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お金をかけずに誰でもできる! SNS×メディアPR 100の法則(全3記事)

無名の会社が、ターゲットにアプローチするには? PRのプロが教える、「最も早く確実に効果が出る」伝え方

奈良 蔦屋書店で行われた書籍『SNS×メディアPR100の法則』の刊行記念オンライン・トークイベントに著者の笹木郁乃氏が登壇。PRを駆使して、寝具のエアウィーヴや調理器具のバーミキュラを人気商品へと押し上げた笹木氏が、上位表示に欠かせないInstagramのアルゴリズム対策や、「メディアPR」で最も大切なことなどを語っています。

作成したプレスリリースのメディアへの最も有効な送り方

岡田茂氏(以下、岡田):続いては「メディアPRの中で、一番大切にされているのは何でしょうか」というご質問が来ています。

笹木郁乃氏(以下、笹木):「一番大切」にいく前に、2つ大事なことを言っていいでしょうか。それは、プレスリリースの「企画力」と「個別アプローチ」です。

例えばトヨタ自動車や資生堂といったネームバリューのある会社だったら、「PR TIMES」みたいな一斉配信でも目立ちますが、無名の会社ですと企画力とその後の丁寧なアプローチが大切です。資料作りの「企画力」と「個別アプローチ」ですね。この2つが究極に大事です。

うちの会社はたくさんの企業さんのPRを代行させていただいていますが、プロとしてお金をいただいているので絶対に結果を出さないといけません。その時に、どうやるかといったら、この本にもプレスリリースの作り方を書いていますが、まず企画書、プレスリリースを作ります。メディアに刺さるような企画で、しっかり凝ったプレスリリースを作って、その後に個別にアプローチをします。

アプローチの方法には、郵送もありますし、メールも、「PR TIMES」も、電話もありますが、最も早く確実に効果が出るのが電話だと思っています。「今の時代に電話なんだ……」と思われるかもしれませんが、結果を出さなきゃいけない中で私たちがいろいろと試し、一番結果が出ているのが電話なんです。なので、毎日1時から3時を電話タイムにしてアプローチしています。電話が苦手な人は、お手紙をつけて郵送でも大丈夫です。

「メディアPR」で最も大切なこと

笹木:その上で、ご質問の一番大切なことですが、それは「メディアリサーチ力」です。例えばお料理教室をやっている人だったら、どのメディアがそのネタに興味を持ってくれそうか。自分のネタをどのメディアに送ったら喜んでもらえそうかというメディア選定力が一番大事だと思っています。

例えばお見合いでいえば、自己紹介の資料を作ったり、お会いした時のトーク力を磨くよりも、自分と相性がよさそうな相手を探すこと。例えば将来3人子どもが欲しくて、今後地方に住みたくてサッカー観戦が趣味で、というのと合っている人を探すと確率が高いですよね。

そんなかたちで、自分のネタをどのメディアが喜んでくれるかを探す力が特に大事です。ついでに上級編の話をすると、「メディア選定力」というとすごく厳選してメディアを探すんですよね。そうすると、自分とめちゃくちゃビンゴでマッチするメディアは少ないと感じられると思うんです。でもそうじゃなくて、お料理教室なら女性週刊誌などにどういうトークでアプローチをするかが大切です。

例えば別に料理コーナーはないけど、女性のお役立ち情報などに、40~50代の主婦にこういう切り口でアプローチをしたら興味をもってもらえるのではないかと考える。メディアにあわせて、こういうアレンジをして持ちかけたら興味を持ってくれるのではないか。そこを選ぶ力がすごく大事だと思っていますね。

この「選ぶ力」がほとんどの広報さんになく、立派なプレスリリースを書いて一斉送信して終わりという感じなので、なかなか結果が出ないのかなと思っています。

岡田:先ほどのSNSのアカウント設計もそうですけど、今回のメディアPRの本も自分が何を発信したいのかと、適切なメディア選びの重要性を言っています。自分で選ぶ力と、そこに向けて個別にしっかりと届くように発信するところには通ずるものがある気がしました。

