2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:池田さん、ありがとうございました。本当に貴重なお話で、私もメモを取る手が止まらなかったり、グサッと刺さるようなこともあったり。本当に参考になるお話がたくさんありました。質問もたくさんいただいておりますので、ぜひ質疑応答タイムということで、お答えいただけたらなと思うんですけれども。池田さんのほうでピックアップして、「この質問は」というところでお話しいただけますか?
(質問「ワーク=つらくてつまんない、と考えてしまっている自分がまだいたかも。マーケティングの視点が持てると、ワークもライフもどこまでもおもしろがれる気がしました」。)
池田紀行氏(以下、池田):そうですね。ワークはつまらないって、考えないほうがいいですよ。
(質問「初めての転職活動中ですが、私には『〇歳までにマネージャーになる』『〇〇を成し遂げたら副業を始める』といった明確なキャリアプランがありません。プランがないことについてどう思われますか? また、キャリアプランがない場合にどういった基準で企業選びや働き方選びをしたらいいでしょうか」。
池田:僕の場合は、逆に目標達成ジャンキーな人間なので、「〇歳までに〇〇になる」ということがすごく好きなんですね。「いつまでになにをやるという目標がないと動けない人間」と言ったほうが正しいですよね。それをやることがいいか悪いかというよりは、自分はそれがないと動けない人間なので、目標を明確にやってきたなって思います。
池田:例えば僕の場合、「20代で1回独立をすること」と、「20代で年収1,000万稼ぐ」というのが、20代の時に立てた目標だったんです。年収300万円の時ですよ。年収300万円の時に、20代で独立と、年収1,000万という目標があったので。結果的にその夢は29歳で叶えましたが、やっぱりそこにめがけて逆算しながら人生の設計をしていくやり方が、僕には合っていたかなと思います。
目標は、できれば期限を設ける。自分を鼓舞していくことがあったほうが、夢を叶えやすいかなと思います。
司会者:ありがとうございます。
池田:さっき言ったように、知っている情報の中からしか人は選択できないので。何がやりたいのかわからないという方々が世の中にとても多くいますけれども、やっぱり仕事やキャリアに対する情報量がすごく少ないのかなと感じます。
ある程度キャリアプランがない場合は、世の中にどんな仕事があるのかを知る。その上で、これはやりたくないとか、まったく興味がないやつを消去法で消していけばいいと思います。
『13歳のハローワーク』という村上龍さんが書いたすごくいい本がありますので、ああいう本とかも読みながら、「世の中にこんな仕事があるんだな」「合うかな、合わないかな」みたいに想像を膨らませてみたりしながら、消去法で選んでいくのがいいかもしれないですね。僕も「この仕事だ」って思ったのは、30代の前半ぐらいですね。
(質問「就活でEQの高さをアピールすることに抵抗があります。効果的なアピール方法などがあれば教えていただきたいです」。)
池田:EQって、アピールするものというよりは、出ちゃうものです。僕も面接をしながら「私はこういうふうにEQが高いです」って言われたことはありません。勝手に僕が、「さっきの子、EQマジやばいね」みたいな感じの言い方をスタッフ同士で共有するんです。
やっぱり目力があるとか、あとは声の張りだったりとか、こっちが質問した意を汲んで明確に回答をするとか。こっちが時間を延長しちゃうぐらい面接が楽しくなっちゃったりとかですね。毛穴から出ちゃうものがEQなので。普通にやっていくと、滲み出ると思います。
(質問「失敗したり、うまくいかなかった時、落ち込んでなかなかモチベーションを上げられないのですが、まず自分で上げられるようなものを見つけることが大事なんだと思いました!」)
池田:失敗したりうまくいかなかった時、落ち込んでなかなか立ち直れない。そうですね。僕もよく「池田さんって挫折したことがないですよね」って言われるんですけど、そんなことはなくて。今までやったことがないことだったり、難易度が高いことに挑戦をしている時は、「最初からうまくいくはずなんかない」という前提を思っています。
