2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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中北朋宏氏:よろしくお願いします。「いま、若手が鍛えるべき関係構築の力 ―ビジネスでこそ活きる“笑い”のメカニズム―」と題しまして、今回はお話できればと思っています。コロナ禍になって、みなさんご存じのとおり「若手の方の関係構築」が非常に難しくなっています。
例えば中途入社でいうと「離職率が高い」という話も、多くおうかがいしています。そんな中で関係を構築し、成長を早くするためには、弊社としてはやはり「笑いのメカニズム」が非常に重要なんじゃないか? ということで、お話できればと思っております。
今回、論点としては大きく5つをご紹介いたします。
1つ目「はじめに」ですね。そして2つ目が、昨今の働く環境がどのように変わってきて、さらにどう変わっていくのか? 3つ目、みなさんがご興味あるポイントとして“可愛がられる力”です。なぜ、可愛がられる力が必要なのか? という論点と、そもそも可愛がられる力って何なんだろう? ということを、科学的な情報を元に弊社としての概観を述べます。
そして4つ目、具体的な施策について。可愛がられる力が必要で、それをどう鍛えるのか? というのは、なかなか難しいところがある。そこで、弊社が今までご提供した事例も含めて、若手の方々が関係構築し、観察学習できない中で、こんなことをやると「こいつを育成したい」という“可愛がられ力”を見つけられるんじゃないか、という提示をしております。
最後(5つ目)に株式会社俺が実現したい世界観。どんな会社なのか? ということも、簡単にご紹介できればと思っています。
ではさっそくいきましょう。「はじめに」です。
こちらはアイスブレイク程度でございますが、チャットにご参加できる方は、ぜひご記入いただければと思います。「ビジネスに笑いは必要だと思いますか? 不要or必要」。その理由もお書きいただければと思います。
(コメントを指して)「必要。コミュニケーションが円滑になるから」。ありがとうございます。ここで「不要」と書かれる方がいらっしゃったら、この1時間がかなり苦しかったので、非常に助かります。
みなさんがおっしゃるとおり、弊社でも「必要」と思っているわけなんですけれども。なぜ必要か? についての科学的根拠を簡単にご紹介します。
ハーバード・ビジネス・レビューなど、他にも山ほど証明されていますが、いったん5つご紹介させていただきます。1つ目「笑うことはストレスや退屈さを軽減し、エンゲージメントや幸福感を向上させる」。
2つ目「笑うことは創造性を高め、さらに生産性まで向上させる」。すごいですね。3つ目「職場でジョークを言う人は有能な印象を与える」。これは本当か? というところもありますが、ジョークの質にもよるんじゃないかなと思います。
4つ目「ジョークを聞いて大笑いすると、精神的負荷が軽減され身体的負荷も軽減される」。すごいですね。そして5つ目は衝撃的でございます。「コメディ動画を1本見た後の従業員は、他の従業員と比較して生産性が10パーセント高かったと言われている」。すごいことですよね。
例えば「生産性が低そうだな」とか「集中していないな」という方がいらっしゃったら、「ちょっとこっちおいで」と別の席に連れていって、「この動画を見ておいて」と、千鳥さんの動画でも見せたら、もしかすると10パーセント生産性が上がるとか。そんなことを、実はハーバード・ビジネス・レビューも言っています。
ではあらためて「お前は誰なんだ?」という方もいらっしゃると思いますので、自己紹介からいきましょう。「株式会社俺」という会社を経営しております、中北と申します。「世の中を今よりもおもしろおかしく」というテーマを掲げながら、「夢を諦めたけど人生を諦めていない人のための、セカンドキャリアのインフラを創る」ということで、大きく2つの事業をやっています。
1つ目が「芸人ネクスト」です。それは何かというと、お笑い芸人に特化した転職支援のサービスですね。最近、M-1グランプリが終わりまして、今は非常に繁忙期です。M-1が終わり、R-1グランプリが終わると、非常に多く問い合わせがきます。ここから4月にかけていろんな芸人さん・元芸人さんとお話をさせていただいて、一般企業に転職させるというビジネスモデルです。
2つ目は「コメディケーション」。これは今回の論点でもあるんですが「コメディ×コミュニケーション」。これは弊社が作った造語でございます。お笑いのメカニズムを使った企業研修を、今まで約250社にご提供をさせていただきました。
もう少しだけ私の紹介をさせてください。大学を中退してから、聞いたことがある方もいらっしゃると思うんですが、NSC(吉本総合芸能学院)というお笑いの養成学校(に入ったん)ですね。