笹木:確かにそうですね。例えば岡田さんがラブレターを受け取る時に、関係者各位みたいなかたちでみんなに送っているようなラブレターだったら、もうげんなりしちゃいますよね。そうではなく、「岡田さん、いつも見ています!」「岡田さんのTwitter、すばらしいですよね!」「岡田さんは、こうですよね!」と送られたら、その情報を大事にしようと思うし、相手の話をしっかり聞こうと思うと思うので。

けっこうPRは恋愛と似ていて、相手の懐に入るところを考えることが、インスタもメディアPRもすごく大事だと思います。ラブレターですね。

岡田:大変心に響きました。私がすごく勉強になっております。ありがとうございます。

小規模の会社では、プレスリリースの作成本数より○○の回数が大事

岡田:会場の大室さん、会場の方からのご質問がもしありましたら、お伝えいただければと思います。

大室和也氏(以下、大室):はい。では、質問をよろしくお願いします。

質問者1:企業の広報PR担当の者ですが、1週間前から広報PR業務をやることになりまして、まさに今、笹木さんの本を読みながら勉強中です。

笹木:うれしいです。

質問者1:例えばプレスリリースは週に最低何通送るであったり、SNSは何回更新するといった数的な目安はお持ちでしょうか。

笹木:そうですね。例えば資生堂さんみたいな規模ですと1ヶ月にいくつも新発売が出るので、これは企業さんの規模によってぜんぜん違ったりしますが、ベンチャー企業としてお答えさせていただきますね。年商20億円以下ぐらいの企業だとしたら、プレスリリースをたくさん作るというよりも、メディアアプローチの回数が大事になります。

例えばプレスリリース自体は1ヶ月に1本ぐらい作って、それに対して最低でも1週間に10社は個別でアプローチすることを目安に考えられるといいかなと思います。1週間に10社だと1ヶ月で40社ですね。2ヶ月で80社、まあまあ個別アプローチができることになります。

しかもこの個別アプローチは、今回の本に書いてあるように1件1件メディア選定をしていますので、今まで名刺交換した人だけでなく、新規で開拓していくことになり、自社のメディアリストもどんどん増えることになりますね。そういうアプローチが1週間に10社。電話をかけた数ではなく、ちゃんとコミュニケーションできた数で10社を目安にすると非常にいいと思います。弊社もそのようにしています。

インスタの更新頻度はアルゴリズムを意識する

笹木:SNSの更新はインスタかTwitterかで違いますが、インスタの場合でお伝えしますと、週5回は投稿できるといいです。というのも、ある程度活発に更新されているということで、InstagramのAI(アルゴリズム)からすごく高評価を受けるんです。

高評価を受けると、虫眼鏡マークの検索を押した時に上位に表示されやすくなります。フォローしてくれた方にも積極的に情報を出してくれるので、投稿数の目標は「1週間に5回」と企業さんにもお伝えしています。

岡田:より具体的でわかりやすかったです。AIから高評価されるというのは勉強になりました。ありがとうございます。

笹木:そうなんです。1週間に2回よりも5回のほうが、フォローされていない人にも情報が届きやすいし、ハッシュタグでも上位表示されやすくなります。

岡田:ぜひ実践してみたいと思います。

質問者1:ありがとうございます。Facebookも使おうかと思っていますが、Facebookはインスタとは更新の内容は違うのでしょうか。ご本を拝見していると個人アカウントのほうがいいのかなと思っていまして。

笹木:広報担当者個人としての発信ということでしょうか?

質問者1:それも含めてどのかたちがいいのかを模索しています。

笹木:ビジネスによっておすすめのSNSが変わるので、きちんとお聞きしてアドバイスできたらいいなと思いますが。簡単に言うとどんなジャンルのサービス、商品を出されているんでしょうか。

質問者1:企業さま向けの、BtoBの動画作成になります。Facebookでは、アニメーション動画の広告を流してます。

笹木:動画作成ですね。それでしたらFacebookは非常におすすめです。Facebookは、経営者や起業家さんなどビジネス層が一番多いSNSになりますので。逆にFacebookページって、なかなか気づいてもらえないんですよね。メルマガやLINEなどで「登録してください」とお知らせをしないと見てもらえなかったりします。

