2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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仕事と家事の両立が大変、効率よく作業ができない、パートナーとのコミュニケーションが上手くいかないなど、テレワークではさまざまな悩みが生まれます。そんな問題の解決策を、『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』著者の2人が解説。Twitterのフォロワー数は約37万人、noteや書籍の執筆活動をするF太氏と、発達障害の診断による二度の休職を経て、現在は会社員として勤務する小鳥遊氏が、オンラインイベントに登壇。本記事では、先送りにしがちな“重い仕事”の対処法や、テレワーク下でのライフスタイルについて、F太氏が解説しています。
F太氏(以下、F太):一番最初に何をしたらいいかがわからない仕事って、取り掛かるのにものすごくエネルギーを使うんですよね。やることが完全に決まっているメールチェックとかだったら簡単に取り掛かれるんですけど、何から手を付けていいかわからない新プロジェクトは、すごく腰が重くなりがちです。
やっぱり“五里霧中の仕事”が一番重い。そういう重い仕事は、「何をやろうかな」と考え始めた瞬間からもうやめたい。僕は、1つの仕事にどれぐらい(時間が)かかっているかをアプリを使って計っているんですが、基本的には15秒ぐらいで次の仕事にいきたくなってしまいます。
「飽きたらそれ以上やらない」というルールがあるので、15秒やって飽きたらもうこの仕事は一旦ストップして、次のタスクに移っちゃいます。だから「Alt」「Shift」「Tab」で(画面を切り替えて)、次の仕事にすぐいってしまいます。
「Alt」「Shift」「Tab」で次の画面を開いたら、筋トレの記録表が出てきましたね。この画面が出たら筋トレをするというルールになっています。筋トレもあんまり負荷が高すぎると取り掛かるのがプレッシャーになってしまうので、プレッシャーを感じずにすんなりできるぐらいの負荷に抑えるのがポイントです。
筋トレが終わったら、また「Alt」「Shift」「Tab」で別の画面を開くと。今度は「片付け」という画面が出てきましたので、部屋の片付けをします。
「片付け」には、部屋をきれいにするための一連のタスクが並んでいるんですが、これらの(中の)どれかをやります。この画面になったら、とりあえず席を離れて洗濯物を取り込むなり、それこそ洗いかけの食器を洗うなり、その時の気分でやって戻ってくる感じですね。
F太:次の画面は「はてなブックマーク」という、お気に入りのサイトです。今たくさんの人が読んでいる記事を教えてくれるサイトなんですが、僕はよくここで情報収集をしています。
この中から「Twitterで紹介したいような記事はないかな」と探して読むんですが、最近の記事は長くて一息では読みきれないんですよね。なので「これ、おもしろそうだな」という記事を開いたらバーっと読んで……これもたぶん、30秒ぐらいで飽きるんですよね。それで飽きたら、途中でも次の作業にいきます。
この画面は今日のイベントのための下書きなんですが、「どんなことを話そうかな」というところを、まずは自分の頭の中でアイデア出しする感じで、いつもこうやって書きながら考えるんです。これも一息に書くわけじゃなくて、作業を切り替えながら30〜40回ぐらいかけて、だんだん書き進められるような感じです。
文章は一息に書く必要はないんですね。30分まとめて書くよりも、1分を30回繰り返せば同じ分量を書けるので。創作においても「すごく集中して書かないと本は書けない」と思い込まれている方がけっこう多いんですが、実はそんなことはなくて。わりと細切れにしても、ちゃんと文章は書き終えられるんですよね。
「まとまった時間がなければ仕事は進められない」という思い込みを捨てることによって、在宅ワーク・テレワークの可能性の幅が、ガッと広がると思いませんか? ぜひご自身の仕事の中でも「分割できる仕事って意外とあるかもしれないぞ」ということを発見していただきたいんですね。
F太:あとは、今日はどういう予定があるかを自分にリマインドさせる意味で、カレンダーを1枚かましています。カレンダーには睡眠の記録を残してあるのですが、この記録を見ていただくとわかるんですが、僕は睡眠がめちゃくちゃなんですよ。これも“在宅ワークあるある”だと思うんですね。完全に家でしか仕事しなくていい状態になると、睡眠のリズムが狂ってしまう。
これに悩まれている方がすごく多いんですが、僕も個人事業主になった時にすごく悩んで、「ぜんぜん夜寝れないし、朝起きれないじゃん」と思っていたんです。正直、睡眠薬を貰いに行ったりしていた時期があったんですけど、結論から言うと、別に夜に寝て朝起きる必要はないんですよね。
なので最近は、眠くなったら寝て、起きたくなったら起きる生活にしています。幸いそれでもぜんぜんストレスなく、健康診断も受けていますが「やばいぞ」と言われることもあまりなく過ごせているので。睡眠も、別に夜寝て朝起きなくてもいいし、もっと言うと(睡眠の回数は)1回じゃなくてもいいんですよ。
……ということをSNSなどで言うと、たぶん怒られるので、こういうクローズドな場所でしか言わないようにはしているんですけど。「夜寝て、朝起きる」ということですら、実は思い込みに過ぎないのかもしれないと思います。
「人間はそこ(睡眠の常識)すら外せるんだぞ」というのを、この例でお伝えしたかったんですね。ということで、僕のテレワークの進め方が、そのまま真似が可能な生活環境の方はちょっといらっしゃらない……難しいかなとは思うんですが、ポイントポイントで応用できるところがあったら、拾っていただきたいなと思っております。
