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不安が消える「魔法の言葉」!? 人気精神科医Tomy先生の思考転換術とは(全1記事)

過去を思い出して後悔するのは、心を守るための防御反応 精神科医Tomy氏が教える、自責に苦しまずに生きるコツ

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。そんな「Schoo」で放送された人気授業から、今回はTwitterで人気の精神科医Tomy氏がレクチャーする「不安が消える『魔法の言葉』」をお届けします。 ※このログはSchooの記事を転載したものに、ログミー編集部でタイトルなどを追加して作成しています。 ※動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

「精神科医のお悩み相談室」が話題を呼んだTomy氏

徳田葵氏(以下、徳田):みなさんこんばんは。受講生代表の徳田です。さて今夜も始まりました、「著者が解説人気ビジネス書」のお時間です。この番組は書店や Amazonで人気のビジネスを毎回1冊ピックアップしております。その著者をゲストにお招きして、書籍についてたっぷり語っていただく番組です。

今日も素晴らしいゲストの方にお越し頂きました。みなさんが着席して待ちかねている様子がタイムラインを見ていてわかります! さっそく本日のゲストをご紹介しましょう。今日は精神科医のTomyさんにお越しいただきました。こんばんは!

精神科医Tomy氏(以下、Tomy):こんばんは! 精神科医のTomyと申します。ちょっと不慣れで緊張していますけれども、よろしくお願いいたします。

徳田:よろしくお願いいたします! 今回はちょっとインパクトがありますが、イラストで登場していただきます。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

「このご時世、コロナでいろいろ不安なこともありますよね」というコメントをいただきました。ぜひ、他の受講生の皆さんも何か不安に思っていることとか、上手くいかなくて不安だなと思っていることがあったら、この機会にTomyさんにご質問してみてください。この授業内で不安を払拭できればなと思っております。

それではまず、Tomyさんがどんな方なのかおうかがいしたいと思います。

Tomy:精神科医のTomyと申します。1978年生まれです。これまでいろんな病院で勤務をして、現在は某クリニックに勤務しています。元々は2010年にAmebaブログさんで「精神科医のお悩み相談室」というものをやらせていただいいておりました。それが最初ヒットして、それをきっかけに本を書き始めました。

Tomyというのはその時に名付けたんですけど、みなさんよく勘違いされるんですけど「Tommy」ではなく「Tomy」と、mが一個なんです。なんで一個なのかというと、間違えたんです(笑)。

徳田:そうなんですか!? 何か意味があるのかと思っていました(笑)。

Tomy:実は書き間違えたんです(笑)。僕の大事な人物の名前に「富」という字が入っていたので、そこからTomyとつけました。

医師の道を歩み始めてから思い出した、幼い頃の夢

Tomy:小学生の頃は作家になりたかったんですけど、あまり現実的ではないというのと、親が医者で他の道は怖くて考えられませんでした。なので医学部に進んで医者になったんですけど、医者になった後に僕はあまり病院が好きじゃないということに気づきました。

いろいろドジを踏んだりして、あまり医者が合っていないんじゃないかと思いまして、研修医のときに自由に好きな科目を選べて。

徳田:そうなんですか。

Tomy:そうなんです。研修医って必須の科というのがあって、大体2年間で内科とか産婦人科とか選べるんですけど、どこを選んでも良かったのでそこを全部精神科にしてみたんです。そうしたらすごくおもしろくて、そのまま精神科に入局しようと思いました。

精神科に入局して精神科医をやっていたのですが、その作家になりたかったことをちょっと忘れていたんですよね。それがブログを書き始めてヒットしたので、当時ブログから本になるという動きがあって、『実録鬼嫁日記』とか『きらきら研修医』とか。

徳田:ありましたね!

