2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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西村創一朗氏:ここまで、「複業が今後より大きな流れになっていくよ」という話と、「複業の目的は単なるお小遣い稼ぎではなく、自分の時間の投資・運用なんだと考えましょう」というお話をしました。ここからは、具体的にどんな複業があるのかを、短い時間ながら簡単にお話しできればと思います。
複業といっても、本業の職業が1,000人いたら1,000通りあるのと同じように、複業も100人いたら100通り、1億人いたら1億通り以上の種類があるかなと思います。そのなかでも、パターンとして大きく3つに分けられます。
「趣味型」が1つ目ですね。趣味型の複業をわかりやすくいうと、いわゆる「好きを仕事に」みたいなパターンです。YouTuberやブロガーが非常にわかりやすいかなと思います。自分がプライベートでやっている好きなことをとことん極めて、それを活かして仕事にしていくパターンですね。
2つ目が「プロ型」の複業。シンプルにいうとこれが一番稼ぎやすいです。わかりやすいものでは、エンジニアやマーケターやデザイナーなど、いろんな仕事があると思います。本業で培った経験、スキルを活用して、会社の外でサービスを提供するような仕事ですね。
会社員としてエンジニアをやりながら、プライベートな時間を使って自分でアプリを作るとか、本業では営業マンとして活躍しながら、プライベートではベンチャー企業の営業資料を作ったり。本業のスキルを活かすようなパターンが、プロ型の複業ですね。
3つ目のパターンがちょっとイレギュラーで、「起業型」というものです。Appleを創業したスティーブ・ジョブズのようなイメージです。いきなり会社を辞めて独立するのはなかなかリスクがあるので、まずは会社員を続けながら、自分のやりたい事業・サービスを作って、軌道に乗ってきたタイミングで会社を辞めてそちらに専念する、そのために複業で起業するというパターンですね。これは割合的には少ないですが、大きく分けてこの3つのパターンがあるかなと思います。
とくに、趣味型の複業が、みなさんにとって一番とっつきやすいパターンかなと思います。プロ型の副業が最も稼ぎやすいんですが、明日からお金をいただくような仕事ができる専門性を持っていますかというと……日本人は海外と違って総合職型で、なかなか専門性が身につきにくい雇用環境ではあるので、いきなりプロ型をやれといわれても、なかなか難しいんですよね。
そのため、わりと趣味型から始めるケースが多いです。趣味というのは、アニメが好き、キャラクターが好きなどいろんなものがあって、基本的にはみなさん、消費型だと思うんですよね。自分が好きなものを自分が楽しんでおしまいというかたちで、ギブ・アンド・テイクでいうとテイクですよね。それが通常の趣味だと思います。
好きというのも、好きな気持ちが高ぶっていくと極め始めるんですよね。例えば、ディズニーランドをただ楽しむだけじゃなくて、いかに待ち時間を短くして、すべてのアトラクションをまわるかや、パレードでどの位置をとればいいかなど、ハックし始めるんですよね。
そうすると、それがノウハウに変わってきます。「これをこうすれば、こうなるらしいよ」というかたちで、それが売れるノウハウになったり、誰かの役に立つスキルに変わっていくんです。
プライベートな時間を使って、こういうことをやるのが好きだという趣味がある方は、「自分が楽しむだけじゃなくて、それを極めて、ノウハウにして売れるものはないか」、あるいは「これをやっていくなかで、スキルに変わっていくものはないか、変えられる可能性のあるものはないか」ということで、消費型から貢献型に変えてみること、それが複業に化ける大きなヒントになります。
とある人は、本業では経理の仕事をやりながら、プライベートではYouTubeでExcelを教える「Excel YouTuber」として活躍しています。彼の場合は、趣味型とプロ型の間みたいな感じですかね。
