
2025.02.12
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プロダクトマネジメントで大切なことはCSが教えてくれた(全1記事)
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舘山真幸氏:よろしくお願いします。「プロダクトマネジメントで大切なことはCSが教えてくれた」というテーマでお話しさせていただきます。簡単な自己紹介ですが、転職サービスのビズリーチで、求職者側のプロダクトマネージャーを担当している舘山といいます。
大学卒業後は某ECベンチャーに入りまして、マーケティングと物流センターを担当したあと、3年前にビズリーチに入社しました。最初はメールマーケティング、その後にCS、カスタマーサービスという、この後でお話しする部署に異動しました。その後またプロダクトに戻ってきて、2年間ぐらいプロダクトマネージャーをやっています。
ビズリーチと言うと、だいたいCMの話になります。会う人会う人に「あのCMでしょ?」みたいな反応をしていただけるので、毎回楽しい感じでお話に入れます。
よく「人材紹介会社さんなんでしょ」って言われるんですが、そうではなくて社会課題の解決を目指している会社なんです。社会課題をテーマにした事業を出しているテックカンパニーでございます。私は即戦力人材と企業を繋ぐ転職サイト、ビズリーチを担当しています。
今日のテーマなんですが、私がカスタマーサービスに在籍していた時の経験から学んだ、「プロダクトマネージャーにとって大切だと思う4つのこと」をご紹介できたらなと思っています。これは個人の意見であって、別に社を代表したものではないですよっていうところだけご了承いただければなと思います。
(スライドを指しながら)これまで仕事としてビズリーチでやってきたことをずらっと並べてみました。真ん中にあるカスタマーサービス時代、6ヶ月間の経験についてちょっとお話をしたいと思います。
まず1つ目が「視座を高くする」という話です。ある日、CSでお仕事をしていたら、お客さまから「職務経歴書をPDFで出力したのに、全部反映されてないんですけど。どうにかしてくれませんか?」みたいなお電話を受けました。「あっ、困っている。なんとかしないと」って思うわけですよね。
それで開発チームとミーティングを設けたんですけど、「お客さまがすごく困っているんです」っていくら熱弁しても、「ふむ……優先度は、低いかな」みたいに塩対応されるわけです。僕は「なんでですか!」って、なんかちょっと熱くなってしまいまして。そこで先輩エンジニアから「開発テーマに合うんだったら優先度があがるんだけどね」と言われて、ハッとするわけです。
みなさんご存知だと思うんですけど、プロダクト開発のプロセスってだいたい市場調査から始まって、開発されて、投入されて、評価されるという流れですよね。
製品は事業計画やコンセプトに基づいて作られるので、何か問題がぽっと出て「お客さまが困っているので、なんとかしてください」って言われても「もう計画は決まっているし」みたいな話になっちゃうわけですね。
これはプロダクトマネージャーにはおなじみの図でございますが、この3つの視点に立って「課題を解決しているか」「技術的に実現可能か」「ビジネスとしてインパクトがあるか、継続可能か」っていう観点を持たなきゃいけないというお話ですが、CS時代の私にはもう「ユーザーの課題」しかみえていなかったわけです。
そう言いつつも、この課題もお客様に言われてからやっと「何とかしなきゃ」と思っているくらいなので、「本当にこれがユーザーの課題だったのか?」っていうところもありました。正直、何も見えていなかったということになります。
ものを作るには予算も人もいりますし、社内と社外のトレンドもあります。何より戦略や計画に沿って作られています。さらに、この(スライドにある)3つの丸の真ん中のものを満たすものを作らなきゃいけない。
自分がプロダクトマネージャーをやるにあたって、これらをふまえて最善手を打つということが大事なのかなと思っています。
その2は「なぜを考える」ということです。ある日カスタマーサービスの先輩から「こんなサービスをやっていて、お客さまに喜ばれているから、もっとたくさんの人に使ってもらえないかな」という相談を受けました。それは何かっていうと「レジュメの登録代行サービス」です。「データがあるならビズリーチ側がお客さまのレジュメを入力代行しますよ」というサービスですね。
それで先輩に見せてもらったんですけども、このサービスはお客さまの満足度が当時約95パーセントだったんですね。「これはすごい! もっとグロースすれば良いことが起きるんじゃないか?」と思いがちなんですけども、「ちょっと待った!」となるわけですね。
これが教訓その3になるんですけども、「いきなりHowに飛びつかない」というお話があります。プロダクトマネージャーは競合分析をけっこうされていたり、最近リリースされたプロダクトをさわったりとかすると思うんですけれども、私はいきなりHowに飛びつくのってやめた方がいいなと思っています。