Tomy:はい、それで出版関係の方がたも来られる異業種交流会に行く機会がありまして、そこで名刺交換をした編集プロダクションの方から「Tomyさんのブログがおもしろいので本を出しませんか」とお声がけいただいて、そこから芋づる式に本を出すようになりました。

「ストレスを減らすたった一つの方法、それは手放すことよ」

Tomy:去年の3月か4月くらいに、僕の精神科医の友人が学会の後に、Twitterのオフ会に行くと言っていたんです。話を聞くと、Twitterをやっているお医者さんのグループができていたらしく、「その人たちと飲み会に行くんですよ、楽しいですよ」と言われました。

それまで僕、今はこれだけお世話になっていて言うのもなんですが、ブログが人気だったころにTwitterのことをけなしていたんです(笑)。

徳田:そうなんですね(笑)。

Tomy:2回くらいけなしていたんです。「140字で何ができるの?」みたいな(笑)。

徳田:短いですからね(笑)。

Tomy:こんなもの流行るわけないじゃんと思っていたんですけど、「ブログを更新しました」という伝達事項だけ投稿しておこうと思って投稿していたんです。

でもある日、真面目につぶやいてみようと思って、少し前にブログで書いた「生き方のコツ」みたいなものをオネエ口調でつぶやいてみたんです。そしたらいいねやリツイートをたくさんしていただいて、2019年の6月くらいに始めたんですけど、気づいたらフォロワー数が3000人から今は15万4000人(※2020年6月時点)に増えていました。

徳田:今、フォロワー数すごいですよね。じゃあ、まだ始めて間もないんですね。

Tomy:そうですね。まだ1年経っていないです。

徳田:すごいですね、それでもう本になるなんて。

Tomy:Twitterもその後いろいろつぶやき方を試行錯誤しまして、ある日「ストレスを減らすたった一つの方法、それは手放すことよ」というつぶやきがすごく伸びたんです。

徳田:いいつぶやきですね。

Tomy:そうですね、僕としては今までずっと思っていたことをまとめたという感じなんですけど。

パートナーとの死別を経て、自分の心のケアを決意

徳田:タイムラインで共感のコメントもいくつか届いております。「そうですね、手放すことは大事だと思います。いろんな意味で執着するから自分を苦しめてしまうんだよね。自分を大切にしなきゃと本当に思う」とおっしゃっております。

他にも「いつもこだわって手放すことを忘れている自分がいる」というコメントをいただいております。Tomyさんがこれを書いたとき「手放す」ということをどういうふうに捉えていたんですか?

Tomy:若干暗い話になるんですけど、僕がTomyと名付けた時に、ある身近な人に由来になったのは当時交際していたパートナーだったんですけど、彼と死別をしたという経験がありまして。仕事とかも大変な時期だったので、すごく辛かったです。

1個そういう事が起きると自分の体調とか仕事に影響してきて、特に30代の後半はすごく大変な時期だったんです。その後父も亡くなったことを皮切りに、また辛い時期になりまして、もうストレスなんてものでは言い表せられないくらい大変でした。

でも僕は精神科医なので、心のマネジメントもできないと仕事ができないわけじゃないですか。なのでしっかり自分の心のケアをしようと思いました。まず、やらなきゃいけないことを最小限にしました。その時間に考えることは1つだけにしておくとか、そういうふうにしました。

あれもこれも上手くいかせたいと思うとバタバタしてしまうので、今までのやり方だとストレス発散できないと。他のこだわりとかどうでもいいところをどんどん捨てていくと、けっこう心がスーッと軽くなるんです。それから常に自分に言い聞かせていたので、Twitterでも140字にまとめてつぶやいてみました。

徳田:なるほど、実体験から来ている言葉だったんですね。

悩み事を抱えた時に、ストレスを減らすコツ

徳田:ではここで、今回ご紹介している著書『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から、私が心に残ったものをいくつか選んできましたので、紹介していきたいと思います。その言葉についてコメントもいただければなと思います。

まず91番目の言葉です。「悩みの一部は他人事なのよね。『他人事は他人事』と理解すると心の負担がちょっと減るわ」です。

自分のこともそうですけど、自分のこともできないのに、他人のことが気になってしまったり、言われた言葉に反応したりくよくよしたりすることが多かったので、これは「他人は他人なんだな」と実感できる言葉でした。

Tomy:ありがとうございます。この言葉はカウンセリングでよく使うんですけど、やっぱり自分の問題と他人の問題をちゃんと分けることがストレスを減らす時にオーソドックスな手法なんです。