ものすごく猛烈な勢いですっころんで大怪我をしても、「やっちゃったなぁ。さて、次」という感覚で最初からやっているといいますか。「これができなかったらとんでもないことになる」とか、「自信を喪失してしまう」とか、「やれて当たり前だ」とか、そもそも最初から思っていないです。
失敗は人一倍多いと思います。1個1個の失敗も、相当でかいほうだと自負しているんですが。挫折と感じないのは、前提が「最初は失敗する」と思っているからかもしれません。
(質問「転職の多くが誘われたり、取引先からのお声掛けということなのですが、転職するためのポイントはどんなことですか?」)
池田:いい質問ですね。自分のやっている仕事の尊さだったり、すごくいいことをやっているのにも関わらず、「周りのやつらは目が節穴だ」「ちゃんともっと自分の評価をしてほしい」と思って腐ってしまうことが一番よくないです。世の中って意外とがんばってる人が少ないので、がんばっているだけで、ちゃんとキラリと光っているはずです。
僕を誘ってくれた人は相当近いところにいました。例えば、今働いている職場の先輩が転職をして、その先輩から転職先に誘われるとか、サービスを提供しているクライアントから誘われる、みたいな話です。半径3メートルとか半径5メートルの人が「池田はがんばってるね、あいついいわ」って思ってくれているんですよね。それが全部巡り巡ってかえってくるということだと思います。
なので、「社外の名刺交換会に出ましょう」とか、「異業種交流のセミナーで人脈を広げよう」みたいなものって、僕はあまり意味がないと思っていて。そんなことをやったって、自分のスペシャリティなんて人に伝わるわけないじゃないですか。
とにかく目の前の仕事に全力投球。それで僕の場合は、いつのまにかすべての転職が決まりました。ぜひ脇目も振らず、目の前のことに全力投球してみてください。
(質問「26歳で転職なさった時には、どういう基準で会社を選んだのですか?また、エージェント等は利用しましたか?」)
池田:26歳の転職の時は、どうしてもマーケティング会社に転職したかったんです。コンサルティングとマーケティングができるところですね。Fランクの大学出身で、英会話学校での営業経験しかない人間でしたが、エージェントに登録しました。
今でもある、日本の有名なエージェントにいくつか登録したんですけど、その中の1社にさっきの「あんたの学歴と職歴でコンサルティング業界の転職は100パーセント無理です。あなたは営業が得意なんだから、営業だったらいくらでも紹介しますよ」という刺激的なことを言われました。それはいまだに根に持っています(笑)。
エージェントは利用したんですが、結局26歳の時に拾ってくれた会社は、日経新聞の採用欄のところから自分で普通に応募したところでした。
(質問「協働する、チームで話し合うことが非常に苦手なのですが、できれば得意になって、よりスムーズに仕事ができるようになりたいです。なにかアドバイスをいただけないでしょうか?」)
池田:得意不得意はあると思いますけれども、とにかくチームの中で受け入れられる人って、得意か不得意かというよりも、そういうことをやろうという姿勢を持ってくれているかどうか。そのほうが僕は最も重要だと思うんですね。
コミュニケーションがそんなにうまくなくても、でも積極的に自分からコミュニケーションを取ろうと働きかけてきたりとか、情報をすり合わせようと丁寧にコミュニケーションしようとしてくれるところって、確実に好感度や信頼に変わると思っています。
「上手じゃない」と思っているかもしれませんが、そうだとしても姿勢ですね。行動です。努力です。そういう人は、必ず認めてもらえるはずです。「あいつ努力しようとしてるけどぜんぜんだめだよな」って言う人のほうがおかしいと思うので。ぜひ自分から動くという姿勢を忘れないでください。
(質問「『こんな人と一緒に働きたい!』ということはありますか?」)
池田:やっぱり腐らない人ですかね。仕事っていい時もあれば悪い時もあるので、ダークサイドに落ちちゃう人って少なくないじゃないですか。「やってらんない」とか、「会社の悪口言いながら酒飲みに行こうぜ」みたいな話とか、あるんですけど。
