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トークセッション「世界で戦える、イノベーション人材とは」(全1記事)

クリエイターに必要なのは「人を動かす力」 広告・事業開発の現場で活躍できる人の共通点

2019年9月18日、「Service Design Talk Vol.2|世界で戦う企業・事業を作る人のクリエイティブ力」が開催されました。“日本発のイノベーション創出”をテーマに、事業開発・マーケティング等、各界で活躍する有識者のキーノートやトークセッション、ミートアップを行うイベントです。本記事では、「2019年カンヌライオンズ クリエイティブストラテジー部門」の審査員を務めたアクセンチュア清水氏と、企業のイノベーションデザインを支援する株式会社WHITE取締役の小池氏が登壇。WHITE代表取締役社長の神谷氏によるモデレーションで、未来思考のクリエイティブやこれからのクリエイターの役割についてディスカッションが繰り広げられました。

広告代理店から事業開発へフィールドを移した、元同僚3人

神谷憲司氏(以下、神谷):実はこの3人は同僚で。僕がスパイスボックスでクリエイティブのトップだったときに、清水君はそのメンバーだったんです。小池君は、どちらかと言うと戦略が得意なプロデューサーで、一緒に仕事をしていました。

それが何年前? もう10年前とか……そこまでじゃないか(笑)。7年前くらいか。

小池祐介氏(以下、小池):7、8年前な気がします。僕は2011年にはいたので。

神谷:なるほど、それくらい前なんですけれども。そのときは3人とも広告代理店にいたんですよね。それが不思議なことに、今では3人とも事業開発というフィールドでクリエイティブを活かして戦っている。そこが奇しくも、共通点としてありますね。

今日2人に話してもらった内容は、いわゆるクリエイティブとか未来を創るクリエーションみたいなところを、クリエイターと絡めつつ個人・会社としてやっている話に分かれていたと思います。

会場にいらしている方々は広告関係の方々も多いと聞いていますので、ちょっとここから先は2人にいくつか質問をしたいと思っています。

実際、広告におけるクリエイティブと事業開発におけるクリエイティブは、たぶん同じところと違うところがそれぞれあると思うんですけれども、どう考えているのか聞かせてもらってよろしいですか? じゃあまず清水さんから。

広告・事業開発それぞれにおける「クリエイティブ」の違い

清水武穂氏(以下、清水):僕からですか。僕の中で1個の答えとしては、先ほどお話したとおり広告におけるクリエイティブと、事業開発におけるクリエイティブには違いはあるなと思っています。

そこには本来の目的である「人を動かす」ということがコアにあるんですが、どちらかというと(広告のクリエイティブは)手段に寄りがちだったんじゃないのかなという気がしています。僕は今、広告側の人間ではないのでちょっとわからないですけど。

事業開発におけるクリエイティブで言いますと、先ほど話したように課題解決……未来思考でしたっけ? という部分があって。クリエイティブというものは、未来思考の部分かなと思っています。

いわゆるコンサルティングとクリエイターという、2つの宗教というか価値観が存在するんですね。コンサルティングは、基本的にロジカルに効率化を極めたりコストリダクションをいかに極めていくかということが、1つのコアになっている価値観なんです。

クリエイターはどちらかと言うとアドバリューですよね。価値をいかに付加するかがコアだと思います。僕は「価値を付加するためにいかに人を動かすか」というところに、事業開発のクリエイティブがあると思っていて。

なぜ人を動かすことに非常にフォーカスするのかというと、新しいことをやるときにはクライアントと社内の間でとんでもない軋轢が生まれるんです。「あいつらだけ、なに勝手なことをやっているんだ」とか。

そういうとき、いかに反対している人たちの心を動かして、行動変容をさせるか。態度変容をさせて一緒に新しい取り組みに巻き込んでいくか。僕はそこにすごくクリエイティブのチャレンジがあると思っていて。

実際、クライアント社内の人を巻き込むために、文化・風土改革を加速させる社内キャンペーンをして巻き込むとか。そういったところで、人を動かすことにフォーカスしているところかなと思っています。

アウトプットorプロセス 求められる仕事ぶりの違い

神谷:質問いいですか? それぞれ仕事をしている会社があるじゃないですか。会社から求められるクリエイターの役割は変わっていますか?