気持ちがぐちゃぐちゃになっているところを、「でも他人の問題は他人の問題だからどうにもできないよね」と思い直すことですっきりします。

徳田:なるほど、カウンセリングの一つの手法だったんですね。「人から嫌われたくない=他人を気にしちゃう」というコメントもありました。

Tomy:そうですね。でも自分らしくあるが方が良いです。最近だと「他人軸」「自分軸」という言葉がありますが、「自分軸」で考える方がいいですね。何をしている時に人が幸せを感じるかというと、自分が自分のやっていることに夢中になっている時なんですね。

徳田:なるほど。

Tomy:ええ、全然つらくないんです。ところが自分のやっていることが他人からどう思われるかを気にしてしまうと、途端につらくなってしまうんです。

徳田:確かにそうですね。

Tomy:例えば旅行に行って旅行を楽しんでいればいいんだけれども、いい写真を撮ってそれをSNSにアップすることに専念しちゃうと、旅行自体に集中しきれないので、旅行の記憶はあまり残らないですよね。その上、いいねの数なんかは自分でコントロールできるものではないので、自分が主体となって動けることをしていくとストレスが減るかなと思います。

「人って無意識のうちに、全部了解できるものだと思ってしまう」

徳田:なるほど。ありがとうございます。続いては169番の「全ての真実を知る術はないのよ」です。シンプルな一言なんですけど、補足のところにも「だから学問以外追いかけすぎちゃいけないの」とありますが、心にずしっときました。

Tomy:実は学問でも追いかけすぎてはいけないような気もするんですけど、学者の先生でそういうことを言ってはいけないので(笑)。

徳田:お仕事にされている方はそうですよね(笑)。

Tomy:人って無意識のうちに、全部了解できるものだと思ってしまうんですよね。でも本当は了解できないもののほうが多いし、理解できないのものが本質だということもいっぱいあると思うんですよ。そこを考えすぎちゃうと、ちょっとおかしくなっちゃうんですよね。

自分も変なことを考える癖がちょっとあって、例えば自分が五感で感じているものが全てではないですよね。自分が感じているもの以外にも、世の中には存在するものがあるんじゃないかとか考えてしまうことがあるんです。

そうするとだんだん気持ち悪くなってしまうんです。考えて気持ち悪くなってもなんのメリットもないんですよね。考えすぎる人って余計なストレスをかけてしまっているんです。

徳田:何事も度を過ぎないようにするということですね。ありがとうございます。

他人と比較して病んでしまう時の対処法

徳田:それでは質問がたくさん来ているので、Tomyさんにおうかがいしたいと思います。共感ボタンの多いものからご紹介しています、最初の質問です。「なにかと人と比べてしまい、病みがちになる時に、我に返るいい方法があればぜひお聞かせください」とのことです。確かに、仕事でもなんでも人と比べてしまうところありますよね。

Tomy:さっきの話じゃないですけど、純粋に自分の目標をちゃんと1つ考えておいた方が良いと思います。それに向かっていればそれでいいわけです。だいたい人と比べてしまう時って、自分の本来の目標を忘れてないものねだりをしている状態なんです。

横で誰がどの方向に走っていようが、自分が行きたいところや走りたいペースって決まっているはずなんですよ。ところが真横に誰かが走っていて抜かされてしまうと「抜かされた」と思うんだけど、そもそも走っている方向が違ったりするんです。走り始めたタイミングも違うし。

徳田:確かに、そりゃあそうですよね。

Tomy:そもそも、他人の人生の土俵と自分の人生の土俵ってまったく違うので、目につくところだけ比較しても仕方ないんです。だから自分の縦の軸で物事を考えた方がいいですね。横の軸で見てはいけないです。

徳田:なるほど。周りよりも自分がどうしたいかの方が大事ですね。

Tomy:そうですね。ちゃんと意識しておいた方がいいです。悔しいとかもやもやしたら、そういうふうに思い返すといいと思います。

徳田:周りに向けていた視線を自分に向けるということですね。自分がちゃんと進めていれば周りに負けていようが関係ないですもんね。

Tomy:同じコースを走っているわけじゃないので、比較する意味がなくなりますよね。

徳田:横の軸で見ない、縦で見るということですね。ご質問ありがとうございます。

食い下がる人をかわすコツは「ずれている人」になること

徳田:では次の質問に参ります。「意見が異なる相手が食い下がってきた時、ケンカや険悪にならないかわし方を教えてください」とのことです。

Tomy:ずれている人になることですね。

徳田:ずれている人?

