2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
モバイルファーストのクリエイティブの考え方(全1記事)
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栗山修伍氏(以下、栗山):みなさん、こんにちは。私はFacebook Japanでクリエイティブストラテジストを務める栗山修伍と申します。
今回は、いわゆる実際のInstagram上での広告をどのように作ればいいのか。そうした戦略的なコンサルテーション及びクリエイティブディレクションを担当しています。それでは、早速始めていきたいと思います。
これまでにさまざまなストリーズの事例を見ていただいたと思います。こちらのパートでは、具体的にどのように伝えればいいのか。どのようなメッセージングをすると、広告のパフォーマンスが上がるのかというようなお話をしていきたいと思います。
本題に入る前に、こちらをご覧ください。「モバイルの世界はとてもユニークだ」という題になっております。みなさんはおそらく、今まさに写真を撮っていただいているとおりに、スマートフォンをお持ちだと思いますが。
(スライドを指して)例えば左側、かなり高頻度にいろいろなアプリやコンテンツを消費していませんか? 私の場合はそうなんですが、例えばインスタ。Instagramを開いたと思えば、また別のWebサイトなんかを見て、またインスタに戻ってくる。もしくは別のアプリを使う。よくあることだと思います。
そして右側。こちらはFacebook上のデータになるんですが、デスクトップでFacebookを使う場合と、モバイル上でFacebookを見る場合、実はモバイルで見るほうがスクロール、いわゆる利用スピードが1.5倍も早いと言われております。
ただ、みなさんこうやって見ているといかがですか? ご自身でInstagramを使われているとき、(スライド上の動画を指して)これくらいのスクロールのスピードで見られていると思うんですよね。これが現実なんです。
これだけスピーディーなコンテンツの間に、みなさんが出される広告が入ってきます。ですから、この環境をしっかりと理解した上で広告を作らないと、決してパフォーマンスは上がらないということになってしまいます。
次に行きます。これだけスピーディーな環境の変化があるので、モバイルの世界での1秒間というのはとても長いんですよ、というお話を差し上げています。画面をご覧ください。1秒はだいたいこんな感じです。
はい。まあ、当たり前ですよね。とても短いと思います。次にこちらをご覧ください。2001年度の我々人間における、脳の情報処理速度の平均値だと言われています。0.3秒。さて、ここからがおもしろいんですが、こちらをご覧ください。
なんと2014年度。0.03秒。早くなっているんですよ。これはMITの調査結果でわかっているんですが、この理由は、もちろん我々がさまざまなデジタルコンテンツに触れるようになり、かつスマートフォンが誕生したことによって、これだけ我々のほうが進化したというような情報も入っています。
そしてさらにこちら。画像による情報処理速度。数字を見てください。0.013秒。もはや一瞬です。でも、みなさんがよくInstagramを見ているとき、「好きか嫌いか」「これは『いいね』したいかしたくないか」。即座に判断できると思いますから、とても信用できるデータとなっています。
改めて言いますが、これが現実です。この中でどのように(広告を)作っていくか。それをしっかりと考えていく必要がございます。それでは、少しずつ紐解いていきたいと思います。
まず、モバイルストーリーテリングの基本的な考え方です。こちら横軸がビデオの長さだと思ってください。テレビCM、もしくは例えばWeb CM的なもの。
コンテンツというのは、だんだん盛り上がってきて、最後にプロダクトカットがドーン。もしくはセレブリティカットが入って、メッセージが入るというのが、よくあるパターンなんです。
先ほど見ていただいたとおり、あれくらいの(速さの)スクロールをしているときにこうしてしまうと、メインメッセージが何も伝わらないということになってしまいます。
ですから、まったく逆の考え方が必要になります。私たちがよく言うのは、「3秒以内に必ずメッセージを伝えましょう」ということです。はじめにメッセージとして、なにを伝えたいのかをクリアにするということを、必ず忘れないでください。