大阪から東京に拠点を移して、浅井企画という事務所に入りました。お笑い芸人としてはぜんぜん売れなくて、27歳の時に解散しまして、人事のコンサルティングの会社にたまたま拾っていただきました。そこから約5年で、コンサルタントの実績としまして「営業ナンバーワン」を2回取らせていただいて、新商品の発売実績でもMVPを何度か取らせていただきました。
経営者の方、人事の方に500名以上の方と会っていると思います。その後、インバウンド系事業にヘッドハントされて、スタートアップから事業責任者を任され、制度設計、採用、研修設計などをやらせていただきました。
そこから2018年2月9日、2社から出資を受けて「株式会社俺」という会社を設立しました。コメディケーションはすでに約250社に提供しておりまして、受講者は今までに25,000人ほどというところです。
書籍も日経から2冊ほど出ていますので、手に取っていただけると非常にうれしいなと。メディアにも最近ちょこちょこ出ていますので、もしご興味あればというところでございます。ここまでがCMでした。
では本題に入りましょう。昨今の働く環境は、どのように変化しているのか。みなさんもご存じのとおりですが、ちょっとおさらいしていきましょう。
あらためて、2021年には79.8パーセント(の会社)がすでに「テレワークを導入している」と。他にも総務省が出しているデータによると、テレワークは“三方良し”で社会的にも企業的にも就業者としてもすごくいいんだと。
例えば労働力人口を確保できたり、企業としては生産性の向上ができたりする。会社によってはオフィスカット、交通費カットができているとかね。就業者としても、育児と仕事がちゃんと両立できているとか、すごくメリットがある。つまり、今後コロナが収まったとしても、テレワークの普及浸透はやっぱり避けられない。ハイブリッドになってくるということですね。
ただ一方で、こんな結果も出ています。これは何かというと、仕事をする上で不安に感じていること。新入社員の方にいろいろアンケートを取らせていただいた結果、仕事へのモチベーションを保ち続けることが非常に難しいと言われています。
(スライドを指して)こちらをご覧ください。70パーセントの方が、仕事へのモチベーションを保ち続けることを不安に思っていたり、仕事になかなか慣れない。もう1つ、やっぱり人間関係。上司との人間関係が難しい。モチベーションを保つのは難しいし、当然、仕事にも慣れないし、人間関係も築きづらい状況にあるということですね。
これは、慶應大学の前野(隆司)教授と対談させていただいた記事です。前野教授も言っていましたけど、「幸福度を高め、モチベーションを高めるためには、やっぱり社員同士のつながりがすごく重要なんだ」ということでした。
実は「孤独というものは、お酒やタバコよりも体に悪い」という研究結果もあるように、つながりが非常に重要なんだと言われていたりします。
他にも、こんなことがあります。例えばマーティン・セリグマンというポジティブ心理学者が「人の幸せは5種類に分けられる」と提唱しています。1つ目は「達成」ですね。次は「快楽」、そして「没頭」。「良好な人間関係」「意味合い」と言われてますね。
これを「今までの世代」と「これからの世代」に分けた時に、僕も含めた「今までの世代」は達成や快楽を求める、と。与えられた目標の達成や、誰もやっていないことを成し遂げたいと思うんですね。すごく共感します。
もう1つ、快楽ですね。ドーパミンが分泌されることで得られるような幸福感が求められていたりする。「ハンバーガーを食べて幸せ」みたいなことが求められると言われています。
一方で「これからの世代」はぜんぜん違うんですね。自分の好きな人と一緒にいるとか、誰と仕事をするかといった、良好な人間関係が重要だと言われています。
2つ目は意味合い。「自分の仕事が何のためなのか?」という納得感なく働くことが、すごくつらいという方もいらっしゃいます。どんな文脈に対して貢献しているのかという、ビジョンで引っ張ったり。もしくは自分の好きを追求しているという、没頭。楽しむという感情がすごく重要です。
セリグマンの話ですごく重要なのが、この良好な人間関係こそが、そもそも人の幸せの基礎となるということです。良好な人間関係があり、意味合いや没頭がその上についてくる。つまりこの良好な人間関係がないと、幸せの基礎は作れないと言っています。
一方で、会社に勤めて退職する方々の理由なんですが、「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」というパターンと、3位に入ってくるのが、やっぱり「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」という人間関係なんですね。ここでもやっぱり人間関係が挙げられる。つまり、つながりですね。今の時代、良好な人間関係がすごく重要なんです。