Tomy:自分の意見と主張だけを言って、打ち切るんです。イメージとしては不本意な勧誘電話が来た時のかわし方に似ているんですけど、例えば突然電話がかかってきて「○○いかがですか」とか言ってきたとしたら、「いりません」と言って電話を切ってしまえばいいんです。

「それに関しては私はこう思うから」と割り切ってそこで終わればいいと思います。食い下がってきても相手にしなくていいんです。人間って相手が話しかけてきたら返事しなきゃいけないと思うじゃないですか。それがドツボにはまる元なんです。食い下がる人ってそこに目をつけてくるんですよ。

Twitterとかもそうなんですけど、たまにケンカを吹っ掛けてくる人いますよね。でもそれは返事をしなければそれで終わるんです。ただ向こうは言い返したくなるように言ってくるんです。炎上させるのが上手だから。

徳田:言い返したくなるんですね。

Tomy:そうです。返事をさせるための手段なので、ちゃんと取り合ってしまったら相手の思うつぼなんです。だからちょっと軽やかに「え、違うと思う~」という感じで切り替えちゃうみたいな食い下がらせないんです。

こういうふうにしていると向こうは諦めます。でも徹底的にやらないと諦めてくれないです。なのでちょっと練習してみてください。スルーするキャラになるのはけっこう大変なので。ちょっとでも反応するとガブっと来てしまいます。

徳田:なるほど。「かまってちゃんは相手にしない」とコメントが来ました。スルーすることで相手とぶつからないということですよね。上手くあしらうというか。ぜひ、参考にしていただければと思います。

過去のやらかしを後悔するのは、実は防御反応でもある

徳田:続いての質問にまいります。「昔やらかしたことを思い出してしまって自責してしまう場合、どうすれば昇華できますでしょうか?」ということです。

Tomy:昔のことを思い出して後悔してしまうのは、実は自分を守る方法でもあるんです。反省したり自責したりすることは、自分の中でもやもやしていることをちょっとスッとさせる方法なんですね。こういう時って自分で後悔したい気持ちがどこかにあるんですよね。くよくよして反省することでちょっと落ち着くみたいな面があるんです。

これからのことって、決断する自分に責任があるじゃないですか。過去みたいにどうにもならないことを思い返すと、未来に対して対策しているような感覚になるんです。だから後悔すると落ち着くんです。

だからあまり過去を後悔すること自体を悪いことだと思わなくていいと思います。くよくよする中で、将来それを何に活かせるかピックアップして「次はこうしよう」と思えればいいですね。

始まりは「うわ~」ってなってもいいと思うんですけど、「じゃあどうしたらよかったかな」と息を整えればいいんです。そうすると「こうしてればよかった」というのが出てくると思うんですけど、そしたらこれから同じような場面に出くわしたときに、「また同じことするわ」と予測できるようになりますよね。

そうすると、「あの時はたまたま失敗しただけで、自分の判断でやっていたんだから実はそんなに気にしなくてもいいのかも」「やっぱりこうした方がよかったかも」「やり方を変えてみよう」とかいろんな発見があると思うんです。

最初はついつい自責してしまうかもしれないんですけど、そこからおもしろく取り出せるところを取り出せれば、それも楽しい作業になります。

徳田:確かに未来のことよりも過去のことで悩む方が楽ですよね。結果が変わらないから。

Tomy:そうなんですよ。だからそこに関しては「反省している」ということである程度正当化されるんです。それってけっこう自分にとって大事な作業なんです。だからそれはそれで良いと思います。

徳田:ただ、後悔だけで終わると苦しいのでそれを次に繋げられていると気づくことが大事だということです。

人と目を合わせるのが苦手なら「鼻の頭」を見る

徳田:ありがとうございます。続いての質問です。「人と目を合わせる事に対する不安を手放したい! 目の行き場に困る。手放すにはどうしたらいい?」とのことです。

Tomy:これはスキルですよね。社会的なスキルなので手放さなくても良くて、一般的なやり方としては相手の鼻の頭あたりを見ることです。そのあたりを見ているとちょうどいいといです。