さて、ここから3つの大きなポイントについてお話します。ぜひ写真を撮りながら、みなさん覚えて帰っていただければ幸いです。まず1つ目が、「美しく一言で伝える」という内容になります。
事例でご紹介しますと、みなさんが持っていらっしゃるサービス、そして商品。決してベネフィットや伝えたいメッセージは1つじゃないと思うんですね。
ただ、あれだけの環境下で見られているということを考えると、かなりそこを突き詰めて、「今回のメッセージの重要な部分はどこだろう」ということを押さえないと、なにも持って帰っていただけない。そのようなポイントを事例でご紹介します。
こちらはBOSEのテレビCMをそのまま……Facebookになっていますが、基本的に考え方は同じです。CMをそのまま入れたパターン、そして右側がきちっとモバイル最適化に作り替えたパターンです。それぞれを見てみます。左側は長いので途中で止めますが、ご覧ください。
(映像が流れる)
はい、ちょっとここで止めます。みなさん、例えばInstagram上でこの広告に触れたときに、何の広告かわかりますでしょうか? おそらくBOSEの広告だということはわかっていただけると思うんですが、まだ商品が何も出てきていませんよね。
こっち側はテレビCMなので、後半に出てくるという設計になっているからなんですね。
では、本当は何が伝えたかったのか。右下をよく見ると、ヘッドフォンが見えています。実は新型のヘッドフォンが出て、それはノイズキャンセリングでワイヤレスだということが伝えたかったことです。
では、そこだけを伝えればいいじゃないかということで作り直したこちらの縦型の広告が、最適化されたものになります。再生します。
(映像が流れる)
商品のベネフィットをしっかりと伝えつつも、このようにシンプルに表現して、実際に広告のパフォーマンスも左と比較して2倍以上の広告想起と数値が出ております。
さて、次のポイントにいきたいと思います。次は、「一瞬でアテンションを捉える」という内容になります。
みなさんが、例えばスワイプしてストーリーズ広告を早く見ているというときに、何かついつい最後まで見てしまったという広告がないでしょうか? そういった経験があると思います。
それというのは、広告主側からうまく魅了させられて(いる)。その広告自体に引っ掛かりを作っていく、そういう仕掛けを広告内に入れているというものになるんですね。こちらは両方とも日本の事例ですが、左、b-monsterさん。こちらはたった6秒なんですが、非常によくできた設計をされています。少しご覧ください。
(映像が流れる)
たったこれだけです。6秒の間にビフォーアフターで、オーガニック風に見せたと思いきや、いきなり彼女がグローブを持って、そしてアテンションを取るために画面を割るような突きをします。
そして最後にご覧いただけたと思いますが、スワイプアップを促すようなアクションが付いている。これによって、例えばランディングページに行くようなアクションを促せたりします。非常によくできたストーリーズ広告になっています。
そして右側は、キリンさんのメッツコーラのテレビCMをうまく活用した事例になります。再生します。
(映像が流れる)
「特保コーラナンバーワン」というメッセージを冒頭からしっかりと出しつつも、テレビCMの中の非常にインパクトのあるビジュアルをうまくつなげて、10秒の間にしっかりとまとめていてパフォーマンスを出されている広告です。
したがって、一言で伝えるということと、アテンションを取ることの重要性ということがここでご理解いただけたのではないでしょうか。
次にまいります。3つ目のポイントなんですが、私自身もよく聞かれる、ご質問いただくものとして、例えば色々なフォーマットがありますよね。左側は、テレビのフォームです。
16:9の横型。真ん中がいわゆるフィード等で見られる1:1のスクエア広告。一番右側がいわゆるストーリーズ広告などの縦型。「結局どれがパフォーマンスがいいんですか?」ってよく聞かれます。
こちら、弊社の調べでわかっている内容をお伝えしたいと思います。
なんと1:1のスクエアの広告と比較しても、もはや縦型の広告、ストーリーズ広告のようなフォーマットのほうがプラス70パーセントもパフォーマンスが高いということがわかってきております。
まだまだストーリーズ広告を使われているお客さまは少なかったりもしますから、これからはぜひ、先ほどのTIPSを踏まえてストリーズ広告にも挑戦していただきたいと思っております。
さて、ここまでのまとめです。これら3つのポイントをお話ししました。こちらは、ぜひ写真を撮っていってください。
