立ち替わり入っていただくような形になっています。僕の中のイメージは「交差点」なんですよね。気軽に歩いてきて、気軽にさらっと登壇して、さらっと抜けて行く感じで、いろんな人たちが交錯していくような場所を作っています。

毎朝大体200人から300人ぐらいの方にリアルタイムで聞いていただいて、アーカイブは多いと1,500人とか2,000人ぐらいになるんですけど、そういう配信を毎日してます。

小寺:毎朝やってるんですもんね。

岡崎:毎朝、もう1年以上続いております。

続けられるのは、わかりやすく人の役に立ててる感覚があるから

小寺:すごいですよね。なんでそんなにできるんですか? やっぱりやっていて楽しいですか。

岡崎:1つは楽しいからですよね。あとは自分自身の学びになることと、わかりやすく人の役に立ててる感覚があるんですよね。うちの場合は、聞いていただいている方が喜んでいただくのもそうだし、自分にも著者という属性があるので、可能な限り著者の方を応援したいと思っています。

そうするとルームにいろんな著者の方が集まることで、その方が出した本とか、新しいイベントをやるとか、そういうのを応援できている。その実感が継続したいと思える理由だと思います。

小寺:そうですよね。本当に人のことを応援するのが好きなんだなって思いました。それがないと毎朝継続なんかできないだろうし。あとClubhouseだけじゃなくて、その前の時間、もっと早い時間からFacebookライブとかもやってるじゃないですか。

岡崎:そうですね。7時から30分間やっています。

小寺:井上先生ともやってらっしゃいましたよね。

岡崎:はい、井上さん、その節はありがとうございました。

屈託のない「応援力」の魅力

小寺:井上先生、いわゆる同じ「著者仲間」というくくりで言うと、岡崎先生みたいなタイプは珍しいんじゃないですかね?

井上:僕は小寺さんの紹介で岡崎さんと知り合ったんですが、岡崎さんの魅力って屈託なく人を応援する「応援力」だと思うんですね。僕はそれが素晴らしいなと思ったんです。お話をしていて相手を立てる力というのか、相手を持ち上げていく力が素晴らしいなと。こういう人ってなかなかいないなというのは、すごく思いましたね。

ある意味、才能だと思うんですよね。その魅力なのかお人柄というのか、今言った岡崎さんがこれからやっていきたいことは、まさに僕らにとってもすごくうれしいし、頼りがいのある場所になりますよね。それをいただいていて、気持ち良くしてもらえる人なんですよね。「されてる感」がないのが本当に素晴らしいなと思いますね。

僕も応援したりするのは好きですけど、岡崎さんのような情報発信はできないので、魅力だなって思います。

小寺:「応援」というと、井上先生も本当に応援してくださって、若干悩んでる時にさらっとこっそりメッセージくれたりするじゃないですか。ちょっと私事であれなんですけど、昨年の夏に倒れて入院しまして、その時に真っ先にメッセージくださったのが井上さんなんです。「どういう症状なの」「医療関係者の友達とかすごい多いからいろいろ調べてみるよ」って形で、メッセージをくれたんですよ。

岡崎:いや、ありがたいですよね。

小寺:すごかった。「こういうふうにするといいよ」っていう医学的な視点でちゃんとアドバイスもくださって、感動しちゃいましたね。

井上:ありがとうございます。

小寺:その節はありがとうございました。

要領が悪い人はどうすればいい?

岡崎:まさに「一流の気遣い力」ですよね。

小寺:井上先生の『本物の気づかい』(ディスカバー21)という名著もありますので、皆さまそちらもぜひ読んでいただければと思います。『本物の気づかい』、今すごく広がって売れてらっしゃるんじゃないですか?

井上:今売れてますね。(発売当初は)どうしてもコロナというハンデもあったんですけど、ディスカバー社で一番力を入れて売っている本で、コンペでも優勝してるんですね。予算もたくさん出てるので、長く売っていければいいかなと思ってます。

小寺:ありがとうございます。ご参加いただいているみなさまで先生方に質問したいことがあれば、どんどんQ&Aに投げていただければと思います。

井上先生、岡崎先生、早速ご質問をいただいています。

「コミュニケーションが苦手で、要領が悪いので、上の方から評価された結果、来年度は昇給が少ないということが確定いたしました。どうすればこれら2つが向上しますか?」というお話ですけれども、どうでしょうか? 岡崎先生から回答が何かあれば。

岡崎:まず「要領が悪い」ことに関して言えば、僕もあんまり要領がいい方じゃないんですよ。だから、要領がよくないことを理解をして、事前に準備しようとか、ある程度一定のリズムを作って朝のルーティンを決めるとか、工夫だと思うんですよね。

