2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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谷中修吾氏(以下、谷中):今日は、主催BBT大学、共催INSPIREで、麹町のBBT大学のラウンジからお届けしています。
BBT大学のセミナーに参加するのが初めての方もいると思うんですけれども、正式名称はビジネス・ブレークスルー大学、通称はBBT大学と言いまして、床面積0平米、AirCampusでビジネスを学ぶ、文科省認可の100パーセントオンライン大学です。
教授陣の6割が現役の経営者で、大前研一学長の下で、世界110カ国に住む学生がオンラインで楽しくビジネスを学んでいると。私は谷中修吾と申しますが、大学・大学院ではマーケティング&スタートアップ系の科目を教えております。そして、BBT大学で一緒にビジネスを教えている高松康平さんです。
高松康平氏(以下、高松):はい。私は問題解決科目を担当しています。大学2年生をメインに、基礎2、基礎3という科目を担当していまして、みっちり基礎から応用まで学んでいただいています。
谷中:ありがとうございます。今日は私と高松さんそれぞれの専門分野を活かして、この超絶オンラインセミナーを開催させていただくことになりました。お話の中では、我々の最新の書籍の内容を取り上げさせていただくんですけど、私からは『最強の縄文型ビジネス』、高松さんからは『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』。それぞれ書籍にまとめた内容のエッセンスを紹介しながら、思考の武器をお届けしていきたいと思います。
さてみなさん、この新型コロナウイルスの影響を受けて、非常にご苦労をされている方が多いと思います。
特に、ビジネスパーソンのみなさまにおかれましては、業界によって影響はさまざまだとは思うんですけれども、苦境に立たされているみなさんも多いと思うんですね。
そこで、コロナ禍で奮闘しているビジネスパーソンのみなさんに向けて、何かお役に立てることはないかと考えまして。我々はビジネス教育を専門とするBBT大学の実務家教員ですから、ビジネスにおける思考の武器で応援できないだろうかと思ったわけです。
なので、この逆境をチャンスに変えて新しい事業を生み出す「価値創造×問題解決」の思考をテーマにしました。これをオンラインで日本全国のビジネスパーソンのみなさまにお届けしたいなと。それで、今回、超絶オンラインセミナーと名づけました。我々がそれぞれ出版している書籍の内容に基づきつつ、お話をしたいと思っています。高松さん、よろしくお願いします。
高松:はい、よろしくお願いします。みなさん、ご参加ありがとうございます。新型コロナで、大きな時代の変化が起きていると思います。なので、今まで通りの仕事をやる環境じゃなくなって、新しいことをやらなきゃとか、既存ビジネスが厳しいという中で、ビジネスの仕方や考え方を変えなきゃいけないところがあるかと思います。
そこで必要となるのが思考の武器です。谷中先生の担当が価値創造で、まさしく0から1を作ったり、新しいものを作り出して価値を生み出すと。そして、私の担当が問題解決で、目の前にある問題をどう解決するかというところです。
アプローチは違えど、この変化の時代に、新型コロナにどう立ち向かっていくかというところでは非常に必要となる考え方なんじゃないかなと、今回2人でライブセッションをします。
ライブセッションで何が起きるか分からない。その辺も含めてみなさん楽しんでいただければと思います。では、さっそく始めていきましょう。
谷中:はい。このセミナーは定員500人で募集したんですが、なんと900名を超えるみなさまからエントリーをいただきまして、大盛況ありがとうございます。今日お話ししていく順番は、まず高松さんから問題解決の思考、そして私からは価値創造の思考ということでお届けしていきます。
この問題解決と価値創造の2つを組み合わせると、これまで単品でいろいろ考えていたことが、奥行きがぜんぜん違って見えてくるというところがありますので、今日はふだんなかなかお話しできないようなことも含めて、みなさんにお届けしていきたいと思います。
高松:では、まずは私からプレゼンテーションをさせていただきたいと思います。問題解決に関してお話をさせていただきます。
問題解決と一言で言っても、教えている内容、学んでいただいている内容はここ10年20年でだいぶ変わってきているなという印象を持っております。