美しく一言で伝えるという部分と、できるだけ冒頭からアテンションを捉えてみてくださいということ。そして3つ目が、ぜひ広告配信をされる際には、ストーリーズ広告もフォーマットとして取り入れてみてください。
ここまで一旦お話をさせていただきましたが、とはいえ、これを明日から試すとなったときに、いきなりこれに挑戦するということは、実はなかなかハードルが高いと私も考えています。
そこで本日は、我々のマーケティングパートナーでもあるカイゼンプラットフォームの須藤社長にお越しいただいております。カイゼンプラットフォームさんが持つ動画制作サービスの概要について簡単にお話いただければと思います。須藤さん、よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
須藤憲司氏(以下、須藤):ただいまご紹介に預かりました、カイゼンプラットフォームの須藤と申します。
我々は、クリエイティブをハックするために、サービスを提供させていただいております。
とにかく冒頭から、このイベントに参加されているみなさんはお感じいただいていると思うのですが、今は本当にクリエイティブこそがすべてのパフォーマンスであったり、ユーザーからのインタラクションにつながるきっかけになってくるということです。
先ほどのようなTIPSを踏襲したクリエイティブを作るのは難しいとか、大変だとお感じの方もいらっしゃるかもしれません。制作費が高い、リソースがない、あるいはクリエイティブも作りっぱなしでは、なかなかパフォーマンスは改善していきません。
我々としては、スマホの広告クリエイティブを最適化していくため、高速の動画制作サービス「Kaizen Ad」を提供しています。5分で発注、5万円から、5営業日で納品するという非常に簡単な動画制作サービスです。
今、我々のプラットフォーム上にクリエイターが1万6000人以上おりまして、彼らと一緒にモバイルのクリエイティブをハックしていくということを行っています。
実際にどんなことをやっているかと言いますと、例えば動画ですね。デモンストレーション動画や、あるいはインタビュー、テレビCMなど動画の素材からモバイルにフィットするような広告を制作する形です。
とくにストーリーズの場合はどう見せていくのかということがすごく重要です。先ほどもありましたが、構成、コピー、表現、この3つでパフォーマンスが劇的に変わっていきます。これを最適化していくということを行っています。
一方で、動画素材をお持ちではないお客様もたくさんいらっしゃると思います。しかし、例えばランディングページ、チラシ、クーポン、それからパンフレット、カタログ、色々な静止画の印刷物の素材であったり、当然サイトだったり、なにかしらお持ちだと思います。そこから動画を作るということも行っております。
これが我々のサービスでして、実際に栗山さんたちと一緒にワークショップをやらせていただいたり、さまざまなベストプラクティスを踏襲したサービスをみなさまにご提供することができます。今日はブースも出させていただいておりますので、ぜひお立ち寄りください。
栗山:須藤さん、ありがとうございました。
須藤:ありがとうございます。
(会場拍手)
栗山:本日のまとめに入らせていただきたいと思います。3つのポイントを押さえて、効果的な広告をぜひ作ってみてください。
もう1度繰り返しになりますが、美しく一言で伝える。何が今回の広告目的に沿ったメッセージなのか、広告を打たれる前にぜひみなさんで議論してみてください。
そして2つ目、一瞬でアテンションを捉えるということですが。例えばご自身であれば、インスタのストーリーズを見ているときに、どんなものが1秒目に飛び込んでくるとつい見てしまうかといったことを考えるだけでも、かなり効果的な広告に変えることができます。そこをぜひトライしてみてください。
そして最後にお伝えした縦動画、ストーリーズ広告、これらを活用して、そして例えばフィード広告と併用するだけでも、それによってパフォーマンスを上げることが可能になっています。こちらもぜひトライしてください。
今は縦型がニュースタンダードになっており、そして今須藤さんからお話いただきました、カイゼンプラットフォーム様の動画制作サービス。ぜひブースが後方にございますので、ご興味のある方はぜひ伺ってみてはいかがでしょうか。
私のパートは以上になります。本日はご清聴いただきありがとうございました。
(会場拍手)
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