Howそのものではなくて、その裏側。そのプロダクトがリリースされたそもそもの課題だったりとか、裏側のシステム、どういう因果関係になっているのかということに注目しないと、そのHowが何の課題にヒットしているのかわからないんです。それを活かした企画も自分で反映できませんし、なによりステークホルダーに説明できないというところがあります。
なので、すぐに飛びつくのではなくて、ちゃんと調べました。詳しくは言えないんですけども、「このサービスを使った人の場合、転職成功率がウン倍アップしますよ」ってことがわかりました。「なぜだろう?」と調べてみると、お客さまが持っているレジュメをビズリーチのサイトに登録することがすごく大変そうだったんですね。
この入力を代行してあげることで、お客さまは手間をかけずにレジュメが入力でき、内容も厚くすることができました。厚くなったレジュメにはマッチするスカウトが届きやすくなるので、お客さまは転職しやすくなるということだったんですね。ただ、この機能の存在に気付いているお客さま自体が少ないというのが問題でした。
利用者が増えればお客さまも喜ぶし、会社の売上もあがるし、すでにある機能なので新しく作る必要もなく、工数がかからないのでエンジニアもハッピー。これによってすべて両立できそうだなっていう施策でございました。
最後、4つ目です。私はこれが1番重要だと思うんですけども、「現場に飛び込む」っていうことを大事にしています。この時の現場っていうのはカスタマーサービスの業務なんですけれども。
特徴的なのは、お客さまと1日30〜40通ぐらいメールのやり取りをしていたことです。あとは、電話対応でお客さまと1時間以上話すこともしばしばありました。それくらい、現場に入り込んでいました。
大変ではあるんですけれども、入り込むことでなにがあるかというと、お客様から直接「ありがとう」って言ってもらえるのがすごくうれしいなあということと、日毎にサービスに対してご意見をいただけるので、「ちゃんと期待して使っていただけているんだな」と、お客さまの期待がわかります。
なにより「お客様の期待に応えたい」「もっとプロダクトを良くしたい」ってことでこういう熱意が生まれるわけです。それで先ほど出てきたように、「機能をグロースしたい」と思うわけで、「プロダクト側に提案してみます」となります。
出てきたデータもちゃんと共有して、露出拡大を提案したらOKが出たので実行しました。実際に登録件数が増え、成約数も増えました。さらにレジュメ拡充がプロダクトの開発更新に採用されて、私はプロダクト部門に異動になります。
トントン拍子にいったんですけど、なんでこれが起きたかっていうと、この施策を押してくれるたくさんの協力者や賛同者が生まれたからなんですね。これはどういうことかというと、ただ私がやる気になるだけじゃなくて、行動を起こして、「実際にこういうサービスがお客様に使われているんです」「選ばれているんです」って触れて回るわけです。それで、思いに共感してくれる人が協力してくれたり、賛同してくれたりして、後押しをしてくれたってことなんです。
これがさらに信頼やリスペクトに繋がって、私はさらにパワーアップしがんばると。ということで、現場に飛び込んで熱意を生み出すことで、こういう良い循環が生まれるんじゃないかなと個人的には思っています。
先ほども話したようにレジュメ自体を増やすというプロジェクトが開発更新に採用されたので、私はCSから異動になり、プロダクトマネージャーとして2年半ぐらいプロダクト開発に携わることになったということですね。以上となります。
まとめです。今日の登壇者のお話にもいくつかあって、出てきた観点かと思うんですけれども、本当にシンプルなことではありますが、紹介したこの4つのことっていうのは非常に大事だなと思っています。今、プロダクト開発をするにあたっても大事にしていることであります。
話自体は以上となるんですが、最後にちょっとだけ宣伝させてください。ビズリーチはReach Oneという自社ブログやっていまして、そこに「広報からも学ぶ?! プロダクトマネージャーを支える部活とは」という名前で、ビズリーチのプロダクトマネージャーの社内活動をちょっと取りあげさせていただきました。
ビズリーチの社内では「プロダクトマネージャー部」という取り組みをやっておりまして、勉強会とか社内のスペシャリストによる講義とか、プロダクトマネージャーの知識・スキルをアップさせるような取り組みも最近では始めています。
さらに、ビズリーチではこの4つの視点をもったプロダクトマネージャーを絶賛募集中でございます。もし「世の中を変えるような大きな社会課題に取り組みたい」というプロダクトマネージャーがいらっしゃいましたら、気軽にお声かけいただければなと思います。
以上になります。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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