そうなるともういい方向にいくわけがないので、とにかく僕はひまわりのように明るい人と一緒に働いていきたいと思っています。腐ることもあるし、愚痴を言いたくなるときもあるけど、それでもいつも前向きで、笑顔ながんばり屋さん。素直な人がいいなぁと思います。
(質問「自分の強みを知るための方法など教えていただけますか?」)
池田:自分の強みを知るための方法は、これはさっきの消去法と同じなんですけど。いろいろなことをやらないと、なにが強みでなにが弱みかがわらないので。本とか読んでても、わかんないですよ。とにかくいろんなことをやるしかないです。考えるじゃなくて、やるです。
やっていいなと思ったり、好きとかつまんないとか思うかどうかで評価をしていく。自分の評価だけじゃなくて、「俺の強みってなんだと思う?」って人に聞くと、自分があまり考えたことがなかったような強みを言ってくれる場合もあるかもしれません。
あともう1個は『さぁ、才能(じぶん)に目覚めよう ストレングス・ファインダー2.0』という有名な本があります。これは30個を超える人間の適正の中から、あなたの強みはこれですよと教えてくれる本なんですね。
すごくいい本なので、うちの会社も全社員がストレングス・ファインダーのテストを受けて、「あなたの強みはこれですよ」とみんなで知ることによって、「この強みはこの人に任せよう」「でもこの人はこれが弱みだから、それは違う強みを持った人にやってもらおう」ということを意識的にやろうとしています。
(質問「自分が好き・得意と思える仕事を見つけるには、とりあえずいろんな仕事を体験してやってみるといいとおっしゃっており、私もさまざまな仕事を体験してみたいと思っているのですが……。いろいろなバイトをしてみるということでしょうか? 体験ができる方法があれば教えていただきたいです。」)
池田:アルバイトでもいいです。やらないよりは100万倍いいです。考えているだけの景色よりも、実際にバイトしてみるとまったく違う景色が見えるはずなので、バイトでもやったほうがいいと思います。でもやっぱり正社員にしかやらせてもらえない仕事があると思いますので、できれば正社員で入るほうがいいかもしれないですね。
僕も22歳から働いて、34歳で創業するまでに4回転職してるって言っていますが。長い会社で3年、短いと1年から1年半で転職しているので、今考えるとけっこうろくでもないジョブホッパーだなと思います。
一応期間が短い中でも、すべての会社の人たちから応援されて転職ができたと自分としては感じてます。いる間に関しては、とにかくすべての人たちよりもやりきるという、全力投球でやってきた自負があります。
1社1社がもし短かったとしても、もし「やっぱりちょっと違うな」と思ったり、次においしそうな匂いがするからチャレンジしてみたいなという話があるんだったら、積極的に転職をしてもいいんじゃないかなと思います。
一方で、「けっこう合ってるなぁ」だったり「この会社いいな」って思ったら、そりゃ5年でも10年でもやったほうがいいですよ。転職すればするほどいいと思っているわけではないので。僕は結果としてそうなったというだけですね。
司会者:だいたい一通り質問を見ていただけたのかなと思います。ありがとうございます。あっという間にお時間になりました。池田さん、ご覧いただいているみなさまに向けて、最後にメッセージをお願いできればと思います。
池田:最後のスライドにもあったとおり、やりたい人は世の中に1万人。でもやる人は1パーセントの100人で、やり続ける人はさらに1パーセントの1人ですので。自分のペースで、自分がこれかなと思ったものを、考えているだけじゃなくてとにかく始めてみる。いいなと思ったら続けてみる。これで1万人に1人です。
ぜひ自分のペースで、それぞれすてきなキャリアを描く努力をしてみてください。今日はありがとうございました。
司会者:池田さん、本日は本当にありがとうございました。
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