広告ビジネスの基本的なビジネスモデルは、制作物にどういうメディアアウトプットを出していくのかですよね。そこでお金を稼いでいるんです。なのでクリエイターには、とどのつまりは広告クリエイティブを作ることを求められている印象を持っています。

コンサルのビジネスとしてはフィーなので、基本的にはアウトプットはなんでもいいような状態の中で、プロセスの部分でパフォーマンスを発揮するみたいな。

会社としての稼ぎどころが違うがゆえに、求められるものも変わってきているのか。それとも、変わらないのか。そのへんは実際のところ、どう感じていらっしゃいますか?

清水:そうですね。僕は変わってきてはいるかなと思っています。僕はスパイスボックスの後にAKQAというところに行っています。そこでは、完全にフィーでクリエイティブを作っていたんです。

いわゆる「メディアがあるからそこに入れる手段を用意してくれ」というわけではなく、とりあえず人を動かす答えを用意する感じだったんですね。

そういう意味では、フィーとなると「やっぱり枠があるからここに入れてくれ」「何かを用意してあるからそこをやってくれ」ということは一切なくなりました。むしろ「何もないから、とりあえず何か考えてくれ」と。

神谷:ありがとうございます。

広告にはゴールがあり、事業開発にはゴールがない

小池:シンプルに言うと、広告は人に広げていくものだと思っています。なので、人に広げていくのがクリエイティブの役割である。事業は価値を創る。新しい価値を創ることがクリエイティブに求められてくるものだ、ということがシンプルな定義としてあるのかなと思いますね。

プロセスとしては、けっこう似ている部分と違う部分があって。僕らは企業に対して事業開発を支援させていただく立場です。広告代理店としては広告の支援をさせていただく立場として、まったく違うところがあるんです。

1つは、折り合いがあるかないかが非常に大きくて。広告って課題が明確なんですよ。「どういうふうにしてほしい」というゴールが非常に明確にあるので、それに対しての表現や手段を考えていく。

だけど、事業開発はゴールがないんですよね、したいことはあるんですけど。ゴールが非常に曖昧になっていることが多くて、それも含めて我々が考えていく。そのあたりに大きな違いがありますね。

ただ、考えていく回路はけっこう似ているなと思っていて。何かものごとに出会ったときに、それを抽象的に捉える。さっきのプレゼンにもあったんですけど、抽象的に捉え直して具体に落とす。この抽象・具体の行き来は、クリエイティブとしては同じプロセスを踏んでいるような気はします。

神谷:ありがとうございます。じゃあ次の質問にいきましょうか。

「越境力」「視点ずらし」をビジネスで体現すれば、クリエイターはもっと活躍できる

神谷:たぶんお互いの解釈もありながら、外部的な要因も含めて、クリエイターに求められているものがいろいろ変わってきています。

とくに「文化」と言われているような時代の中で、未来を見据えなきゃいけない。これからのクリエイターに求められる役割や能力について、個人的な意見でも構わないので教えてください。

清水:僕は自分の会社のメンバーみんなに、「越境力」ということをすごく言っていますね。クリエイティブという手段を作るためだけに「僕はここからここまでしかやりません」というのではなく。

いろんなところを越境して人を動かすことはできるので、そういう意味で越境力が求められます。

神谷:ピボットしていくというお話があったと思うんですけど、そうすると今まで広告制作領域だけに閉じていたクリエイターの求められる役割が、どんどん広がっていく。

それによって、いろんな業界、いろんな人たちから求められる人になっていく。そういう変化があるのかなと思っていて。その中でのピボット先として、清水さん的に「ここは有力だな」と思っているところはありますか?