できるかはわかりませんが、おすすめは社長や広報担当者それぞれが個人のFacebookで、動画を作る良さや、お客さまにこういうふうに言ってもらえましたとか、お客さまが動画を作ったことでこんな変化がありましたみたいな投稿をしていくのは、すごくいいと思います。投稿頻度は、インスタと同じように1週間に5回ぐらい。3回から5回ぐらい更新できるといいなと思います。

質問者1:ありがとうございます。

笹木:ありがとうございます。がんばってください。

ターゲット集めで重要となるハッシュタグのアルゴリズム対策

大室:他に質問はございますでしょうか。

質問者2:絵描きをしています。基本はインスタグラムで宣伝をしていますが、ハッシュタグは20個ぐらいつけたほうがいいと聞いてやっているんですけれども……。そしてストーリーズの更新頻度やPRとしての使い方なども教えていただければと思います。

笹木:若干聞き取りづらくて、たぶんインスタのハッシュタグについてとストーリーズについてですよね?

質問者2:はい。

笹木:ありがとうございます。おっしゃるとおり、ハッシュタグについてはMAXで30個までつけられるので、魚釣りで仕掛けの数が多いほうがいいじゃないですけど、以前はとにかく30個つけたほうがいいという感じでした。今はそれだとインスタのAIに低評価されてしまうので、例えば自分が節約料理関係の投稿をする時は、節約料理関係のハッシュタグでまとめないといけません。

例えば#節約とか、#料理とか、#節約料理というかたちで。逆に、例えばそこに#猫や#犬とつけてしまうと、この人は投稿に対してハッシュタグを適当につけていて質の高い投稿ではないとみなされて、あまりたくさんの人に表示をされないという現象が起きてしまいます。

ハッシュタグは自分のジャンルの中で厳選し、でも20〜30個とかできるだけたくさん選んでつけるのが今のおすすめです。そんな答えでよかったでしょうか? 

質問者2:ありがとうございます。絵画関連だったら、例えば#アートや#オイルペインティングとか、一応関連した情報ではやってはいます。

笹木:いいですね。

質問者2:海外にも発信しているので#Paintingとか、韓国語や中国語でも絵画にあたる内容を入れてやっているんですけど、それは……。

笹木:それでいいです。ただ、投稿の度に同じハッシュタグのセットが並ぶよりは、投稿の内容によって最後の5個ぐらいを変えたりしたほうがいいですね。いつも同じハッシュタグだと、同じターゲット層にしか届かず、違うハッシュタグで検索している人にもアプローチしたいので。たまに、絵やペイント関係で他のハッシュタグに変えたほうがいいですね。

質問者2:ありがとうございます。そうしてみます。

フォロワーに向けたストーリーズで、大切にすべき2つのポイント

笹木:ストーリーズについては、本投稿、フィードの投稿と違って、すでにフォローしてくれている人にしか情報が届きません。

質問者2:そうですね。

笹木:なので、目的はフォロワーさんとの交流を深める場と思っていただきたくて。すでに、今ご質問いただいているあなたをフォローして興味を持ってもらっている状態です。なので、例えばこの本にも書いていますが、画家だけどプライベートではめちゃくちゃサッカーをしています、のように「多面性」を出したり。

そういう意外な一面のほか、あとはこんな賞を受賞しましたという「信頼性」の情報もいいですね。ストーリーズではより深いファンになるような情報を伝えていくことで、「買いたい」「会ってみたい」という行動やビジネスにつながっていくので。より深いファンにさせるような多面性や信頼性につながる実績を意識されるのがいいと思います。

あとストーリーズは24時間以内に消えてしまうので、1日3回ぐらい投稿できたら本当はおすすめですね。今はストーリーズしか見ない人も3割ぐらいいるというデータもあるので。

質問者2:ありがとうございます。

岡田:それではそろそろお時間ですので、みなさま、ありがとうございました。

笹木:ちょっと聞き取りづらいところもあったと思いますが、最後までご参加ありがとうございました。岡田さんもありがとうございました。

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