秋元康氏の名言から考える「要領の悪い人」の良さ

岡崎:秋元康さんがインタビューで答えていて、なるほどなと思ったんですけど、「成功するアイドルの条件は、実は不器用なことなんだ」と言ってるんですよね。器用な人は、あれもこれもそれなりにすぐできちゃうから、結果的にはちょっとうまくいくと。だけど、人間は必ずどこかで壁にぶつかるもので、最初の勢いほどうまくいかなくなると折れて、次へ、次へといって、結果的にものにならない。

でも不器用な人は、自分は不器用だからってわかってるので、ちゃんと目の前のことを解決して次に進んでいく。だから一流のアイドルにもなれるし、乗り越えた先で指導者にもなっていける。だから要領が悪いことが悪いことだと僕は思わないので、悪い上で自分をどう扱うのかというのが1つ目です。

ただ残酷な話、仕事ができなければ昇給が少ないというのは妥当な話だと思います。だからどうするのかと言ったら、能力アップしていくことに尽きるんじゃないのかなと思うんですね。

僕もいろんな事業をやっていく中で、がんばったけど全然黒字にならないこともあって。でもその時に「やべえ、黒字にならなかった。自分の管理不足だったよな。やってるつもりになっていて、本当に成果になっていなかったんだよ」という、(失敗を)フィードバックだと思って次に生かしてきました。

ぜひ昇給が少ないことをいい意味で真摯に受け止めて、次のステップにいただけるといいのかなと思います。

すれ違いが起きる原因は、相手の趣旨のくみ取り方

岡崎:井上さんはいかがでしょうか?

井上:要領が悪いことに関しては、相手の受け取り方でそう伝わってると思うんですよね。相手の気持ちになって「何を求めてるのかな」と。そういう形で応えていくと、同じ努力でも方向性を変えることで結果が出るのかなと思うんです。

例えば、書類は丁寧に作っていかなくちゃいけないと思って、たくさん枚数を作ってくる。でも上司は1枚で簡潔に見えるのがほしいと思うこともあるわけですよね。その思いがくみ取れなかったのか、伝え方が悪かったのか。要領が悪いんじゃなくて、相手の趣旨のくみ取り方を丁寧にしてなかったことですれ違いが起き、それが評価になるのかもしれないです。

あと、自分の生活を組み立てる中でうまくできてないことがあれば、今岡崎さんが言われたように、その要領の悪い自分を知った上で、改善するような余裕を持った組み立て方をしていけばいいのかなとは思いますね。

小寺:ありがとうございます。コミュニケーションの方に関してはどうですかね。一言で改善策とか向上するアドバイスというのは難しいかなと思うんですけど。岡崎さん。

岡崎:コミュニケーションに関しては、「話す」という行為に関しては完全に技術・練習だと思うんですよね。正直言うと、日常生活ではよく話を聞いてくれる人が少ないので、話す練習をする場面が少ないんですよ。もしあまりにも苦手意識があるのであれば、コミュニケーションに関わるような講座やセミナーを受講されるのもいいでしょうし、書籍を読んでみるのもいいと思います。

人間的な器が小さいと「聞く」ことはできない

岡崎:ただ、「聞く」に関しては、どっちかというと姿勢とか心構えなんですよね。僕がすごく好きな言葉で、「話すは技術、聞くは器」という言葉があります。話すことは練習できるけど、聞くことは人間的に器が小さいと、練習しても聞けないんですよ。

まず聞くほうからトライしてみるといいと思うので、自分の好き嫌いとか、共感できるできないとかをいったん脇に置いて、全部そのまま聞いてみるところからコミュニケーションの練習をされると、すぐできることになっていいんじゃないかなと思いますね。

小寺:いや、素晴らしい。「話すは技術、聞くは器」。いい言葉ですね。

岡崎:僕の言葉じゃないですけどね。

小寺:ありがとうございます。井上先生はどうですか。

井上:そうですね、もともと話すのが苦手な方もいらっしゃるんでしょうけど、それって自分の話したことに対する「反応」を恐れてるんだと思うんです。僕はコミュニケーションに限らず、何かする時に一番いいのは「自然体の自分」だと思うんですよ。コミュニケーションが苦手だと思ったら、無理にコミュニケーションをしなくていい。

今岡崎さんが言った「聞く」は器ですよね。それってもっと大変なことだと思うんです。だから、そっちの強みの方をうまく広げてあげる。これだけでも十分コミュニケーションだと思うんですね。相手の話を聞くことによって、相手からの感謝の気持ちをもらえる、「ありがとう、こんなに聞いてくれて」といった時に、自分の心の不安がなくなって、自然と言葉が出てくるんです。

自分の得意なことを少し発展させていけばいいのかなと思いますね。自然体の自分が一番いいと思います。

小寺:ありがとうございます。井上先生も岡崎先生も、一緒にコミュニケーションの本を作らせていただいていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。井上先生は『すごい伝え方』という本がきずな出版さんから出ていますね。岡崎先生とは『1億円会話術』(きずな出版)という本を作ったことがありますので、よろしくお願いします。

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