経理の仕事で日々Excelをよく使って、自分でExcelを極めるなかで、YouTuberになりたいなと思っていたところ、「Excelを、本で見て(学ぼうと思って)もなかなかスキルって身につかない。だったら動画がいいんじゃないか」ということ(を思いついたところ)で、Excelの講義をYouTubeで配信し始めています。
あるいは、本業でキャリアカウンセラーの仕事をしながら、オンラインで占いをやりますというような方もいます。もともと占ってもらうのが好きだったというところから、占いのメカニズムにハマって、占いをする側にまわって、今は本業と同じくらい、占いで収入を得ている人がいたり。
あるいは、これはもう完全に趣味型に寄るんですが、本業では営業の仕事をしながら、プライベートでは魚さばきの講師として、魚のさばき方を教える講座を毎週末開いたりという人もいます。こういったかたちで、今、3パターンだけご紹介しましたように、いろんなパターンの複業があるということを知っていただければと思います。
趣味型の複業のポイントは、まずハマること。ハマると極めたくなるんですね。極めて、そのノウハウを自分流に(して)伝えられるようにして、それをシェアする。そうすると人の役に立って、結果、それがいきなりお金に変わらなくても、「これについては、この人に聞こう」となります。
「○○といえば○○」というブランドができてくると、それがお金に変わり始める。すると、役に立ったという価値貢献の実感があるので、またハマっていくというかたちで、あなたも何かの専門家になれると(いうことです)。
つまり、好きという気持ち、「オタク力」というのが確実にスキルに変わり、それが複業に変わっていくんだと。ぜひ、自分自身は何を極めたいのか(を考えてみてください)。今、ハマっている趣味があるのだとすれば、それを消費型の趣味から貢献型の趣味に変えられないか、ぜひ考えていただければなと思います。
このあとのピッチでも複業にまつわるいろんなサービスのお話があります。複業というのは、自分が何を極めたとしても、お客さんを見つけなければいけない。そうなったときに、複業をしたい人とお願いしたい人をマッチングするようなサービスがたくさんあります。
これは今日登壇されるシュウマツワーカーさんが去年まとめられたスライドです。数え切れないほどの複業関連サービスがあります。
これを全部見るというのは難しいと思うんですが、自分の興味・関心に合わせてサイトを見てみるといいかなと思います。そうすると、例えば僕の勤務先である「ランサーズ」では、まさに仕事の百貨店みたいなかたちで、例えば翻訳の仕事だったり、Webデザインの仕事など、いろんな仕事が掲載されていますので、「自分ができるかも」というものを探して見つけることができます。
あるいは、プロフィールを登録しておくと、「ぜひこの仕事をやっていただけませんか」みたいなスカウトがくることもあります。プロ型の複業をしたい人は、こういったクラウドソーシングのサイトに登録してみるという方法もあります。
趣味型の複業であれば、「ココナラ」というスキルシェアサービスがあります。自分が得意なことを販売できるマーケットプレイスになっているんですね。例えば、どんなものが出品されているかというと、議員秘書の方による「議員秘書がお勧めする外さない手土産」とか。議員秘書は、複業OKなのかと思いながら……。
また、「社内恋愛のお悩み聞きます」だとか、もうめちゃくちゃで、それを仕事にできるのかと思うようなものもたくさん出品されています。「これも商品になるんだ。じゃあ、自分だったらこれができるかもな」という参考にしていただけるといいのかなと思います。
あとは、学びのマーケット「ストアカ」というサービスがあります。これは、先生になりたい人と教わりたい人をマッチングするサービスになります。例えばさっき、ExcelのYouTuberの話をしましたが、Excel講座や写真の撮り方、それこそ魚のさばき方を教えるもの、日本酒の講座など、ありとあらゆるジャンルで、学びたいという人が1人でもいれば成立するのがストアカです。
ランサーズやココナラ、ストアカといったサイトを見てみて、自分が売れるもの何だろうなと考えてみていただけると、だいぶヒントが得られるんじゃないかなと思います。