徳田:相手も目を見られすぎて睨まれている感じはなくなりますよね。

Tomy:そうです。なんとなくチラチラ見るのはいいですけど、目を凝視するのは怖いですよね。これ自然にできる人はできるんですけど、できない人は非常に難しいんですよね。だから鼻の頭を見るのは大事なことです。僕もそれを教えてもらってからよくやります。

徳田:なるほど。鼻の頭を見ればいいんですね。ご質問ありがとうございます。では次の質問です。「理由がはっきりとしない漠然とした不安ってどうやったら感じなくなるのでしょう? どうして感じるのでしょう?」

Tomy:漠然とした不安というのは本当は存在しなくて、何らかに対する不安なんですよ。だからその漠然とした不安っていうのは何に対する不安なのか、ある程度輪郭をはっきりさせてあげることが大事です。

場合によっては「全般性不安障害」という病気があって、これはなんでも不安を感じてしまう病気なんですが、そういう不安障害である場合もゼロではないです。あまりにもザワザワするのであれば診察を受けるのも一つの方法だと思います。

漠然とした恐怖を感じるのは「不安の輪郭」が見えないから

Tomy:そういうものじゃないと仮定すると、その不安の輪郭をはっきりさせていないから不安なんですね。霧の中を歩いていて、物陰があったら怖いですけど、それが実は柴犬だったら全然怖くないじゃないですか。その霧を晴らしてあげることが大事です。漠然とした不安っていうのは「本当に漠然としているのか」というところから始めたほうがいいです。

自分の不安を感じている領域が明らかになればなるほど楽になります。それで書き出してみるといいです。自分の感情を言葉にするのが得意な人はいいんですけど、それが苦手な人は先にその不安を感じてしまって、それがなんなのかよくわからないまま抱えてしまうんです。

「最近頭痛がする」「吐き気がする」とか体調の方に先にきてしまったりもして。だからその不安がなんなのか、ある程度言語化できるように練習しておくと良いと思います。そうすると「最近職場の誰かとの関係が上手くいっていなくて、もやもやしていて、だからイライラしているんだ」みたいに気づくんです。

自分がどういう時間に不安になっているのかとか、どういう状況の時に不安になっているのかとか、そういう分析をしてみるといいと思います。

徳田:不安の輪郭を自分である程度はっきりさせるということですね。

Tomy:はい、言葉に落とし込んでみてください。

「嫌われるかも」と思って、他人のお願いを断れない……

徳田:ありがとうございます。続いての質問です。「家族でも職場の人でも。相手の言い方や表情が気になり、ビクビクしたり断れないことが多いです。どうすれば気にしないでいられますか?」

Tomy:シンプルにパターン化しちゃった方がよくて、パターン化ってどうするかと言うと、「とりあえず笑顔でさわやかに応える」ようにすることです。

何か頼まれたら「ちょっと待って、今これやってるから後確認してから返事するわ」と一回言っておいて、ちょっと考えて無理そうだったら「今確認したんだけどちょっと無理そうだから、ごめんね~」と言えば良いので、自動化しておくとちょっと楽ですよ。

徳田:いいですね。パターン化。

Tomy:その場で返事をすると「嫌われるかも」とか思って引き受けたくないのに引き受けちゃうので、いったんお預けするんです。投げられたボールはとりあえず軽やかにキャッチしておくけど、もらうかどうかはわかりませんよということです。とりあえずキャッチはするので嫌な印象を与えません。

徳田:ぜひやってみてください。ご質問ありがとうございます。

人生は「テスト」ではなく「一人旅」のようなもの

徳田:続いての質問です。「この先、一人で生きていく自信がありません。1人で選んで1人で決めて、1人で動いて1人で責任を持つ。このまま生きていくのは難しい感じがします。どうしたらのいいのかな?」

