2024.10.10
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第69回:英語落語家 喜餅(きもち)さんインタビュー(英語小噺あり<字幕付き>)(全1記事)
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喜餅:じゃあもう1つ、これはアカデミックなイディオムをうまく使った話です。「Hunter Joke」です。
「Two hunters walking around the forest. On a suddenly one of them fell down and lost is consist. The other hunter took out is cellphone and call is emergency service.」
(電話をかける音)「Hello this is a emergency service. How may I help you sir?」
「Oh my partner, fell down suddenly and lost is consist! Pleas help me!」
「Just calm down, just calm down. First, make sure his dead?」
「OK, I god it.」(銃声)。「I did. What's next?」
笑うところですよ?
(一同笑)
ロイ:これ、『ダーリンは外国人』の中で、「世界一面白いジョーク」という話らしいんですよ。
喜餅:あ、そうなんですか。世界一おもしろいジョークで、今お二方笑っていないですね!?
ロイ:あはは(笑)。
喜餅:ちょっと看板に偽りありじゃないんですか?(笑)。これは、英語を勉強されている方は、この「make sure」というのは何個か意味があって、なるほどと思うと思います。ちょっと勉強の色も入った、詩的な小話と位置づけているんですけど。今、こうして自分を自己正当化しているんですけど。
ロイ:あはは(笑)。
喜餅:まあこんな感じで、これを長くしたのが英語落語なんですね。
ロイ:たとえば、寿限無とか、そうした日本の有名なお話も英語でされたりするんですか?
喜餅:そうですね。古典落語、新作落語、すべて英語にできるものはなるべく英語にしています。なかなか英語にできないものもあったり、文化的なものもあったり、ダジャレを多用しすぎていて成り立たないとちょっと英語では難しいんですけど。そんな感じですね。
ロイ:それを日本や海外でやられているんですよね?
喜餅:そうですね。今の所フィリピンでやらせていただいた事があって、「フィリピンでも通じるのかな?」と最初は緊張していたんですけど、「ちりとてちん」という腐った豆腐の話をさせていただいて。フィリピンって日本よりもLGBTに対して寛容な国、というかそれが普通にどこにでもあるような状態なんですね。それでちりとてちんをやって。
落語というのはごらん頂いた方ならわかるように、右を向いたり左を向いたりしながらやるんですけど、ある一定の方向を向いた先に、LGBTの方が1人いらっしゃって、見た目は男性なんですけど、中は女性という方がいました。その方と、目があうんですよ。本当に今ロイさんと僕が目を合わせているみたいな感じで目があうんですよ。それで、視線を切るたびに、「キャー!」みたいな感じできらめいちゃって。
それで終わったあとに「あなたの落語素敵だったわ」みたいな感じで興奮されて、感想を述べられたという素敵な経験をしました。落語というのは日本だけのものじゃないんだと感じた1コマでした。
ロイ:英語力としては、英検1級をお持ちということで。
喜餅:はい、とらせていただきました。
ロイ:なにやら資格マニアとのことで。
喜餅:はい、マニアです(笑)。英語に限らず、今の所国家資格も含めて32個持っています。
ロイ:32……! プロフィールで見た落語の演目も30個くらいだったと思ったんですけど。
喜餅:ちょうど32なので、シンクロしていますね。
ロイ:そこの勝負なんですか?
喜餅:勝負ですね。ちょっと今はネタの数のほうが勢いがありますね。資格を取る時間がなくて。
ロイ:そんな英語でブレイクスルーされたきっかけとか、30歳を超えてから本格的に英語をやられたということなんですが、そのへんをお聞きしたいです。
喜餅:もともと本当に30歳から始めたきっかけは、なんのことはない、新しい挑戦がしたいなと思ってはじめました。それでたまたま思いついたのが英語で、仕事も大学の学部なんかも全然英語と関係ない世界にいたので。ただ、小学・中学生の頃から本が好きで、アガサ・クリスティとかを読んでいたんです。当時は翻訳されたものなんですけど。
それで、30歳になった時に、原作が読めるようになりたいな、というのが簡単なきっかけですね。ブレイクスルーというと、あんまり振り返ってもないんですけど、でも思ったのは、ネイティブの人達の近くで英語を話しているのを聞いたりとか、そういったことで「発音の音が出てる場所が違うな」とか、それを感じて真似るようになってからは、「喜餅さん、声が変わったね」って日本語で話しているときからそう言われたりしたので、そういったものがブレイクスルーなのかなと振り返って思います。
ロイ:日本語と英語で音を出すところが違う?
喜餅:違いますね。なんて言うんでしょう。胸のあたりでスピーカーの紙がどんどん動くじゃないですか。あんな感じで胸から響いているように聞こえたんですよ、ネイティブと喋っている時に。日本人が日本語を話すときは、もうちょっと顔の方から出ているというか。だから全然出処が違うんだと思って。それで、もっと根本的に音の出し方を変えなきゃ、って声の出方を強制的に変えましたね。
ロイ:へえ〜。
喜餅:日本語も、当時の10年前とは声の出方が違いますね。
ロイ:本当に、腹式呼吸で。
喜餅:そうですね。すごく怪しい言い方なんですけど、中尾彬さんの声で怪しい外国人を真似るっていう。
ロイ:(笑)。
喜餅:人に「どうやって英語を発音するの?」って聞かれたときは、よくこうやって言っていますね。
ロイ:怪しい外国人なんですね。
喜餅:怪しい外国人。「アナタハ神ヲ信ジマスカ?」みたいなの、あるじゃないですか。夜の町とかで。あれってすごく子音が強いですよね。それを強くすることと、中尾彬さんみたいな太い声で言うと少しずつ英語の声になっていくっていう。日本語はどうしても母音が強いので。
っていうことを当時勝手にやっていました。これは音声学の権威が言っているのではなくて、怪しい英語落語家が言っているだけなので眉唾なんですけど(笑)。自分はそんな感じで開発してやっていました。
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