他にも2011年の松尾(睦)さんの話が、革新的だなと思っています。みなさんも「経験学習サイクル」はご存じだと思うんですけど、松尾さんがおっしゃっている経験学習は、思い&つながりがやっぱり真ん中にあります。
その上でストレッチ、リフレクション、そしてエンジョインメント。「没頭する」ということですよね。楽しむ力がすごく重要になってくると言われています。つまり「思い&つながりを持った上で楽しんでいないと、なかなか難しいよね」と。
これはちょっと壮大なところもありますので、もうちょっと解像度を上げていうと、現場の声では具体的にこんなものが挙げられています。
例えば上司でいうと「仕事を取りに来ないよね」とか「そもそも質問してこないね」と。「雑談・プライベートな話をすることにリスクを感じる」と言われている方もいらっしゃいます。部下の仕事が見えない。正しく評価できない。「やるべきこと(よりも)、自分のやりたいことを優先するんだよね」と。「困っていますよ」と(いう声が挙がっています)。
一方で、新入社員・若手も同じように感じています。テレワークで孤独を感じる方はけっこう多いです。他にも、上司・先輩と会う機会がなく、距離が縮まらず質問しづらいということです。
例えば1on1をやられている会社でも「もう1年ぐらい会っていない」ということがよくあります。「1on1はずっとやっているけど、直接会っていない人」に対して、未来の相談はしづらいんです。これはすごくわかりやすいですよね。
「テレワークにより、思い描いていた仕事とのギャップを感じる」「会社に貢献できていないのでは? と不安になる」。これは大きな文脈で貢献できているかという、先ほどの意味合いの話ですよね。会社の一員になった感じがしない。これも正直、ちょっとわかります。
従来の新入社員に比べて、自分の成長が遅れているんじゃないかと不安を感じる。成長実感があまりないということですね。だからこそ、やっぱり人間関係の構築が難しくなっています。成長に不可欠である仕事の楽しさ、十分な経験がなかなか与えられにくい環境であることが、昨今見られるケースですね。これは、みなさんも感じていらしゃるのではないでしょうか。
さて、ではここからあらためて“可愛がられる力”というものに入っていきます。「じゃあそんな状況の中でどうすればいいんだ?」ということで、弊社としては1つ“可愛がられる力”をご提供しています。
みなさん、どんな若手が成果を出すと思われますか? ちょっと頭の中に描いていただいて、可能な方はチャットにご記入いただければと思います。
(コメントを指して)「可愛がられる若手」。ありがとうございます。非常に助かります。可愛がられるって具体的にどういうことか? についても、後ほど深掘りしていきますのでご安心ください。
ご存じだと思うんですけど『マインドセット「やればできる!」の研究』(という本があります)。ビル・ゲイツが絶賛した本で、めちゃくちゃわかりやすいんですけれども。「(思考パターンは)フィックスマインドとグロースマインドに大きく分かれるんだ」と。グロースマインド、つまり成長していけるマインドの方は、失敗を恐れず、ストレッチな目標に挑戦したいとか、学ぶことが楽しいということで成長が促進される、と。
つまり、挑戦しながら仕事の経験を多く積む人が成果を出しているんです。これは当たり前の話ですね。できるだけ多くの仕事の経験を積むことが、成果に直結しているということがわかります。
例えばGoogleの調査結果で、こんなのも出ていました。「学歴と成果は無関係である」と。そして「学生時代の成績はあてにならない」というものがありました。これまでに苦労した経験があるか? ということが、すごく重要になっています。
ちょっとGoogleの社員と比較するするのも違うかもしれませんが、、(株式会社俺でサポートさせていただいた)元芸人の方が企業に入って成果を出すんですね。例えば入社してすぐに数億円の売り上げの担当者になったり、採用プロジェクトのリーダーになったり、月の売り上げが135パーセント増になったり。それぐらい、すごく成果を出すんです。
それはやっぱり、苦労した経験が重要だったらしいんです。苦労した人ほど粘り強さとか本質を見抜く力、人を動かせる人間力とか、失敗から得られる経験があると。つまり、職場での十分な経験を渡していく必要があるんだということですね。
ただ一方で、どんな部下・後輩を可愛がりたいか・育成したいか? つまり「経験を渡したいですか?」ということですね。ここから入ってまいります。ぜひチャットにご記入いただきたいんですが、みなさんはどんな部下後輩を可愛がりたい・育成したいと思います?