Tomy:責任とかそういうことは考えなくていいですよ。さっきも出てきた言葉ですが、「ぼちぼちいく」でいいんです。そんなに気合を入れなくていいですよ。自分一人のことなんですから責任とかを考える必要がないです。

人生はテストじゃないので、一人旅みたいなものです。「この店おいしそう」って言って入って、まずかったら「この店まずかったな」という思い出が残れば楽しいですし、その辺の駅をうろうろして何もなかったら「何もない駅だったね。じゃあ次行こう」みたいな感じでいいんです。

そのお店に入った責任やそこの駅で降りた責任とか、どうでもいいじゃないですか。それが人生なんでいいんですよ。

徳田:確かに。自分が良ければそれでいいので、あまり気負いすぎるものでもないですからね。

Tomy:そうです。

徳田:はい、ありがとうございます。

頭と心の考えが一致しない時はどうすればいい?

徳田:あと2つくらいご質問をご紹介します。「頭と心が違う時はどうしたらいいですか?」。頭では「こうしたほうがいい」と思っているけど、心では「こうしたい」と思っているということでしょうか。

Tomy:理屈に心が追いつかないということですかね。物事は2つに分かれて、気持ちが大事なこと結論が大事なことがあるんです。だから食い違う時は、どっちが大事なのか整理したほうがいいです。

例えばプライベートだったら、人を好きか嫌いかとか、この人とずっとやっていくかどうかという問題って、気持ちや感情の方が大事ですよね。だからいくら合理的な相手でも、好きじゃなかったら意味がないので、そういう時は気持ちで動けばいいんですよ。

例えばそれが仕事の仲間だったとしたら、どんなに好きであっても約束を守れない人とか、そういう人と付き合っていくかどうか決める場合は頭を優先させた方がいいです。頭と心が一致したらいいですけど、違う場合はそういうふうに考えたほうが良いと思います。

徳田:わかりやすいですね。ありがとうございます。

人生の悩みは、些細な言葉に救われる時もある

徳田:それでは最後の質問です。「小さいころからイジメに遭い、自分の感情を殺して生きてきました。今、自分の感情がわからない大人になってしまいました。自分の感情を取り戻す方法はありますか?」

Tomy:一番難しいのが最後に来ましたね。小さい時に「好きになる気持ちがわからない」とか「自分がわからない」とかそういう状態で環境に慣れてきてしまっているので、それを大人になってから取り戻すっていうのは一番難しいんです。

一番簡単にできることは、自分が今何を感じているのか書き出したりとか、日記でもなんでもいいんですけど、少し出したりとか、小さな好き嫌いを探してみるとか、探すことが出来なかったら、自分に聞いてみるんです。

「私はこの花が好きかも」「この喫茶店は好きかも」「こういう場所好きかも」「こういうのは嫌いかも」とか、そういうのを少しずつ重ねていくんです。自分の気持ちをちょっとずつ表現していく。その積み重ねで大きな表現ができるようになります。

あとはその気持ちを人にしゃべる。この人だったら聞いてくれるだろうという人に話してみるんです。そうして次はあまり親しくない人に話してみたりとか、そういう練習をちまちまやっていくと後々楽になると思います。

徳田:なるほど。ありがとうございます。ではここで質疑応答を終了とさせていただきます。Tomyさん、最後にみなさんに何か伝えたいことやメッセージはありますでしょうか。

Tomy:そもそもTwitterを始めたきっかけは、自分がいろいろ今まで悩んで楽になった言葉を共有してほしいと思ったことがきっかけだったんですね。人生の悩みはちょっとした言葉でだいぶ楽に、楽しくなります。

また、ちょっと時間が経って、読み返したり思い直したりすることでも全然違いますので、いつか本に出来たらなと思っていました。今回このように本にできたので、みなさんぜひ読んでいただければなと思います。

徳田:ありがとうございます。ぜひ、みなさんもこの本で出会った言葉で不安が吹き飛んだりすると思うので読んでみてください。Tomyさん今日は貴重なお時間を本当にありがとうございました。とても励まされました。

これで授業は終了です。本日お越しいただきました先生は、精神科医のTomyさんでした。ありがとうございました!このお話に興味を持った方は、ぜひ『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』もチェックしてみてくださいね!

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