これだったら人にノウハウとして教えられるというものがあったら、ココナラやストアカに出品する。それができれば、それに越したことはないんですが、いきなりは抵抗があるという人も少なくないと思います。
最初からお金をいただいてやるのが難しければ、まずは、簡単に情報発信できるサービスであるTwitterやブログ、noteやFacebookなど、どんなものでもいいので、自分が知っていることや思っていることを発信してみる。そうすると、それに必ず反応してくれる人がいるんです。
そこで、自分の知っていることややっていることが、誰かの役に立つんだということを実感し始めてから、実際に出品してみるということにチャレンジしてみてもいいのかなと思います。
発信が苦手という場合は、自分の友人や会社の同僚など、自分のリアルな繋がりで、会ったときに話をしたりといったかたちで、「空中戦や地上戦」をあわせて、どんなに小さくてもいいので、まずはやってみていただければなと思います。
あっという間に時間が迫ってきたので、最後にみなさんにお伝えします。これだけ複業がブームになっていますが、「複業がブームだけど、やりたいことはないんだよな」と悩むのは、不毛なんです。
本業以外に自分がやりたいことがあったときに(複業を)やればいいし、あるいは、本業で行き詰まりを感じたときに、会社をいきなり辞めるんじゃなくて、複業というかたちで、会社の外でいろいろ試してみる、そのための選択肢の1つとして捉えていただければなと思います。
誰に言われるでもなく、自分自身がやりたいことをやる。自分の人生を取り戻す。複業を、そんなきっかけにしていただければなと思います。僕の話は以上です。ありがとうございます。
司会者:西村様、どうもありがとうございます。質問ですが、みなさんがこういうことが気になっていらっしゃるんじゃないかなということで、私から2点ほど質問させていただきます。
まず、1点目です。実践してみた複業について、それが自分に合うか合わないかは、いつ、どのようなポイントで判断したらよいでしょうか?
西村:ありがとうございます。すごくシンプルかなと思っていて、自分視点と他人視点という話があるかなと思います。自分視点というのは、シンプルに、この複業をやってみて、楽しかったなら自分には合っていると思うんですよね。変な義務感がなく続けられる。でも、自分が楽しくなかったら、続けられないと思うんです。なので、自分が楽しいと思えるか、そうでないかという自分視点が1つありますね。
他者視点というのは何かというと、自分は楽しいかと言われれば、別に楽しいわけではないんだけれども、他の人がすごく褒めてくれる、評価してくれる……自分自身は得意だと思っていないけれども、他人が評価してくれることもあると思うんですよね。
なので、この2つの観点のどちらか片方でも……自分が楽しいと思えるか、あるいは、自分が楽しいと思えなくても他人が評価してくれるか、このいずれかが揃っていれば、自分に合っていると言えるんじゃないかと思います。
司会者:ありがとうございます。よくわかりました。もう1点です。自分がどれくらい複業に時間をかけたらよいのかというところは、どう見積もっていったらいいですかね?
西村:複業というのは、本業の時間ありきです。1日に24時間しかないなかで、そこから睡眠時間を引いて、本業の働く時間を引いて、残ったプラべートの時間……これを可処分所得ならぬ可処分時間なんて言ったりします。その自由に使える可処分時間がどれくらいあるかによると思います。
例えば、人によっては、けっこう本業が忙しくて、毎日21時や22時、場合によっては終電まで働いているという人は、なかなか平日に複業するのは難しい。だから、週末にやっていますという方もいる。また、仕事がけっこう夜型なので、夜に複業するのではなく、朝5時に起きて、出勤までの時間を複業にあてている方もいる。その人のライフスタイル、ワークスタイルに合わせて、この時間に複業をやるぞと自分で時間を作りにいくようなイメージかなと思いますね。
司会者:わかりました。ありがとうございます。ではみなさま、西村様に大きな拍手をお願いいたします。
(会場拍手)
西村:ぜひ『複業の教科書』を手に取ってみてください。ありがとうございます。
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