また、新型コロナで大きく時代が変わっているので、同じ問題解決と言っても、今までの問題解決とは違ったアプローチが必要になるんじゃないかなと思いましたので、そのエッセンスをぎゅぎゅっと絞ってお伝えできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、少しお話をさせていただきたいと思います。改めましてビジネス・ブレークスルー(BBT)大学の高松と申します。問題解決の講座を担当しておりまして、今はBBTで8年目です。ひたすらこの考える力、問題解決のカリキュラムを作ったり、講師をしたり、いろいろなことをさせていただいています。
また、谷中先生ともいろいろな研修でもコラボをさせていただいていまして、全国各地遊びに行っているんじゃないかという突っ込みをいただいていますが、佐賀に行ったり、金沢に行ったり、全国各地へおじゃましながら、いろいろな企業様、団体様のご支援をさせていただいています。
また、今日は「BBTルーティン」というTシャツを着ておりますが、今の世の中をテーマに1日1題出題をしていまして、みんなで10分間考えようというBBTルーティンというサービスもやっております。
今起きているお題に対してどう考えるか、これがとても大切だと思っています。過去のケースもいろいろとあるんですが、もう世の中はぜんぜん変わってしまいましたので、今どうするか、今をどう考えるかというところを中心に、個人の方や企業の方のために問題解決力の提供をさせていただいています。
高松:今日は、そのエッセンスをお伝えさせていただきたいと思っていますが、その基となるのが、この3月19日に発売いたしました、『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』という本です。
これからの時代に必要となる問題解決の考え方をまとめさせていただいたんですが、本当に緊急事態宣言がくる直前というところで出版になりました。ちょうどこのタイミングに重なってしまいましたが、まさしくこれからの時代にみなさんにお役に立てるんじゃないかなと思いますので、気合を入れてやっていきたいと思います。
まずこの本の最初に、こんなことを書いております。「みなさんもこんなことありませんか?」「あれ? 同じことをぐるぐると考えている」。私は勝手に「頭ぐるぐる状態」と呼んでいるんですが、こんな経験はないでしょうか。
最初に「仕事始めよう」と。「どうしようかな」と10分間考えた結果、少し思考は進んだ。「けっこう俺、いい感じだな」と。でも1時間考えてみたが、「最初の10分とあんまり変わっていないな」と。ちょっと焦ってくる。1日かけてみたが、「あれ、最初の10分とあんまり変わってないぞ、やばい」と焦ってくる。こんなことないですかね。
最初の10分はいいんですが、1時間、1日たっても、また3日たっても最初の10分とあんまり進化してないとまずいわけです。焦るわけです。
じゃあ、どうやって打破すればいいかというところを、今日お話したいと思います。
高松:こういう話をしていると、私がすごく問題解決が得意な人間だと思われるかもしれませんが、私的にはかなり辛い日々があったというところでございまして。
もともと谷中さんもコンサルティングファームにいらっしゃって、私も新卒でマッキンゼーというファームに入ったんですが、まあ辛い。徹夜、いっぱいしたなあと。まあ、徹夜すること自体は、若いのでなんとかなっちゃうんですが、進んでいる感じがない。まさに頭ぐるぐる状態でして。
谷中さんもコンサル時代にどんな感じだったか聞きたいところはあるんですが。私は、なんだかすごく辛かったんですよね。こうなってしまうと、やっぱり頭もなかなか冴えなくなってしまうし、なんだか楽しくないんですよね。
問題解決なので、難しいことにトライしている。そこを、なんとか乗り切りたいわけなので、そこで必要になるのが“思考の武器”でございます。
まず、問題解決に取り組むというのは、こんなイメージかなと思っているんですが。
(夜空を懐中電灯で照らしている写真が表示される)
今みなさんがやらなきゃいけない問題解決は、まさにこんな暗い中かもしれません。先があまり見えないわけですね。どこに進めばいいのかというと、自分で決めるしかないわけです。
その中で、自分で「こっちのほうがいいんじゃないかな」と光を照らして、「そっちのほうに進んでみよう」と。これがまさに仮説でして、仮説を出して実際に自分でデータで検証してみたり、実際に行動してみて成果を掴み取ることが今の時代に必要になってくるんじゃないか。問題解決は暗い中の旅のようなものだと考えております。