清水:それだと、事業創造に関して、実は広告クリエイターにはめちゃくちゃオポチュニティがあると思っています。広告クリエイターはなにか1個の表現をするときに、視点をずらしてぜんぜん違うものでそのものを表現したりするじゃないですか。

事業を1個作るときに、視点をずらしてぜんぜん違うものとして捉えると「新しいアプローチの事業にスイッチできるよね」と見えてくるんですけど、クリエイターはその視点が抜群に優れているんですよ。

それを映像とかの手段上の表現だけじゃなくて、実際のビジネスで体現してくれると、実はもっともっと大きいオポチュニティになっていくんじゃないのかなと思っていて。

事業コンセプト作りのカギは「抽象化」

神谷:なるほど。僕もちょっと感じるのが、広告のコピーライターはいろいろな事象がある中で、一番重要なコンセプトやキーワードを抜き出すのがすごくうまいなと思っていて。きっと抽象化能力がすごく高いんですよね。それは事業のコンセプト作りとかに、けっこう活かされるんだろうなと思います。

清水:めちゃくちゃ活かされます。実際に僕がアクセンチュアで体験したことなんですけど、それこそコピーライター風に新規事業のコンセプトを作ったんですよ。

それは役員へのプレゼンだったんですけど、その場でお買い上げになって。キーワードはすごくシンプルだったんですけど、それがもう次の週には現場に浸透していたんですよね。要はそれが「人を動かす力」になっていたということがあって。

これでもし、自分がちゃんとしたコピーライターのバックグラウンドを持っていたら、たぶんもっともっとその企業を動かすことができたと思うんです。なので、動いた先にある広告活動とかいろんなものが、実はもっとおもしろくなっていくんだろうなと感じていて。

広告で力を発揮するんじゃなくて、もっと最初の時点、事業創造の時点でクリエイターが力を発揮してくれれば、実はその先がもっとおもしろくなるんです。ここ(広告)ばっかりを見ずに、こっち(事業開発)でもっと良いことをしてくれれば、その先がもっと豊かになるのにな、とすごく思っています。

神谷:なるほど、ありがとうございます。じゃあ小池さんお願いします。

事業開発でクリエイターに求められるのは、コラボレート力&判断力

小池:1つ目に言おうと思っていたのは、けっこう今の話に近くて。やっぱり何かものごとを考えたり、リサーチしたり、そうしたときにどこに光を当てればより輝いていくのか、「本質的にこの価値は何なのか」を取り出して見極めていく役割が非常に大きいなと思いますね。

もう1つは、コラボレーターとしての役割が非常に重要になると思っていて。とくに僕らが求められているクリエイティブの領域って、非常に多岐にわたるんです。それこそリサーチャーの役割とか、そこからコンセプトメイクして、ビジネスを作って、収益モデルを作るなど。

そういったものを1人でできるスーパーマンがいればいいんですけど、みんながみんなそうではなくて。だから専門性を持った人たちとコラボレーションしながら、より良いものを作っていくことがものすごく大切です。

広告は、1人のグッと絞り込んだアウトプットでドンッと突き抜ける場合もあるんですが、やっぱり事業開発ではそうもいかないんです。ただ、さまざまなジャンルの方々とコラボレートしながら、それを最終ジャッジ、判断する力を持っている状態は非常に重要だと思っています。

なので、コラボレートと最後に決断するという役割が、クリエイターには非常に求められるんじゃないかなと思いますね。

これからのクリエイターが目指すべきところ

神谷:なるほど。さっきの、クリエイターが持つ視点ずらしの話。事業開発の現場だと、視点ずらしのために延々とみんなで(アイデアを書いた付箋を)ペタペタ貼って、おじさんたちと会話をして「これでもない」「ああでもない」という状況があるじゃないですか。

でもクリエイターの持つ、「これってこれに変換して、視点をずらしたら良くない?」みたいな力は、たぶん筋肉だと思うんですよ。クリエイターは「明日までに100個アイデア考えてこい」という仕事をずっとやっていて、それは実はすごく筋肉に似ていて。

ペタペタを1時間やっているよりも、その人の培った筋肉でバンッと変換できる力。それはクリエイターが持つすごく優れた力なんじゃないのかなとは思っています。ありがとうございます。

クリエイティブキッズ……キッズと言える方がいらっしゃらない感じですけど(笑)、広告におけるカンヌの役割って「ヤングカンヌ」とかがあって、若手が受賞を目指して必死にがんばります。

そのために「ヤングカンヌ」というコンペに参加するのもあるし、あとは若いうちに実績を作ってエントリーして賞を取って、そこでステップアップしていくみたいなこともあると思います。

その中でクリエイティブキッズたちは、どこを目指していけばいいと思いますか?