もし、若手・新入社員の方がここに参加しているのであれば、自分に後輩ができたことをイメージしていただいて、お書きいただけるといいかなと思います。
(コメントを指して)「明るい・素直・ポジティブ」、おっしゃるとおり。ありがとうございます。選挙ポスターみたいですけれども。めちゃめちゃいいと思います。これはすごく重要ですよね。ありがとうございます。
こんなアンケート結果も出ています。ちょっと前になるんですけれども、マイナビニュースさんが合計300人ぐらいの男女、男性149人・女性152人にアンケートを取りました。「職場に可愛がりたいと思う後輩はいますか?」という問いです。
「はい」と答えたのは実は30パーセントぐらいしかいなくて、「いいえ」と答えたのが69.4パーセントであると。何が言いたいかというと、ここがかなり重要なんですけれども「可愛がりたいと思う後輩って、意外といない」ということですね。
可愛がりたいと思う人がいないんですよ。つまり可愛がりたい存在というのは、すでに市場としてブルーオーシャンであるということですね。ここを、まず押さえていただきたいんです。
そんな中で「どんな人を可愛がりたいか?」というアンケートの結果は、真面目であること。素直とか、やる気があって積極性があるとか、謙虚、礼儀正しいとかね。ドジで一生懸命、愛されキャラ。慕ってくれるとか。そんなことが挙げられていました。真面目で一生懸命、積極性があるというのは基本で、やっぱり素直さも重要だということですね。
他にもこんなポイントがあります。『科学的な適職』という本を書かれている鈴木祐さんが、ハーバード・ビジネス・スクールという調査機関の論文を研究し、「上司から可愛がられる人の特徴」という論文の結果として、このように解説しています。
それが「予測しやすい人」であるということです。言動を予測しやすい。つまり「一貫性があって、わかりやすくて、素を隠さない人」だというのが、1つの研究結果として出ています。
一方で、困った部下、つまり「可愛がりたくない部下を持ったことがある」と回答された方にうかがいました。どのような点で困ったと感じたか? というと、大きく3つ上がっています。
まず「言い訳が多い」です。(スライドを指して)ここにあるように「暇を持て余している部下を注意したところ『誰にも何も言われていないので、何をしたらいいかわからないです』と平然と回答してくる部下がいた」というね。他にも報告・連絡・相談を怠る、つまり自己開示してこないとか、自ら素直にコミュニケーションを取ってこないとかですね。あとは指示待ちとか。こんなことが可愛がりたくない点ですね。
その他にも、こんな研究結果が出ています。対人魅力の要因、つまり「人はどのような他者を好きになるのか?」というのが、2007年の『社会心理学概論』に出ているんですけれども。対人魅力要因は「熟知性、類似性、返報性、身体的魅力」と言われています。
例えば熟知性は「その人のことをどれだけ知っているか」ということですね。これを弊社なりに可愛がられる行動に落とすと、(相互で知っている状態になるために)自分自身がちゃんと自己開示するということです。自分のことを知ってもらうために、主体的に相手のことを知ろうとする行動が必要だということですね。
他には類似性です。価値観や経験が似ているか。似ているところがないか自ら探すことと、さらに重要なのが、多くの経験を共にすることです。「これってどうですかね?」と価値観を探るような質問があったり、「趣味は何ですか?」みたいなところでもいいです。例えば営業職であれば、自分から(上司・先輩に)営業同行して、経験を多く共にすることが、すごく重要。
もう1つは返報性です。これはご存じですよね。カーネギーの『人を動かす』にも書かれていますが、「好意を持たれると、その人に好意を持つ」というものですね。相手に好意を示して関係を構築するということです。「あなたのことを尊敬しています、あなたはすばらしい」と思う気持ちが、まず重要です。
そして身体的魅力。外見が整っているか。こう書いてはあったんですが、外見が整っていないと、相手に好きになってもらえないか? というと、僕は決してイケメンではないので、ちょっと難しい。
僕はここをどう咀嚼して、弊社(のサービス)として提供しているかというと、「魅力的に見せるための自己プロデュース術」ということですね。例えば芸人は、この自己プロデュース術にすごく長けています。
わかりやすく言うと、例えばピンク色のベストを着てテクノカットで「トゥース!」と言う方、ご存じですか? あれって完全に「(オードリーの)春日さん」というキャラクターになっていますけれども。
そんなふうに、魅力的に見せるための自己プロデュース術はすごく重要になります。つまり人に可愛がられるためには、この4つの要因を押さえて行動することがすごく重要なんです。
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