そこで今日は、「問題解決の旅を楽しむために気をつけるべき5つのこと」と題してお届けしたいと思います。パチパチパチパチ~。
ということで。オンラインで1人テンションを上げているちょっと変わった人だなと思うかもしれませんが、楽しくお届けしたいと思っております。みなさん、どうぞよろしくお願いします。
高松:ポイントを5つに絞ってまいりました。本のエッセンスを出し惜しみなくお伝えしたいなと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いいたします。
ではまず、ポイントの1つ目からいきたいと思います。パチパチパチというコメント、みなさんありがとうございます。
まず「ここに気をつけろ!その①」ですね。「焦るな!危険!『先走り症候群』」。この症候群はめちゃめちゃ出るんですが、こうなってしまうと、とても危ないです。なので、これは気をつけようというところで1つ目に持ってきました。どういうことなのか。こういうことです。
問題解決には進め方があります。進め方があるので、今回この本の中でも、問題解決マップというもので表してみたんですが。どういう流れかというと、まず現状を理解しましょうと。まずは何が起きているかちゃんと調べなきゃいけないわけですね。健康診断みたいなことだと思っているんですが、いったん体全体を調べてみて、どこが悪いかを診断すると。
いろいろな会社さんを見ても、会社の全部が悪いことはあまりないわけですね。どこかに偏っていたりしますので、「ここが悪いんだ」というところを確認して、「ここが問題だ」と発見するのが現状理解です。
そして、そのあと本質的な課題発見というプロセスで、「どんな原因が考えられるか?」とまずは情報を収集する。幅広い可能性を検討し、その後、まとめにいきます。
その後は、「こういうふうに戦えばいいのかな」「こんなアイデアがいいかな」ということを考えたいんですが、実際はそういう流れで考えられないことが多いんです。先が見えないわけです。もうピンチです。だから、焦っちゃうわけです。
高松:例えば、こんなことありませんか? リモート会議でちょっと遅れてきた上司がいて、ちょっと悪口っぽくなっちゃいますが、「こうすればいいんじゃないの?」といきなり解決策を言い出す。それは危ないということですね。
まず現状で何が起きているのかを捉えましょうと。その後、問題を引き起こす課題を抽出して、どうしたらいいかと考えていきたいわけですが、焦っちゃって最初から「アイデアを出して、こうしようよ」と言っちゃう。これが危ないというところです。
先が見えないんですが、でもまずは、何が起きているのかというところから始めなきゃいけない。でも、人間というのは先にいきたくなるので、ここはやっぱり認識として理性として、思考の順番は守る。これは知っておかないと、はまってしまう罠とも言えるのかなと思います。
先走っちゃうのは人間の特徴なのかなとも思うんですが、そのあたりについて、谷中さんはどうお感じになりますか?
谷中:そうですね。特にメンタルの部分で感情が先走ってしまうと、まさに現状分析を疎かにしてしまうと。特に今回のコロナの状況の中で、「なんとかせねば」とみんなが思うわけなんですけれども、この左側の現状理解、現状分析を冷静にやった上で、問題認識のところで本質が見えていると、「あれ、実はこれって別に悩むことじゃないな」ということがよくあると。
コンサルタントがあまりに冷静に分析をやりすぎると、ドライで「なんかこの人、やだな」みたいに思うわけですが(笑)。でも、この素養はすごく大事ですね。特にこのコロナの状況では、さまざまなことに対して感情的に反応してしまっていることも多いので、意外にこの現状分析をもう一度しっかりとやるというのはありですよね。
高松:はい。とても大切だと思いますね。かっこいいコンサルタントや上級者の方は、「ポイントを絞ってそこから議論しよう」とか言うんですよね。そういうことができればいいとは思うんですが、それができなくてもじっくりやっていけば確実に着実に問題解決できますので。
まずはこういったプロセスをしっかりやるところを、基本の基本として押さえていただきたいと思います。先が見えない、焦ってしまっているからこそ、ここは押さえていただきたいというのが1つ目のポイントです。
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