清水:広告を作りたいクリエイティブキッズという定義でいいんですかね?

神谷:そこはちょっと広めに。これからのクリエイティブでいいと思います。

清水:最近よくミレニアルリサーチとかをやらせていただくんですけど、いわゆるUSのミレニアルだと、彼らにとってのアイドルは実はTwitterのファウンダーであるジャック・ドーシーだったりするんですよ。そういうデータや反応を見たときに、これってぜんぜん僕らのときと違う、なんか変化したなと思って。

僕らだったら、ヒーローになるのは「あのクリエイターが……」みたいなクリエイターがひとつのスーパースターだったじゃないですか。でも今はシリアルアントレプレナーがヒーローになっている。最近はD2Cが流行っていますけど、結局あれも最後は巨大資本にイグジットすることが1つのトレンドというか。

でもこの話はクリエイティブについてじゃないですよね。なんだろうな……何を目指すべきか。すみません、ちょっと考えさせてください。

神谷:はい、じゃああとで振ります。そのときに「テクノロジーは思想かどうか」という質問もするので、それもあわせて(笑)。

清水:それは個人的に言ってください(笑)。

自分の価値を正しく数値化して、もっとお金に貪欲になれ

小池:清水さんのプレゼンの言葉は非常にいいなぁと思っていて。僕も人を動かすことが大事だと思っているんですよ。それは手段としての広告でもいいですし、事業開発でもいいですし。人を動かすところをきちっと目指していくのは非常に大事だなと思っていて。

広告は表層的に表現の部分でドーンとやって「こんな世の中になりました」というよりは、“人を動かすことの定義を何にするか”なんですよね。物を買ってもらうとか、コストを払って何かをしてもらうとか、人を動かすことを常に目指し続ける。

ジャンルはたぶんどこでもいいと思うんですよ。自分の興味関心のある、やりたいところで活躍すればいいなと思っています。僕らとしては事業開発を一緒にやってもらいたい想いはありつつ。どんなところでも、人を動かすところを目指していけばいいんじゃないかなと思います。

神谷:ありがとうございます。では清水さん、テクノロジーは思想でしょうか?

清水:まあ思想のように……ちょっとこれも後で。個別にお答えします。

(会場笑)

何を目指すべきか。クリエイターって「あんぱん1個で3日暮らせ」みたいな、修行僧みたいなことや気合いと根性を求められるじゃないですか。もちろんそういった経験も重要なんですけど、もっと欲を持って取り組んでもいいのかなと思います。対価をもらうとか、そういうことをもっと主張していってもいいんじゃないのかなとは、すごく思っていますね。

日本はどうしてもクリエイティブに対してお金を払わない風潮がすごくあって。僕はそれが本当に嫌で、実はそういうこともあってコンサル側に行ったんです。クリエイターの価値をわかっている人間が経営により近いところに行くことでクリエイターの価値を上げられるんじゃないかと。

クリエイティブをサービスだと思っていたり、値切るクライアントもいっぱいいるじゃないですか。僕はそれがすごく嫌で。人を動かすという価値をちゃんと提供している人たちには、フィーをちゃんと払うべきだと強く思っていて。

そういった意味でも、クリエイティブキッズにはもっとお金に貪欲であってほしいというのはありますね。そして、自分の価値が一体どれくらいあるのかとか、そのへんをうまく数値化できていないクリエイターが日本ではすごく多いんです。

だから、「もっと儲けたい!」という人が増えてもいいんじゃないのかなとは思っています。ニューリッチになってくれというか、リッチを目指してくれ、と。

テクノロジーを手段としてやっている企業は大抵失敗する

神谷:なるほど、ありがとうございます。では、ゲストのみなさんから質問を募りたいと思います。ちなみにテクノロジーは思想かどうかという話なんですけど、個人的には「思想ではないが、思想を目指す」と思っています。