F太:あと、このやり方のメリットもぜひお伝えしていきたいです。「飽きたら次に進む」ということで、今、抱えている仕事をバンバンと小刻みに進めていくやり方のメリットは、まず飽きないんですよね。あと、疲れることがない。
なんで人間が飽きるかというと、同じことをずっと続けているから飽きるんですよね。いろんな作業を細かく切り替えてやっていれば、脳は疲れることがないんです。実際にこれをやるようになってから、基本的に僕は休憩を取らなくなりました。
例えば、休憩の代わりに動画を見る仕事をしてみたり、動画を見る仕事に飽きたら食器を洗ってみたりとか、ある作業がある作業の休憩になるので、飽きずに仕事ができます。
事前にいただいていた質問で「テレワークで切り替えが難しいです」というものがありました。確かに僕も、切り替えはすごく大事だなと思っていた時期があったんですが、そもそも最近はあまり「切り替えよう」という発想がなくて。基本的には僕はずっと、パジャマで仕事をしているんですね。
それでもちゃんと仕事ができて、本も書けているので、僕はこれで問題ないです。必ず切り替えないと生産性が上がらない、というわけではどうやらなさそうです。
F太:あとは、重いタスクに着手しやすいというメリットがあります。「興味があるものにはすごく集中するけど、興味がないものには集中するまでにとても時間がかかる」というご相談がありました。これも先ほどチラッとお伝えしましたが、仕事には重さがありますよね。例えば「謝罪メールを送る」なんていうのは、すごく重いじゃないですか。
「ごめんなさい」の一言を送ればいいだけかもしれないけど、けっこう文量を多く書いちゃったりとか、だいぶ時間をかけてこしらえた文章を、最後に送信ボタンを押せなかったりとか。結局仕事は、どれぐらい精神的に重いタスクかで「取り掛かるのにどのぐらい時間がかかるか」が変わってくると思うんですよね。こういう(重い)タスクは眺めるだけでもいいんですよ。
「謝罪メールを送らなくちゃいけない」と思った瞬間にメモの画面を開いて、「謝罪メールを送る」と書いておくんですよ。こうやって書いておけば、画面を切り替えているうちにそのメモ画面が現れるので、そこで謝罪メールを少しずつ書いていけば良いわけです。
その時に「めんどくさいけど、とりあえず下書きだけでも書くか」ということで、「拝啓何々さま〜」と書き始める。とにかく書き始めることがすごく大事で、これをやっておくだけで、まったく手を付けないよりも、ものすごくスムーズに仕事が進んでいくんですよね。
F太:この感覚をどう説明しようかと思っていたんですが、今日、すごく良い記事を見つけたので、ぜひこれをご紹介したいです。
「ジオシティーズの閉鎖で消えた『わからん科目攻略法』が、埋もれるのがもったいないので、ここで紹介する。」という、勉強法に関する記事なんですが、ここで語られているものの中に「難しい概念にぶち当たったら、まず10回読め」というやり方が紹介されています。
要約すると、難しい分野に取り組む時は、とにかくまず理解をしようとしないで、音読や目で追うだけでいいから、教科書を10回通読せよと。その後、11回目から「よし、しっかり理解するぞ」という気持ちで文章を読み始めると、ものすごくスムーズに文章の内容が入ってくるんですよ。この考え方が、まさにタスク管理にも当てはまるなと思っています。
重いタスクも、まずは10回見るだけでいいんですよ。10回目も「やっぱり面倒くさい」というふうに、ただただこの仕事を抱えていることを確認して、書ける時は多少書くことを繰り返していると、11回目の「いよいよもう書かないと間に合わないぞ」みたいな時に、ちゃんと体が動くんですよね。
10回眺めておけば「締切間近でもうやらなくちゃいけない」となった時に、ちゃんとそれを見据えて体が動いてくれるんですよ。これがいわゆる、締切効果の正しい使い方なんだと思います。
F太:心理学用語で「否認」と言われるような先送りはよくありません。仕事をすごくやりたくなくて、意識にのぼらせないように見ないふりをしてしまうことがあるじゃないですか。そういう先送りの仕方をしちゃうと、全体像も何も把握しないまま締切間近になって愕然としてしまうんですね。
この記事でも言われているんですが、「無意識に学習させる」ということを言い換えると、「無意識に仕事をさせる」必要があって。面倒でもちょっとずつ進めることで、無意識が自動的に仕事を進めてくれるんですよね。
ただ仕事を眺めるだけでも、頭の中で「締切は何日で、これまでにこれぐらいの文量を書かなくちゃいけないな」とか、無意識はだいたいのプロットを作ってくれているんですが、これを否認してまったく見ないようにしていると、締切ギリギリまで「無意識」はなんの仕事もしていないので、地獄を見てしまうことになるんですね。
なので、決して気持ちよくはないんですけど、重い仕事も(パソコン上に)画面を出しておくだけで、無意識が仕事をしてくれます。それに任せて「今は手が動いていないけれど大丈夫」「然るべき時にちゃんと動くんだ」と自分を信じて、今できることを進めていくという気持ちで取り組むのが、すごくいいと思います。
ということでいくつかお伝えしたいことがあったんですが、時間になりましたので、ここでサンクチュアリ出版さんにお返ししたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
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