例えばマッチング技術みたいなものがあったときに、そこからシェアリングみたいな考え方、思想みたいなことが生み出されているんですよ。ブロックチェーンは技術だけれども、「それは分散的に信用を担保するようなことだ」としたときに、信用スコアのもとになるような思想・概念みたいなものは満たされているんじゃないかなと思っていて。

なので「テクノロジーは思想なのか」というとそうではないのだが、「テクノロジーが思想を生み出すものである」ということに対しては賛成です。

清水:それ、使わせてもらいます。

(会場笑)

ちょっとまだ僕は言語化がうまくできていなくて。でも1個想いはあるんですよね。テクノロジーを手段としてやっている企業は大抵失敗している。

神谷:そうですね。

清水:思想というか、それくらいは当たり前。要は、ちょっと言い方があれですけど、新しい企業が「デジタルトランスフォーメーションしたい」と言って手段だけ取り入れても、やっぱりうまくいっていないんですよね。

デジタルカンパニーの思想や体質のひとつとしてはスピード感ですよね。例えば「全員会議室に来るまで進められない」とかとは違う、テクノロジー特有の思想とかスピード感。それがベースにないとそもそもダメ。

でも、さっきの神谷さんの言葉は使わせてもらいます。

神谷:あれですよね、テクノロジーを機能的な側面から見るのか、意味的な側面から見るのかによって違ってきて。機能的な側面から見るから「どう使おうか」という課題解決の手段にしかなっていないということで。

もうちょっと意味的な側面から見ていくと、「実はブロックチェーン技術もこういうものに転用できるよね」「広い活用の仕方が考えられるよね」となる。だから思想として考えたほうが広がりが作れるよね、という話だと解釈しています。

清水:ありがとうございます。

新規事業成功のカギは「自分が作った」という当事者意識

神谷:では、ここでみなさんからご質問があれば。時間的に1つか2つくらいなんですけれども、どなたかいらっしゃいますか?

(会場挙手)

質問者:1つか2つの中で申し訳ないんですけれども、できれば2つ聞きたいことがあって。まず事業開発に関して2人ともお話しされていたんですけど、僕は今、事業会社に所属しています。

語弊を恐れずに言うと、事業開発は半分は情熱だと思うんですよ。例えばものすごく良い事業プランがあって、すごく画期的なものだったとしても、それを牽引していける人がいないと成り立たない。

あるいは、ある程度成長して軌道に乗った事業であれば、責任者が交代することが必要になる。その中で外部からフォローするという形でサポートをして、0から1を生み出す。こういった事業開発をして、それに対する企業側の受け入れはどういう感じなんでしょうか?

小池:おっしゃるとおりなんです。僕らが気をつけているのは、さっき“コラボレーション企業”という言い方をさせていただいたんですが、彼らも「自分で作った」と思えるようなプロセスが大事だと思っています。

なので僕らがアイデアを考えて提案して、「これいいですよね」というやり方はやらないです。「何か提案してください」「WHITEさん考えてよ」と言われた瞬間に、僕らは仕事をお断りすることが多いです。

求めているのは、企業の方々も僕らと一緒に考えるというプロセスを歩んでいただくことなんです。「僕らのプロセスってWHITEが考えたよね」ではなくて、「自分で考えたよね」という形にきちっと消化されるようなプロセスを作っているので、情熱を持った状態で上申します。

情熱がないとどうしようもないんですよ。それがなければ世の中に出ないと思っていますので、「自分がこれをやった」という状態を作れるかがキーになると思っています。だからこういったプロセスなんですね。

神谷:良い広告とかもやっぱりそうなんですよね。「俺があれをやった」という人たちがすごくたくさんいる。

清水:今小池さんがおっしゃったのとだいたい同じ答えですね。やっぱり強いパッションがないと実際にうまくいかないんです。あとはいかに自分たちがやったか。

要は事業会社側による、やったかどうかの仕立て上げ方というか。実は「あなたが中心人物ですよ」みたいに仕立てることもあります。

質問者:ありがとうございます。

神谷:すみません、お時間が迫ってきておりまして。質問をいただいている途中ですが、この後に個別にご質問をいただければと思います。一旦ここで締めさせていただきます。本日はありがとうございました。

(会場拍手)

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